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NiPoGi E3B (Ryzen 7 7730Uモデル) レビュー - 旧世代のRyzen 7を搭載し、コストパフォーマンスの高いミニPC

輸入製品

NiPoGi E3B (Ryzen 7 7730U) レビュー
ACEMAGICのブランド「NiPoGi」のミニPC、E3Bの実機レビューです。このE3Bという製品をウインタブでレビューするのは今回が初めてではありません。2025年7月にもE3Bをレビューしていて、この際のレビュー機はRyzen 7 5700Uという、やや古い型番のCPUを搭載していました (レビュー記事はこちらです)。今回のレビュー機はRyzen 7 7730Uを搭載しています。7730Uも最新型番ではありませんが、5700Uよりは新しく、パフォーマンスの向上に期待ができます。

なお、このレビューはメーカーからのサンプル機の提供を受け、実施しています。

ここがおすすめ
・Ryzen 7 7730U搭載で5万円台で購入できるコスパの良さ
・ポート構成が充実
・筐体の開口は容易、RAMやSSDの増設・換装がしやすい
・ファン音は静かで温度上昇も小さく、安定稼働に期待できる
ここはイマイチ
・RAMがシングルチャネルなので、パフォーマンスが低め
・初期搭載のSSDがSATA規格なので、やや低速
・パフォーマンス調整(電力調整)機能なし
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1. スペック表

項目 仕様
OS Windows 11 Pro
CPU AMD Ryzen 7 7730U
RAM 16GB/32GB (DDR4)
※2スロットあり
※16GBモデルはシングルチャネル、空きスロット1
ストレージ 512GB SSD (M.2 2280 SATA)
※M.2 2280空きスロット1
ディスプレイ なし
無線通信 Wi-Fi 6、Bluetooth5.2
ポート類 USB Type-C (映像出力対応)
USB3.2 Gen2×2、USB3.2 Gen1×4
HDMI2.0、DisplayPort、LAN (RJ45)
3.5mmオーディオジャック
カメラ なし
バッテリー なし
サイズ 128×128×41.3mm
重量 550 g

2. 外観

NiPoGi E3B (Ryzen 7 7730U) 同梱物

同梱物です。画像左側に電源ケーブルとACアダプター、その右にVESAマウント用のブラケット、さらにその右にHDMIケーブル、その下にネジ類 (VESAブラケット用)、右端にユーザーマニュアルが入っていました。マニュアルは日本語を含む多言語で書かれており、必要最低限の内容でした。ACアダプターは出力が65Wですが、CPUがノートPC用でTDPが15Wの省電力タイプなので、この出力で問題はありません。電源ケーブルのプラグは日本のコンセント形状に合うものでした。

NiPoGi E3B (Ryzen 7 7730U) 上面

本体上面(天板)です。ケース素材はプラスチック製ですが、しっかり感があり、安っぽさは感じられません。筐体サイズもミニPCとしては普通くらいですが、最近は徐々にミニPCのサイズが小さくなる傾向が見られますので、それを踏まえると若干大きめと言えるかもしれません。ただ、ミニPCの場合は多少大きさが変わったところで省スペース性はほとんど変わらないと思います。

NiPoGi E3B (Ryzen 7 7730U) 底面

底面です。中央に通気口があり、VESAマウント用のネジ穴があります。四隅のゴム足を外すとネジが出てきて、筐体を開口することができます(筐体の開口については後述します)。

NiPoGi E3B (Ryzen 7 7730U) 前面

前面です。左から電源ボタン、イヤホンジャック、USB 3.2 Gen 2 Type-A ポート×2、USB Type-Cポートがあります。

NiPoGi E3B (Ryzen 7 7730U) 背面

背面です。上部に通気口(排気口)があり、その左横にセキュリティロックスロット、右横にDC-INジャックがあります。下部には左からUSB 3.2 Gen 1 Type-Aポートが4つ、有線LANポート、DisplayPort、HDMIポートがあります。ポートの数と種類については「十分」と言えるでしょう。

