レノボがThinkPadシリーズの2022年モデル「X13s Gen1」の直販を開始しました。えー、最初に言っておきますと、このX13sは従来モデルのX13とは全くの別物です。同じなのはディスプレイサイズくらい、ですかね。ThinkPadシリーズとしては初の「WoA(Windows on ARM)」機で、CPUはSnapdragonです。
なお、この製品については海外で発表された際に紹介記事を掲載しています。この記事では主に日本仕様の「スペック」と「価格」を中心にご説明します。筐体等についてはこちらをご覧ください。
Lenovo ThinkPad X13s - え?Snapdragonなの?ThinkPadからARM版Windows搭載のニューモデルが!
1.ThinkPad X13s Gen 1 概要
スペック表
ThinkPad X13s | |
OS | Windows 11 Home/Pro |
CPU | Qualcomm Snapdragon 8cx Gen3 |
外部GPU | なし |
RAM | 8GB/16GB/32GB(オンボード) |
ストレージ | 256GB/512GB/1TB SSD(PCIe Gen4) |
ディスプレイ | 13.3インチIPS(1,920 × 1,200) 13.3インチIPS(1,920 × 1,200)タッチ 13.3インチIPS(1,920 × 1,200)省電力 |
LTEバンド | 5G(ミリ波含む)バンド不明(オプション) |
ネットワーク | 802.11 a/b/g/n/ac/ax、Bluetooth 5.2 |
入出力 | USB 3.2 Gen2 Type-C × 2、オーディオジャック、(nanoSIMスロット) |
カメラ | Webカメラ(5MP)顔認証対応可 |
バッテリー | 49.5Whr(最大31.2時間) |
サイズ | 298.7 x 206.4 x 13.4 mm |
重量 | 1.06 kg |
コメント
ThinkPad X13s Gen 1は他のThinkPadシリーズと同様に、注文時に構成をカスタマイズすることができます。
CPUはSnapdragon 8cx Gen 3です。ウインタブではまだ試せていませんが、Windows 11になってARM版Windowsが「x64エミュレーション」に対応しました。Windows 10までは「32ビットのWindowsアプリは動く。しかし、64ビットのWindowsアプリはARM版Windowsに対応するものしか動かない(実際はほとんどない)」という制約がありましたが、Windows 11環境下では相当数の64ビットアプリが動作するものと思います。
詳しくはこちらをご参照ください。
ARM版Windowsのx64エミュレーションが正式版に! ただしWindows 11のみ:マイナビニュース
Armにとって劇的転換点となるWindows 11:PC Watch
RAMは最低8GB、最大で32GBまで搭載可能、SSDも最大で1TBまで選べます。また、ディスプレイは下記の3種類から選択できます(すべて13.3インチのIPS液晶です)。
●1,920 × 1,200、非タッチ、300nit、100%sRGB
●1,920 × 1,200、タッチ、300nit、72%NTSC
●1,920 × 1,200、非タッチ、400nit、100%sRGB、ブルーライト軽減
通信系では5Gモジュールを搭載可能です。また、ミリ波にも対応します。ただしこれ「オプション扱い」で、追加費用が定価ベースで44,000円(割引後は約3万円)かかります。WoA機というのはスリープ中でも通知が受け取れるのがセールスポイントなので、基本的にすべてLTE/5G対応するものだと思っていましたし、モバイルネットワークが使えないのであればそもそもWoAを選ぶ理由もない、という気もしますが…。
入出力ポートの構成もX13シリーズと比較すると貧弱です。Gen2と高速な規格ではありますが、USB Type-Cポートが2つあるのみ。
サイズはX13 Gen 3よりもかなりコンパクトです。
X13s Gen 1:298.7 x 206.4 x 13.4 mm/1.06 kg
X13 Gen 3:305.8 × 217.89×18.1-18.25 mm/1.19 kg-1.31kg
このように、Snapdragon搭載ということよりもむしろ「サイズ」がX13s Gen 1の大きなセールスポイントなのかもしれません。
2.ThinkPad X13s Gen 1 価格など
Lenovo ThinkPad X13s Gen 1はレノボ直販サイトで販売中で、6月21日現在の価格は税込み167,299円から、となっています。なお、ThinkPadシリーズは平日夜10時からのナイトセール、及び週末に価格が下がることが多いので、この製品を購入する場合は「夜か週末」がお買い得です。
WoA機についてはウインタブでも過去に何度か実機レビューしています。「スリープからの復帰が爆速」「モバイルネットワークに常時接続し、スリープ中でも通知が受け取れる」「バッテリー駆動時間が長い」というのがWoA機の主なメリットですが、ウインタブの過去の経験上、これらのメリットについては「高い評価はできません」。普通の、CoreプロセッサーやRyzenを搭載するWindows PCと比較して、これらの点が際立って優れているとは思わないです。
一方で、Windows 11になってから事情が変わったとのことではありますが、Windows 10の時代では「現実的には64ビットアプリが全然使えない」というデメリットが大きいと感じました。実際、まともにベンチマークテストもできませんでしたし。
このThinkPad X13s Gen 1が従来のWoA機から大きくレベルアップしている可能性は、もちろんあります。いや、それに期待したいです。しかし、ウインタブ読者がこの製品の購入を検討される場合、少なくともいくつかの実機レビュー記事が出揃い、その内容を十分確認した上で結論を出されることをおすすめします。
コメント
Thinkpadで採用されるってことは前のYOGAのときより安定性と実用性が高まったって感じですかね?
最近はVSCodeを始めとしてARM64ネイティブ対応のアプリも増えてますし
ん?え?最近はideapad 4Gがあったって?知らない子ですね()
WoAも最初は期待されたけど全然やね。タブレットで薄くて軽いの出すとかUMPCで小型なのに電池がもつとかそっち側に使えばいいのに。