こんにちは、ウインタブ(@WTab8)です。11月24日にHPの本社で新製品説明会があり、参加させていただきましたので簡単にご報告いたします。今回の説明会では「OMEN X(デスクトップ及びノート)」「Pavilionのオールインワンシリーズ」「Spectre 13およびx360」が対象製品になっており、この記事ではウインタブで主に取り扱っているノートPC系の3機種、OMEN X by HP 17、Spectre 13、Spectre x360について紹介します。
なお、展示されていた製品はすべて英語キーボードを装備していましたが、日本向けモデルはすべて日本語キーボードとなります(Spectre x360のローズゴールドのみ英語キーボード)ので、あらかじめご了承下さい。
1.OMEN X by HP 17
HPのゲーミングPCブランドは「OMEN」ですが、「OMEN X」というのもあります。ノートPCでは「OMEN by HP 15」「OMEN by HP 17」そして「OMEN X by HP 17」というラインナップです。OMEN Xの「X」は「Extreme(エクストリーム)」を意味するということで、OMENシリーズの上位に位置付けられます。なのでOMEN X by HP 17はHPのゲーミングノートの最上位モデルです。
この製品は9月に発表され、その際に紹介記事を書いているのですが、つい先日日本でも販売が開始されました。主なスペックは
CPU: Core i7-7820HK
GPU: NVIDIA GeForce GTX1080(8GB)
RAM: 32GB
ストレージ: 512GB SSD + 1TB HDD
ディスプレイ: 17.3インチIPS(1,920 × 1,080)
となっており、現状購入可能なゲーミングノートとしてはトップランクに位置します。CPUはオーバークロックが可能なCore i7-7820HKが搭載されていますが、「OMENコマンドセンター」というソフトウェアにより、「安全かつ簡単にオーバークロックの設定が可能。失敗しても初期設定に戻ってリスタート」する機能が搭載されます。コマンドセンターの機能としてもう一つ、「ネットワークブースター」というのがありまして、これがまたすごいです!使用するタスクによってネットワークを選択できる、例えばゲームには有線LAN、ブラウザーはWi-Fi、みたいにタスクごとに使用するネットワークを決定できます。HPの説明によればこの機能を実装しているメーカーは現状HPだけ、とのことでした。
ディスプレイは解像度こそFHDにとどまりますが、IPS液晶を採用しつつリフレッシュレート120Hz、NVIDIAのG-syncに対応と、ゲーム時の滑らかな描画を実現します。そして、これ…
メカニカルキーボードを搭載します。キーストロークは2.5 mmという説明で、通常のノートPCよりはかなり深く、デスクトップPCよりは浅い、という感じになります。展示されていた実機に触ってみたところ、「浅い青軸」という感じでした。このキーボードは以前も「東京ゲームショウ」で少しだけ触ってみたことがありますが、その時はストロークの浅さに引っ掛かりを覚えたものの、今回は事前に説明を受けてから感触を試したこともあり、個人的には非常に素晴らしいと感じました。まあ、考えてみればノートPCにデスクトップ用の、ストロークの深い青軸メカニカルなんてのは物理的に無理がありますもんね…。
背面画像です。ただ、お見せしたいのは背面の画像というよりは「巨大なACアダプター」ですねw 「330ワットです」とのご説明でしたし、製品特性から考えれば当然かもしれないんですけど、ACアダプターだけで「NUC(ミニPCの規格)ですか?」って感じです。いや、たぶんNUCより大きいですね、これ。
HPの説明で引き合いに出されていたのが「DELL ALIENWARE」です。ALIENWAREにも17.3インチモデルにCore i7-7820HK、GTX1080搭載のモデルがあります。HPによれば「ALIENWAREに設定のある4Kディスプレイはないものの、OMEN Xはメカニカルキーボードを採用するなど優位点もあり、価格もOMEN Xのほうが割安です」とのことでした。
