
dynabook M6/Aの実機レビューです。ディスプレイサイズが14インチで重さ1.38 kgと「ちょっと大きめのモバイルノート」という感じの製品で、Dynabookでは「ホームモバイルノート」と呼んでいます。「据え置き、ときどきモバイル」のような使い方に向く製品ですね。
なお、「Mシリーズ(M7/A、M6/A)」というのは家電量販店などで販売されるモデル (カタログモデル)の名称で、Dynabookの直販サイト「Dynabook Direct」で販売されるものは「MZシリーズ (MZ/MA)」という名称になります。
なお、このレビューはDynabook株式会社より機材の貸し出しを受けて実施しています。
・シンプルでクセがない、ビジネスPCっぽいデザイン
・タイピングしやすいキーボード
・国内大手メーカーとは思えないお買い得な価格
ここはイマイチ
・搭載CPUのCore 5 120UはNPUを内蔵していない
・Webカメラやスピーカーは実用品レベル
なお、WebオリジナルモデルのMZシリーズについて、ウインタブ読者は「特定媒体サイト」を利用できますので、よりお買い得に購入できます。特別サイトの利用にはIDとパスワードが必要になりますので、こちらからコピペしてください。
ID :dyna204cls / パスワード:T8Y7GRSV
目次
1. スペック
スペック表
| 項目 | 仕様 |
| OS | Windows 11 Home/Pro |
| CPU | Intel Core 5 120U/Core 7 150U |
| RAM | 16GB (DDR4-3200、シングルチャネル) ※2スロット (空き 1) |
| ストレージ | 256GB/512GB SSD(PCIe 4.0対応) |
| ディスプレイ | 14インチ (1,920×1,080) ※広視野角 |
| 無線通信 | Wi-Fi 6E、Bluetooth 5.3 |
| ポート類 | USB 3.2 Gen 2 Type-C (映像/PD対応) USB 3.2 Gen 1 Type-A×3 HDMI、LAN (RJ45)、microSDカードリーダー オーディオジャック |
| カメラ | 92万画素 顔認証対応 顔認証はMZのみ |
| バッテリー | 動画再生 約5.5時間 |
| サイズ | 323.9 × 211.8 × 18.75 mm |
| 重量 | 1.38 kg |
バリエーションモデル
カタログモデル
M6/A:Windows 11 Home/Core 5/16GB/256GB
M7/A:Windows 11 Home/Core 7/16GB/512GB
※左からOS/CPU/RAM/SSD
※Microsoft 365 Personal(24か月版) / Office Home & Business 2024 オプション付
※レビュー機はM6/Aです
Webオリジナルモデル
MZ/MA:Win 11 Home or Pro/Core 5 or Core 7/16GB/512GB
※左からOS/CPU/RAM/SSD
※OSはHome/Proの設定あり
※CPUはCore 5/Core 7の設定あり
※Officeの付属有無を選択可能
2. 外観と使用感
ACアダプター

ACアダプターは45W出力で、ケーブル込みの実測重量は178gと軽量です。Core 5 120Uのベースパワーは15Wのため、45Wあれば通常利用には十分な余裕があります。最大ターボパワーは55Wですが、一般的なビジネス利用で長時間55Wが必要なケースはほとんどなく、瞬間的な高負荷時も不足分はバッテリーで補完できる設計 (のはず)なので、実用上の懸念はありません。むしろ、この軽さとコンパクトさはモバイル運用において大きなメリットです。
天板と底面

天板です。外装は樹脂製ですが安っぽさはありません。ただし、先日レビューした16インチサイズの「dynabook Tシリーズ/Cシリーズ」のような光沢はなく、手触りも少しざらついているので、「ビジネスPC」という感じです。
Dynabookは独自の厳しい品質試験を実施しています。そのため、筐体は非常に頑丈です。

底面です。上部 (使用時には手前側になります)の左右にスピーカーグリルが見えます。中央下部に通気口もありますが、TシリーズやCシリーズにあったRAM増設用の開口部 (ハッチ)はなく、バッテリーもユーザーが交換できる構造ではありません。
側面

前面

背面
前面と背面にはポート類やボタン類はありません。背面の上部に突起が見えますが、これはM6/Aのヒンジが180度開口する構造のため、傷つきを防止するためについています。

