MSIがクラウドゲーミングPC、Trident S 5M-022JPを発売します。ウインタブではMSIのノートPCをよく実機レビューしていますが、今回ご紹介するTrident S 5M-022JPはノートPCではなく、コンパクトサイズのデスクトップPCです。ただ、クラウドゲーミングを快適に楽しむための工夫が凝らされている、ちょっと面白い製品です
目次
1.Trident S 5M-022JP スペック
スペック表
Trident S 5M-022JP | |
OS | Windows 11 Home |
CPU | AMD Ryzen 7 5700G |
外部GPU | なし |
RAM(メモリ) | 16GB(最大64GB) |
ストレージ | 512GB M.2 NVMe SSD M.2 NVMe 専用空きスロット ×1 |
光学ドライブ | なし |
ディスプレイ | なし |
ネットワーク | 802.11a/b/g/n/ac/ax、Bluetooth 5.2 |
入出力 | USB 3.2 Gen 2 Type-C、USB 3.2 Gen2 × 2、USB2.0、HDMI 、Display Port、D-sub、マイクジャック、オーディオジャック、LAN(RJ45) |
カメラ | なし |
バッテリー | なし |
サイズ | 185.4 × 93 × 334.7 mm |
重量 | 2.47 kg |
バリエーションモデル
7月23日現在、上記スペック表の単一バリエーションです。
コメント
OSはWindows 11 Homeと「普通」ですが、独自のUI(実際にはアプリ)を搭載しています。
これがそうです。「Game Stadium」というもので、家庭用ゲーム機と同じ操作感を実現しています。実際、Trident S 5M-022JPはマウスやキーボードが付属せず…、
かわりに有線/USB無線接続に対応するゲームコントローラーが付属します。スクロールやマウスカーソルの出し入れなどがボタンショートカット操作で可能で、PCとしての基本的な操作ができるようになっています。…まあ、個人的にはキーボードは持っておくほうがいいと思いますけどね…。
こちらがGame Stadiumの操作説明動画です。
それと、MSIのゲーミングPCには「MSI APP PLAYER」という、BlueStacksベースのツールが入っており、この製品でもAndroidアプリの利用が可能です。
CPUはデスクトップPC用(デスクトップPCなので当たり前ですが…)Ryzen 7 5700Gです。Zen3アーキテクチャのCPUで、Passmarkが公表しているベンチマークスコアはこんな感じです。
ここはウインタブなので、最新のノートPC用高性能CPUと比較しています。クラウド、ではなく、普通のオンラインゲームも余裕でプレイできそうな性能ではありますね。ただし、この製品は外部GPUを搭載していません。
RAMは16GBで最大64GBまで増設可能、SSDは512GBで、M.2 SSD用の空きスロットがありますので増設もできます。ただし、ここはちょっと面白いと思ったのですが、デスクトップPCであるにも関わらず「本体裏面、または背面に貼付けられている白または黒の保証封印シール「Factory Sealed」を解除・破損した場合、保証期間内であっても保証対象外製品扱いで有償修理となります」という記載がメーカーサイトにありました。これってMSIのノートPCと同じ内容なので、要は「勝手に増設すると保証が切れる」ということを意味します。なので、保証を切らずに増設をしたい場合はMSI公認サポート店に依頼する必要があります。
この製品は「クラウドゲームを楽しむ」というのがセールスポイントですが、「その割にはずいぶんスペックが高い」と思いました。私、かなり低スペックなChromebookでGeForce NOWを試したことがありますが、クラウドゲーミングの場合、PC側のスペックは「はっきり言ってどうでもいい」んですよね。ぶっちゃけCPUがCeleronでもRAMが4GBでもあんまり関係ありません。
Trident S 5M-022JPは、普通にデスクトップPCとして高性能な製品と言え、その上でクラウドゲーミングが快適に楽しめるような要素を加えた、と理解するのがいいと思います。
クラウドゲーミングで重要になるのは「回線品質」です。Trident S 5M-022JPはもちろん有線LANと無線(Wi-Fi6)に対応し、さらに設定アプリ「MSI Center」にあるLan Managerを使ってアプリごとに通信の優先順位を指定できるようになっています。
サイズはデスクトップPCとしてはかなりコンパクトです。さすがにミニPCよりはずっと大きいものの、厚みを別とすればノートPCと大して変わらないサイズ感です。
2.Trident S 5M-022JP 筐体
ちょっと見た感じだとシルバーの部分が目立ち、すごくスリムに見えますが、実際は「薄い箱を2つ重ねた」ようなデザインです。黒い部分が目立たないので実際よりも薄型に見えるんですね。
前面には「USB 3.2 Gen2 Type-C、USB 3.2 Gen2 Type-A、マイクジャック、オーディオコンボジャック」があり、背面に「USB 3.2 Gen2 Type-A、USB 2.0 Type-A、LAN、DisplayPort、HDMI、D-sub」があります。USBポートは合計で4つと、デスクトップPCとしてはかなり少ないように思われます。また、映像ポートは3つで、この製品のUSB Type-Cポートは映像出力には対応しませんので、最大3画面出力となります。
縦置き用のスタンドも同梱されますが、もちろん横置きでも使えます。また、この製品の前面にはLEDライト(Mystlic Lightといいます)も搭載されていて、色や発光パターンを変更することもできます。
3.Trident S 5M-022JP 価格など
MSI Trident S 5M-022JPは7月28日の発売で、AmazonやMSIストアではすでに予約販売がスタートしています。7月23日現在のAmazonでの価格は税込み116,400円です。
私の経験上、GeForce NOWなどのクラウドゲーミングをプレイするだけならエントリークラスのPCでも十分ではあります。しかし、Trident S 5M-022JPではPCを家庭用ゲーム機の感覚で使えるGame Stadiumやコントローラー付属といった独自装備があり、さらにはAndroidのアプリも使えるMSI APP PLAYERも使えます(APP PLAYERはこの製品だけでなく、ほとんどのMSIのゲーミングノートでも使えます)。
また、Trident S 5M-022JPはWindowsのデスクトップPCとして「普通に高性能」でもありますので、「クラウドゲーミングも快適に楽しめる配慮が充実していて、もちろんお仕事でもしっかり使える、コンパクトサイズのWindowsデスクトップPC」と言えます。でも「コントローラーでGame Studium」というのはぜひ試してみたいですね!
4.関連リンク
Trident S 5M-022JP:MSI公式サイト 製品紹介
Trident S 5M-022JP:MSIストア
TRIDENT S 5M-022JP:Amazon