MSIが15.6インチサイズの薄型・軽量なゲーミングノート「Stealth 15M」を発表しました。この製品は「ゲーミングノート」なのですが、白い筐体色が採用されていますので、ビジネスノート、クリエイターノートとしても使えますし、1.69 kgと軽量なので、「出張先、旅行先でゲーム」という、「ある意味で宿願」も果たせそうです。
1.スペック
Stealth 15M | |
OS | Windows 10 Home |
CPU | Intel Core i7-1185G7 |
外部GPU | NVIDIA GeForce RTX2060 Max-Q(6GB) |
RAM | 16GB(最大64GB) |
ストレージ | 512GB NVMe SSD |
光学ドライブ | なし |
ディスプレイ | 15.6インチ(1,920 x 1,080)144Hz |
ネットワーク | 802.11 a/b/g/n/ac/ax、Bluetooth 5.1 |
入出力 | USB Type-C(Thunderbolt 4)、USB3.2 Gen1 × 2、HDMI、オーディオジャック、microSDカードリーダー |
カメラ | Webカメラ(92万画素) |
バッテリー | 52 Whr / 4,600 mAh(最大9時間) |
サイズ | 358 × 248 × 15.95 mm |
重量 | 1.69 kg |
OSはWindows 10 Home、CPUは第11世代(Tiger Lake)のCore i7-1185G7です。諸事情でまだレビュー記事を公開していませんが、つい先日ウインタブでもTiger Lake搭載機をテスト(レビュー)しています。その製品にはCore i7-1165G7が搭載されていて、現状モバイルノートやスタンダードノートに搭載されているTiger LakeのCore i7はほとんどがこの型番です。しかし、Stealth 15Mに搭載されているのは「1185G7」なので、ちょっと型番が違っています。
この表は11月19日午後7時現在のPassmark公表ベンチマークスコアです。Tiger LakeのCPUはまだサンプル数が少なく、信頼度はイマイチ、という感じではありますが、非常に高いスコアになっているのがわかると思います。この表の一番右にある「Core i7-10750H」というのは、第10世代の高性能版CPUで、2020年のゲーミングノートに最もよく使われている型番です。
一方、Core i7-1185G7というのは「ゲーミングノート用」と明示されているわけではありませんが、このスコアを見ればStealth 15Mに搭載されている理由も理解できます。Core i7-10750Hよりも少しスコアは落ちますが、実際にゲームプレイをしていて性能差を体感する場面は非常に少ないでしょう。
内蔵GPUに「Iris Xe」を搭載するTiger Lakeですが、ウインタブの経験上、いまのところ「Iris Xeでオンラインゲームをするのはちょっと厳しい(ライトなものなら大丈夫だと思います)」と考えています。Stealth 15Mには外部GPUのGeForce RTX2060 Max-Qが搭載されていますので、すべてのオンラインゲームが最高画質で楽しめる、とまでは言いませんが、ほとんどのオンラインゲームは十分プレイできると思います。
RAMは標準で16GB、MSI指定販売店でのみ増設が可能、最大で64GBまで搭載可能です。ストレージは512GB M.2 NVMe SSDですが、増設(空きスロット)・換装についての情報はまだありません。
ディスプレイは15.6インチのFHD解像度で、リフレッシュレートは144 Hzです。大会レベルの人は別として、普通のゲーマーであればどのジャンルのゲームでも快適にプレイできそうです。
入出力ポートはゲーミングノートとしてはちょっと不足気味かな、と思います。USB Type-CはTunderbolt 4と高規格ですし、その他にUSB Type-Aポートが2つ、HDMIポートも装備しますが、有線LANポートがないという点と、音声ポートが入出力兼用になっている、という点がMSIっぽくないと言えます。特に有線LANポートなし、というのはゲーミングノートとしては少々不満です。
バッテリー稼働時間は「最大9時間」となっていますが、ウインタブの経験上、「メーカー公称値は話半分」だと思っていますし、そもそもバッテリー稼働の状態だとオンラインゲームに必要なパフォーマンスが得られないので、まあ「ビジネス用に使う場合で9時間の半分の4.5時間くらい」と考えておけばいいでしょうね。
サイズはゲーミングノートとしては素晴らしいコンパクトさです。MSIによれば15.95mmという厚さは「15.6インチゲーミングノートとして世界最薄」とのことです。また重量の1.69 kgは「世界最軽量」とは言っていませんが、他社製品との比較でも「最軽量クラス」とは言えるでしょう。
2.筐体
正面から見たところです。全然ゲーミングノートっぽくはありません。仕事場で使っても全く違和感がないレベル。
天板です。筐体色は「ピュアホワイト」で、この色がゲーミングノートっぽくない要因と言えますね。筐体素材はアルミ合金で、ロゴマークは「新しいタイプ」ではなく、ドラゴンロゴが使われています。ゲーミングノートなんで、ドラゴンにいてもらったほうがうれしいですよね?
キーボードです。15.6インチサイズながらテンキーは装備されません。日本仕様は「シングルカラーバックライト内蔵テンキーレス日本語キーボード」となります。ゲーミングノートによく見られる「RGBバックライト(カラフルなバックライト)」ではありません。
それと、キーボード上部のデザインが独特です。この製品は「ステレオ2スピーカー」を搭載していますが、スピーカーグリルにしてはずいぶんと大きいし、場所もとってますよね。
メーカーサイトにこんな画像がありました。どうやらキーボード上部のグリルは通気口のようですね。
Stealth 15Mは薄型・軽量な筐体になっていて、この点は大歓迎なのですが、薄型筐体の場合はどうしても発熱対策が気になります。しかし、Stealth 15MにはMSIお得意の「Cooler Boost 5」が採用されていますので、発熱による性能低下についてもあまり心配しなくて良さそうです。実際MSIもこの製品を「ゲーミングノート」と呼んでいて、そうである以上発熱対策は万全と理解できます。
側面と入出力ポートの配置です。パッと見たところ、「やたらUSBポートが多い」と思いましたが、「そのほとんどは通気口」です。この画像を見てもやはり発熱にはかなり気を遣っているのがわかりますね。
3.価格など
MSI Stealth 15Mは11月26日の発売予定で、MSIストアでは予約注文が開始されています。11月19日現在の価格は177,091円(税込み194,800円)です。システム構成だけを見れば「中位クラスのゲーミングノート」ということになり、この製品と似たスペックでより安価なゲーミングノートはあります。つまり、最安値クラスの製品ではありません。
Stealth 15Mは薄型・軽量で、ゲーミングノートらしからぬ「白い」筐体が魅力の製品です。そこに付加価値を見いだせる人には決して割高なPCではないでしょう。「ガチでスペックを追求するのだ」という人よりも、ゲーミング環境を持ち歩きたいとか、ビジネス用あるいはクリエイティブワーク用に超高性能かつコンパクトなノートPCが欲しい、という人に向く製品だと思います。
4.関連リンク
Stealth 15M:MSI公式サイト 製品紹介
Stealth-15M-A11SEK-021JP:MSIストア