NiPoGi E3B (Ryzen 7 7730U) 左側面

左側面

NiPoGi E3B (Ryzen 7 7730U) 右側面

右側面

両側面にはポート類やボタン類はありません。結局のところ、外観は昨年レビューしたRyzen 7 5700U搭載モデルから変わっていません。

3. 筐体内部

NiPoGi E3B (Ryzen 7 7730U) 底面

外観のところで説明した通り、底面の四隅にあるゴム足を外すとネジが出てきますので、この4つのネジを外して筐体を開口します。

NiPoGi E3B (Ryzen 7 7730U) 筐体内部

ネジを全て外し、背面カバーも外すと金属プレートが出てきます。このプレートはヒートシンク代わりと思われますが、これもドライバーで外します。

NiPoGi E3B (Ryzen 7 7730U) 筐体内部

筐体内部です。こちらで3色の枠を付けました。左端の赤枠はSSD用のM.2 スロットで、初期搭載の512GB SSDは装着されています。真ん中の青枠はSSD増設用のM.2 スロットで、M.2 2280 SATAもしくはPCIe SSDが装着可能です。

右の黄枠はRAMスロットです。スロットは2つで初期搭載の16GB RAMが1枚だけ装着されています。もう1つのスロットは空きです。(1スロットは空き)。よって、NiPoGi E3Bは初期状態で「シングルチャネル」です。

NiPoGi E3B (Ryzen 7 7730U) 筐体内部

RAMとSSDを外したところです。M.2 SSDスロットの下にWi-Fiモジュール(M.2 2230)とボタン電池が隠れていました。また、RAMを外すとサーマルパッドも出てきましたが、ご覧の通り破れてしまいました。

なお、初期搭載のRAM、SSD、Wi-Fiモジュールの規格と型番は下記のとおりです。RAMとSSDのメーカー (ブランド)は全くなじみのないところでした。

RAM:SKIHOTAR-16GB-3200 (DDR4)
SSD:AirDisk 512GB (Serial ATA 6Gb/s)
Wi-Fi:MediaTek MT7902 (Wi-Fi 6E)
※すべてHWiNFO 64から転記
※MT7902はWi-Fi 6まで対応 (Wi-Fi 6E非対応)の可能性あり

筐体の開口、RAM/SSDの増設・換装は非常に容易です。あまりPCに詳しくない人でも問題なく作業ができると思います。ただ、「RAMの裏側にサーマルパッド」という構造で、サーマルパッドに粘着性があるためRAMの取り外しは結構な力を入れる必要がありました。

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4. 性能テスト

ベンチマークテスト

ベンチマークテストの実施にあたり、Windowsの電源モードを「最適なパフォーマンス」に設定しました。GMKtecなど一部のミニPCメーカーの製品ではBIOSでパフォーマンスモード (電源モード)の変更ができるものがありますが 、NiPoGi E3Bにはそのような設定項目はありませんでした。

NiPoGi E3B (Ryzen 7 7730U) PCMark

クリックで拡大します

表計算ソフトやビデオチャット、画像加工など、実際のビジネスシーンをシミュレートしたテスト、PC Markのスコアです。ビジネス系のPCの性能測定で重視すべきベンチマークテストと言えます。ウインタブが最も重視しているテストです。

参考(過去データから一部抜粋):
Ryzen AI 7 350:7,791
Core Ultra 7 258V:7,527
Ryzen 9 PRO 6950H:6,987
Ryzen 7 8840U:6,949
Core Ultra 7 155H:6,849
Ryzen AI 5 340:6,767
Ryzen 5 8645HS:6,708
Core Ultra 7 255U:6,404
Core Ultra 7 155U:6,392
Core Ultra 5 125U:6,376
Core Ultra 5 225U:6,334
Ryzen 5 7535U:6,021
Core i7-1360P:5,929
Core i5-1340P:5,677
Core i7-1355U:5,452
Core i5-1334U:5,145
Core i7-1255U:4,834
Core i5-1335U:4,775
Core i5-1135G7:4,066

昨年NiPoGi E3BのRyzen 7 5700Uモデルをテストした際のスコアは4,792でしたから、それよりも大幅に高いスコアとなりました。内訳で見ると、Digital Content Creationのスコアがやや物足りないと感じます。つまり、グラフィック系の処理が少し苦手、ということです。これは「RAMがシングルチャネル」というのが要因かと思われます。

