
BeelinkがミニPC「ME Pro」を発売しました。ミニPCとしても使えますが、NASあるいはホームサーバーとしても利用できる製品で、ライターのnatsukiさんがレビューした「GMKtec NucBox G9」に近い製品特性になっています。2025年はNucBox G9のほか、UGREEN NASyncシリーズなどNAS関連の製品に面白いものが多かったですが、2026年もこの傾向が続くのかもしれませんね。
1. スペック
スペック表
| 項目 | 仕様 |
|---|---|
| OS | Windows 11 Home |
| CPU | Intel N95/N150 |
| RAM | 12GB/16GB (LPDDR5-4800MHz) |
| ストレージ | 128GB/512GB/1TB SSD ※M.2 2280 PCIe 3.0スロット×3 ※2.5/3.5インチ SATA HDDベイ×2 |
| ディスプレイ | なし |
| 無線通信 | Wi-Fi 6E、Bluetooth 5.4 |
| インターフェース | USB Type-C (10Gbps、映像出力対応) USB 3.2 Type-A (10Gbps) USB 2.0 Type-A×2、HDMI (4k@60Hz) USB 3.2 Gen 1 Type-A (5Gbps) HDMI 2.1、オーディオジャック LAN (RJ45、5GbE) LAN (RJ45、2.5GbE) オーディオジャック |
| カメラ | なし |
| バッテリー | なし |
| サイズ | 166×121×112 mm |
| 重量 | 2.1 kg |
バリエーションモデル
・N95/12GB RAM/128GB SSD
・N95/12GB RAM/512GB SSD
・N95/12GB RAM/1TB SSD
・N150/16GB RAM/512GB SSD
・N150/16GB RAM/1TB SSD
2. OS/CPU

OSはWindows 11 Homeがプリインストールされます。が、この製品はなんと「マザーボードがモジュラー式で交換可能」です。つまり、Intel以外のCPUに変更することができます。ただし、交換用のマザーボードは記事執筆時点で販売が始まっていません。
CPUはIntel N95とN150を選べます。いずれもエントリークラスの型番なので性能はCore 3やRyzen 3の現行型番にも及びませんが、NASやホームサーバーとして使うには十分かと思いますし、ミニPCとしてみてもOffice系のアプリを使ったり、動画やWebサイトの閲覧などライトな用途であれば問題なくこなせます。
3. RAM/ストレージ
RAMは12GB (N95の場合)と16GB (N150の場合)ですが、LPDDR5なのでオンボードメモリです。よって購入後の増設・換装はできません。…大容量RAMを積んだ交換用マザーボードが用意されるかもしれませんけどね。

ストレージは「潤沢」です。M.2 2280 PCIe3.0のスロットが3つ (うち1つはプリインストールされているOSが入っており、他の2つが空きになっています)、2.5インチと3.5インチに対応するSATAのドライブベイが2つ (いずれも空き)と、合計で5基のストレージを搭載可能です。メーカー公称の最大搭載容量は72TBと超大容量です。
4. 筐体

このように筐体がモジュール式になっており、ほぼほぼ分解可能です。また、HDDに関してはBeelinkより、下記の趣旨の連絡をもらっています。
ME ProのHDDはNAS製品で一般的に見られるクイックインストール方式ではなく、ネジで固定・取り外しを行う方式となっています。この設計を採用した理由は、ME Proの大きな特長の一つである「動作音の低さ」にあります。両面の防振シリコンプラグと、しっかりと固定するネジを組み合わせることで、HDDの振動音を効果的に低減しつつ、ドライブを損傷から保護しています。また、この構造によりHDDを筐体により密着させることができ、熱伝導性が向上し、HDDの温度低下にも寄与します。
さらに、初期セットアップ後にHDDを頻繁に取り付け・取り外しするユーザーは多くないと考えました。そのため、最終的にクイックインストール方式ではない設計を採用しています。
特に最後の「初期セットアップ後にHDDを頻繁に取り付け・取り外しをするユーザーは多くないと考えました」というのは個人的には妥当な見解だと思います。

前面・背面とポートの構成です。ミニPCとしてみる場合、USBポートやHDMIポートの構成は標準的かやや少なめと感じられますが、有線LANポートに関しては5GbEと2.5GbEの2つを搭載しています。
5. 価格など
Beelink ME ProはBeelink公式サイトで販売中で、価格は記事執筆時点での価格は369ドル (1ドル158円として約58,300円)から、となっています。
Intel N95やN150を搭載するミニPCとしては明らかに高価なので、NASあるいはホームサーバーとしての運用を視野に入れないのであれば購入すべき製品とは言えません。また、すでに在庫がなくなっていますがGMKtec NuxBox G9よりも価格が高いです。しかし、このタイプの製品の場合、「安定稼働」が特に重要になると思いますので、スペック表だけで一概に高いとか安い、ということは言えません。Beelink製品は以前レビューしていて、筐体品質は高いと感じていますので、上に引用したHDDベイの設計理念にみられるように、安定性にはしっかり配慮されていると思います。
6. 関連リンク
2014年にサイトを開設して以来、ノートPC、ミニPC、タブレットなどの実機レビューを中心に、これまでに1,500本以上のレビュー記事を執筆。企業ではエンドユーザーコンピューティングによる業務改善に長年取り組んできた経験を持ち、ユーザー視点からの製品評価に強みがあります。その経験を活かし、「スペックに振り回されない、実用的な製品選び」を提案しています。専門用語をなるべく使わず、「PCに詳しくない人にもわかりやすい記事」を目指しています。
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