つい先日、Lenovoが14インチのフラッグシップモバイル「ThinkPad X1 Carbon」の2019年モデルを発表した、という記事を掲載しましたが、この記事では同時に発表されたX1 Carbonの兄弟機と言えるコンバーチブル2 in 1「X1 Yoga」を紹介します。で、「兄弟機」という記述なんですけど、私も少し勘違いしていまして、X1 CarbonとX1 Yogaは同じ14インチサイズの薄型ノートながら、2018年モデルでは筐体サイズなどがかなり異なっています。簡単に言うと、X1 Carbonのほうは2018年モデルでさらなる薄型化、軽量化が進んだものの、X1 Yogaのほうは2018年モデルでは筐体に大きく手が加えられなかった結果、両者にかなりの相違点が出てしまった、ということだと思います。
2019年モデルに関しては、筐体サイズが両者再び接近したものの、根本的な「素材」の部分に相違が出ています。
1.スペック
1月9日現在明らかになっているのはこの程度です。CPUの型番などはまだ公表されていません。CPUに関してはおそらくWhiskey LakeのCore i5-8265UとCore i7-8565Uが搭載されるものと思われます。RAMは8GBもしくは16GB、ストレージは最大で2TB SSDとなっていますが、256GB/512GB/1TBあたりの容量を選べるようになると思います。
また、ディスプレイですが、X1 Yogaはコンバーチブル2 in 1なので、X1 Carbonとは異なり、全てタッチパネルです。従来からFHD(1,920 × 1,080)とWQHD(2,560 × 1,440)が選べましたが、2019年モデルになり、4K(3,840 × 2,160)HDRディスプレイも選択可能になりました。なお、PCのHDR技術に関しては下記のリンクをご参照ください。
「HDR時代」到来 テレビからiPhoneまで、HDRの現状を分かりやすく解説:EIZO
次にサイズです。2019年モデルとなり、X1 Carbonに近いサイズになり、2018年モデルのX1 Yogaからは大きくサイズダウンした、ということになります。
X1 Yoga(2019):322.8 x 217.9 x 15.2 mm / 1.35 kg
X1 Carbon(2019):322.8 × 216.9 × 14.95 mm / 1.08 kg
X1 Yoga(2018):333 x 229 x 17.05 mm / 1.42 kg
タテ・ヨコ・厚さに関しては2018年モデルからかなり変わりましたね。2019年モデルのX1 Carbonとほぼ同じと言っていいくらいになりました。ただし、重量は2018年モデルよりも軽くはなったものの、依然としてX1 Carbonとは大きな差があります。
2.筐体
X1 Yogaはアルミ筐体を採用しています。これって、ThinkPadユーザーにしてみればある意味「革命的」な話なんですよね。もちろんアルミ筐体のノートPCは全然珍しくないので、ThinkPadユーザー以外だと「ふーん」で終わっちゃうんでしょうけど。
さらに、筐体色もブラックじゃありません。「アイアングレー」です。ThinkPadの筐体色でブラック以外のものがラインナップされるのは初めてではありませんが、どうやら「ブラックがない」かもしれないんです(海外ニュースサイトの記載がまちまちで、確たることが言えません)。
キーボード面もグレー。よく見るとおなじみのThinkPadキーボードではありますが、やはり違和感が…。もちろん使い勝手には全然影響のない話で、他のThinkPadシリーズと同様、非常に優れた品質であると思われます。
側面と入出力ポートの配置です。この配置は基本的にX1 Carbon(2019)とほぼ同じです。電源ボタンが右側面(画像上)にありますが、この構造はクラムシェルノートであるX1 Carbonでも同様なので、素材は別になるものの、構造はX1 Carbonと共通化されていると思われます。
また、その電源ボタンの左側になにやら突起のようなものが見えますが、これはスタイラスペン(のホルダー)です。X1 Yogaは筆圧対応のペン入力ができ、どうやらスタイラスペンが同梱されるようです。
X1 Carbonと大きく異なるのがこれ。コンバーチブル2 in 1なので、スタンドモードやテントモード、タブレットモードに変形することができます。
3.価格など
Lenovo ThinkPad X1 Yoga(2019)は2019年6月発売の予定で、北米での価格は1,929ドル(約210,000円)から、となっています。この価格はX1 Carbonよりも200ドル高価です。日本発売についてはアナウンスされていませんが、ほぼ間違いなく発売されると思います。日本で手に入るようになるのは半年以上先でしょうね。
新しいX1 Yogaは2018年モデルから大きく進化したと言えます。また、X1 Carbonとの共通性がより高まったとも言えそうです。「軽くてプレーンなクラムシェルのX1 Carbonか、ちょっと重いけど筐体が自由に変形できて手書き入力もできるX1 Yogaか」というまっとうな選択肢に加え、「黒くなくてもいいのか」とか「アルミ筐体でいいのか」とか、コアなThinkPadユーザーが真剣に考え込んでしまうような変更点もあり、この点は賛否がわかれるところかもしれません。
4.関連リンク
END-USER INSIGHT AND ENGINEERS PERFECT THE THINKPAD X1:Lenovo ニュースリリース(英語)