Lenovo Yoga Book 9i Gen 10(14型 Intel) － 2画面×ペン×高性能CPUの多機能ノート、価格も現実的に

Lenovoが2画面PC（メーカーによれば「デュアルスクリーンのコンバーチブル型ノートPC」）のYoga Book 9i Gen 10(14型 Intel)を発売しました。トップ画像を見ていただけるとわかるように、「2枚のタブレットが本体で、着脱式のキーボードが付属する」というパッケージングです。

かなり特殊な形状で「珍しい」のは間違いありませんが、このタイプの製品は他社からも発売されていますし、Yoga Bookとしても従来モデルが存在します（Yoga Book 9i）。

ウインタブでは従来モデルのレビューはしていません。しかし、ASUS Zenbook 17 Fold OLED (UX9702) という、良く似たタイプの製品の実機レビューをしています。

ASUS Zenbook 17 Fold OLED (UX9702)のレビュー記事はこちらです
ASUS Zenbook 17 Fold OLED (UX9702) レビュー － 17.3インチの折りたたみ式有機ELディスプレイを搭載！未来からやって来たパソコンですか？

また、HPからも折りたたみディスプレイの製品が発売されたことがあります
HP Spectre Foldable 17 － 17インチの折りたたみ式PC、Bluetoothキーボードとペンが付属し、多彩な使い方ができます

ASUSとHPの製品はディスプレイが「折りたたみ式」だったこともあり、65万円～80万円といった「手を出せそうにないお値段でした。このYoga Book 9i Gen 10は「折りたたみではなく2枚のディスプレイ」ということもあってか、337,810円から、という「手を出せないこともない」お値段ですし、CPU性能も非常に高く、さらに付属品も充実していますので、真剣に購入検討したくなる製品です。

1. 概要

スペック表

CPUは最新かつ高性能なArrow Lake-H

Yoga Book 9i Gen 10の価格は337,810円から、と書きました。この価格はノートPCとしては決して安くはありませんが、ディスプレイを2枚搭載する特殊形状のPCとしてはずいぶん安く感じられます。しかし、スペックは「新しく、そして高い」です。しかも、注文の際にシステム構成を変更（カスタマイズ）することもできます。

OSはWindows 11 HomeとProを選べ、CPUはCore Ultra シリーズ2（Arrow Lake-H）のCore Ultra 7 255H/Core Ultra 9 285Hです。AI処理チップNPUを内蔵していますが、NPU性能は低め（最大13TOP）なので、Copilot+ PCの性能要件は満たしません。しかし、CPUとGPUの性能は非常に高く、コンテンツクリエーションやPCゲームも十分こなせるくらいの実力はあります。ウインタブとしては推奨できる、素晴らしい性能のCPUです。

RAMは全モデル32GBで、オンボードメモリなので購入後の増設や換装はできません。SSDは512GBと1TBを選べます。

ディスプレイ

ディスプレイは2枚、いずれも14インチの有機ELで解像度は2,880 × 1,800、タッチ対応し「HDR600 True Black, 100%DCI-P3」の発色品質、リフレッシュレートも最大120Hzと高速です。この画像を見ると「画面拡張と画面複製ができるのね」と思いますが、それだけではありません。

Yoga 9i Gen 10にはBluetoothキーボードが付属し、このような使い方ができます。

このキーボードはマグネットで本体に取り付けられ、「普通のノートPCと同じ位置にキーボードを置くと、下側のディスプレイにタッチパッドとバーチャルなクリックボタンが表示される（画像左）」「キーボードを下にずらすと、上部をサブディスプレイとして使える（画像中）」そして、「キーボードを接続せず、下側のディスプレイにソフトウェアキーボードとバーチャルタッチパッドを表示させる（画像右）」ことができます。

もちろん、このようにディスプレイを縦に2つ並べたり、横に並べて使うこともできます。なお、Yoga Book 9i Gen 10は「4スピーカー搭載」と開示されていて、おそらくこの画像の「ヒンジ部分」に2つ、もしくは4つのスピーカーが付いているものと思われます。

付属品です。この画像の左上（フォリオケース）と右上のワイヤレスイヤホンは別売り品、それ以外は付属品です。つまりキーボード（画像左下）、ペン（画像中央下）、フォリオカバー（画像右にある細長いもの）、マウス（画像右下）は製品価格に含まれています。

フォリオカバーはこのようにスタンドとしても使います。また、ペンとキーボードは本体にマグネットで装着できます。なお、付属のペンは「Lenovo Yoga Pen」なので、4096段階の筆圧に対応しているものと思われます。本格的なイラストやマンガの制作にも使えそうですね。タッチ操作による直感的な操作やAI画像生成アプリなどとの相性も良さそうです。

側面と入出力ポートの構成です。予想通り、といいますか、ポートの数は多くはありません。しかし、Thunderbolt が3つありますので、映像出力や別売りのドッキングステーションを使用してのポート拡張も可能です。

2.価格など

Lenovo Yoga Book 9i Gen 10(14型 Intel)はLenovo公式サイトで販売中で、6月12日現在の価格は337,810円から、となっています。なお、価格は日によってかわりますので、Lenovo公式サイトでご確認ください。

この337,810円モデルの構成は「Windows 11 Home/Core Ultra 7/RAM32GB/1TB SSD」なので、決してスペック足らずということはなく、「これで十分」と感じられるものです。また、上で説明した通りキーボードやマウス、ペンは製品価格に含まれるので、もはや割高感はなく、むしろ安いとすら感じられます。

使い勝手についてはなんとも言えません。また、本体重量1.22 kgというのは軽量と言えますが、キーボードを含まない重さだと思いますので、モバイル利用する際の総重量は1.5 kgを越えてしまうと思います。しかし、それでもずいぶん「現実的に購入検討したくなる」製品ですよね！

3.関連リンク