8インチのWindowsゲーミングUMPC「AOKZOE A1」がKICKSTARTERでクラウドファンディング中です。GPD WIN3やONEXPLAYERシリーズ、AYANEOシリーズと共通のコンセプト…というかよく似た製品で、CPUに最新のRyzen 7 6800Uを搭載しているのが大きなセールスポイントです。
なお、私のところには少し前から何度かAOKZOEからウインタブに記事執筆依頼のメールが届いていますが、残念ながらAOKZOEについて詳細な企業情報がわかっていません(本拠地は上海で、メールに上海の住所は書かれていました)。また、今回ご紹介する製品は「海外のクラウドファンディング」で、メーカーも過去に出品履歴がないということなので、「購入する場合は慎重に」お考えいただければと思います。
1.AOKZOE A1 スペック
スペック表
AOKZOE A1 | |
OS | Windows 11 |
CPU | AMD Ryzen 7 6800U |
外部GPU | なし |
RAM(メモリ) | 16GB/32GB(LPDDR5 6400MHz) |
ストレージ | 512GB/1TB/2TB M.2 SSD(PCIE3.0×4) |
光学ドライブ | なし |
ディスプレイ | 8インチ(1,920 × 1,200)タッチ |
ネットワーク | 802.11 a/b/g/n/ac/ax、Bluetooth 5.0 |
入出力 | USB4 Type-C × 2、USB 3.0、microSDカードリーダー、オーディオジャック |
カメラ | なし |
バッテリー | 48Wh/65Wh |
サイズ | 285 x 125 x 21 mm |
重量 | 669 g / 729 g |
バリエーションモデル
・16GB/512GB
・16GB/1TB
・16GB/2TB
・32GB/2TB
※左からRAM/SSD
コメント
よく似た形状のゲーミングUMPCが多い中、このAOKZOE A1の最大の特徴は「CPUがRyzen 7 6800Uである」という点ですね。他社のゲーミングUMPCで第12世代CoreやRyzen 6000番台を搭載する製品はまだ登場していないと思います。もちろんパフォーマンスは非常に高いです。RAMとストレージの組み合わせは上記の通り。最大でRAM32GB、2TB SSDまで搭載可能です。
KICKSTARTERにあった人気ゲームのフレームレートです。HD解像度であればかなり快適にプレイができそうですね。また、この製品はTDPの切り替えが可能で、デフォルトでは15W、ターボモードでは28Wになります。TDPの切り替えは本体のボタン1つで可能なので、バッテリー持ちを気にしなくてはならない携帯ゲームマシンにはありがたい配慮です。
ディスプレイは8インチのIPS液晶でFHD解像度です。ONEXPLAYER(8.4インチ)に近く、ONEXPLAYER miniシリーズやAYANEOシリーズ(7インチ)よりも一回り大きいサイズになっています。
入出力ポートも割と充実していて、USB4 Type-Cが2つ、USB Type-Aが1つ、microSDカードリーダーも装備しています。
サイズをONEXPLAYER(AMD)と比較してみましょう。
AOKZOE A1:285 x 125 x 21 mm / 669 g or 729 g
ONEXPLAYER(AMD):288 x 130 x 21 mm / 819 g
ご覧のようにONEXPLAYERとはほぼ同サイズと言え、重量が軽くなっています。なお、AOKZOE A1は注文の際にバッテリー容量を選択でき、48Whにすると重量が669 gに、65Whにすると729 gとなります。また、ONEXPLAYERのバッテリー容量はその中間、58.9Whです。
筐体サイズやシステムスペックはONEXPLAYER(AMD)に似ていますが、上に書いた通りAOKZOE A1はCPUの型番が新しく(ONEXPLAYERはRyzen 7 4800UもしくはRyzen 7 5700U)、一方でディスプレイサイズについてはONEXPLAYERが2,560 × 1,600と、より高精細になっています。また、RAM32GBという設定はONEXPLAYERにはありません。
2.AOKZOE A1 筐体
