中国では一定の需要があるのか、「TV Box」というジャンルの製品がたくさん販売されています。TV Boxというのは簡単に言うと「スティックPCを大型化し、拡張性をもたせ、独自の付加機能を追加したもの」ということになります。サイズは若干大きいですが、それでもデスクトップPCよりはずっと小さく、スペックも概して低めです。また「付加機能」というのも面白くて、「ルーターとしても使える」「バッテリーを内蔵している」「大容量のストレージが追加できる」などがあり、思わず欲しくなってしまうものもあります。
中でも気になるのが、タッチ対応のディスプレイを搭載したTV BoxであるPIPOのXシリーズです。ウインタブではこれまで8.9インチサイズの「PIPO X9」と「PIPO X9S」の紹介記事を書いたことがあり、「PIPO X9」については読者の方にレビュー記事を投稿してもらったことがあります。
でも、タッチパネルつきのXシリーズって「X9」だけじゃないんですよね。他にもいくつかあって、「シリーズ」と言っていいくらいなんです。
1.PIPO X8
OS: Windows 10 + Android 4.4
CPU: Intel Atom Z3736F
RAM: 2GB
ストレージ: 32GB / 64GB
ディスプレイ: 7インチ(1,280 x 800)
通信: IEEE 802.11 b/g/n、Bluetooth4.0
入出力: USB2.0 × 4、microUSB、HDMI、LAN(RJ45)、オーディオジャック、microSD、電源プラグ
サイズ: 178 x 119 x 50 mm / 450 g
価格: 89.99ドル(10,106円、Windows 8.1+Android 4.4モデル、GEARBEST)
122.49ドル(12,747円、Windows 10+Android 4.4モデル、Banggood)
まずは7インチサイズの「X8」です。この製品はリリース時期が早く、CPUはBayTrailのAtom Z3736FでRAMは2GBとなっていますが、サイズは小さく、重量も450 gと軽量です。特にGEARBESTで扱っているWindows 8.1モデルがお買い得ですね。
2.PIPO X9
OS: Windows 10 / Android 4.4
CPU: Intel Atom Z3736F
RAM: 2GB
ストレージ: 32GB / 64GB
ディスプレイ: 8.9インチ(1,920 x 1,200)
通信: IEEE 802.11 b/g/n、Bluetooth4.0
入出力: USB2.0 × 4、microUSB、HDMI、LAN(RJ45)、オーディオジャック、microSD、電源プラグ
サイズ: 217 x 147.5 x 60 mm / 630 g
価格: 133.75ドル(13,919円、64GBモデル、Banggood)
※ Banggoodの価格はクーポンコード(製品ページに記載があります)適用後
この製品がウインタブで何度も取り上げている8.9インチモデルです。読者の方にもレビューしていただいています。現在は新しいタイプ「X9S」というのが登場したため、実売価格がかなり下がっているのが魅力ですね。CPUはBayTrailながら、OSはしっかりデュアルブートになっていて、Androidも使える、というのがX9Sにはないメリットです。
3.PIPO X9S
OS: Windows 10 64ビット
CPU: Intel Atom X5-Z8300
RAM: 4GB
ストレージ: 64GB
ディスプレイ: 8.9インチ(1,920 x 1,200)
通信: IEEE 802.11 b/g/n、Bluetooth4.0
入出力: USB2.0 × 4、microUSB、HDMI、LAN(RJ45)、オーディオジャック、microSD、電源プラグ
サイズ: 217 x 152 x 61 cm / 524 g
価格: 183.89ドル(20,652円、GEARBEST)
そしてこちらがCherryTrail搭載の64ビット機、最新モデルのX9Sです。スペックが格段に良くなっていて、最新の中国タブレット(10インチクラス)とほぼ同一です。ただしシングルブート機なので、Androidは使えません。また、価格の方もまだあんまり安くはなってませんね。日本の感覚だとこれでも十分安いですけど。
4.PIPO X10
OS: Windows 10 + Android 5.1
CPU: Intel Atom X5-Z8300
RAM: 4GB
ストレージ: 64GB
