ゲーミングUMPC(WindowsポータブルゲーミングPC)でおなじみのOneXPlayerが14インチサイズの2-in-1ゲーミングタブレットを発表しました。この記事を執筆している8月13日現在、まだメーカーサイトに製品ページができておらず、プレス向けに資料が配布されたのみですが、CPUにRyzen AI Max+ 395を搭載するSurfaceタイプの2-in-1で、ゲームだけでなく、コンテンツクリエーションやビジネスにも使える、非常に高性能なモバイルマシンです。
1. メーカー発表資料
まず、メーカーが配布している文書の日本語訳を掲載します(原文は英語)。
OneXPlayer、Super Xを発表 – デスクトップ級のパワーを備えたフラッグシップ2-in-1ゲーミング&AIタブレット
北京、中国 – 2025年8月13日 – OneXPlayerは本日、これまでで最も高度なポータブルデバイスとなる「Super X」を発表しました。ゲーマー、クリエイター、そしてAIパワーユーザーのために設計された、フラッグシップ2-in-1タブレットPCです。
公式製品動画はこちらでご覧いただけます: https://www.youtube.com/watch?v=aHYmUXOap4U
Super Xの中心にはAMDのRyzen AI Max+ 395プロセッサーが搭載されており、これに40基のコンピュートユニットを備え、2,900MHzで動作するRadeon 8060S統合グラフィックスが組み合わされています。このGPUは、モバイル版RTX 4060 Tiに匹敵し、RTX 4070クラスに迫る性能を発揮します。レイトレーシングやAMD FidelityFX Super Resolution(FSR)4.0にも対応し、ビジュアルをさらに向上させます。
AIアクセラレーションについては、内蔵のXDNA 2ニューラルプロセッシングユニットが50TOPS以上のピーク性能を発揮し、Llama 3.2やDeepSeek R1といった最大140億パラメータの大規模言語モデルを、クラウドサービスに頼らずローカルで実行可能にします。
メモリは8,000MHz動作のLPDDR5xで、64GBまたは128GBの構成を用意。256ビットのメモリインターフェースを採用しており、128GBモデルでは最大96GBのシステムRAMをVRAMとして割り当て、256GB/sの帯域幅を確保し、負荷の高いグラフィックス処理に対応します。ストレージも柔軟で、M.2 2280スロット1基とMini SSD PCIe 4.0スロット1基を備え、大容量のゲームライブラリやローカルAIモデルの配置に最適です。
14インチAMOLEDタッチスクリーンは2.8K(2880×1800)解像度で、100% DCI-P3色域、HDR対応、可変リフレッシュレート(VRR)を備え、滑らかでティアのないゲームプレイを実現します。さらに、4,096段階の筆圧感知に対応しており、クリエイティブワークにも適しています。
2-in-1のフォームファクターは、最大173°まで調整可能な内蔵キックスタンド、マグネット式着脱キーボード、Harman Audioefx認証のデュアルスピーカーを搭載。内部にはベイパーチャンバー(VC)冷却システムを採用し、最大120Wの連続性能を維持します。電源は83.5Whバッテリーで、長時間の使用が可能です。
接続性も充実しており、以下を備えています:
USB-C(Thunderbolt 4)×2
HDMI出力 ×1
USB-Aポート ×1
DC電源入力 ×1
Mini SSD(PCIe 4.0)拡張スロット ×1
このように、圧倒的なパワー、プレミアムなディスプレイ技術、AI機能を兼ね備えたOneXPlayer Super Xは、ポータブルフォームで妥協のない性能を提供するASUS ROG Flow Z13(2025)に真っ向から挑む存在となります。
残念ながら発売日や価格については明らかになっていません。また、メーカー自ら言っているように「ASUS ROG Flow Z13(2025)」とガチ競合しそうな製品です。
2. スペック表
上に掲載した文書をもとに、ウインタブで使っている書式のスペック表を作成してみました。
項目 | 仕様 |
---|---|
OS | Windows (詳細説明なし) |
CPU | AMD Ryzen AI Max+ 395 |
RAM | 64GB/128GB(LPDDR5x 8000MHz) |
