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HP OmniBook 7 Aero 13-bg レビュー - Copilot+ PCとなった超軽量な13.3インチモバイルノート

HP

HP OmniBook 7 Aero 13-bg レビュー
HP OmniBook 7 Aero 13-bgの実機レビューです。筐体重量1 kgを切る (一部のモデルは1 kgちょうど)超軽量なモバイルノートで、前身機Pavilion Aero 13の頃から大人気の製品です。Pavilion Aero 13からOmniBook 7 Aero 13への変更に伴い、CPUがRyzen AI 300シリーズ (コードネームはKrackan Point)になり、「Copilot+ PC」となりました。

なお、このレビューはメーカーよりレビュー機をお借りして実施しています。

ここがおすすめ
・13.3インチで重さ1キロ弱と超軽量
・AI性能の高いCPUを搭載するCopilot+ PC
・ビジネス用、学習用として快適に使える高い性能
・発色のよいディスプレイ
・性能・筐体品質からみて割安な価格
ここはイマイチ
・キーボードが静音ではない

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1.製品概要

スペック表

項目 仕様
OS Windows 11 Home
CPU AMD Ryzen AI 5 340/Ryzen AI 7 350
RAM 16GB/32GB(LPDDR5x-7500, オンボード)
ストレージ 512GB/1TB SSD(PCIe Gen4 NVMe M.2) 
ディスプレイ 13.3インチIPS(1,920 × 1,200)
無線通信 Wi-Fi6E(a/b/g/n/ac/ax)、Bluetooth 5.3
ポート類 USB Type-C(10Gbps、映像出力/PD対応)×2
USB Type-A(10Gbps)、USB Type-A(5Gbps)
HDMI、オーディオジャック
カメラ Webカメラ(5MP)顔認証対応
バッテリー 駆動時間 最大15時間30分
サイズ  297 × 211 × 16.5 -17.4 (最厚部) mm
重量 970 g – 1.0 kg

バリエーションモデル

・スタンダード:Ryzen AI 5/16GB/512GB
・パフォーマンス:Ryzen AI 7/16GB/1TB
・パフォーマンスプラス:Ryzen AI 7/32GB/1TB

※レビュー機は「パフォーマンスプラス」モデルです

2. 外観と使用感

ACアダプター

HP OmniBook 7 Aero 13-bg ACアダプター

ACアダプターは出力が65Wのもので、大きさはモバイルノートPC用としては標準的、電源ケーブル込みの実測重量は323 gと、それほど軽いとは言えない (ウインタブのレビュー経験上、モバイルノートPCのACアダプターは重量が300 gを切るものが多い)です。

HP OmniBook 7 Aero 13-bgのUSB Type-CポートはUSB PDに対応しており、市販の急速充電器やモバイルバッテリー (ノートPCの充電に対応する、出力が大きめなもの)でも充電/給電が可能なので、外出時にはこれらの機器で代用することもできます。

天板と底面

HP OmniBook 7 Aero 13-bg 天板

HP OmniBook 7 Aero 13-bgは「セラミックホワイト」と「グレイシャーシルバー」の2色から選べますが、レビュー機の筐体色はセラミックホワイトでした。非常にきれいな白で天板の手触りも滑らかです。筐体素材はマグネシウム合金が使われており、1キロを切る軽さを実現しています。

HP OmniBook 7 Aero 13-bg 背面

底面です。中央上部に通気口が、画像下部左右にスピーカーグリルがあります。

側面

HP OmniBook 7 Aero 13-bg 前面

前面

HP OmniBook 7 Aero 13-bg 背面

背面

前面と背面にはポート類やボタン類はありません。

HP OmniBook 7 Aero 13-bg 左側面

左側面です。画像左からUSB Type-A (データ転送速度5Gbpsなので、USB 3.2 Gen 1規格です)、イヤホンジャックです。

HP OmniBook 7 Aero 13-bg 右側面

右側面です。画像左からUSB Type-C✕2 (データ転送速度10Gbpsなので、USB 3.2 Gen 2規格です。どちらもUSB PDと映像出力に対応します)、HDMI、USB Type-A (USB 3.2 Gen 1規格)があります。なお、OmniBook 7 Aero 13-bgにはDC-INジャックはなく、USB Type-Cポートから充電/給電します。

