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HP OmniBook 7・5シリーズ比較(2025)- 用途・CPU・Copilot+対応の違いを解説!

HP

HP OmniBook 7 / 5の違いを比較(Copilot+対応モデル含む)
HPは2024年にノートPCのブランド体系の再編を発表し、個人向けノートPCについては順次Spectre・ENVY・Pavilionなどの既存ブランドを新ブランド「OmniBook」に統合しています。また、法人向けノートPCについても「EliteBook」に統合されています。

HPの新ブランド体系についてはこちらの図をご覧ください。

HPのネーミング構成

画像出所:HP(ウインタブがレイアウトを改変)

画像左側が個人向けの「OmniBook」ですが、「OmniBook Ultra」「OmniBook X」…「OmniBook 3」と、5つの「シリーズ」があります。この記事では、OmniBook 7シリーズとOmniBook 5シリーズの違いを整理し、用途別におすすめの選び方を解説します。なお、2025年6月13日現在、OmniBook 3シリーズは未発売です。

OmniBook UltraシリーズとOmniBook Xシリーズについてはこちらの記事をご覧ください。
HP OmniBook Ultra と Xシリーズ比較(2025) - 上位モデル5機種の違い・用途・CPUで選ぶポイントを解説!

1.OmniBook 7/5 とは?

この記事で解説するのはOmniBook 7シリーズとOmniBook 5シリーズですが、すでに解説記事を掲載済みのOmniBook UltraシリーズとOmniBook Xシリーズも含め、各シリーズの特徴を簡潔に紹介します。

  • OmniBook Ultra:OmniBookでは最上位のプレミアムシリーズ。クラムシェルモデルと2-in-1(Flip)構成あり。OLEDディスプレイを搭載し、全モデルがCopilot+ PC対応で、AI処理にも適した構成。従来の「Spectreシリーズ」に相当。
  • OmniBook X:Ultraに次ぐプレミアムシリーズ。ややカジュアル寄りながら、2-in-1モデルも存在し、選択肢が豊富。Intel、AMD、QualcommのCopilot+ PC対応のCPUをカバーし、全モデルがCopilot+ PC対応。従来の「Envyシリーズ」に相当。
  • OmniBook 7:アッパーミドルクラス。製品に使用されるHPのロゴマークは「プレミアムタイプ」。OmniBook 5シリーズよりも性能の高いCPUを搭載し、人気の高い「Aero」モデルも展開。従来の「Pavilion Plus」「Pavilion Aero」に相当。
  • OmniBook 5:HPの「定番」と言うべきシリーズ。従来の「Pavilionシリーズ」に相当。PC初心者から上級者まで、学生からビジネスパーソンまで、誰もが使いやすいと感じられるスタンダードノート。

以下がOmniBook 7シリーズとOmniBook 5シリーズの製品一覧です(2025年6月13日現在。製品名をクリックするとHPの製品ページが開きます)。

製品名 主な搭載CPU ディスプレイサイズ 重量 価格の目安
OmniBook 7 Aero 13-bgicon AMD Ryzen AI 5 340
(Krackan Point)
13.3インチ 約970g 約13~16万円
OmniBook 7 14-fsicon Intel Core 5 210H
(Raptor Lake)
14.0インチ 約1.41kg 約17万円
OmniBook 7 14-fricon Intel Core Ultra 7 255H
(Arrow Lake)
14.0インチ 約1.41kg 約18~25万円
OmniBook 7 16-ayicon Intel Core Ultra 7 255H
(Arrow Lake)
16.0インチ 約1.91kg 約20~26万円
OmniBook 5 16-bcicon AMD Ryzen 7 8840U
(Hawk Point)
16.0インチ 約1.79kg 約12~14万円
OmniBook 5 16-agicon AMD Ryzen AI 5 340
(Krackan Point)
16.0インチ 約1.79kg 約13~17万円
OmniBook 5 16-aficon Intel Core Ultra 7 255U
(Arrow Lake)
16.0インチ 約1.77kg 約13~17万円

2. Copilot+ PCについて

Microsoftが定義する「Copilot+ PC」は、次世代NPU(AI処理専用プロセッサ)を内蔵し、ローカルでも生成AIや支援AI機能が使えるWindows PCです。ただし現状、ローカルで使えるAI機能(オンデバイスAI)は限定的で、主にWebカメラ使用時の画質補正や、ペイントアプリのCocreator(画像生成・修正)といった用途にとどまっています。