OMEN Xの価格は税込み356,184円で、基本的にカスタマイズはできません。もちろん絶対的な支払金額は大きくなるわけですが、個人的にはこのスペック、この機能のゲーミングPCとしては割安だと思います。ちなみにALIENWARE 17のほぼ同スペックの製品(4Kディスプレイあり、メカニカルキーボードなし)だと税込み410,270円です。
HPのご担当者の方とお話すると、やはり「ターゲットはALIENWARE」ということで、同じ米系のトップ企業ということもあるんでしょうし、ALIENWAREのネームバリューの高さを理解しているということでもあるんでしょう。ドスパラとかマウスの名前は挙がりませんでした。
2.Spectre 13
つい先日発表されたSpectreシリーズのクラムシェルノートです。「えげつないくらいに薄い」製品ですね。HPの説明によれば「Spectre 13とx360、より大きく変わったのは13のほうです。」とのこと。
重点的に説明されたのは新色「セラミックホワイト」の追加と筐体の仕上げ品質の向上です。この製品の場合、薄さということに関しては先代モデルですでに完成された、と言っていいくらい(厚さ10.4 – 12.5 mm)になっているのですが、新モデルではAED(アニオン電着塗装≒これだけ言われでもさっぱりわからない)が採用され、「2.5倍引っかき傷に強い、より滑らかで薄い皮膜、指紋がつきにくい」と、実用性と質感が大きく改善されています。
それと「厚さを変えずに液晶をタッチパネル化」してますね。これも技術的な面で言えばかなりスゴイことのようですし、実際タッチパネルがついていたほうが電車の中など、マウスが使いにくいところでは便利ですもんね。
左が先代モデル、右が新モデルです。紹介記事でも説明しましたが、ディスプレイのベゼルがさらに細くなり、サイズ面で若干小さくなったこともありますし、デザインも大きく変わっているのがわかると思います。
また、先代モデルの実機レビューで私が非常に高く評価したBang & Olufsenのスピーカーシステムですが、新モデルではさらに進化しています。説明会の席上で先代モデルと新モデル、それぞれ音楽を再生してもらいましたが、新モデルのほうが明らかに音量が大きく、かつ音質もクリアになっていました。このあたりはスペック表では表示されないわけですが、実機を試すとよくわかりますね。
3.Spectre x360
比較的サラッとした説明に終わったのがSpectre x360です。この製品もSpectre 13と同時にリニューアルされたのですが、筐体サイズ、デザインとも大きな変更はありません。ただし、限定色「ローズゴールド」が追加され、色彩面では大きな変化を遂げています。
ちなみに「ローズゴールド」は世界で1万台、そのうち日本割り当て分が1,000台ということで、この製品のみキーボードは英語配列となります。なので、英語配列が欲しい!という人は逆にチャンスかもしれません。
HPがアピールする「Sure View」です。これはF1(もしくはF2)キーを押すと瞬時にディスプレイの視野角を狭くし、のぞき見を防止する機能で、これまで主に法人モデルに採用された技術なのですが、Spectre x360にはオプション設定されています。実際に試してみましたが、ご覧の通り、少し角度をつけるとディスプレイが白濁し、全然見えなくなります。電車などでの移動中にPCを使う人、またカフェやファーストフード店などで作業する人には非常にありがたい機能でしょうね。
4.まとめ
どのパソコンメーカーが一番いいのか、という答えは人それぞれです。究極的には「好きか嫌いか」という選択になると思うので、この点に議論の余地はないと思います。議論しても荒れるだけですね。
メーカーの方が直接説明してくれたから、というのはありますけど、HPっていうのはダテに「世界最大のパソコンメーカー」じゃないですね。今回説明会で展示されていたOMEN X、Spectre 13、Spectre x360はいずれも非常に魅力的でした。特にSpectreの2機種は性能面もさることながら、デザインやパッケージングが本当に素晴らしく、見ていて欲しくなってしまいました。おそらく読者のみなさんも同じ感想になると思います。
そして価格競争力もスゴイですね。特にOMEN Xはかなり割安感があります(金額は高いですけどね)。この年末商戦をターゲットに投入されたであろう3モデル、売れそうですねー。
5.関連リンク
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