ストレージ | M.2 2280 SSDスロット Mini SSD PCIe 4.0スロット |
ディスプレイ | 14インチ AMOLED (2880×1800) 100% DCI-P3 / HDR 可変リフレッシュレート 4,096段階の筆圧検知(スタイラス対応) |
無線通信 | 不明 |
ポート類 | USB Type-C (Thunderbolt 4)×2 USB Type-A、HDMI |
カメラ | 不明(前面にWebカメラあり) |
バッテリー | 83.5 Wh |
サイズ | 不明 (厚さ12.5 mm~) |
重量 | 不明 |
外部GPU(dGPU)の搭載はありませんが、CPUがRyzen AI Max+ 395なので、PCゲームも楽しめると思います(ウインタブでは実機のテスト経験はありませんが、メーカー発表資料にもあるようにRyzen AI Max+ 395の内蔵GPU、Radeon 8060SはGeForce RTX4060 Laptop GPUに匹敵するグラフィック性能を備えている、という情報が各所で見られます)。
3. 筐体
OneXPlayer Super XはSurfaceタイプのデタッチャブル2-in-1です。背面にキックスタンドがついたタブレット部分が本体で、それに着脱式のキーボードがつく構造ですね。筐体構造もROG Flow Z13にそっくりです。
タブレット部分です。筐体はCNC加工のアルミ、ベゼル幅は細く、上部にWebカメラが付いているのが確認できます。ディスプレイは14インチの有機EL、解像度は2.8K(2880×1800、アスペクト比16:10)で、100% DCI-P3の色域に対応します。リフレッシュレートについては具体的な数値は開示されていないものの「可変リフレッシュレート」との説明がありました。また、4096段階の筆圧に対応するペン入力も可能です。
メーカー発表資料にリンクされていた動画からキャプチャした背面の画像です。これだけだとなんとも言えませんが、LEDライトが搭載されていますね。
横から見たところです。OneXPlayer Super XはThunderbolt 4を2つ、USB Type-Aポートを1つ、他にHDMIポートを装備しています。
4. まとめ
OneXPlayer Super Xについて現状わかっているのはこれだけです。発売日や価格がわかっていないので、いいとも悪いとも言えませんが、パッケージングは非常に魅力的だと思います。また、ASUS ROG Flow Z13という「ベンチマーク」がありますので、価格が判明したところで「買い」か「見送り」かの判断をしやすそうに思います。
製品詳細が判明したら改めて記事にしたいと思います。
5. 関連リンク
OneXPlayer 公式サイト
※8月13日現在、Super Xの製品情報はありませんでした
2014年にサイトを開設して以来、ノートPC、ミニPC、タブレットなどの実機レビューを中心に、これまでに1,500本以上のレビュー記事を執筆。企業ではエンドユーザーコンピューティングによる業務改善に長年取り組んできた経験を持ち、ユーザー視点からの製品評価に強みがあります。その経験を活かし、「スペックに振り回されない、実用的な製品選び」を提案しています。専門用語をなるべく使わず、「PCに詳しくない人にもわかりやすい記事」を目指しています。
▶ サイト紹介・ウインタブについて
コメント
Ryzenなのにコントローラー載せてまでTB4とは贅沢仕様な
GPDWIN5がバッテリー内蔵辞めたのに対し従来通りなのは2in1の強みですね
StrixHeloでは今まで以上にハンドヘルドと設計思想で大きな違いがでそうです
TDP45~120Wと極端に開きが有るCPUですから瞬間的、継続的な冷却系で決定的なコスパの違いが出そう
基本設計で誤魔化しが効かない分、小手先の差別化にはならないと思うので専業メーカー以外はやらなそうですね
おっしゃるとおりStrix Halo搭載機は増えておらず、主に中国メーカーが健闘しているように思われます。この製品に関してはASUSのROG Flowが比較対象になりますが、どうなりますかね(あまり突っ込んだ意見は書かないようにします)。
電源入力がDCジャックなのが唯一の懸念点って感じしますね
すみません、そこは私もわかっていないです。120W駆動ができる製品なので、どうしてもDCジャックが必要なのかと。上の方が指摘されているようにバッテリーを内蔵しないStrix HaloのポータブルゲーミングPCも出てきてますし。