左側面です。画像左からDC-INジャック、HDMI、USB 3.2 Gen1 Type-A、USB 3.2 Gen 2 Type-C (映像出力とUSB PDに対応)があります。

右側面です。左からmicroSDカードリーダー、イヤホンジャック、USB 3.2 Gen1 Type-A✕2、有線LANポートがあります。Dynabook製品らしくポートの数と種類は豊富で、有線LANポートやmicroSDカードリーダーもついているのはありがたいところです。
ディスプレイ

ディスプレイは「14.0型ワイド(16:9)FHD 広視野角 TFTカラー LED液晶(ノングレア)(省電力LEDバックライト)1,920×1,080ドット 」と開示されており、タッチ対応はしません。Dynabookがディスプレイ仕様を開示する際「高輝度・高色純度・高視野角」とか「高輝度・高視野角」というものが多いのですが、M6/Aに関しては「高輝度」および「高色純度」の記載がありません。
視野角については確かに十分広く、おそらくIPS相当の液晶だと思われます。ディスプレイ輝度はやや低めと感じられます。輝度を100%にすると全く不満を感じませんが、ウインタブのレビューでよく使っている「輝度70%」だと少々暗すぎると思いました (晴天の日中の室内の場合)。
また、発色についても、手持ちのPCモニター (27インチ1,920×1,080解像度、99%sRGBの色域のもの)と比較すると原色の鮮やかさに欠けます。M6/Aを単体で事務仕事に使う場合には問題ありませんが、繊細な色の識別をするような作業に使うと不満を感じるかもしれません。

色味の調整ツールとして「dynabook 色合い調整ユーティリティ」がプリインストールされています。色合い (暖色か寒色か)と色の濃さのみを調整できるシンプルなツールながら実用性は高いです。ただし、色合いを変えると「好み」には近づけられますが、発色品質が上がるわけではありません (表示可能な色域が拡大するわけではありません)。
※液晶ディスプレイは、液晶パネルの特性や製造工程により、各製品で色合いが異なる場合があります。
キーボード

キーボードです。「86キー(JIS配列準拠)、キーピッチ:18.8mm、キーストローク:1.4mm、抗菌対応」と開示されており、バックライトは搭載していません。配列も素直で、ShiftキーやEnterキーなど、大きくあるべきキーも十分に大きいです。
タイピングはしやすいです。また、タイピング音も静かなほうで、静かな場所で作業しても周囲にあまり気を使わなくてもよさそうです。タッチパッドはやや小さめで、ちょっとざらついていた感触ですが使用感は悪くありません。
しばらくテキスト入力をしてみましたが、クセがなく使いやすいキーボードだと感じました
ヒンジ

ヒンジは180度開口します。この構造の場合、この構造だとビジネスミーティングの際、向かい側に座っている人と画面共有がしやすくなります。

また、dynabook画面回転ユーティリティというアプリがあり、ワンタッチで画面を反転 (逆さま)にすることもできます。
スピーカー・マイク・カメラ
スピーカーの音質はクリアですが音域が狭く感じられ、低音も弱いです。そのため、ちょっと薄っぺらい感じの音質です。ボリュームを下げてBGMを流しながら作業するのにはよさそうですが、じっくり音楽を楽しむという感じではありません。