このように、OmniBook 7 Aero 13-bgは合計で4つのUSBポートとHDMIポートを備えており、一般的なビジネス利用には十分なポート構成になっています。…欲を言えば国内メーカー製品のように有線LANポートも欲しかったですけどね。

ディスプレイ

HP OmniBook 7 Aero 13-bg ディスプレイ

ディスプレイは13.3インチのIPS液晶、解像度は1,920✕1,200 (アスペクト比16:10)で、色域は100%sRGBと高品質です。発色について、手持ちのPCモニター(27インチIPS液晶、99%sRGBのもの)と比較してみましたが「全くの互角」と感じられました。

しかし、ブラウザー上で白背景でテキスト入力をした際、少しフォントが見にくかったり、黒が薄く感じられたりしました。これは画像や映像でチェックしたときには感じなかったことです。「もともと悪い視力がさらに悪化したのか…」とも思ったのですが、Windowsの設定にある「Clear Typeテキストの調整」を試してみたところ、一発で問題解消となりました。ちなみに私は多数のノートPCをレビューした経験がありますが、Clear Typeテキストの調整をしたのは今回が初めてです。OmniBook 7 Aero 13-bgを使っていて、もし私と同様の不満を感じた場合は試してみてください。

キーボード

HP OmniBook 7 Aero 13-bg キーボード

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キーボードです。メーカーの開示では「キーピッチ:約19.0×18.7mm、キーストローク:約1.3mm、JIS標準準拠(87キー)」となっており、数値上は「キーピッチは標準的、キーストロークはノートPC用として標準的からやや浅め」くらいです。

HP OmniBook 7 Aero 13-bg キーボード

また、明るさを2段階に調整できるバックライトもついています。

実際にタイピングしてみると開示数値の通り、キーピッチ、キーストロークとも適切と感じられ、狭苦しさも感じませんでした。配列に関しては概ね素直と思いましたが、「最上段の一列」と「方向キーの左右にあるPgUp、PgDn」ボタンがかなり小さいことが少し気になりました。ただ、この点についてレビュー中にタイプミスはほとんど発生しませんでした。

打鍵音の大きさは「並」くらいです。特に静音とは言えません。おそらく静かな場所で強打すると周囲に迷惑が掛かると思います (ところ構わず強打するような輩はどんな製品を使おうと同じですけどね)。

ヒンジ

HP OmniBook 7 Aero 13-bg ヒンジ開口

ヒンジを最大開口したところです。最近のノートPCはヒンジが180度開口するものが増えており、それらとの比較だとOmniBook 7 Aero 13-bgはちょっと身体が固いかもしれません。もちろんこの開口角度であれば個人で使うぶんには全く問題ありませんが、ヒンジが180度開口する製品の場合は、ビジネスミーティングなどで向かい側にいる人と画面共有がしやすくなるというメリットがあります。

スピーカー、マイク、カメラ

HP OmniBook 7 Aero 13-bg MyHP

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設定アプリ「MyHP」の中に「poly studio」が含まれており、音質調整やノイズリダクションの設定はここから行います。

レビュー中にYouTubeで音楽や動画を視聴してみましたが、ノートPCの内蔵スピーカーとしては音質はよく、低音から高音までクリアに聴けました。ただし、同じHPの上位モデルのように「ノートPCとは思えないくらいに素晴らしい!」とまでは行かないですね。作業中にBGMを聴いたり、動画を視聴したりするぶんには全く不満を感じないと思います。

HP OmniBook 7 Aero 13-bg Poly Camera Pro

お食事中の方に配慮し、私の姿にはぼかしを入れています (クリックで拡大します)

Webカメラは画素数が5MPと高く、アプリ「Poly Camera Pro」により、かなり細かく画質や画面の編集が可能です。カメラの画素数は設定上2K (2560×1440)まで上げることができ、画面の隅にプロフィール情報を表示することもできます (上の画像で「John Doe」と書かれている部分です)。背景のぼかしや逆光補正も可能。Windows標準の「Windows スタジオエフェクト」よりも明らかに多機能です。

