こんにちは、ウインタブ(@WTab8)です。今回もまた実機レビューです。中国の通販サイト「GEARBEST」に8インチデュアルブート(Windows 10 / Android 5.1)「Onda V80 Plus」の実機をご提供いただきました。この場にて御礼申し上げます。8インチのデュアルブートタブレットといえば先日「Cube iWork 8 Airの実機レビュー」をやったばかりで、特にかのあゆさんのライターレビューを見ていて思うんですが、8インチデュアルブートタブレットの技術的な課題も理解した上で楽しみたい製品です。
1.スペック
OS: Windows 10 + Android 5.1
CPU: Intel Atom X5-Z8300
RAM: 2GB
ストレージ: 32GB
ディスプレイ: 8インチIPS(1,920 × 1,200)
ネットワーク: 802.11b/g/n、Bluetooth
カメラ: イン2MP / アウト2MP
入出力: microUSB、microHDMI、ヘッドフォンジャック、microSD
バッテリー: 4200mAh
サイズ: 205 x 123 x 8.5 mm / 重量 325 g
まずスペックの確認をしてみます。OS、CPU、RAM、ストレージまでの構成は最新中国タブレットの典型であり、おそらくこの部分で差別化できる製品は今回の試用機V80 Plusを含めて、「中国タブレットでは、ない」と言えると思います。もちろん旧モデルなど、この構成よりも低スペックなものはたくさんありますが、これより高スペックなものは見当たりません。
ディスプレイの1,920 × 1,200というのは競合製品と比較して、いいほうです。先日レビューしたCube iWork 8 Airも同品質でしたが、8インチでこの解像度だとさすがに「おお!」くらいな気持ちにはなれます。
ということで、スペック表を見るだけだとあまり他機種との違いが伝わってきませんが、実はOndaらしい、いいところもあります。
2.同梱物など
本題から外れてしまいますが、今回はGEARBESTのサービス品質がずいぶん良くなったなあ、と感じる場面がありました。上の画像を見てもらいたいのですが、今回からGEARBESTは質のよいエアーパッキンに製品を入れ、それをダンボールで梱包して配送しています。以前はいわゆる「プチプチ」でぐるぐる巻きだったんですけど、こちらのほうがはるかに安心です。ずいぶんレベルアップしたなあ、と感じてしまいました。そういえばもう1年もGEARBESTと付き合ってますもんね。
さて本題、これが同梱物です。ケーブルは充電用のmicroUSB(オス)-フルサイズUSB(オス)のみが同梱されており、ACアダプターはついていませんでした。またこの種の製品に通常同梱されている、microUSB(オス)-フルサイズUSB(メス)の変換ケーブルもありません。
冊子類は「検査合格証」「保証書」「Windows操作に関する汎用のマニュアル」「Ondaタブレットの基本操作に関する汎用のマニュアル」の4つです。マニュアル類は英語表記がありました。ただし汎用版なので、特に役に立つわけでもないなあ、という感じです。
3.筐体
筐体は私がこれまでに試用した中国の8インチタブレットの中では最も高品質だと思います。背面素材はCNC加工のメタル素材(アルミ合金製だと思います)で、色は(下品じゃない)ゴールドです。8インチでプラ素材でない中国タブレットを試用するのはこれが初めてかも知れません。もちろん私が見た限り、接合部などの立て付けもしっかりしており、見る人が見ればあらも探せると思いますが、この価格帯としては120点、ということでいいんじゃないでしょうか?
左側面と底面にはポート類やボタン類はありません。また、この画像を見てもらうと、この製品の左右ベゼルがかなり細いことがわかりますよね。これ、どこかの中国メーカーのようにフォトショップで盛ってるわけではないですw
右側面には電源ボタンと音量上下ボタンがあります。
ボタンも金属製だと思いますし、立て付けもしっかりしていて気持よく押せます。拡大して見てもボロが出ませんよね?