ディスプレイ: 10.8インチ(1,920 x 1,200)
通信: IEEE 802.11 b/g/n、Bluetooth4.0
入出力: USB2.0 × 4、microUSB、HDMI、LAN(RJ45)、オーディオジャック、microSD、電源プラグ
サイズ: 220 x 150 x 62 cm / 680 g
価格: 180.52ドル(20,273円、GEARBEST)
※まだプレセール開始前につき、価格は参考
最新の10.8インチサイズ「X10」です。この製品はまだプレセールすら開始されておらず、予約することもできません。GEARBESTの価格を表示していますが、この価格も参考程度と考えてください。サイズが大きくなっただけでなく、OSもデュアルブート化され、Androidのバージョンも5.1となっています。一方で製品の詳細情報にはばらつきがあり、Banggoodではディスプレイ解像度を「1,920 × 1,280」「バッテリー内蔵」という記載もありました(ただしBanggood以外はそのような情報を掲載しておらず、おそらくバッテリーは非搭載と思われます)。
5.PIPO X3 / GOLE1
OS: Windows 10 + Android 5.1
CPU: Intel Atom X5-Z8300
RAM: 2GB / 4GB
ストレージ: 32GB / 64GB
ディスプレイ: 5インチ(1,280 x 720)
通信: IEEE 802.11 b/g/n/ac、Bluetooth4.0
入出力: USB2.0 × 3、USB 3.0 × 1、microUSB、HDMI、LAN(RJ45)、オーディオジャック、microSD、電源プラグ
バッテリー: 1,200mAh
サイズ: 135 x 90 x 20 cm / 200 g
価格: 144ドル(16,172円、4GB+64GBモデル、GEARBEST、GOLE1)
99ドル(11,118円、2GB⁺32GBモデル、GEARBEST、GOLE1)
127.99ドル(13,319円、2GB⁺32GBモデル、Banggood、PIPO X3)
※プレセール開始前につき、価格は参考
この製品が一番注目度が高いと思います。ウインタブでも以前紹介記事を書いたことがあります。5インチのフルWindowsどころかAndroid 5.1とのデュアルブート機です。ただし、この製品は情報が不十分というか、Banggoodでは「PIPO X3」、GEARBESTでは「GOLE 1」という名称で製品ページが作られています。また、GOLE1というのはクラウドファンディング「INDIEGOGO」で出資を募集中(予定額を大きくクリア)していて、89ドルで事実上の予約ができるようになっています。
個人的にクラウドファンディングの製品というのはいまひとつ信用できないのですが、PIPOブランドということだと話は別かな、と思います。該当の通販サイトには質問を投げかけていますが(BanggoodではPIPOブランドで発売予定とのこと)、この先どうなるのかは不透明ですし、気になりますね。
6.スティックPCの代替としてどうかな?
最後のX3だけはちょっと異なるコンセプトなのですが、X8、X9(S)、X10というのもガジェット好きとしてはかなり気になりますよね。投稿いただいた読者レビュー記事を読んでみても、有効な使い方、というのがいまひとつ見えてこないのですが、それでもこれらの製品は他の中国タブレットと違い、有線LANが使えるという時点でかなり安心できます。
あとは、テレビのすぐそばにタッチパネル付きのタブレットみたいなものがあって、それをどう活用できるか、ということと、せっかくディスプレイがついているんだから、単体のPCとしてどう使うか、という難問をクリアできれば文句なしに欲しい、と言えそうです。PIPOもねー、こんだけシリーズ化しているんだから、それなりに販売ができているんでしょうし、うまい使い方みたいな提案をしてくれるといいんですけどねー。
コメント
gole1は7月中旬から発送するとの事
もし届いたら感想を書き込みします。
tk3213さん、こんにちは、コメントありがとうございます。感想楽しみにしています。私も中国の通販サイトに実機試用をお願いしていますが、きっともっと遅くなると思います。
とても気になるんですけど、やっぱり情報の錯綜っぷりが不安なんですよねこれ
小型で一応単体でも使えるんで、表示も入力もさほど重要じゃなく、持ち運び必須な用途で真価を発揮しそうです
こんにちは、コメントありがとうございます。クラウドファンディングというのがまた不安ですね。PIPOが早く出してくれるといいんですけど。