Dynabookの13.3インチノートパソコン「dynabook SZ(SZ/LP)」の実機レビューです。同時期にレビューしている同じく13.3インチで超軽量なdynabook GZ(GZ/HP)と比較するとサイズや重量こそ劣るものの、その分価格が抑えられており、学生からビジネスマンまで幅広いユーザーに対応するスタンダードなモバイルノートとなっています。
GZ/HPの実機レビュー記事はこちらです。
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開設期間: 2022年1月7日(金)17:00まで
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目次
1.dynabook SZ/LP スペック
スペック表
dynabook SZ/LP | |
OS | Windows 10 Home |
CPU | Intel Core i3-1115G4/i5-1135G7/Core i7-1165G7 |
外部GPU | なし |
RAM | 8GB/16GB |
ストレージ | 256GB / 512GB SSD |
光学ドライブ | なし |
ディスプレイ | 13.3インチHD(1,366 × 768)/FHD・IGZO(1,920 x 1,080) |
ネットワーク | 802.11 a/b/g/n/ac/ax、Bluetooth 5.1 |
入出力 | USB Type-C Gen1、USB 3.1 Gen1× 2、HDMI、オーディオジャック、RJ45、microSDカードスロット |
カメラ | Webカメラ(0.92MP)顔認証対応 |
バッテリー | 稼働時間 約18.5時間 ※1 |
サイズ | 316 × 227 × 19.9 mm |
重量 | 1,189g ※2 |
※1…HDモデル(Core i3のみ)選択時は約11.5時間
※2…HDモデル(Core i3のみ)選択時は約1,269g
バリエーションモデル
●Core i3/RAM 8GB/256GB SSD
●Core i3/RAM 8GB/512GB SSD
●Core i5/RAM 8GB/256GB SSD
●Core i5/RAM 8GB/512GB SSD
●Core i7/RAM 8GB/256GB SSD(レビュー機の構成)
●Core i7/RAM 8GB/512GB SSD
●Core i7/RAM 16GB/512GB SSD
dynabook SZシリーズには「SZ/LS(Windows 10 Pro)」「SZ/LP(Windows 10 Home)」「SZ/HP(Windows 10 Home)」など、複数の型番があります。筐体色がカラフルで、一般ユーザー向けと言えるのが「SZ/HP」ですが、今回レビューするのは「SZ/LP」で、こちらはSZ/HPのビジネス版、と言える、「筐体色ブラックのみ、しかしバリエーションモデルは豊富、そして価格も割安」な型番です。上記のバリエーションモデル一覧はSZ/LPのみをご案内しています。この点あらかじめご了承ください。
記載していないものでCPUがCore i3の場合に限りHD液晶のモデルが存在していて、FHDのモデルと価格差が税込みで3,300円しか差がなく、かつ原稿執筆時点で「在庫なし」のステータスとなっています。現状では購入しようと思ってもできませんが、スペック表にもあるように、あえて稼働時間が短くなり重量も増すHDを選択する必要はないのかな、と思います。なお、繰り返しになりますが、dynabook SZ/LPのカラーは「ブラック」のみとなります。
ポイント
●第11世代Core i3/Core i5/Core i7搭載
●IGZOディスプレイの高い発色性能 ※HDモデルを除く
●Wi-Fi6対応で高速なネットワーク通信が可能
●モバイルノートながら有線LANポートを備えていて安心
●随所にスタンダードを追求しているところが散見され高評価
2.dynabook SZ/LP 筐体と使用感
天板と底面
天板です。中央に鏡面仕上げのシルバーロゴがあるだけのとてもシンプルなデザイン。飾り気こそありませんが、使う人を選ばない「ザ・スタンダード・パソコン」といった趣で安心できます。
底面です。ゴム足は手前と奥に一直線に配置されていて安定感があります。上にある2箇所のメッシュ状になっている部分がスピーカーで、画像下が開口部となっているため使用時には手前にくることになります。
スピーカーの使用感
個人的にはキーボード側に配置されたスピーカーのほうがクリアに聞こえると思っているため、スピーカーが底面に配置されている時点で評価を下げざるを得ません。それを踏まえた上で、dynabook SZ/LPのスピーカーは思っていたよりもずいぶん良く響く印象を受けました。ただし、音のバランスはあまり良くないというか、高域がやたら強いのが気になります。イメージとしてはテレビ番組を見ていてCMに入った途端にやたら大きい音でびっくりするのに似ていて、余談ですが控えめな音で「THE FIRST TAKE」を聞いていたらサビのところで妻にうるさいと注意されました…。