えー、すみません、はっきり言ってあまり新鮮味が感じられません。既存のゲーミングUMPCと同じデザインコンセプトと言え、オリジナリティが感じられないですね。もちろん製品特性上、似てしまうのも仕方がない、と言えなくもありませんが…。
上面・下面と入出力ポート構成です。配置は異なるものの、USBポートの数やmicroSDカードリーダーの装備など、ONEXPLAYERと同じ構成です。ただし、USBの規格についてはAOKZOE A1のほうが新しいものになっています。
ディテール部分の説明です。
参考までにONEXPLAYERの説明画像を掲載しておきます。ターボボタンとかキーボード呼び出しボタン、ホームボタン(デスクトップ呼び出しボタン)などの配置はほぼ同一です。
筐体色は「Quantum Blue」と「Lunar White」の2色を選べます。
3.AOKZOE A1 価格など
AOKZOE A1はKICKSTARTERでクラウドファンディング中(8月27日まで)で、7月19日現在の価格(出資額・支援額)は下記のとおりです。
・16GB/512GB:899ドル(約124,370円)
・16GB/1TB:999ドル(約138,204円)
・16GB/2TB:1,151ドル(約159,218円)
・32GB/2TB:1,299ドル(約179,691円)
※9月配送予定
ONEXPLAYER(AMD)のRyzen 7 4800U/RAM16GB/1TB SSDモデルの価格は税込み153,450円(7月19日現在、製品ページにある10%OFFクーポンを使用)なので、それよりも安いですし、CPUの型番が最新、ということを考慮すればさらにお買い得感は高いと言えます。
一方で、冒頭に書いた通り、少なくともウインタブとしては日本に正規代理店があり、正規販売をしているONEXPLAYERと、「これが初めてのクラウドファンディング」となるAOKZOEとは信用度がまるっきり違うと思っています。WindowsのゲーミングUMPCは決して安価な製品ではありませんので、スペック表と価格情報だけを見て判断するのはちょっと危険かな、と感じますね。AOKZOE A1の場合、すでに海外の情報サイトで実機レビューをしていて(KICKSTARTERの製品ページに動画があります)、実機が配送されない(要はプロジェクトが失敗する)、という可能性は低いと思いますが、クラウドファンディングでは「配送が予定より数ヶ月、下手をすると1年くらい遅れる」なんてこともありますので、このあたりのリスクを考慮してから購入されるようにして下さい。
4.関連リンク
AOKZOE: AMD 6800U Powered Pro Game Console:KICKSTARTER
コメント
このAOKZOE A1は製造その他をONE-Netbook社に委託しているOEMだそうですので、ONEXPLAYERに似るのもさもありなんですね
こんにちは。それは知らなかったです。ということは筐体設計の段階でONE-NETBOOKの意向というかアドバイスも相当に含まれてしまっているんでしょうね。
先の方がコメントしている通り、この商品はONE-Netbook社が製造しておりますので品質は問題ないと思います。
しかし、サポートがどうなるかは不安がありますね。
ハイビームインジケーター秋葉原さんが日本の代理店となれるように動いているのでそこに期待です。
海外の有名な方が実機動画出してたので見ましたが、流石にTDP28W時のパフォーマンスは凄いですね。
ただこの手の端末は性能とバッテリー持ちのバランスが実用性という快適さに繋がるので、そこらへんどうなんでしょうねぇ…。
ハイビームさんに日本発売できそうか聞いてみます。このジャンルの製品はONEXPLAYER Miniのみ実機レビューしていますが、もちろんパフォーマンスも大事なんですけど、デスクトップPCやノートPCとは全然違うジャンルの製品、と感じています。なので「ある程度ゲームが楽しめるのなら、グラフィックとかはあんまり気にしない」という感じでしょうか。あと、バッテリー持ちもすごく重要ですよね。現状、この手の製品は「ゲームプレイだとせいぜい2時間」くらいのものがほとんどです…。この製品に限らず、私も一台ほしいと思います。AYANEO AIRとかがいいなあ…。