上面にはmicroUSB、microHDMI、オーディオジャックがあります。質感はいいですが、装備内容としては「並」の8インチタブレットですね。
ということで、V80 Plusは筐体の品質が素晴らしく、ベゼル幅が狭いことによってデザイン面でも優れている、と評価することができます。先日のCube iWork 8 Airと比較すると重量が若干重いのですが、実測値で332 gなので、筐体品質の高さを損なうようなレベルではありません。ここまでは文句なしです。
3.システム構成
Onda V80 Plusにはバリエーション展開がありませんので、試用機はスペック表と同じシステム構成になっています。
この製品に限らず、ストレージ32GBのデュアルブートタブレット最大の問題は「Windows側のストレージ空き容量」です。この製品の場合、日本語化すらせず、ネット接続もしていない状態で空き容量は6GB弱しかありませんでした。先日のかのあゆさんのレビューにもありますが、これをネットに接続し、一部のWindowsUpdateやストアアプリの自動インストールなどがあると、空き容量は3GBとかになると思います。こんな状態だとAnniversary Updateは普通のやり方ではできません。
新品で、何もしていないのにOSのアップデートができないPCなんてのは、「欠陥品」だと言われても仕方ないくらいです。幸いにしてかのあゆさんのレビュー記事がこの問題に対する答えになってくれていますが、この先Windows 10は少しずつ肥大化していくでしょうし、アップデートでも大きな空き容量を要求するようになるので、メーカーさんには多少価格が高くなることは我慢するとしても、ストレージ容量の拡大をお願いしたいところです。
こちらがAndroid側のストレージ状況です。空き容量が4.17GBとありますが、Antutuなどレビュー用のアプリをいくつかインストールしたあとなので、初期状態だと4.5GB程度かもしれません。この容量は決して十分とは言えず、足りないことは足りないのですが、Windows側のように、勝手にストレージの空きが減る、ということはAndroidの場合は限定的だし、常識的なアプリサイズなどを考慮しても、今すぐ困るとかではないですね。
この製品はアンドロイド側にプリインストールされている中国アプリが多めです。どうせ意味がわからん、というのもありますし、さっさと無効化して視界から消してしまうのがいいか、と思います。なお、Google Playはプリインストールされていましたし、OSの日本語化も設定画面からワンタッチで完了したので、初期設定などで特別な知識を要する、ということはありませんでした。
この他、Windows、Android共通の印象として「ディスプレイはカタログスペック通りにキレイ」だと思いました。Onda製品では以前oBook 10を試用した際にも感じたことがあるのですが、この会社が使っているディスプレイはかなり品質がいいと思います。1,920 × 1,200というカタログスペックは信用してもいいと思いますよ。
あと、バッテリーですが、メーカー公称値は「6時間」となっていて、実際にバッテリー容量も4,200mAhとやや大きいのですが、私の試用状況だと6時間はちょっと厳しいかな?と思います。バッテリーを思い切り暗くして、ゲームなどはやらずに…くらいの使い方なら行けるかもしれませんけどね。ただ、他の8インチタブレットと比較してバッテリー稼働時間が短い、という可能性はなく、平均点以上の性能ではあると思います。
4.性能テスト
今回はドラクエベンチのみを実施しました。ドラゴンズドグマオンラインの方は、ストレージ容量を使いすぎますし、アンインストールしても一時ファイルが残ってしまうように思われ、後続のレビュアー(読者ですね)にご苦労をお掛けしたくなかった、というのもありますし、この製品のシステム構成は非常に典型的なので、ドラクエベンチだけやれば、問題なく評価できると思いました。
参考:
Cube iWork 11 Stylus(Atom X5-Z8300): 1,817
ONDA V919 Air CH(Atom Z5-Z8300): 1,801
Chuwi Hi 10(Atom x5-Z8300):1,658
ドスパラ Diginnos DG-D10IW3(Atom x5-Z8300): 1,570
Teclast X98 Plus 3G(Atom x5-Z8300): 1,464
Cube iWork 8 Ultimate(Atom x5-Z8300): 1,448
