GMKtecがミニPC「NucBox M2 Pro S」を発売しました。この記事でメインにご紹介するのはM2 Pro Sですが、CPU違いの「M2 Pro」というモデルもありまして、この2機種は日本のAmazonや楽天での取扱がありません。M2 Proの製品紹介記事も未掲載なので、ここで2機種まとめてご紹介します。
1. スペック表
項目 | 仕様 |
---|---|
OS | Windows 11 Pro |
CPU | Intel Core i7-1185G7 |
RAM | 16GB/32GB(DDR4 3200 MT/s, 最大64GB) ※スロット×2、空きなし |
ストレージ | 512GB/1TB SSD (M.2 PCIe 4.0 ×4接続) ※M.2 2242 SATAスロット空き1 |
ディスプレイ | なし |
無線通信 | Wi-Fi 6、Bluetooth 5.2 |
ポート類 | USB Type-C(5Gbps、映像出力対応) USB 3.2 Gen 2 Type-A×2 USB 3.2 Gen 1 Type-A USB 2.0 Type-A、LAN (RJ45) HDMI 2.0×2(4K@60Hz) 3.5 mmオーディオジャック |
カメラ | なし |
バッテリー | なし |
サイズ | 114×106×42.5mm |
重量 | 361 g |
※このスペック表はM2 Pro Sのものです。M2 Proについてはメーカー公式サイトに詳細なスペック表がなかったため、このあとM2 Pro Sとの相違点を掲載します。
このスペック表はベアボーンモデル(OSなし、RAM/SSDなし)を考慮していません。また、これ以降の製品説明でもベアボーンモデルについては触れません。
2. OS/CPU
OSはWindows 11 ProでCPUはM2 Pro SがCore i7-1185G7、M2 ProがCore i7-1195G7です。どちらも第11世代 (Tiger Lake)の型番なので、「いささか古い」です。
これはPassmarkが公表しているベンチマークスコアです。1185G7と1195G7はコア数/スレッド数が同じでクロックスピードが若干異なります (上の表ではTDPも異なっていますが、これは誤りで、実際はいずれもコンフィギュラブルTDPが12W-28Wと同一です)。また、個人利用の場合はほぼ関係ない点として、1185G7はvPro対応、1195G7は非対応です。
性能面では1195G7のほうがわずかに上、と言えなくもありませんけど、まあ「同じくらい」と考えても問題ないでしょう。また、古い型番なので現行型番のCore 5 220 (Coreシリーズ2)と比較しても見劣りするくらいの性能です。ただし、Intel N150などのエントリー型番よりは断然高性能ですし、事務仕事に使うのであれば全く問題ないと思います。
また、他のGMKtec製品と同様に、BIOSでパフォーマンスモード(供給電力の上限を変更するもの)の変更が可能です。CPU性能がそこまで高くない製品なので、パフォーマンスモードを変更することによって使用感は結構変わってくると思います。
3. RAM/ストレージ
M2 Pro S/M2 ProともRAMとストレージは「ベアボーン (OS/RAM/SSDなし)」「16GB/512GB」「32GB/1TB」の3つから選べ、M2 Proのみ「16GB/1TB」も選べます。RAMスロットは2つあり、ベアボーンを別とすると初期状態で空きスロットはありません。初期搭載のRAMを容量の大きなものに交換することができ、最大64GBまで搭載可能です。
SSDはM.2 2280 PCIe 4.0接続のものが搭載されており、M.2 2242 SATAの空きスロットがありますので、簡単に増設することができます。GMKtecのミニPCはほとんどが簡単に筐体を開口できる構造なので、「誰でも絶対に大丈夫」とまでは言えませんが、あまりPCに詳しくない人でも問題なくSSDの増設が可能だと思います。
4. 筐体
前面 (画像左)と背面 (画像右)のポート構成です。ポート配置はM2 Pro SとM2 Proで共通ですが、背面のUSBポート2つの仕様が異なり、M2 ProではUSB 3.2 Gen 2 Type-Aとなります。つまり、USBポートの規格についてはM2 Proのほうが上です。
ウインタブの経験上、GMKtecのミニPCは冷却性能に優れています。M2 Pro S/M2 Proとも冷却面に不安はないものと思いますが、ファン構造についてはシングルファンなのかデュアルファンなのかは不明ですね (画像にあるDual-Turbineというのは必ずしもデュアルファンであるとは言えません)。
5. 価格など
GMKtec NucBox M2 Pro SとM2 ProはGMKtecのグローバル公式ストアで販売中で、10月2日現在の価格は下記のとおりです。
M2 Pro S:
・ベアボーン:264.99ドル (39,484円)
・16GB/512GB:334.99ドル (49,914円)
・32GB/1TB:404.99ドル (60,344円)
※15ドルOFFクーポン「M2PS15PR」を使用した価格
M2 Pro:
・ベアボーン:275.99ドル (41,123円)
・16GB/512GB:349.99ドル (52,149円)
・32GB/1TB:409.99ドル (61,089円)
・16GB/1TB:369.99ドル (55,129円)
※16GB/512GBのみ200ドルOFFクーポン「GMKM2P200」を使用した価格
なお、カッコ内の円建て価格は1ドル149円としてウインタブが計算したものです (実際の為替レートではありません。GMKtecのグローバル公式ストアは円建ての決済に対応していないので、クレジットカード会社などの為替レートが適用されます)。
M2 Pro SとM2 ProはCPU性能の差がほとんどなく、USBポートの規格でM2 Proが上で、価格はM2 Pro Sのほうが少し低めです。なので「どっちにするかは難しいところ」ですね…。
6. 関連リンク
2014年にサイトを開設して以来、ノートPC、ミニPC、タブレットなどの実機レビューを中心に、これまでに1,500本以上のレビュー記事を執筆。企業ではエンドユーザーコンピューティングによる業務改善に長年取り組んできた経験を持ち、ユーザー視点からの製品評価に強みがあります。その経験を活かし、「スペックに振り回されない、実用的な製品選び」を提案しています。専門用語をなるべく使わず、「PCに詳しくない人にもわかりやすい記事」を目指しています。
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