
LenovoがデスクトップPC「ThinkCentre neo 55q Tiny Gen 6 (AMD) 」を発売しました。ウインタブではデスクトップPCを取り上げることはほとんどありませんが、この製品の場合「大きめサイズのミニPC」と考えても良さそうなサイズですし、CPUもノートPC用のものが搭載されていますので、「どちらかと言うとミニPCに近い」と思います。
1. スペック表
| 項目 | 仕様 |
|---|---|
| OS | Windows 11 Home/Pro |
| CPU | AMD Ryzen AI 5 330/Ryzen 5 220 |
| RAM | 8GB/16GB/32GB/64GB (DDR5-5600) ※スロット×2、最大64GB |
| ストレージ | 256GB/512GB/1TB SSD (M.2 2280 PCIe NVMe) M.2 2280 PCIe スロット×2 |
| ディスプレイ | なし |
| 無線通信 | なし/Wi-Fi 6/Wi-Fi 7、Bluetooth ※M.2 2230スロット×1 |
| ポート類 | USB 3.2 Gen2 Type-C USB 3.2 Gen2 Type-A✕2 USB 2.0 Type-A✕3 DisplayPort、HDMI LAN (RJ45)、オーディオジャック |
| カメラ | なし |
| バッテリー | なし |
| サイズ | 182.9✕179✕36.5mm |
| 重量 | 1.11kg |
2. OS/CPU
OSはHome版とPro版がありますが、Pro版を搭載するモデルは割引対象になっていないため、かなり割高です。そのため、Pro版にしたいのであれば、とりあえずHome版を購入して自分でPro版にアップグレードするほうがずっと安く上がります。
CPUはAMD Ryzen AI 5 330とRyzen 5 220の2種類です。Ryzen AI 5 330はCopilot+ PCの要件を満たす高性能な (最大50TOPS)NPUを内蔵しており、Ryzen 5 220はNPU非内蔵です (Ryzen AI 5 330搭載モデルのみCopilot+ PCです)。ただし、オンデバイスAI性能を別とすれば、コア数/スレッド数はRyzen 5 220のほうが多いので、特にマルチスレッド性能に関してはRyzen 5 220のほうが上です。

参考までにPassmarkが公表しているベンチマークスコアを載せておきます。Ryzen AI 5 330についてはサンプル数が4しかないため、今後公表値が大きく変動する可能性がありますが、やはりマルチスレッド (CPU Markの数値)にはかなり大きな差がついていますね。
3. RAM/SSD
RAMは2スロットあり、Ryzen AI 5 330モデルは16GB/32GB/64GBで16GBはシングルチャネルのみ、32GBはシングルチャネルとデュアルチャネルを選べ、64GBはデュアルチャネルのみ、Ryzen 5 220モデルは8GB/16GB/32GB/64GBで8GBはシングルチャネルのみ、16GB/32GBはシングルチャネルとデュアルチャネルを選べ、64GBはデュアルチャネルのみとなります。
SSDは256GB/512GB/1TBから選べ、もう一枚追加することもできます。この製品の筐体については詳細が不明ですが、他の「ThinkCentre neo Tiny」については筐体の開口が容易でRAMやSSDの増設・換装が可能であるとの情報を得ていますので、当初は必要最低限の構成で購入し、後日増設、ということでもいいかもしれません。特にLenovoはSSDのカスタマイズ料金が高額なので、DIYで増設するメリットも大きいと思います。
4. 筐体

筐体のサイズをミニPCと比較してみましょう。
55q Tiny:182.9✕179✕36.5mm/1.11 kg
GMKtec NucBox M3 Ultra:114×106×42.5mm/430 g
GMKtec EVO-X2:193✕185.8✕77 mm/重量不明
GMKtec NucBox M3 Ultraは5~6万円台で購入できる、ある意味典型的な中国メーカーのミニPC、EVO-X2はCPUにRyzen AI Max+ 395を搭載する超高性能機です。こうしてみるとThinkCentre neo 55q Tiny Gen 6は一般的なミニPCよりはかなり大柄であるものの、EVO-X2よりも小さいことがわかります。また、この記事のトップ画像にあるように縦置きが可能なので、省スペース性はミニPCに匹敵する水準と言えるでしょう。

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前後面とポート構成です。USBポートは合計で6つ、うち1つがUSB 3.2 Gen 2 Type-Cです。また、「オプショナルポート」というのがありますが、注文時に「DisplayPort/HDMI/VGA/シリアルポート」のいずれかを追加することができます。
5. 価格など
Lenovo ThinkCentre neo 55q Tiny Gen 6 (AMD) はLenovo公式サイトで販売中で、11月14日現在の価格はRyzen 5 220モデルが78,311円から、Ryzen AI 5 330モデルが97,936円から、となっています。
中国メーカーのミニPCは製品数が非常に多く、それらと比較してThinkCentre neo 55q Tiny Gen 6が割高であるとか割安であるとかは一概には言えませんが、個人的にはCopilot+ PC対応の最新型番を搭載するLenovo製の小型PCが10万円以下から購入できるというのはリーズナブルかな、と思います。
6. 関連リンク
2014年にサイトを開設して以来、ノートPC、ミニPC、タブレットなどの実機レビューを中心に、これまでに1,500本以上のレビュー記事を執筆。企業ではエンドユーザーコンピューティングによる業務改善に長年取り組んできた経験を持ち、ユーザー視点からの製品評価に強みがあります。その経験を活かし、「スペックに振り回されない、実用的な製品選び」を提案しています。専門用語をなるべく使わず、「PCに詳しくない人にもわかりやすい記事」を目指しています。
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