NiPoGi E3B (Ryzen 7 7730U) 3DMark

グラフィック性能を測定する3D Markのスコアです。

参考(過去データから一部抜粋):
Core Ultra 7 258V:4,397、8,611、35,677
Core Ultra 7 155H:3,924、8,338、24,476
Core Ultra 5 125H:3,392、7,301、23,168
Ryzen AI 7 350:3,268、6,991、28,542
Ryzen 7 8840U:2,943、7,206、27,471
Ryzen 5 8645HS:2,437、6,253、24,401
Core Ultra 7 255U:2,430、4,916、20,096
Core Ultra 5 225U:2,372、4,897、20,396
Core Ultra 7 155U:2,319、5,162、19,024
Ryzen AI 5 340:2,123、5,159、22,941
Core Ultra 5 125U:2,081、4,826、19,421
Core i7-1360P:1,786、4,991、16,779
Core i7-1355U:1,760、4,859、16,891
Core i5-1334U:1,386、3,672、13,157
Ryzen 5 7530U:1,281、3,137、13,730
Ryzen 7 5825U:1,242、3,226、12,859
Ryzen 3 5425U:1,122、2,848、11,949
※左からTime Spy、Fire Strike、Night Raidのスコア

3D Markのスコアは「不本意」です。やはりRAMがシングルチャネルであることが低スコアの要因と思われます。RAMをもう一枚追加し、デュアルチャネルにすればこのスコアから各テストで数百点以上の上乗せができると思います。ただし、その場合でもPCゲームを快適にプレイするという水準にはならないでしょう。

NiPoGi E3B (Ryzen 7 7730U) CrystalDiskMark

SSDの読み書き速度を測定するCrystal Disk Markのスコアです。NiPoGi E3BのSSDは「SATA」接続ですが、このスコアは一般的なSATA SSDの水準(読み込み500MB/s前後)を満たしていると評価できます。

数値だけでみるとPCIe接続よりも圧倒的に遅い (PCIe 4.0だと左上のSEQ1M Q8T1のスコアが7,000以上になることもあります)と感じられますが、体感だとOSやアプリの起動でそれほど差を感じません。ただし、大容量データの編集や転送では遅いと感じる場面もあるかもしれませんね。個人的にはこのスコアで不満はないです。

発熱とファン音

ファン音は小さめで、他社のミニPCよりも静か、と言っていいと思います。CINEBENCH 2024の測定中にHWiNFO 64でCPU温度と電力を確認したところ、CPUの最高温度は84.6℃でサーマルスロットリングは発生せず、最大の消費電力は34.996Wでした。Ryzen 7 7730UのデフォルトTDPは15WでcTDP (コンフィギュラブルTDP)は非開示となっているため、推測にはなりますが「安全運転」の範疇で動作しているものと思われます。

5. レビューまとめ

NiPoGi E3B (Ryzen 7 7730Uモデル)はAmazonで販売中で、2月16日現在の価格は54,036円です (2月28日までの期間、製品ページに5%OFFとなるプロモーションについて記載があり、カート画面で割引が受けられます)。

E3Bには他に「Ryzen 7730U/RAM32GB/SSD512GBモデル (70,838円)」「Ryzen 7 7735HS/RAM24GB/SSD512GBモデル (62,998円)」「Ryzen 7 7735HS/RAM24GB/SSD1TBモデル (74,518円)」が販売されています (いずれもプロモーションが適用された価格です)。

「Ryzen 7搭載のミニPC」としては低価格な部類だと思います。ただし、RAMがシングルチャネルのため、特にグラフィック関連では本来の実力が発揮できていません。シングルチャネルの状態でもOffice系のソフトウェアやWebアプリを使っての事務作業やWeb閲覧、動画視聴など一般的なビジネス用途であれば十分快適に使えると思いますが、動画編集や高度な画像加工、PCゲーム (比較的ライトなもの)など、グラフィック系の用途に使う場合はRAMを1枚追加してデュアルチャネルにするほうがいいでしょう。

それと、初期搭載のSSDがSATA規格のため (PCIe接続の他メーカー機よりも)低速でした。日常のビジネス用途で実用性を損なうことはないと思いますが、大容量のデータを扱う場合はPCIe 3.0規格のものに換装してもいいかと思います。

価格重視で選ぶミニPCとしては悪くない選択肢だと思います。

6. 関連リンク

執筆者:ウインタブ
2014年にサイトを開設して以来、ノートPC、ミニPC、タブレットなどの実機レビューを中心に、これまでに1,500本以上のレビュー記事を執筆。企業ではエンドユーザーコンピューティングによる業務改善に長年取り組んできた経験を持ち、ユーザー視点からの製品評価に強みがあります。その経験を活かし、「スペックに振り回されない、実用的な製品選び」を提案しています。専門用語をなるべく使わず、「PCに詳しくない人にもわかりやすい記事」を目指しています。
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