マイクのノイズリダクション機能にも優れています。拍手をしながらしゃべっても、拍手の音だけをしっかり消してくれますね。ただし、この手の機能は他社の上位モデルでも一般的になっており、OmniBook 7 Aero 13が群を抜いて高機能、という感じではないです。もちろん実用上は十分満足できるレベルではあります。

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3. 性能テスト

ベンチマークテスト

HP OmniBook 7 Aero 13-bg MyHP

クリックで拡大します

ベンチマークテストの実施にあたり、レビュー機を電源に接続し、Windowsの電源モードを「最適なパフォーマンス」に、設定アプリMyHPのパフォーマンスコントロールを「パフォーマンス」に設定しました。

HP OmniBook 7 Aero 13-bg PCMark

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表計算ソフトやビデオチャット、画像加工など、実際のビジネスシーンをシミュレートしたテスト、PCMarkのスコアです。ビジネス系のPCの性能測定で重視すべきベンチマークテストと言えます。ウインタブが最も重視しているテストです。

参考(過去データから一部抜粋):
Core Ultra 9 185H:8,099
Ryzen AI 9 365:7,896
Ryzen AI 7 350:7,791
Ryzen AI 9 HX 370:7,511
Core Ultra 7 258V:7,527
Ryzen 7 8845HS:7,446
Ryzen 9 8945HS:7,110
Ryzen 9 PRO 6950H:6,987
Ryzen 7 8840U:6,949
Ryzen 7 PRO 6850H:6,858
Core Ultra 7 155H:6,849
Ryzen AI 5 340:6,767
Ryzen 5 8645HS:6,708
Core i9-13900H:6,542
Core Ultra 5 135H:6,485
Core Ultra 7 255U:6,404
Core Ultra 7 155U:6,392
Core Ultra 5 125U:6,376
Core i9-13900HK:6,344
Core Ultra 5 225U:6,334
Ryzen 5 7535U:6,021

レビュー機の搭載CPUはRyzen AI 7 350です。スコア7,491というのはGeForceなどの外部GPUを搭載しないノートPCとしては非常に高水準です。Ryzen AI 7 350の過去データに7,791というのがありますが、これは「同型CPU搭載のPCを複数台テストした中での最高値」なので、あまり気にする必要はありません。

PCMarkが想定するビジネスシーンではほとんど不満を感じることはなく、ごく快適に使えるはずです。

HP OmniBook 7 Aero 13-bg 3DMark

グラフィック性能を測定する3DMarkのスコアです。

参考(過去データから一部抜粋):
Core Ultra 7 258V:4,397、8,611、35,677
Core Ultra 9 185H:4,143、8,223、31,710
Core Ultra 7 155H:3,924、8,338、24,476
Ryzen AI 9 365:3,895、8,885、34,303
Ryzen AI 9 HX 370:3,800、8,026、31,138
Core Ultra 5 135H:3,454、7,235、24,791
Core Ultra 5 125H:3,392、7,301、23,168
Ryzen 9 7940HS:3,362、7,776、29,076
Ryzen 7 8845HS:3,330、7,908、29,873
Ryzen 9 8945HS:3,282、7,893、31,591
Ryzen AI 7 350:3,268、6,991、28,542
Ryzen 7 8840U:2,943、7,206、27,471
Ryzen 9 PRO 6950H:2,846、7,051、27,983
Ryzen 7 PRO 6850H:2,660、6,601、26,920
Ryzen 5 8645HS:2,437、6,253、24,401
Core Ultra 7 255U:2,430、4,916、20,096
Core Ultra 5 225U:2,372、4,897、20,396
Core Ultra 7 155U:2,319、5,162、19,024
Ryzen AI 5 340:2,123、5,159、22,941
Core Ultra 5 125U:2,081、4,826、19,421
Core i9-13900HK:1,979、5,507、19,723
Core i9-13900H:1,956、5,440、19,477
Core i7-12700H:1,843、5,194、18,244
Core i7-1360P:1,786、4,991、16,779
Core i7-1355U:1,760、4,859、16,891
Core i5-1334U:1,386、3,672、13,157
Ryzen 5 7530U:1,281、3,137、13,730
Ryzen 7 5825U:1,242、3,226、12,859
Ryzen 3 5425U:1,122、2,848、11,949
※左からTime Spy、Fire Strike、Night Raidのスコア