このあたりはイコライザーで設定を見直せば改善されてくるとは思うのですが、今回の試用期間中にそこまで調整するには至らず、デフォルト設定だと私同様に気になる方はいるかもしれません。とはいえ作業BGMなどでカジュアルに楽しむ分には不快というほどでもなく、あくまでも標準的なノートパソコンのスピーカーといった評価です。
側面
前面です。特にポート類などはなく、すっきりとしています。
背面には通気孔のみ。こちらもシンプルな造りです。
左側面です。左から電源端子、USB Type-C、HDMI、オーディオジャック、microSDです。
右側面です。左からUSB Type-A×2、有線LAN、ケンジントンロック(セキュリティスロット)です。モバイルノートとはいえ、有線LAN端子を備えているのはいいですね。いまだにセキュリティの観点から有線接続のみ許可、なんて環境もきっとあるでしょうし、そもそもオフィスで利用するならやはり有線の方が安定性は高いですから。
キーボード
キーボードです。dynabook SZ/LPのキーボードは「87キー(JIS配列準拠)、キーピッチ:19mm、キーストローク:1.5mm」と開示されていて、バックライトはつきません。タッチパッドの左上には指紋認証センサーを備えます。顔認証も含め、複数の認証方法が用意されているのは嬉しい仕様です。
キーボードの使用感
私、自宅・職場ともに海外メーカーのパソコンを使っているのですが、長年そのキーボードに慣れて特にストレスを感じることはありませんでした。ただ、今回dynabook SZ/LPのキーボードで感じたのは「やっぱり違うわ…」でした。一般ユーザーがノートパソコンのキーボードの細かいところを気にして選ぶということはおそらくほとんどなく(ウインタブ愛読者はこの限りではないかもしれません)、あるとすれば買ってから違和感を覚えて使っていくうちに慣れる、このケースが多いと思います。
少し前置きが長くなってしまいましたが、まず13.3インチながらキーピッチ19mmを確保しつつ、クセらしきものが見当たりません。言うなれば(13.3インチがどうかは別として)パソコン初心者や学生が初めて触れるノートパソコンのキーボードはこうあってほしいという理想にだいぶ近い配列だと感じました。加えてキーストロークも絶妙に基本に忠実な深さで、打鍵音もちょうどいい。これといってすごいと感じる部分はないのですが、ことキーボードに関しては違和感を覚えないことがある意味では最高の褒め言葉になるのではないかと思っていて、良い意味でスタンダードなキーボードに強く好感が持てます。
ディスプレイ
ディスプレイ部分を正面から見たところです。画面はノングレア(非光沢)タイプ、上部にあるカメラはIR(赤外線)付きでWindows Helloによる顔認証に対応します。全般的にベゼルは太いですね。特に上部ベゼルはモバイルノートに限らず近年のノートパソコン全体で見ても相当太い水準かと思います。「スタンダード」と表現すれば聞こえはいいですが、残念ながらスタイリッシュさは損なわれます。ここをどう捉えるかで評価が変わってきそうで、「省スペースな据え置きノートパソコン」+「たまに持ち運ぶ」の条件であれば気にならなそうですけど、ガンガン持ち運んで使いたい方にとってはサイズが大きくなり重量も約1.2kgですから減点対象になるでしょう。ただ、見た目に反して持ってみたら意外と軽いんですけどね。
ディスプレイの使用感
今回dynabook SZ/LPで初めてIGZO液晶をレビューしたのですが、解像度こそFHD(1,920×1,080)ですが発色は本当に素晴らしいですね。これまでに数多くとは言えないまでも複数のディスプレイを見てきた中で、本当にIPSなのか判断がつきにくかったり発色がいいのか悪いのか判然としない製品も実はいくつか存在していました。そこへきて「IGZO」と明言しているのがまず頼もしく、実際に発色が良いのは普段ディスプレイに無頓着な私が見てもはっきりと分かります。さすが!これだから信頼と実績を積み重ねてきたブランドはいいよなぁ、としみじみ納得してしまうポイントです。
ヒンジ
dynabook SZ/LPはよくあるヒンジが180°開口するタイプではなく、最大開口時でおよそ150°くらい。ヒンジ開口時に筐体後部がせり上がるリフトアップヒンジ構造の採用もなく、このあたりもまたスタンダードな仕様となっています。
バッテリーについて
明るさを最大にしてYoutubeを連続再生しながら定期的にブラウジング、テキストタイピングを行ったところ、1時間で17%のバッテリー消費となりました。この使い方だと単純計算で約6時間程度使用可能ということになります。メーカー公称値の約18.5時間には遠く及ばないものの、明るさを下げて使い方次第で10時間程度までは延ばせそうです。
また、dynabook SZ/LPには「お急ぎ30分チャージ」に対応しています。30分の充電で約40%の充電が可能とのことで、急なバッテリー切れの事態にも柔軟に対応できるのは嬉しいところ。
3.dynabook SZ/LP 性能テスト
総合テスト
スコアの目安(2021年水準)※あくまで「目安」です | |
GeForceなど外部GPU搭載機 | 5,000以上 |
高性能なビジネスノートパソコン | 4,000以上 |
中位のノートパソコン | 3,000以上 |
