HPがデタッチャブル(キーボード分離型)2 in 1「ENVY 12 x2」を発売しました。この製品は「Always Connected PC(いつでもどこでも、パッと起動、充電を気にせず使えるPC)」として、CPUにQualcomm Snapdragon 835を搭載(いわゆるARM版Windowsです)するモデルと従来どおりIntelのCore m系CPUを搭載するモデルが発表されています。ウインタブでもこの1月に両モデルについて紹介記事を書いています。
HP ENVY x2 - ARM版に続いてIntel版も登場!よく見ると筐体も別物!「2つのENVY x2」?
この記事を書くのに先立ち、米国HPのサイトを確認してみました。6月5日現在だと、米国ではARM版のみが販売されていました。一方の日本ではIntel版のみとなります。先日HPの新製品発表会があり、私も参加させてもらいましたが、HPのご担当者が「日本ではIntel版のみです」と明言されていましたので、少なくとも来月日本でARM版が発売されるようなことはないと思います。ARM版を手にとってドキドキしたい、というのはありますし、Intel版だと少しコンサバな気がして残念、と思わないでもありませんが、実際に購入するとなったら勝手知ったるIntelのCPUで勝手知ったるWindowsを使うほうが安心、というのはあります。
1.スペック
この製品のCPUはCore iという表示が使われていますが、「Core m」の流れを汲む省電力タイプです。ACPC(Always connected PCの略称です)は長時間のバッテリー稼働が売り物なので、妥当な選択と言えるでしょう。もちろんファンレス構造です。ただし、処理性能はCore mではないCore iプロセッサーよりも劣ります。
RAMは8GB、ストレージは256GBですから、上級モバイルノートとして十分な容量が確保されています。ディスプレイは12.3インチで解像度が1,920 × 1,280なのでいわゆるSurfaceタイプのアスペクト比(3:2)となっています。また、この製品は筆圧対応の手書き入力が可能で、アクティブペンが付属します(これ重要)。ついでに書きますと、キーボードドックも付属品扱いなので、本体価格だけですぐにHPが製品ページで公開しているイメージ画像と同じように使えます。
ACPUの目玉機能「いつでもどこでも」という点についてはLTE通信モジュールに「Intel XMM 7360 LTE Advanced」を採用していて、スリープ時のバックグラウンド接続やスタンバイ時からの瞬時の利用が可能です。
そして「充電を気にせず使える」という点です。バッテリー稼働時間が17時間と、かなり長持ちですね。ARM版Windowsだと稼働時間が20時間を越えるのがむしろ普通なので、それには及ばないにせよ、十分納得の行く稼働時間だと思います。
2.筐体
記事の冒頭で書きましたが、先日HPの新製品発表会があり、この製品についても実機を目にすることができましたので、一部の画像については発表会で撮影したものを使ってご説明します。
展示されていたのは「海外仕様」ですが、この製品は日本向けでもキーボードが英語配列なので、海外仕様と日本仕様の相違点は小さいと思います。少なくとも外観は変わらないでしょう。
タブレット本体はCNC加工のアルミ素材で、HPらしい高級感があります。また、キーボード(キーボードドック)はレザー調になっていまして、個人的には特に高級だとは思いませんでしたが、もちろん安っぽい感じもしません。そして、画像の通り、スタイラスペンがついていました。キーボードドックに装着できるようになっています。なお、上の方にも書きましたが、この製品にはスタイラスペン(アクティブペン)とキーボードドックが付属します。
この製品はSurfaceタイプの製品のようにキックスタンドはついていません。キーボードドックを変形させてタブレットを置く台座を作るタイプです。また、タブレット本体とキーボードドックはコネクターによる物理接続となります。
キーボードドックを開いてみました。
キーボードドックの機能により、角度調整も可能です(2段階)。ただ、キーボードドックを変形させるのは、はじめての人には簡単な作業ではありません。ドックのカバー部分の構造(折り目とか)がしっかり頭に入っていて、何回か練習しないと無理、と言っても大げさじゃないです。腕力が必要という意味ではなく、コツが必要ってことです。
側面画像です。ポート類の配置は「1.オーディオジャック、2.USB Type-C、3.microSDスロット(以上左側面)、4.USB Type-C、5.音量ボタン、6.SIMスロット」となります。
キーボードです。バックライトも装備されていますが、この製品のキーボードは英語配列のみとなります。日本語配列しか使ったことがないという人も多いと思うので、この点だけ少し残念ですね。ごく短時間打鍵してみましたが、しっかりしたキーボードだと思います。ただし、Surfaceタイプの製品が対応している「キーボードの角度調整」はできません。
3.価格など
HP ENVY 12 x2はHPの直販サイト「HP Direct Plus」で販売中で、6月5日現在の価格は139,800円(税込み150,984円)となっています。
この製品は処理性能の高さにこだわる人向けではないですね。CPUがCore m系なので、同価格帯のSurfaceタイプの製品やクラムシェルのモバイルノートPCには性能面では及ばないです。この製品の価値はなんと言っても「Always connected PC」なところににあるわけで、これまでにない「スリープからの高速復帰」「瞬時にLTE接続」「長時間のバッテリー稼働」といったメリットに対してお金を払える人に向きます。
記事の冒頭に書きましたが、ARM版に触ってみたかった、というのはあるにせよ、いつも持ち歩くPCに必要な機能って、CPU性能よりもむしろこういうところなのかもしれないですよね!
コメント
ARM版が64bit対応したと聞いて早く触ってみたい。なぜ日本では出ないの?
恐らく勘違いされているようなので訂正を
ARM版Windowsは
arm32 ネイティブ動作
arm64 ネイティブ動作
x86 エミュレーション動作
x64 動作不可
で今回の発表はarm64用SDKのプレビュー版についてなので
arm64版のソフトウェアが出てくるにはまだかかると思う
ちなみにOSはarm64ネイティブ
キックスタンドを何故載せなかったんだ・・・HPはいいものを出すけどこの辺の不足があるから残念だ。