DELL Inspiron 11 3000(Celeron N3050): 1,446
ドスパラ Diginnos DG-D09IW2(Atom x5-Z8300): 1,241
Cube iWork 8 Air(Atom x5-Z8300): 1,238
PIPO W9S(Atom x5-Z8300): 1,136
PIPO W9S(Atom x5-Z8300): 1,136
acer Aspire Switch(Z3735F): 1,101
Diginnos DG-D08IWB 32GB(Z3735F): 1,097
この製品のCPU、Atom Z8300の場合、1,500前後のスコアになればおおむね妥当な性能、と理解しています。このスコアは「普通」といっていいレベルで、購入者の期待感を良くも悪くも裏切らないレベルだと思います。ちなみに前回試用したCube iWork 8 Airよりも高スコアなのですが、使ってみての体感差はほとんど感じれらないと思います。
AndroidではAntutuとGeekbench 3をやってみました。
参考:
BungBungame KALOS 2(Samsung Exynos 7420): 88,439
Chuwi HiBook(Atom X5-Z8300): 56,728
Cube iWork 8 Air(Atom x5-Z8300): 55,918
Teclast X89 Kindow(Atom Z3735F): 47,495
Teclast X10(MediaTek MT8392): 31,561
Cube T8 Super Version(MediaTek MTK8735P):23,925
Antutuに関しては妥当と言っていい結果だと思います。55,000点台というのはAtom Z8300のスコアとしては本当に普通レベルですね。先日テストしたCube iWork 8 Airとほとんど同じスコアになってます。
参考(GeekBench 3):
BungBungame KALOS 2(Samsung Exynos 7420):1,530、5,386
Cube iWork 8 Air(Atom x5-Z8300): 745、2,136
H96 Plus(Amlogic S905): 554、1603
Geekbench 3のスコアです。こちらはまだウインタブでデータが十分集まっていないのですが、Cube iWork 8 Airとの差は非常に小さく、ほぼ同性能であることがわかります。したがって、Androidでの処理性能についても、おおむね標準的なものと考えられます。
5.まとめ
Onda V80 Plusは中国の通販サイト「GEARBEST」で販売中で、8月14日現在の価格は93.89ドル(9,870円)です。なんと、もう1万円を切ってるんですね!
ただ、2度にわたるWindows 10の大型アップデートを経験して、ストレージ32GBのデュアルブートタブレットを「誰にでもおすすめ」なんて安易に書かないほうがいい、と思うようになりました。この記事でさんざん書いてきましたが、やはりWindows側のストレージの空きが小さすぎます。また、せっかく新品のタブレットを購入したのに、Anniversary Updateがそのままでは適用できず、そのためPC知識のない人はWindows Inkも使えない、なんていうのはどうなのかな、と思うんです。記事中何度も触れたように、ウインタブのライター記事を読んでみて、内容が理解でき、このくらいのことはやろうと思えば自分の力でできる、という人なら問題ないんですけどね。
この製品は筐体品質が8インチとしては抜群で、ディスプレイも本当にキレイです。なので、ストレージの問題を理解した上で購入するのであれば、非常にいい買い物になると思います。一方で、この製品にかぎらず、ストレージ32GBのデュアルブートタブレットを、よく調べずに購入してしまうと、この先後悔することになるかもしれませんので、特にPC初心者の方々は注意しましょう。
6.関連リンク
Onda V80 Plus Tablet PC:Gearbest
コメント
デザインはいい。
あとはAndroidなんか要らないし、WindowsがMobileの方を搭載していたら欲しかった。
こんにちは、コメントありがとうございます。Windowsだけにしちゃっても十分安いし、そのほうがずっと使いやすくなるかも。
私は、W10だけで、再インストールして使っています。
こんにちは、コメントありがとうございます。遅レスすみません。実際のところ、その使い方がベストかと思います。