Lenovoが13.3インチの「クラムシェルノート」Yoga S730の日本販売をスタートさせました。はじめに書いておきます。LenovoのノートPCで製品名に「Yoga」とつくものはすべてコンバーチブル2 in 1筐体でした。しかし、このS730はコンバーチブル2 in 1ではなくクラムシェルノート(要するに普通のノートパソコンです)です。私が勝手に思っていることではありますが、この製品は「ideapad 720Sの後継モデル」と考えるのがわかりやすいでしょう。
S730については10月に紹介記事を掲載しており、いま読み返してみると製品内容がほぼすべて説明されているので、この記事の内容と重複してしまうところが多いですが、実売価格も判明しましたし、おそらく人気モデルとなるでしょうから、改めて説明したいと思います。
1.スペック
S730はハイスペックなモバイルノートです。CPUはWhiskey LakeのCore i5-8265U/Core i7-8565Uを搭載します。Whiskey LakeのCPUはPassmarkでもベンチマークスコアが公表されていますので、Kaby Lake RのCPUと比較してみましょう。
Core i7-8565U:9,112
Core i7-8550U:8,336
Core i5-8265U:7,960
Core i5-8250U:7,668
※2018年11月28日現在のPassmark公表値。数値が大きいほうが高性能
このように、めちゃめちゃ大きな差とは言えないかもしれませんが、確実にスコアアップしています。しかし、Core i7-8565Uの「9,112」というのは地味にすごいですね。第7世代のハイスペックCPU(ゲーミングノートなどに使われていました)Core i7-7700HQのスコアが「8,838」ですから、それを上回っています。GeForceをプラスしたら、ゲーミングPCとして使えるレベルです。
RAMは8GBで固定、ストレージはCore i5モデルが256GB SSD、Core i7モデルが512GB SSDでやはり固定です。ThinkPadシリーズのように注文時に構成をカスタマイズすることはできません。
ディスプレイは13.3インチのIPS液晶、FHD解像度です。「Yoga」ですがタッチ対応のディスプレイではありません。入出力ポートの形状は「Type-Cのみ」です。しかし、3つのType-Cポートのうち、2つはThunderbolt 3なので、ハブやアダプターをうまく使えば十分な拡張性が得られると思います。また、この製品は専用のDC-INは装備されておらず、Type-Cのうち1つがDC-INを兼ねます。
では、他の製品とサイズを比較してみます。私が個人的にこの製品はideapad 720Sの後継だと思っていることもあり、ideapad 720S、そして世界最小の13.3インチ「DELL XPS 13」、世界最軽量の13.3インチ「富士通 LIFEBOOK UH」が比較対象です。
Yoga S730: 307 × 210 × 11.9 mm / 1.1 kg
ideapad 720S: 305.9 x 213.82 x 13.6 mm / 1.14 kg
DELL XPS 13: 302 x 199 x 7.8-11.6 mm / 1.21 kg
富士通 LIFEBOOK UH: 309 x 212 x 15.5 mm / 698 g
ideapad 720Sとの比較では、タテ・ヨコサイズは微妙な差ながら「五分」、しかし薄さには磨きがかかっています。XPS 13との比較ではさすがに厳しいものの、それほど顕著な差があるとも言えず、重量はS730のほうが軽いです。LIFEBOOKは異次元の軽さで、698 gというのは他の製品の追随を許していません。しかし、サイズという点では超コンパクトというわけでもなく、それなりの厚みもありますので、重量を別にすればYoga S730のサイズ感というのはやはり光りますよね。
2.筐体
下部のベゼルは太いですが、左右と上部のベゼルはごく細くなっています。また、デザインはideapadシリーズと共通性が感じられ、シンプルかつクリーンなものになっていると思います。
天板です。筐体素材はアルミです。YOGAのロゴは少し大きめで、好き嫌いがわかれるかもしれないですね。
筐体の拡大画像です。底面のスピーカー周辺ですが、こうやってアップで見るとアルミ筐体というのがよくわかります。なお、スピーカーシステムはDolby Atmos対応です。
キーボードです。キーの下半分がラウンドしていて、ThinkPadをはじめとするLenovo製品では一般的な形状です。日本仕様のキーボードは「84キー、JIS配列、バックライトつき」となります。また、パームレスト右端に指紋センサーが見えますが、この製品は11月28日現在販売されているすべてのバリエーションで指紋センサーを標準搭載しています。
ウインタブ的に「しいて不満な点」を挙げるとすれば入出力ポートですね。USB Type-C × 3、うち1つはDC-IN兼用ということなので、数として少し不足感があるのと、すべてType-Cということなので、手持ちの周辺機器接続などで支障がある人もいるでしょう(ハブやアダプターが必要、ということです)。それと、この製品にはSD(microSD含む)スロットが装備されません。
そのかわり、といいますか、わずか11.9 mmという薄型筐体に仕上がっています。
3.価格など
Lenovo Yoga S730はLenovo直販サイトで販売がスタートし、11月28日現在の価格はCore i5モデル(RAM8GB/ストレージ256GB)が税込み108,683円、Core i7モデル(RAM8GB/ストレージ512GB)が税込み135,899円となっています(いずれもセール価格です)。
Lenovoの、非ThinkPadシリーズとしては「たくさんありそうで、でも実は数が少ない」ハイスペックな13.3インチモバイルノート、筐体のサイズ感とか品質は高いと思いますし、ビジネスにもエンターテイメントにもしっかり使える性能も備えています。冬のボーナス商戦に間に合わせて「Lenovoらしくいきなりセール価格で」販売がスタートしたというのは、私たちユーザーにとっても朗報かと思います。
コメント
最近の薄型ノートのポートが片面Type-C x2のみになっている
その事情のひとつにMac向けThunderbolt3デュアルポートの直付けハブが
Type-Cモバイルハブ市場のデファクトスタンダード化してしまった
という事情があると推察しています
市場に逆らって周辺機器の選択肢が極端に狭くなるのは得策ではないので
Win機も互換性を保つためにThunderboltデュアルポート配置して
周辺にSDスロット等などを設ける事を避るている
薄型ノートはポート類を増やせない事情も相まって
Mac配置に寄せざる得ないんだと思います
迂闊に周辺にポート類
こんにちは。なるほど、勉強になります。モバイルノートの分野ではMacのシェアがかなり高いと聞いていますので、ご推察のとおりかもしれないです。