LenovoのオールインワンPC「ThinkCentre neo 55a 24 All-In-One Gen 6(23.8型 AMD)」の製品紹介記事です。ウインタブではあまり取り上げないオールインワンPCジャンルのニューモデルですが、実はこの製品は「ノートPCでもないのにCopilot+ PC」です(Copilot+ PC非対応モデルもあります)。また、スペックから見た製品価格がずいぶんと割安に感じられますので、ご自宅でのメインPCやリモートワーク用PCとしても非常に魅力的です。
なお、この製品はCopilot+ PCモデル(製品名の末尾に「AKP」というCPUコードネームの略称がつきます)とCopilot+ PC非対応モデル(末尾に「AHP」がつきます)で販売ページが分かれていますのでご注意ください。
※AHPはCopilot+ PC非対応、AKPはCopilot+ PC
1. スペック表
項目 | 仕様 |
---|---|
OS | Windows 11 Home/Pro |
CPU | AMD Ryzen 5 220/Ryzen 7 250 Ryzen AI 7 350 |
RAM | 8GB/16GB/32GB (DDR5-5600MT/s) |
ストレージ | 256GB/512GB/1TB SSD (M.2 2280 PCIe-NVMe Gen4) ※M.2 2280空きスロット1 |
ディスプレイ | 23.8インチIPS (1920 x 1080) 100Hz ※タッチ対応も選択可能 |
無線通信 | Wi-Fi 6、Bluetooth ※Wi-Fiなしも選択可 |
ポート類 | USB 3.2 Gen2 Type-C (映像出力非対応) USB 3.2 Gen2 Type-A USB 2.0 Type-A×2 HDMI(入力)、HDMI(出力) LAN(RJ45)、オーディオジャック |
カメラ | Webカメラ (500万画素) 顔認証対応可 |
バッテリー | なし |
サイズ | 539.5×192.1×431.2 mm |
重量 | 約6 kg |
2. OS/CPU
OSはWindows 11 HomeとProを選択できます。しかし、カスタマイズ画面による選択ではなく、ベースモデルでの選択となり、Pro版が選べるベースモデルは割引対象になっていないため、かなり割高です。そのため、Home版を購入しておいて、その後自分でPro版にアップグレードするほうが安上がりかと思います。
CPUはRyzen 5 220/Ryzen 7 250、そしてCopilot+ PCの要件を満たすノートPC用の型番、Ryzen AI 7 350です。
これはPassmarkが公表しているベンチマークスコアです。これを見ると「仕事用ならRyzen 5 220でも十分」と感じられますが、このスコアには反映されていないGPUとNPUの性能差は大きいです。この3つの型番のうち、Ryzen 5 220のみNPUを内蔵しておらず、Ryzen AI 7 350は最大50TOPの性能のNPUを内蔵していますので、オンデバイスAI処理に関しては非常に大きな性能差が出るはずです。また、Ryzen 7 250はNPUを内蔵していますが、最大16TOPSの性能なのでRyzen AI 7 350よりも性能は劣ります。
搭載GPUも三者三様で、ウインタブとして明言はできません。しかし、おそらく性能はRyzen AI 7 350>Ryzen 7 250>Ryzen 5 220の順になると思います。
3. RAM/SSD
RAMは8GB/16GB/32GBから選べ、メーカーサイトに詳しい説明はありませんでしたが、8GB/16GBにするとシングルチャネルになるようです。また、Ryzen AI 7 350モデルには8GBの設定はありません。SSDは256GB/512GB/1TBを選べ、M.2 2280の空きスロットもあります。
4. ディスプレイ
「ThinkCentre」というのはビジネスPCブランドのため、4K解像度とか有機ELといった高品質(高発色・高解像)なディスプレイは設定されていません。23.8インチで解像度はFHD(1,920×1,080)のみ、タッチ非対応/タッチ対応を選べます。ただし、99%sRGBの色域(人間の感覚では100%sRGBと見分けがつかないとされています)と100Hzのリフレッシュレートになっています。
5. 筐体
デザインについてはお好みの問題かと思います。個人的には中央にどっしりとしたスタンドが付いたデザインはカッコいいと思います。ポート類はUSBが合計で4つ、HDMIは「出力用(これは普通)」の他に「入力用」もあり、ノートPCなどの外部モニターとしても使えます。
この製品は「Wi-Fi(Bluetoothも)なし」という選択ができます。また、キーボードとマウスは標準だと有線タイプのものが付属しますが、カスタマイズでワイヤレスタイプにすることも「キーボード・マウスなし」にもできます。個人的にはこのクラスの製品であればキーボードとマウスはなしにして、自分で好きなものを選ぶほうが快適性が大幅に上がると思います。
それと、台座部分にワイヤレス充電器を搭載可能です。オプション料金は割引後で2,000円弱なので、追加しておくほうが便利かと思います。
6. 価格など
Lenovo ThinkCentre neo 55a 24 All-In-One Gen 6(23.8型 AMD)はLenovo公式サイトで販売中で、8月11日現在の価格は92,906円からです。92,906円モデルの仕様は「Ryzen 5/RAM8GB/256GB SSD/タッチ非対応ディスプレイ」という構成なので、できれば少しカスタマイズしたいところです。一方でRyzen AI 7 350を搭載するモデルの方はベースモデルの価格が135,520円で「Ryzen AI 7 350/RAM32GB/512GB SSD/タッチ非対応ディスプレイ」という構成で、「これでも十分に安い」と思います。
7. 関連リンク
※AHPはCopilot+ PC非対応、AKPはCopilot+ PC
2014年にサイトを開設して以来、ノートPC、ミニPC、タブレットなどの実機レビューを中心に、これまでに1,500本以上のレビュー記事を執筆。企業ではエンドユーザーコンピューティングによる業務改善に長年取り組んできた経験を持ち、ユーザー視点からの製品評価に強みがあります。その経験を活かし、「スペックに振り回されない、実用的な製品選び」を提案しています。専門用語をなるべく使わず、「PCに詳しくない人にもわかりやすい記事」を目指しています。
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