こんにちは、ウインタブ(@WTab8)です。マウスコンピューターの8インチWindowsタブレット「WN801V2-Pro-BK(以下、本機といいます)」をお借りしましたので、実機レビューをします。本機のセールスポイントは「OSがWindows 8.1 Proであること」なのですが、Pro版じゃないほうの「WN801V2-BK」と比較すると、Microsoft Officeのバンドル有無以外に外観差やスペック差はありませんので、WN801V2-BKの購入を検討している人にも役に立つように書いていきたいと思います。
なお、このレビュー記事は私の主観であり、すべての人と同意見になるとは言えません。また、価格、スペック等は2015年4月現在のものを記載していますが、マウスコンピューターはBTOパソコンメーカーであることもあり、今後変更となる可能性があることをあらかじめご了承ください。
1.WN801V2-Pro-BKの機種概要
本機は8インチWindowsタブレットとしては異色ともいえる Windows8.1 ProをOSとして採用した機種ですが、ベースとなっているWN801V2-BKは8インチタブレットの中で低価格にして標準的なスペックを持つ、最もコストパフォーマンスの高い機種のひとつです。
では本機のスペックについて簡単におさらいしましょう。CPU、RAM、ストレージ容量(Atom Z3735F、2GB、32GB)の組み合わせは最近の8インチタブレットの王道といいますか、最多数派の内容です。性能面での差別化はいい意味でも悪い意味でも「ない」と考えていいです。
また、入出力などのポート類はちょっと個性があり、低価格帯のタブレットでありながらmicroHDMIポートを装備していることと、独立した電源アダプターがついています。ほとんどのWindowsタブレットはmicroUSBポートを使用して充電しますが、この場合、充電中はUSB機器が接続できないという問題点があります。本機の場合、充電しながらでもUSB機器が使えるというメリットがある一方、携帯する際に必要に応じてUSBケーブルとACケーブルの両方を持ち歩かなくてはならない、というデメリットもあります。個人的には独立した電源アダプターを装備してくれているほうがありがたいと思います。私、充電しながらUSBを使いたい、というニーズが高いほうなので。
2.WN801V2-Pro-BKの筐体について
最初に本機を使ってみた感想を。「うわ、これ小さい」でした。私が持っている8インチタブレットはLenovo ThinkPad 8とASUS VivoTab Note 8なのですが、ThinkPad 8はディスプレイが8.3インチということもあり、8インチとしては大ぶりですし、VivoTabのほうも発売が2014年初頭ということもあってやはり大ぶりです。なので、本機を手に取ってみて、違和感を覚えるくらいに小さい、と感じました。
これが本機とVivoTabを並べてみた画像です。今回のレビューではタブレットの液晶保護フィルム(新品時についているが、普通は使うときにはがす)をつけたままにしているので、液晶面に気泡が入っていたりして少し汚く見えますが、実際にはそんなことはありませんので念のため。
さて、サイズ感ですが一目瞭然ですよね。本機のほうが全体的に小さいですし、特に上下のベゼル部分が小さくなっています。なお、重量のほうはVivoTabが約380g、本機が約370gとほとんど差がありませんが、サイズが小さいことにより、体感的には本機のほうがかなり軽く感じられました。あくまで「体感」なんですけどね。
これは筐体上部の画像です。スイッチやポートが集中的に配置されていて、8インチタブレットとしてはかなり個性的に見えます。
こちらはディスプレイに向かって右側のサイド部分。Windowsボタンと音量ボタンです。音量ボタンは縦持ちした際、上が-、下が+となり、ちょっと戸惑ってしまいました。慣れれば問題ないでしょう。
こちらが背面の画像。光沢感がかなり強いタイプで、これも珍しい感じに見えます。指紋など手の汚れはつきやすいです。こまめにきれいにしたくなる感じ。スピーカーはステレオですが、配置が少し中心からズレています。ステレオ感は今一つです。
3.WN801V2-Pro-BKの性能について
今回は特にテストのようなことはしていません。おそらくしても無意味だと思います。CPU、RAMの構成からみて、一般的なWindowsタブレットと性能差があると思えないからです。一応、ドラクエベンチだけはやってみました。