この記事で取り上げるOmniBook 7/5シリーズのうち、OmniBook 7 Aero 13-bgとOmniBook 5 16-agの2機種のみがCopilot+ PCです。

各モデルが搭載するCPU(SoC)は以下のような特徴があります:

  • Intel Arrow Lake(7 14-fr、7 16-ay、5 16-af):NPUを内蔵するがCopilot+ PCの性能要件は満たさない。Arrow Lake-HはゲーミングPCにも使われる高性能タイプ、Arrow Lake-Uは電力効率に優れたバッテリー持ち重視タイプ。
  • Intel Raptor Lake(7 14-fs):第13世代Coreと同等の性能を持つ成熟世代のCPU。NPUは非搭載だが、日常用途では快適に動作する。
  • AMD Krackan Point(7 Aero 13-bg、5 16-ag):Copilot+ PC要件を満たすNPU(最大50TOPS)を搭載。Zen 5ベースで、CPU・GPU・NPUすべてにおいてバランスよく高い処理能力を持つ。
  • AMD Hawk Point(5 16-bc):前世代のRyzenで、NPUを内蔵するもののCopilot+ PCの要件は満たしていない。とはいえ、現在でも快適な処理性能を備えている。

なお、これらのCPUについて詳しく知りたい方はこちらの記事をご覧ください:
ノートPC用CPUの選び方 - 2025年前半・最新CPU編
ノートPC用CPUの選び方 - 2025年前半・バリューCPU編

3. OmniBook 7シリーズ

OmniBook 7シリーズには以下の4モデルがあります。超軽量モバイルノートあり、Arrow Lake-Hを搭載する、大型で高性能なモデルあり、と特徴も様々です。

OmniBook 7 Aero 13-bg:進化した”Aero”

HP OmniBook 7 Aero 13-bg

HPの「売れ筋・看板」のモバイルノート「Pavilion Aero 13-bg」の後継モデルです。なんといっても重さ1kgを切る超軽量な筐体が魅力の製品ですが、PavilionからOmniBookに名称変更されたのを機にCPUがKrackan Point(Ryzen AI 5 340/Ryzen AI 7 350)となり、AI性能の高いCopilot+ PCとなりました。

重さ1キロを切るモバイルノートは大手メーカー各社が手掛けていますが、OmniBook 7 Aero 13-bgはそれら競合製品の中でも価格が低めに設定されており、CPUだけでなくRAM/SSD/ディスプレイ、そして筐体の質感も高いことから、コストコンシャスなPC選びでも有力候補と言えます。

ウインタブ製品紹介記事:
HP OmniBook 7 Aero 13-bg - 超軽量モバイルノートの名前が変わり、Copilot+ PCに!

OmniBook 7 14-fs/fr:”据え置き”と”モバイル”のいいとこどり

OmniBook 7 14-fr/fs

OmniBook 7 14-fr

OmniBook 7 14-fs/frはOmniBook 7 14-fs/frは「Pavilion Plus 14-ew」の後継モデルで、fsはRaptor Lake(Core 5 210H)、frはArrow Lake(Core Ultra 5 225UやCore Ultra 7 255H)を搭載しています。さらにfrモデルのみ、2.2K(2,240×1,400)解像度のディスプレイを選べるようになっており、CPUとディスプレイの両面でfrが上位モデル、fsが下位モデルといえます。

旧名称にある「Pavilion Plus」というのは「ワンランク上のPavilion」と読めますが、このOmniBook 7 14-fs/frも「ワンランク上のOmniBook」と呼ぶのにふさわしく、CPUやディスプレイ、筐体品質が一般的なノートPCよりもワンランク上の仕様となっています。

なお、14インチというサイズではありますが、筐体重量が約1.4 kgと少々重いので、「据え置き、ときどきモバイル」的な使い方に向きます。

ウインタブ製品紹介記事:
HP OmniBook 7 14-fr/fs - Arrow Lake搭載の高性能な14インチノートPC、「据え置き、ときどきモバイル」に最適!