エントリーノートパソコン | 2,000以下 |
まずは表計算ソフトやビデオチャット、画像加工など、実際のビジネスシーンを想定して総合的にパソコンの処理能力をテストするPCMARKのスコアです。
dynabook SZ/LPの4,096という結果は同じ第11世代Core i7搭載機としては若干低めの結果となりました。ただし、ここ最近の傾向ではウインタブライター陣の総意として「4,000以上のスコアに対して文句など出るはずもない」といったところがあり、決して悲観するようなことではありません。むしろ最新世代のCore i7にケチをつけるのがナンセンスで、当然ながらビジネスシーンで困るようなことなく快適に作業ができると思います。
CPU性能
次に、純粋にCPUの性能のみに絞ってテストするCINEBENCH R23の結果です。
dynabook PZ/HP(Core i7-1165G7):1,452、4,901
dynabook GZ/HP(Core i7-1165G7):1,424、5,335
dynabook VZ/HP(Core i7-1165G7):1,361、4,765
ASUS VivoBook S15 K513EA(Core i7-1165G7):1,342、5,788
Lenovo Yoga Slim 750i Carbon(Core i7-1165G7):1,227、3,363
Lenovo IdeaPad Slim 750i(Core i7-1065G7):1,183、4,174
Lenovo IdeaPad Flex 550 14(Ryzen 7 4700U):1,140、6,710
MSI Modern 15 A10RBS-600JP(Core i7-10510U):1,136、3,249
※左からシングルコア、マルチコアのスコア
こちらも直近での同クラスのCPUと比較すると若干見劣りしますが、概ねパフォーマンスとしては想定通りの水準です。スコアは一定のものではなく、実施するごとに微妙に変化しますので。
グラフィック性能
続いてグラフィック性能を評価する3D MARKでのテスト結果です。やはり外部GPU搭載機と比べるとどうしてもスコアは伸び悩みますが、dynabook SZ/LPを検討するユーザー層はゲームよりも一般的なビジネスユース寄りだと思います。その観点からいくと「設定次第でゲームもできる」水準には達しているスコアです。
参考:FF14ベンチ
参考までに、中量級のFF14ベンチマークテストを実施してみました。高品質で「やや快適」の評価。重量級ゲームでは設定変更しても厳しいかもしれませんが、軽~中量のゲームであれば楽しむことができそうです。
ストレージ性能
ストレージの読み書き速度をテストするCrystalDiskMarkのテスト結果です。爆速とまではいかないものの高速で、ビジネスマシンとしてこれくらいの速度であればストレスを感じることはまずないでしょう。
4.dynabook SZ/LP レビューまとめ
dynabook SZ/LPはDynabook Directで販売中です。また、ウインタブ読者向けに「クローズドサイト」をご案内いただいていますので、通常価格、会員価格よりもさらに安く購入可能です(この記事の冒頭と末尾にリンク先をご案内しています)。クローズドサイトでの4月20日現在の価格は税込み71,280円からとなっていますが一部モデルは在庫なし、または入荷待ちの状況です。レビュー機の構成「Core i7/RAM8GB/256GB SSD/Office Home&Business」だと税込み115,280円で、現状4月末ごろ出荷予定となっています。
なお、ここに記載している価格は「クローズドサイトにおける会員価格」です。Dynabook Directは無料で会員登録ができ、登録すると一気に価格が下がりますので、購入される場合は必ず会員登録をするようにしてください。また、クローズドサイトでも会員のほうが安く買えるケースがあります。
dynabook SZ/LPは13.3インチのモバイルノートにしてはサイズや重量、ベゼルの太さでややスタイリッシュさを欠くものの、ビジネスマシンとしての品質はとても高いと感じました。また、同じ13.3インチのdynabook GZ/HPと比べて各モデルで3万円ほど安く購入できるのでコストパフォーマンスにも優れます。ディスプレイとキーボードは特に魅力的で、据え置きでも持ち運びでも、様々なシーンで長く安心して使っていける製品でしょう。
5.関連リンク(Dynabook Directクローズドサイト)
リンク先:【特定サイト限定】クローズドサイト
ID :dyna204cls
パスワード:T8Y7GRSV
クローズドサイト開設期間:2022年1月7日(金)17:00まで
※なお、SZシリーズは型番が非常に多いので、お間違えなきよう…(この製品は「SZ/LP」です)。
Dynabookのレビュー記事はこちら
dynabook PZ(PZ/HP):15.6型ビジネスノート
dynabook FZ(FZ/HP):15.6型ペン入力対応2 in 1
dynabook VZ(VZ/HP):13.3型軽量モバイル2 in 1
dynabook GZ(GZ/HP):13.3型超軽量モバイルノート