こんにちは、ウインタブ(@WTab8)です。中国タブレットの場合、CPUはCherryTrail世代のAtom、RAMは8インチなら2GBで10インチなら4GB、ストレージは8インチなら32GBで10インチなら64GBと、おおよそ類型化できてしまうし、価格も8インチだと100ドル前後、セールになると80ドル近辺で買えるものがあり、10インチだと100ドル台後半くらいから、ということで想像がつきます。
特に深センのメーカーの場合は顕著にスペックが画一化される傾向にあります。製造業の人なら私よりも詳しいと思いますが、おそらくサプライヤーが一緒で、主要パーツもそういうサプライヤーから仕入れているので、こうなっちゃうんだろうなあ、と思います。自社オリジナルの部分が少ないんでしょうね。
今回紹介する「Jumper EZPad 4SE」というのは少し面白い製品です。もともとJumperでは10.6インチのタブレットで「EZPad 4S」というのがありまして、こちらも上に書いた類型化からちょっと外れた(Windows 10のみのシングルブートで実売価格が120ドル前後と安い)製品なのですが、4SEのほうはもっと外れています。
1.スペック
OS: Windows 10 + Android 5.1
CPU: Intel Atom Z3735F
RAM: 2GB
ストレージ: 32GB
ディスプレイ: 10.6インチIPS(1,366 × 768)
ネットワーク: 802.11b/g/n、Bluetooth
カメラ: イン0.3MP /アウト2MP
入出力: USB2.0、microUSB、miniHDMI、DC-IN、オーディオ、microSD
バッテリー: 6,600mAh
サイズ: 288 x 170 x 11 mm / 640 g
ご覧のとおり、中国タブレットの新製品としてはずいぶん低スペックです。いや、低スペックというのは語弊がありますね。CPUはCherryTrailではなくBayTrailで、すっかりお馴染みのZ3735Fが搭載されています。CherryTrailよりは性能が劣りますが、タブレットとして使うには決してダメなCPUじゃありません。特に中国製品に使われる場合は発熱が少ないので挙動も安定するのではないかと思います。
OSはデュアルブートですがストレージが32GBしかないので多少の我慢を強いられます。この製品にかぎらず、8インチの製品がほとんど32GBのストレージになっており、個人的にはデュアルブートなら64GBあったほうが使いやすいと思います。
ディスプレイは10.6インチと、通常の10インチ(正確には10.1インチ)製品より少し大きめですが、解像度は1,366 × 768なので、それほど高精細とはいえません。
一方で入出力系は健闘していて、フルサイズのUSB 2.0が一つとmicroUSBが一つついています。また、
この製品は独立したDC-INを備えていますが、microUSBからの充電も可能です。これはタブレットの利便性を大きく向上させる効果があると思われます。
2.筐体
筐体は…特にスタイリッシュとかではないですね。ベゼルも太いですし。
背面はブラック基調で特に強いデザイン性はないです。拡大画像を見ると滑り止めの加工が施されていますが、素材はプラスティックだと思います。なお、Jumper EZPad 4Sのほうを試用したことがありますが、質感は決して高いとはいえませんでした。
この画像を見ると入出力ポートは筐体の左側面に集中していますね。この製品は拡張性がしっかり確保されているというのがセールスポイントだと思います。
この製品には別売りでキーボードが用意されています。カバー一体型の簡易なものですが、物理接続なので使い勝手は悪くないと思われます。
3.価格など
Jumper EZPad 4Sは中国の通販サイト「geekbuying」で販売中で価格は99.99ドル(約10,500円)です。また、別売りのキーボードは31.39ドル(約3,300円)となっています。
この製品の紹介記事、若干ネガティブな書き方をしてしまいましたが、実は私、結構高く評価しています。というのも、個人的に現在最も使用頻度が高いタブレットが「Teclast X89 Kindow」でして、CPU、RAM、ストレージ構成がこの製品と同じで、Androidのバージョンは4.4と、この製品よりも古いです。Windows側ではまだAnniversary Updateを適用していません。
でもね、タブレットとしての普段使いならこれで十分なんですよ。もちろんWindows側で負荷のかかる作業をすれば話は別です。他にもタブレットやPCを持っているからこういうことが言えるのかもしれません。でもWebブラウジングをしたり、メールを見たり、ストアアプリのゲームで遊んだりというくらいの使い方(実はそれがタブレットの使い方の9割以上だと思います)なら、BayTrailで困ることなんてまずありません。ましてやAndroidなんてごく快適に動きますよ。
中国タブレットの大きな魅力は、日本製品にはない最新スペックとかデュアルブート、そして価格の安さだと思うんですけど、どうせなら徹底的に価格の安さにこだわってそれなりの製品を手に入れる、という選択肢もすごく賢いと思います。なので、この製品はへんに力の入っていない、普通のユーザーにはおすすめだと思います。ただし、デュアルブートでストレージ32GBというのは結構気を使いますのでご注意を!
4.関連リンク
Jumper EZpad 4SE:geekbuying