OmniBook 7 16-ay:遊びも仕事も快適な大画面16インチ

HP OmniBook 7 16-ay

OmniBook 7 16-ay

OmniBook 7 16-ayは「Pavilion Plus 16-ab」の後継モデルです。CPUに高性能なArrow Lake-H(Core Ultra 5 225H/Core Ultra 7 255H)を搭載する高性能なノートPCです。ディスプレイサイズは16インチで解像度は2.5K(2,560×1,600)と高く、sRGB 100%対応の発色品質と最大240Hzの高リフレッシュレートという仕様なので、コンテンツクリエーションやPCゲームのプレイも可能です。

OmniBook 7/5シリーズの16インチノートにはこのあと紹介するOmniBook 5 16-bc/ag/afがありますが、OmniBook 7 16-ayはその上位モデル、と考えるとわかりやすいです。

ウインタブ製品紹介記事:
HP OmniBook 7 16-ay - CPUはArrow Lake-H、高精細なディスプレイも搭載するプレミアムな16インチノートPC

4. OmniBook 5シリーズ

OmniBook 5シリーズとしては、CPUの異なる3つのモデル(16-bc / ag / af)が用意されています。これらはいずれもHPの「定番スタンダードノート」として長年人気を博してきた「Pavilion 16」シリーズの後継で、一般ユーザーにとって最も選びやすく、バランスの良い製品群です。

OmniBook 5 16-bc/ag/af:万人に愛される”定番”16インチ

HP OmniBook 5 16-af/ag/bc

HP OmniBook 5 16-ag

OmniBook 5 16-bc / ag / af は、CPU構成の異なるバリエーションモデルで、筐体デザインや基本仕様は共通です(筐体色のみ異なります)。5 16-bc は AMD Hawk Point(Ryzen 5 8540U / Ryzen 7 8840U)、ag は Copilot+ PC対応の Krackan Point(Ryzen AI 5 340 / Ryzen AI 7 350)、af は Intel Arrow Lake-U(Core Ultra 5 225U / Core Ultra 7 255U)を搭載しています。

16インチディスプレイは解像度が1,920×1,200、このサイズのスタンダードノートPCとしては珍しくタッチ対応もします。筐体はシンプルながら質感が良く、キーボードはテンキー付きで気持ちよくタイピングができます。

自宅での「ファミリーユース」や事務所などでの事務仕事用としてPCの購入を考えるときに「迷ったらこれ!」と言える、まさに定番(すなわちハズレなし)のノートPCです。

ウインタブ製品紹介記事:
HP OmniBook 5 16-af/ag/bc - HPの定番ノート、Pavilion 16がAI CPUを搭載して新名称に!

5. 用途別おすすめモデル

モデル タイプ 特徴
OmniBook 5 16-af / ag / bc 定番/据え置き CPU違いで選べる「迷ったらこれ」の定番構成
OmniBook 7 Aero 13-bg 軽量モバイル Copilot+対応・約970g・価格も抑えめの超軽量ノート
OmniBook 7 14-fs/fr ハイモバイル Arrow Lake-H搭載・2.2Kディスプレイで性能と画質のバランス◎
これを買うなら、できればスペックの高いfrを選びたい
OmniBook 7 16-ay プレミアム据え置き 16型2.5K・sRGB 100%・最大240Hzで事務仕事もエンタメも快適

6. まとめ

OmniBook UltraシリーズとXシリーズはすべて14インチで、性能や用途が比較的似通っていましたが、OmniBook 7と5シリーズは13インチの軽量モバイルから16インチの高性能ノートまでサイズも構成も多彩です。よって、自分の用途や重視するポイントをはっきりさせれば、おのずと最適なモデルが見えてくるはずです。

一方で、CPU構成の違いによって、同じ筐体でも全く異なるモデルとして扱われている場合もあり、見た目や名前だけでは判断しづらい面もあります。特に「5と7の違い」「Copilot+ PC対応の有無」「Arrow Lake-Uと-Hの性能差」などは、用途に直結する重要なポイントです。価格やスペック表の印象だけで選ばず、各モデルの特徴をしっかり把握して、自分に合った1台を選んでください。

7. 関連リンク

HP OmniBook Ultra と Xシリーズ比較(2025) - 上位モデル5機種の違い・用途・CPUで選ぶポイントを解説!

執筆者:ウインタブ
2014年にサイトを開設して以来、ノートPC、ミニPC、タブレットなどの実機レビューを中心に、これまでに1,500本以上のレビュー記事を執筆。企業ではエンドユーザーコンピューティングによる業務改善に長年取り組んできた経験を持ち、ユーザー視点からの製品評価に強みがあります。その経験を活かし、「スペックに振り回されない、実用的な製品選び」を提案しています。専門用語をなるべく使わず、「PCに詳しくない人にもわかりやすい記事」を目指しています。
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