音響アプリはDTS Audio Processingです。グラフィックイコライザーもついていますので、お好みに合わせて音質の調整が可能です。

dynabook M6/AのWebカメラは92万画素で顔認証対応ではありません。また、搭載CPUがNPUを内蔵しないCore 5 120Uのため、「Windowsスタジオエフェクト」機能もありません。
92万画素のWebカメラというのは、今となっては「エントリークラス」の品質です。実用面では問題ありませんが、自分の顔なり手元資料なりを「より美しく」見せる、という感じではないですね。上に書いたように細かなエフェクト機能もついていませんし。
ただし、ZoomやTeamsなどWebコミュニケーションツールの側に背景の変更などのエフェクト機能がありますので、M6/Aのカメラで困る、ということもないでしょう。
マイクの調整は「Realtek Audio Console」で行います。M6/AにはAIノイズリダクション機能があり、例えば机をたたくなど物音をたてながら話してみても、ほぼ自分の声だけを拾ってくれます。なお、これらの機能は必ずしもDynabook製品だけでなく、国内向けノートPCの中上位モデルにはほぼ例外なく搭載されています。
3. 性能テスト
ベンチマークテスト
ベンチマークテストの実施に当たり、レビュー機を電源に接続し、Windows 設定の電源モードを「最適なパフォーマンス」にしました。dynabook M6/Aにはパフォーマンスを細かく調整できる独自機能はありません (Ecoモードという、省電力機能はあります)。
表計算ソフトやビデオチャット、画像加工など、実際のビジネスシーンをシミュレートしたテスト、PCMarkのスコアです。ビジネス系のPCの性能測定で重視すべきベンチマークテストと言えます。ウインタブが最も重視しているテストです。
参考(過去データから一部抜粋):
Core Ultra 9 185H:8,099
Ryzen AI 9 365:7,896
Ryzen AI 7 350:7,791
Ryzen AI 9 HX 370:7,511
Core Ultra 7 258V:7,527
Ryzen 7 8845HS:7,446
Ryzen 9 8945HS:7,110
Ryzen 9 PRO 6950H:6,987
Ryzen 7 8840U:6,949
Ryzen 7 PRO 6850H:6,858
Core Ultra 7 155H:6,849
Ryzen AI 5 340:6,767
Ryzen 5 8645HS:6,708
Core 7 150U:6,700
Core i9-13900H:6,542
Core Ultra 5 135H:6,485
Core Ultra 7 255U:6,404
Core Ultra 7 155U:6,392
Core Ultra 5 125U:6,376
Core i9-13900HK:6,344
Core Ultra 5 225U:6,334
Ryzen 5 7535U:6,021
レビュー機の搭載CPUはCore 5 120Uです。型番としては古くありません (2024年リリース)が、Core UltraシリーズのようにNPUは内蔵しておらず、開発コードネームも第13世代Coreと同じRaptor Lakeです。
スコアのほう、6,000点を少し越える結果となりました。Core Ultraシリーズと比較すると少し低めではありますが、PCMarkでこれだけのスコアが出るのであれば、ビジネスや学習などでストレスを感じる場面はほとんどないでしょう。

グラフィック性能を測定する3DMarkのスコアです。
参考(過去データから一部抜粋):
Core Ultra 7 258V:4,397、8,611、35,677
Core Ultra 9 185H:4,143、8,223、31,710
Core Ultra 7 155H:3,924、8,338、24,476
Ryzen AI 9 365:3,895、8,885、34,303
Ryzen AI 9 HX 370:3,800、8,026、31,138
Core Ultra 5 135H:3,454、7,235、24,791
Core Ultra 5 125H:3,392、7,301、23,168
Ryzen 9 7940HS:3,362、7,776、29,076
Ryzen 7 8845HS:3,330、7,908、29,873
Ryzen 9 8945HS:3,282、7,893、31,591
Ryzen AI 7 350:3,268、6,991、28,542
Ryzen 7 8840U:2,943、7,206、27,471
Ryzen 9 PRO 6950H:2,846、7,051、27,983
Ryzen 7 PRO 6850H:2,660、6,601、26,920
Ryzen 5 8645HS:2,437、6,253、24,401
Core Ultra 7 255U:2,430、4,916、20,096
Core Ultra 5 225U:2,372、4,897、20,396
Core Ultra 7 155U:2,319、5,162、19,024
Ryzen AI 5 340:2,123、5,159、22,941
Core Ultra 5 125U:2,081、4,826、19,421
Core i9-13900HK:1,979、5,507、19,723
Core i9-13900H:1,956、5,440、19,477
Core i7-12700H:1,843、5,194、18,244
Core i7-1360P:1,786、4,991、16,779
Core i7-1355U:1,760、4,859、16,891
Core 7 150U:1,512、4,138、14,563
Core i5-1334U:1,386、3,672、13,157
Ryzen 5 7530U:1,281、3,137、13,730
Ryzen 7 5825U:1,242、3,226、12,859
Ryzen 3 5425U:1,122、2,848、11,949
※左からTime Spy、Fire Strike、Night Raidのスコア
PCMarkの結果とは逆に、3DMarkのスコアは低めでした。過去データだとRyzen 3 5425U (2022年リリース、Zen3アーキテクチャのやや古い型番です)といい勝負くらいです。スコアが振るわなかった要因として、標準構成のRAMが16GB×1枚の「シングルチャネル」であるため、内蔵GPUの本来のパフォーマンスが制限されていることが挙げられます。Core 5 120Uは、メモリを2枚1組 (デュアルチャネル)で動作させるかどうかでグラフィック性能が大きく変わるため、このスコアは「シングルチャネルゆえの数値」と言えます。
M6/AはRAMスロットが2つあり、うち1つが空きスロットになっているのですが、先日レビューをしたdynabook T7/AやC7/Aのようにユーザーが簡単にRAMを増設・換装できる構造ではないため、メーカーでは「dynabook あんしんサポート 修理相談窓口へご相談ください」と説明しています。
ただ、このスコアでも日常のビジネスや学習、動画視聴などでは困らないですし、RAMを増設してもCore 5 120UというCPUの性能で本格的にPCゲームや高度なコンテンツクリエーションをするのは厳しいでしょうから、M6/Aを使っていてRAM不足が気になりだしてから増設を検討すればいいでしょう。あと、現在RAMの価格は「めちゃめちゃ高い」ですし。

