LenovoがThinkPadの「Lシリーズ」から、13.3インチクラムシェルノート「ThinkPad L13」と13.3インチコンバーチブル2 in 1「ThinkPad L13 Yoga」を発売しました。この製品、8月に海外で発表されていたのですが、日本発売に関しては11月15日朝の時点ではプレスリリースも出ていません。Lenovoのサイトをチェックしていて偶然見つけた、ということなんですよね。
ThinkPadのLシリーズは「メインストリームビジネスノート」という、よくわからない位置づけなのですが、価格のレンジがかなり広く、比較的購入しやすいものからハイスペックなものまでを選べる、というのが魅力で、特に下位モデルはThinkPadモバイルノートのエントリーマシンと言えるものでした。また、私が長年愛用しているThinkPad 13(廃盤)の流れを汲むモデルでもあります。
1.スペック
結論から言うと、L13とL13 Yogaは筐体構造というかヒンジの構造が異なるだけで、システムスペックはほとんど同じです。CPUは第10世代(Comet Lake)のCore i3-10110U/Core i5-10210U/Core i7-10510Uを選べ、6コアの高性能版であるCore i7-10710Uの設定はありません。
RAMはオンボード(ユーザーは換装、増設ができません)で4GB/8GB/16GB、ストレージは128GB/256GB/512GB/1TB SSDとなります。ただし、RAM4GBはCore i3モデルのみに設定があります。
ディスプレイは13.3インチで3種類が選べますが、個人利用の場合はIPS液晶・FHD解像度のものを選ばれることをおすすめします(タッチ対応についてはお好みで…)。ThinkPadシリーズには低解像度のTN液晶を選択できるものが多いのですが、HD解像度のTN液晶をFHD解像度のIPS液晶に変更しても差額が3,000円台くらい(割引込み)で済むことがほとんどです。なお、L13 Yogaはコンバーチブル2 in 1筐体なので、TN液晶や非タッチの液晶を選ぶことはできず、標準でFHD解像度・IPS液晶のタッチディスプレイとなります。
入出力ポートはThunderbolt 3などの高規格なものはありませんが、種類、数とも13.3インチモバイルノートとしては十分なものになっています。これだけあればビジネスシーンでも困ることはないでしょう。ただし、有線LANについてはそのままでは接続ができず、別売りの拡張コネクターを購入する必要があります。
カメラはオプションで顔認証に対応するものが選べるほか、L13 Yogaではなんと「アウトカメラ」を装備することができます。Lenovo製品ページではアウトカメラを装備したものの画像がなかったのですが、YouTubeをチェックしたら、IFA2019(9月にドイツ・ベルリンで開催された国際コンシューマ・エレクトロニクス展)で展示されていた実機のハンズオン動画がありました。
元動画はドイツ語なんで全然意味がわかりませんでしたが、どうやらアウトカメラはキーボード面の上部にあるようです。「テントモード用」ですね。
サイズはL390、L390 Yogaよりも小さくなりました。
L13/L13 Yoga:311.5x219x17.6mm / 1.38kg(Yogaは1.43kg)
L390/L390 Yoga:322×224.2x 18.8mm / 1.46kg(Yogaは1.56kg)
全体的に一回り小さく、軽くなっています。L390の源流とも言うべき私の愛用品、ThinkPad 13は重量が1.5 kg近くありますので、それを思えばずいぶんとコンパクトになったなあ、と感じます。依然として13.3インチモバイルノートとしては軽量とは言えませんけどね。
2.筐体
上の画像がL13、下の画像がL13 Yogaですが、ヒンジ部分のデザインが異なるだけで、見た目はほとんど同じです。というかThinkPadシリーズはみんなこんな感じなんで、見分けがつきにくいです。スペック説明のところで海外の実機画像を掲載し、グレー(もしくはシルバー)の筐体色でしたが、日本仕様のL13とL13 Yogaはブラックのみが設定されます。
L13を正面から見たところです。ご覧のようにベゼル幅がかなり細くなりました。L390/L390 Yogaから大きく変わっています。
こちらもL13です。天板のデザインですが、ここも正直なところ書くことがないですね。いつもどおりのThinkPadデザインです。
すみません、キーボードの拡大画像がありませんでした。L13 Yogaのキーボードです。やはり普通にThinkPadのキーボードで、赤いデベソも健在。というか、こうでなくちゃThinkPadとは言わないです。キーボード品質に関しては疑いの余地はないでしょう。なお、キーボードに関しては日本語配列と英語配列、それぞれのバックライトあり、なしと、合計で4つの選択肢があります。
上がL13、下がL13 Yogaです。入出力ポートの配置も全く同じです。ただし、L13 Yogaはスタイラスペンホルダーがあります。L13 YogaはThinkPad Pen Proが付属し、筆圧対応(何段階なのかは不明ですが、おそらくワコムAES方式です)のペン入力が可能です。
3.価格など
ThinkPad L13 / L13 YogaはLenovo直販サイトで販売中で、11月15日現在の価格はL13が89,100円から、L13 Yogaが112,860円から、となっています(いずれも税込価格。製品ページに記載されているクーポンを使った場合の価格です)。また、ThinkPadシリーズは週末に割引率が大きくなりますので、購入される場合は土日にされるほうがお得です。
L13の前身モデルであるL390、その前のL380、さらにその前のThinkPad 13は、13.3インチのThinkPadとしては最も低予算で購入ができるモデルでした。しかし、現時点だとL13の価格は上位モデルのX390、X395と大きなスペック差、価格差がなく、はっきり言って存在意義が少し弱いように思われます。ただし、X390は現時点でCPUが第8世代のCore iプロセッサーにとどまりますし、大きな価格差がないと言ってもL13のほうが低価格であるというのも事実です。ということで、L390からコンパクト化、軽量化が進んだL13/L13 Yogaは当面の有力な購入候補と言えるかもしれませんね。