先日製品紹介記事を掲載したThinkPadシリーズの2022年モデル「T14 Gen 3(Intel)」ですが、AMD CPUを搭載するモデルの直販がスタートしました。筐体サイズや外観はIntel版とAMD版でほぼ共通ですが、CPU以外のシステム構成が多少違っていますので、あらためてご紹介したいと思います。
…しかし、少し前だとAMD CPU搭載の製品のほうが少し割安に感じられたのですが、このT14についてはIntel版、AMD版で価格差はかなり小さくなっています。
なお、この記事では主にシステムスペックについてご説明します。筐体などについてはIntel版の記事をご覧ください。
Lenovo ThinkPad T14 Gen 3 (第12世代インテル) - 重さ1.2 kgでモバイルにも向く14インチノート、GeForceも搭載できます
1.ThinkPad T14 Gen 3(AMD)概要
スペック表
ThinkPad T14 Gen 3(AMD) | |
OS | Windows 11 Home/Pro |
CPU | AMD Ryzen 5 PRO 6650U/Ryzen 7 PRO 6850U |
GPU | なし |
RAM | 8GB/16GB/32GB(オンボード) |
ストレージ | 256GB/512GB/1TB/2TB SSD |
光学ドライブ | なし |
ディスプレイ | 14インチIPS(1,920 × 1,200) 14インチIPS(1,920 x 1,200)タッチ 14インチIPS(2,240 × 1,400) 14インチIPS(3,840 × 2,400)タッチ |
ネットワーク | 802.11a/b/g/n/ac/ax、Bluetooth5.2、(LTE/5G) |
入出力 | USB3.2 Gen2 Type-C × 2、USB 3.2 Gen1 × 2、オーディオジャック、HDMI、LAN(RJ45)、(nanoSIMスロット) |
カメラ | Webカメラ(720p/1080p)顔認証対応可 |
バッテリー | 39.3Wh/52.5Wh |
サイズ | 317.7 x 226.9 x 17.9 mm |
重量 | 1.21kg~ |
コメント
先にご紹介したIntel版では非常に多くのCPU型番が選択可能でした。すべて第12世代のCore i5/Core i7なのですが、省電力タイプ(U型番)とバランスタイプ(P型番)、そしてvPro対応・非対応が選べるようになっているので、ちょっと混乱してしまう人もいるのではないかと思います。
しかし、AMD版のほうはシンプルで、Ryzen 5 PRO 6650UとRyzen 7 PRO 6850Uの2つのみ選択可能です。型番に「PRO」がついていますが、これは組織での運用を視野に入れ、セキュリティ機能や管理機能を強化したものです。Passmarkがベンチマークスコアを公表していました。
Ryzen 5 / Ryzen 7ともサンプル数が2なので、データとしての信頼性は低いです。しかし、ものすごく高いスコアですよね!一般的なビジネス用途であればRyzen 5のほうで十分なのでは?と思います。
また、Intel版では外部GPU(GeForce)の追加が可能ですが、AMD版は外部GPUは搭載できません。個人的には第12世代CoreもRyzen 6000番台もパフォーマンスが非常に高いので、ゲーミング用途でなければ外部GPUは不要だと思っています。
RAMは8GB/16GB/32GB(8GBはRyzen 5選択時のみ)を選べますが、「オンボード」なので購入後にDIYで増設・換装することはできません。Intel版が「1オンボード+1スロット」という構成で最大48GBまで増設可能なので、RAM構成については両者異なります。
SSDは256GBから2TBまで選択可能です。でも、レノボはSSDのカスタマイズ料金がかなり高価なので、1TBとか2TBにしてしまうと製品価格がすごく高くなってしまいます。
ディスプレイは選択肢が非常に多いです。基本的には14インチのIPS液晶、アスペクト比16:10ですが、解像度をいろいろ選べる上、タッチ・非タッチも選択可能です。この点はIntel版も同様で、T14の魅力の一つだと思います。
入出力ポートの構成もIntel版とは異なります。ポートの数は同じですが、Intel版では2つのUSB Type-CポートがThunderbolt 4であるのに対し、AMD版ではUSB3.2 Gen2規格となります。どちらも高速な規格ですが、Thunderbolt 4は伝送速度40Gbps、USB3.2 Gen2は10Gbpsなので、動画など大容量のデータを扱う場合は使用感に差が出るかもしれませんね。
筐体サイズはIntel版、AMD版で全く同じ、外観についても少なくとも私は相違点が見つけられませんでした。
2.ThinkPad T14 Gen 3(AMD)価格など
Lenovo ThinkPad T14 Gen 3(AMD)はレノボ直販サイトで販売中で、6月12日現在の価格は税込み152,614円から、となっています。ただし、この価格は最低構成の価格ではありません。(需要があるかは別として)あらゆる項目を最低構成、もしくは「なし」として試算すると税込み128,744円となりました。一方でIntel版を同様の方法で最低構成にすると税込み137,225円でした(いずれも週末セール価格です)。
もう少し常識的に、「これなら」という構成で試算してみました。キーボードバックライトとか指紋センサー、顔認証カメラもしっかり装備したものです。
Intel版(Core i5-1240P/16GB/512GB):168,685円
AMD版(Ryzen 5 PRO/16GB/512GB):163,425円
※ディスプレイは標準のものを選択
うーん、だいたい5,000円くらいAMD版のほうが安いですかね…。ただ、T14はカスタマイズ項目が非常に多く、選択される内容によっては同等スペックと思われる構成でも価格が逆転する可能性もあります。この製品の場合、構成をいろいろとカスタマイズして試算するだけで結構楽しかったりしますので、レノボの製品ページでいろいろと試してみてください。
3.関連リンク
ThinkPad T14 Gen 3(AMD):Lenovo
ThinkPad T14 Gen 3(Intel):Lenovo
コメント
6800Uはnotebookcheckで詳細にデータを取っていた記事がありましたが、基本的には1260Pと1280Pの中間程度だったので、ちょっと出すぎ感はありますね。