レノボがThinkPad X1シリーズの最高性能モデル、X1 Extreme Gen 4を発売しました。X1シリーズというのはThinkPadのモバイルノートとしては最上位の製品ブランドなのですが、このX1 Extremeだけはやや大型で、モバイルノートと呼ぶにはちょっと厳しいくらいのサイズになっています。第11世代Tiger Lake-HのCore i7/Core i9と外部GPUのGeForce RTX30シリーズを搭載する、ゲーミングノート顔負けの性能が期待できるThinkPadです。
目次
1.ThinkPad X1 Extreme Gen 4 スペック
スペック表
ThinkPad X1 Extreme Gen 4 | |
OS | Windows 10 Home/Pro |
CPU | Intel Core i7-11800H/Core i7-11850H/Core i9-11950H |
外部GPU | NVIDIA GeForce RTX 3050 Ti(4GB) GeForce RTX 3060(6GB) GeForce RTX 3070(8GB) GeForce RTX 3080(16GB) |
RAM | 8GB/16GB/32GB/64GB |
ストレージ | 256GB/512GB/1TB/2TB PCIe-NVMe SSD M.2 SSD追加可能(ベースモデルによる) |
光学ドライブ | なし |
ディスプレイ | 16インチIPS (2,560 × 1,600) 16インチIPS(3,840 × 2,400) 16インチIPS(3,840 × 2,400)タッチ |
ネットワーク | 802.11 a/b/g/n/ac/ax、Bluetooth |
入出力 | USB 4 Type-C(Thunderbolt 4)× 2、USB 3.2 Gen1 × 2、HDMI、SDカードリーダー、オーディオジャック |
カメラ | Webカメラ(1,080p)顔認証対応可 |
バッテリー | 90Whr(最大12.8時間) |
サイズ | 359.5 × 253.8 × 17.7-18.2 mm |
重量 | 1.81-1.86 kg |
ベースモデル
・Core i7-11800H/RTX3050Ti/16GB/512GB/WQXGA
・Core i7-11800H/RTX3060/8GB/256GB/WQXGA
・Core i7-11850H/RTX3070/16GB/512GB/WQUXGA
・Core i9-11950H/RTX3080/32GB/1TB/WQUXGA
※左からCPU/GPU/RAM/SSD/ディスプレイ仕様
※WUQXGAは2,560 × 1600、WQUXGAは3,840 × 2,400解像度
※上から2番めのモデルのみPro版OS、他はHome版OS
ThinkPad X1 Extremeは注文時に「非常に広範囲に」システム構成をカスタマイズできます。ただし、選択しうるCPUやGPUの型番はベースモデルによって異なりますので、購入にあたっては複数のベースモデルのカスタマイズ画面を確認してみてください。
コメント
もともとThinkPad X1 Extremeという製品は15.6インチサイズで外部GPUのGeForceを標準搭載する高性能なモデルですが、Gen 4となり、さらにパフォーマンス重視の傾向が強まった、と言えます。
CPUは第11世代(Tiger Lake-H)のCore i7/Core i9で、従来モデルには設定のあったCore i5は選べなくなりました。Tiger Lake-Hはゲーミングノートにも使われている最新かつ高性能なCPUです。また、GPUのラインナップも大幅に強化されています。GeForceのRTX3050TiとかRTX3060はまあわかるとして、なんとRTX3080まで選べるんですよね!CPUとGPUの型番だけみればハイエンドなゲーミングノートに匹敵します。
RAMはデュアルチャネルで最大容量は16GB、ストレージは最大2TBまで搭載可能です。また、一部のベースモデルではM.2 SSDの増設が可能になっています。これなら大容量のゲームも無理なくインストール可能…、あ、いや、この製品は一応ビジネスノートたるThinkPadシリーズでした…。
ディスプレイはゲーミング仕様ではありません(高リフレッシュレートではない、という意味です。普通にゲームにも使えます)。サイズが従来モデルの15.6インチから16インチに拡大され、アスペクト比(画面の縦横比)も16:10と、少し縦方向に長くなりました。また解像度も「FHD(1,920 × 1,080)」とか「WUXGA(1,920 × 1,200)」は設定されず、最低でもWQXGA(2,560 × 1,600)で、4K(WQUXGA、3,840 × 2,400)も選べます。
それと、選べるディスプレイは3種類です。WQXGAは1タイプで400nit・sRGB100%・非タッチ、WQUXGAは2タイプあっていずれも600nit・Adobe RGB100%、非タッチとタッチが選べます。すべてのディスプレイがブルーライト軽減タイプとなっています。ディスプレイに関しては「クリエイター仕様」と言えそうですね。
通信まわりではWi-Fi6に対応し、入出力ポートではUSB Type-Cポートが2つともThunderbolt 4、USB Type-Aも2つと、十分な数が装備されています。SDカードリーダーがmicro規格ではなくフル規格というのもクリエイター向けですね。ただし、有線LANポートはありません。
サイズはThinkPad X1シリーズとしてはかなりの大型です。しかし、これだけのハイパフォーマンスPCで重量1.81 kgに抑えた、というのは立派です。
2.ThinkPad X1 Extreme Gen 4 筐体
正面から見たところです。「いつものThinkPad」ですが、ディスプレイがやや縦長に見えますね。ベゼル幅も細いです。
天板です。ここも見た目はいつものThinkPadですが、天板素材にはカーボンが使われています。WQXGAディスプレイはこの画像のとおりブラック、WQUXGAディスプレイを選ぶと天板はカーボン柄になります。
キーボードの仕様は「89キーJIS配列(テンキーレス)、バックライト付き」ですが、オプション(1,100円)で英語配列にすることもできる、というのがThinkPadのいいところ。またキーボード面の両側にはDolby Atmos機能付きステレオスピーカーがついていて、スピーカーのサイズも従来モデルよりも大型化されているようです。
側面と入出力ポートの配置です。
3.ThinkPad X1 Extreme Gen 4 価格など
Lenovo ThinkPad X1 Extreme Gen 4はレノボ直販サイトで販売中で、8月6日現在の価格は下記のとおりです。
・Core i7-11800H/RTX3050Ti/16GB/512GB/WQXGA:261,800円
・Core i7-11800H/RTX3060/8GB/256GB/WQXGA:355,740円
・Core i7-11850H/RTX3070/16GB/512GB/WQUXGA:399,300円
・Core i9-11950H/RTX3080/32GB/1TB/WQUXGA:509,740円
※税込み価格
この価格は平日昼間のもので、ナイトセール(平日22時~翌朝6時)や週末セールではもう少し安くなると思います。さすがにRTX3080モデルはかなりのお値段ですね。CPUとGPUだけでなくRAMとストレージ、ディスプレイの構成もすごいですし…。まあ、「この製品を何に使うか」というのはあります。一般的なビジネス利用であれば最低価格のモデルでも十分というかオーバースペック気味ですし…。最上位のモデルだったら仕事そっちのけでゲームとかやってしまいそうです。
ThinkPad X1 Extreme Gen 4はX1シリーズの最高性能マシンとして、大きく凄みが増した、という感じですね。