SSDの読み書き速度を測定するCrystalDiskMarkのスコアです。M6/AのSSDはメーカー開示では「PCIe 4.0対応」なのですが、その割にちょっと遅いかな、とは思います。
ただし、これはあくまで他の製品と「スコア (数字)」を見比べた場合の話であって、よほど大容量のデータを扱うような場合でもない限り遅いと感じることはまずありません。仕事用なら、この半分くらいのスコアでもまったくストレスは感じないです。
バッテリー駆動時間
Windows 設定の電源モードを「最適な電力効率」に、ディスプレイ輝度を70%、音量を30%にして、下記の作業をしてみました。
ブラウザー上でYouTubeの動画・音楽視聴を約45分
画像加工ソフトGIMPで簡単な画像加工を約25分
ブラウザー上でテキスト入力を約20分
上記トータルで約90分使用し、バッテリー消費量は22%でした。単純計算で1時間あたり約14.7%のバッテリー消費、バッテリー駆動時間は7時間弱となります。この数値はメーカー公表値である「動画視聴約5.5時間」を上回っています。テスト時間が短かったこともありますが、期待以上にバッテリー持ちはよかったと思います。
なお、バッテリー駆動時間は作業負荷によって大きく変わりますので、この結果は参考程度とお考え下さい。
4. レビューまとめ
dynabook Mシリーズ (カタログモデル)は家電量販店などで販売中、MZシリーズ (Webオリジナルモデル)はDynabook Directで販売中です。レビュー機のM6/Aは家電量販店や通販サイトでの実売価格が16~17万円台です (ウインタブ調べ)。なお、カタログモデルは全機種「Microsoft 365 Personal(24か月版) / Office Home & Business 2024 オプション付」が付属します。
一方、WebオリジナルモデルのMZシリーズについて、ウインタブ読者は「特定媒体サイト」が利用でき、大きな割引が受けられます。特定媒体サイトでのMZ/MAの価格は121,880円からです。最低価格モデルのスペックは下記の通り。
OS:Windows 11 Home
CPU:Core 5 120U
RAM/SSD:16GB/512GB
Office:なし
特定媒体サイトの利用にはIDとパスワードが必要になりますので、この下に必要事項を掲載しておきます。
dynabook Mシリーズ /MZシリーズはDynabook製品としてはベーシックなモバイルノートで、外観はビジネスPCっぽくシンプルなものですが、ノートPC、モバイルノートPCとして必要な性能と機能はしっかり備わっており、使い勝手も良好です。
また、Dynabookという信頼できるメーカーのCore 5/Core 7搭載機としては価格も低く抑えられているのも素晴らしいと思います。シンプルなぶん、飽きも来ないと思いますので、長く付き合っていける製品でしょう。
5. 関連リンク
ウインタブ読者は「特別サイト」を利用できます。特別サイトへのアクセスにはIDとパスワードが必要になりますので、下記からコピペしてお使いください。
ID :dyna204cls / パスワード:T8Y7GRSV
2014年にサイトを開設して以来、ノートPC、ミニPC、タブレットなどの実機レビューを中心に、これまでに1,500本以上のレビュー記事を執筆。企業ではエンドユーザーコンピューティングによる業務改善に長年取り組んできた経験を持ち、ユーザー視点からの製品評価に強みがあります。その経験を活かし、「スペックに振り回されない、実用的な製品選び」を提案しています。専門用語をなるべく使わず、「PCに詳しくない人にもわかりやすい記事」を目指しています。
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