参考:
Core i5のノートPC(2年落ち): 5,299
DELL Venue 11 Pro 7000: 3,408
HP Stream 14-z000(AMD A4 Micro-6400T APU): 2,106
HP Pavilion x2 10-j000(Z3745D): 1,199
Aspire Switch(Z3735F): 1,101
10P1100T-AT-FSM(Z3775D): 1,097
ThinkPad 8(Z3795): 1,086
Stream 11(Celeron N2840):1,018
VivoTab Note 8(Z3740): 993
Venue 8 Pro 3000(Z3735G, RAM1GB): 951
マウス m-Stick MS-NH1(スティックPC,Z3735F): 944
本機のスコアは1030となりましたが、これまでに実機レビューをしてきた機種と比較して相応のスコアといいますか、特にサプライズはありません。ベンチマーク結果で数10くらいの差ならば、ほとんど体感差がないと考えていいです。実機レビューとしては面白くない結果ですけど、それが本機の評価を悪くするということでもないでしょう。
体感的な操作感についても、私がこれまでに試用したり、自分で所有しているタブレットと比較してどうこう、ということもありませんでした。標準的な8インチタブレットである、というほかないですねw
はい、このスクリーンショット、ThinkPad 8のものです。ThinkPad 8から本機にリモートでアクセスしているところですね。本機はWindows 8.1 ProをOSにしているので、リモートデスクトップのホスト(操作される側)になることができます。今回はThinkPad 8をクライアント(操作する側)に、本機をホストにして接続してみました。個人としての利用で「タブレット同士をリモート接続する」ということのメリットについてはあまり思いつきませんけど、たとえばノートPCやデスクトップPC側から本機に接続して、キーボードが必要な設定作業を大きな画面で行う、とかの場合は便利だと思います。
4.感想
本機を使ってみて、素直に「いいなあ」と思ったのは、やはりそのサイズ感です。ThinkPad 8やVivoTabとのサイズ差はわずかですが、実際の使用感にその差ははっきりと感じられました。やっぱ8インチは取り回しがラクなほうがいいですよ。一方、性能差ということでは特に本機が速いとかすごい、ということはありません。逆に劣るところもありません。8インチタブレットとしては標準的なもの、といっていいです。また、本機の特徴であるWindows 8.1 Proですが、一応リモートデスクトップのみは試してみたものの、ネットワーク管理者としてではなく個人として使うのであれば、あまりメリットは大きくないと言えます。個人利用の場合でもHyper-V(PCの中で別OSの仮想PCを使えるような技術)あたりを使えると楽しいんですが、本機は32ビットでCPUもAtomなので、残念ながらHyper-Vは使えません。
本機、つまりMN801V2-ProとPro版OSではないMN801V2ですが、価格の方は下記の通りとなっています。
MN801V2-Pro-BK: 税込み・送料込み 28,944円
MN801V2-BK: 税込み・送料込み 27,864円
Pro版OSのほうはOfficeが付属せず、マウスコンピューターの直販サイトのみの取り扱い、通常OS版はOffice Home&Businessが付属し、マウスコンピューター楽天市場のみの取り扱いとなります。両者はほぼ同じような価格でともに諸費用と税金込みで3万円を切っていますから、いうなれば「OfficeとPro版OS、どっちを選びます?」って聞かれてるようなもんですよね。
Pro版と通常版、どちらを選ぶにせよ、きわめて価格競争力の強い製品であることは間違いがありません。コスト意識の強い人でも間違いなく納得のいく価格だと思います。また、いつも書いていますが、マウスコンピューター製品は購入から1年間は無償で「24時間365日電話サポート」サービスを受けられます。ウインタブは少しばかりマウスコンピューターびいきの傾向があるのですが、本機(通常版もPro版も)は激戦の8インチタブレット市場で、どんな人にも最有力候補になる機種、と言えると思いますよ。