3DMarkのスコアも外部GPU非搭載機としては高水準です。比較的古いゲームや低負荷なゲームであれば十分プレイできる性能です。

HP OmniBook 7 Aero 13-bg CrystalDiskMark

SSDの読み書き速度を測定するCrystalDiskMarkのスコアです。PCIe Gen 4のSSDとしてはそこまで高いスコアではありませんが、ビジネスPCとしては十二分に高速です。

バッテリー駆動時間

Windowsの電源モードを「最適電力効率」に、MyHPのパフォーマンスコントロールを「省電力機能」に設定し、ディスプレイ輝度を70%に、音量を30%に、キーボードバックライトをオン (2段階の明るさのうち、暗いほう)に設定し、下記の作業をしてみました。

・ブラウザー上でYouTubeの動画・音楽視聴を約25分
・画像加工ソフトGIMPで簡単な画像加工を約20分
・ブラウザー上でテキスト入力を約35分

上記トータルで約80分使用し、その間のバッテリー消費量は約21%でした。単純計算で1時間あたり約14.7%のバッテリー消費、バッテリー駆動時間は7時間弱となります。先日レビューした同型CPU搭載のASUS ExpertBook P3 (PM3406CKA)では「7時間半から8時間」と評価しましたが、ExpertBook P3のバッテリー容量は70Whであるのに対し、レビュー機のバッテリー容量は約43Whと小さく、それを踏まえるとむしろ良好なバッテリー持ちだと思います。

終日出先でバッテリー駆動する場合は「頑張って節約すればなんとかいけそう」という感じですね。筐体重量を抑えるためにバッテリー容量を小さくせざるを得なかった、ということでしょう。

発熱とファン音

特に指摘することはありませんが一応。文書作成や動画視聴など、軽負荷な作業をする場合は発熱、ファン音とも全く気になりません。ベンチマークテスト時はファン音は大きくなりましたが、それでも他社製品と比較して静かなほうだと思います。また、ベンチマークテスト中にはキーボード面の上部に少し熱を持ちましたが、キーボード入力が不快になるなどの問題はありませんでした。

4. レビューまとめ

HP OmniBook 7 Aero 13-bgはHPオンラインストア (HP Directplus)で販売中です。大人気モデルゆえに各種セール対象になることが多く、価格が変動しますが、2025年12月10日現在の価格は119,800円からです。また、レビュー機の構成「Ryzen AI 7 350/RAM32GB/SSD1TB」だと149,800円です。直近の価格は下のボタンから確認してください。

11万円~15万円で購入できるモバイルノートPCとしては非常に素晴らしい製品だと評価できます。さすが世界最大のPCメーカーの人気・定番モデルです。Copilot+ PCの要件を満たすRyzen AIシリーズの基本性能は高く、ベンチマークスコアも申し分ないものでしたし、ディスプレイの発色も100%sRGBにふさわしく、美しいものでした。

また、重さ1キロを切る軽さは本当に魅力的です。ノートPCを外出先に持ち出す機会が多い人なら、多少のことには目をつぶってもHP OmniBook 7 Aero 13-bgを選択する意義は大きいと思います。

しいてケチをつけるとしたら、(私の場合は)使い始めのうちにディスプレイの「Clear Typeテキストの調整」が必要だったことと、キーボードが静音ではなかったことくらいですね。しかし、これらの点も致命的とは言えないでしょう。

この価格帯のモバイルノートとしてはトップクラスの製品だと思います。

5. 関連リンク

【広告】【提供:株式会社日本HP】

執筆者:ウインタブ
2014年にサイトを開設して以来、ノートPC、ミニPC、タブレットなどの実機レビューを中心に、これまでに1,500本以上のレビュー記事を執筆。企業ではエンドユーザーコンピューティングによる業務改善に長年取り組んできた経験を持ち、ユーザー視点からの製品評価に強みがあります。その経験を活かし、「スペックに振り回されない、実用的な製品選び」を提案しています。専門用語をなるべく使わず、「PCに詳しくない人にもわかりやすい記事」を目指しています。
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