こんにちは、ウインタブ(@WTab8)です。HPが13.3インチのモバイルノート「ENVY 13」を発売しました。「ENVY(スカして書くとエンヴィですが、一般ピーポーはエンビーでいいでしょう)」というのはHPのプレミアムラインです。ん?ちょっと待てよ…、HPのプレミアムラインは「Spectre(スペクトル)」というのがあるはず。13.3インチでも「Spectre 13」がありますね…。
HPの説明だと
「ラグジュアリーなデザインで、唯一無二の世界観を革新し続けるプレミアムブランドSpectre(スペクトル)。最先端のテクノロジーを取り入れた機能美と、妥協する事無く丹念に磨き上げられた造形美、二つの美の追求が“Spectre Design”の原点です。」
「選びぬかれた上質素材をもちいて、いつの時代も愛される、普遍的な美しさを追求するENVY (エンヴィ)。最新技術を満載して、高い処理能力とエンターテインメント性能を磨き続けます。」
ということなんですけど、すいません、日本語が難しすぎてコンセプトの違いがよくわかりません。個人的なイメージだと「とんがってるのがSpectreで普通っぽいのがENVY」かな、となりますが、解釈は読者のみなさんひとりひとりにおまかせするとして、とりあえず製品紹介を。
1.スペック
HPのプレミアムライン、の割にCore i7モデルの設定がありません。Core i3-7100Uとi5-7200Uのみの設定です。Core i3モデル(ベーシックモデル)に組み合わされるRAMは4GB、ストレージは256GB NVMe SSDで、Core i5モデル(スタンダードモデル)だとRAMは8GB、ストレージは512GB NVMe SSDとなります。また、この製品はOSをPro版にしたり、製品版のOfficeをセットすることはできますが、注文時にハードウェア構成をカスタマイズすることはできません。ハードウェア的にはレディメードです。
ディスプレイはIPS液晶のFHD解像度ですから、決して悪くはないですが、2Kとか4Kといった超高解像度なものではありません。入出力ポートはUSB Type-Cが2つにフルサイズ(Type-A)USBが2つと、USB関連は充実していますが、HDMIはついてないですね。なので、外部に映像出力する場合は多機能ハブが必要になります。
バッテリーは稼働時間14時間と、モバイルノートとしてはかなり魅力的です。これを理由に購入する人もいそうなくらい。また、サイズ感は1.24 Kgと十分に軽量ですが、最近の13.3インチモバイルノートとしては特筆するような軽さではありません。また、最厚部16 mmというのも、特に目立って薄い、ということは言えません。もちろん不満が出るようなサイズではないと思いますけどね。
2.筐体
スペックの方はプレミアムラインという先入観をもって見ると「ん?」という感じでしたが、筐体のほうは凝っています。正面から見るとベゼル幅がかなり細いのがわかります。また、上部のベゼル幅はある程度太くなっており、その結果Webカメラは通常の位置(ヒンジを開いた際に上部にある)に収められており、角度調整などがしやすくなっています。
筐体素材はアルミニウムで、表面に梨地処理(あえてざらついた感触に仕上げること)が施されており、手にしっかりなじむようになっています。また、筐体色は上品な「シルクゴールド」です(なお、楽天市場モデルは「ナチュラルシルバー」となります)。
天板にはHPのプレミアムライン用のロゴマーク。また、ヒンジ部分(筐体背面)の処理が独特で、「鋭角的に折れた」感じになっています。この処理のおかげでかなりシャープな印象を受けますね。
ヒンジ部分の処理は単にデザイン上のアクセントではなく、「リフトアップ・ヒンジ」つまり、ヒンジを開くと後部が浮き上がる仕組みになっています。
入出力ポート、たしかにフルサイズUSBとUSB Type-Cが2つずつあるのがわかります。また、この製品はSDカードではなく、microSDカードスロットがついています。このクラスのモバイルノートとしてはいまいちマイナスかな…。
キーボードはバックライトつきで、日本向けにはもちろん日本語配列のものが用意されます。あと、拡大画像がなかったのですが、製品ページの画像をよく見ると、「右端に「余計な1列」があるタイプです(詳しくはSpectre 13の実機レビューをご覧ください)。
筐体のほう、公開情報に基いて一通りチェックしてみましたが、「プレミアム」にふさわしい、上品かつ高級な印象があります。さすがはHPですよね。
3.価格など
HP ENVY 13はHPの直販サイト「HP DirectPlus」で販売中で、価格はCore i3搭載のベーシックモデルが税込み107,784円、Core i5搭載のスタンダードモデルが税込み140,184円となっています。また、発売記念キャンペーンとして、「Office Personal(PowerPointなし)Premium」もしくは「3年保証」のいずれかを無料でセットすることができます。
「13.3インチ/Core i5-7200U/RAM8GB/ストレージ256GB SSD」というのは上級モバイルノートとしてはかなり人気があると思われ、各社から対応製品が発売されています。あくまでも私の個人的な感想ですが、このスペックの場合、コスパ的には「10万円を切っていれば文句なし、10万円強くらいならOK」だと思います。具体的にはドスパラのAltair F-13(7月14日現在で税込み86,378円)が最も安く、私の推すThinkPad 13をこのスペックで購入するとギリ10万円をオーバーする104,285円(7月14日現在)となります。
ENVY 13のスタンダードモデルはこのスペックよりもSSDの容量が2倍大きくなっており、キャンペーンで製品版Officeも無料でもらえる、ということなので、上に書いた「10万円強くらいならOK」という私の勝手基準にあてはめてもそんなに高いとは感じられません。ちなみにThinkPad 13のストレージを256GBから512GBにカスタマイズすると116,554円になります。
記事中に「プレミアムライン」ということを書いてしまったため、スペック表を見て「たいしたことない」と思ってしまいそうですが、実際にはコスパ面でもお買い得と言える製品で、それでいて筐体品質が素晴らしい、ということなので、やっぱり「さすがHP」という感じがします。また、冒頭に書いた「Spectreとのイメージの違い」というのもなんとなくわかったような気がしませんか?
スペック厨の人には向かないかもしれませんが、バランスよく、デザインと質感のよいモバイルノートを、というニーズがあるのなら、この製品はとても有力な購入候補になると思います。