DynabookのノートPC「dynabook AZ/LY(Tシリーズ)」の実機レビューです。AZ/LYというのはDynabook Directで販売される「Webオリジナルモデル」の名称で、家電量販店などで販売される「カタログモデル」では「Tシリーズ(T5/T6/T7/T9)」という名称になります。
国内大手メーカーが最も得意とする、というか大きな市場シェアを握るスタンダードノートジャンルの製品ですね。予想通り、どなたにも使いやすいノートPCでした。
なお、このレビューはDynabook株式会社より機材の貸し出しを受けて実施しています。
・2025年2月にフルチェンジ、筐体品質が一段とアップ
・キーストロークが深く、タイピングしやすいキーボード
・いまや希少!?光学ドライブを搭載
・バッテリーが着脱式、自分で交換できる
・国内大手メーカーとは思えない!お買い得な価格
ここはイマイチ
・ディスプレイの発色品質は「並」クラス
・CPUはNPUを内蔵しない第13世代Intel Core
販売サイトはこちら
ウインタブ読者は「特別サイト」を利用できます。特別サイトへのアクセスにはIDとパスワードが必要になりますので、下記からコピペしてください。
特別サイト:【特定サイト限定】特別サイト
ID :dyna204cls
パスワード:T8Y7GRSV
特別サイトの上部に検索窓があります。ここで「AZ」とか「AZ/LY」「AZ/MY」などと入力すれば簡単に製品を検索できます。
1.製品概要
スペック表
dynabook AZ/LY、AZ/MY | |
OS | Windows 11 Home/Pro ※AZ/MYはHomeのみ |
CPU | AZ/LY: Core i5-1334U AZ/MY:Core i7-1355U |
外部GPU | なし |
RAM | AZ/LY:16GB(DDR5-5200/最大32GB) AZ/MY:16GB/32GB(DDR5-5200/最大32GB) ※AZ/LYはシングルチャネル、AZ/MYはデュアルチャネル |
ストレージ | AZ/LY:256GB/512GB SSD(PCIe 4.0) AZ/MY:512GB SSD(PCIe 4.0) |
光学ドライブ | AZ/LY:DVDスーパーマルチ AZ/MY:ブルーレイ |
ディスプレイ | 16型(1,920 × 1,200) |
ネットワーク | Wi-Fi6E(a/b/g/n/ac/ax)、Bluetooth 5.3 |
入出力 | USB4 Type-C(Thunderbolt 4) USB3.2 Gen1 Type-A × 3 HDMI、LAN(RJ45) オーディオジャック SDカードリーダー |
カメラ | AZ/LY:92万画素 AX/MY:200万画素、顔認証対応 |
バッテリー | 動画再生時 約5.0時間 |
サイズ | 360.0×251.5×23.7-25.7mm |
重量 | 1.99 kg |
バリエーションモデル
Tシリーズの最新モデルに相当するWebオリジナルモデルには「AZ/LY」と「AZ/MY」があります。AZ/MYはCPUがCore i7-1355Uで内蔵する光学ドライブはブルーレイ、筐体色は「アッシュゴールド」、「AZ/LY」はCPUがCore i5-1334Uで内蔵する光学ドライブはDVDスーパーマルチ、筐体色は「アッシュブルー」となります。
つまり、現行のAZシリーズは「好きな筐体色と好きなCPU、好きな光学ドライブ」を組み合わせて購入することはできません。今回のレビュー機は「AZ/LY」で「Core i5-1334U/RAM16GB/512GB SSD/筐体色アッシュブルー」というシステム構成でした。
参考のため、AZ/MYの筐体色「アッシュゴールド」の画像を掲載しておきます。
コメント
もはや「珍しい」と言っていいであろう光学ドライブを搭載するスタンダードノートPCです。「DynabookのTシリーズ(AZシリーズ)」は旧東芝時代から存在する息の長いモデルでファンも多く「Dynabookを代表する個人向けノートPC」と言って良いと思います。
搭載CPUはCore Ultraではなく第13世代のCore i5-1334U/Core i7-1355Uですが、2025年2月に「フルモデルチェンジ」され、筐体が一新されました。
2.外観と使用感
ACアダプター
ACアダプターは出力が65Wのもので、スタンダードノート用としてはややコンパクト、電源ケーブル込みの実測重量は262 gでした。
天板と底面
天板は樹脂製で、手触りはよく新色「アッシュブルー」は落ち着いた雰囲気です。「いい色」と思いました。
底面です。画像上部(使用時には手前側になります)にスピーカーグリルが見えますが…、それよりハッチのようなものが2つあって、気になりますよね?
dynabook AZのバッテリーは着脱式です。つまり、バッテリーがヘタってきたら自分で交換できます。最近のDyanbookはバッテリー交換式のノートPCをリリースしており、ある意味「先祖返り」とも言える構造なのですが、私達ユーザーにはとてもありがたい配慮だと思います。
もうひとつのハッチを開けるとRAMスロットが出てきます。レビュー機のRAMは「16GBのシングルチャネル」だったので、1スロットが空いていました。RAMを増設する前提で購入されるのなら、この構造は非常に魅力的です。
一方で「RAM16GBのまま使い続けたい」人にはちょっと残念ですね。RAMがシングルチャネルになると明らかにパフォーマンスが落ちます(Intel Coreプロセッサーの場合、特にグラフィック性能が下がってしまいます)。ただこれ、「RAMがデュアルチャネルのほうがパフォーマンス面では有利だが、RAMを8GB×2のデュアルチャネルにしてしまうと、空きスロットがなくなるので、RAM増設時には(事実上)初期搭載のRAMを外すことになる(無駄になる)」ので、どっちが良いかは一概には言えません。
それはともかく、底面にこのようなハッチがある構造は外資系メーカーのノートPCではほとんど見られません。国内大手メーカー製品の大きな特徴だと思います。
側面

前面

背面
前面と背面です。こちらにはポート類やボタン類はありません。前面中央に突起があり、ヒンジ開口がしやすくなっています。また背面は丸みがあり、持ち運び時に手に馴染む形状です。

左側面
左側面です。画像左からセキュリティロックスロット、DC-INジャック、USB3.2 Gen1 Type-Aポート×2、HDMIポート、USB4(Thunderbolt 4)ポート、イヤホンジャックがあります。

右側面
右側面です。光学ドライブ(AZ/LYの場合はDBDスーパーマルチドライブ)があり、その右にSDカードリーダー、USB3.2 Gen1 Type-Aポート、有線LANポートがあります。
光学ドライブがある関係で左側面に多くのポートが配置されていますが、Dynabookらしい充実したポート構成です。
キーボード
キーボードです。「107キー(JIS配列準拠)(テンキー付き)、キーピッチ:19.0mm、キーストローク:2.0mm、抗菌対応」と開示されており、バックライトは搭載していません。
数値面で目を引くのは「キーストローク2.0 mm」という点です。これ、ノートPC用キーボードとしては「深い」です。お好みもあるので一概には言えませんが、個人的にはこのくらいの深さのほうが「打ってる」感じがして好きです。また、メーカー側でも「あえて従来モデル(1.5 mm)よりも深くした」とのことでした。
また、タッチパッドですが、手触りが非常になめらかです。指がよく滑る…、と言いますか、使っていて気持ちがいいですね。また、タッチパッド部分の左右クリック用に物理ボタンがついた、というのもニューモデルの特徴で、個人的には「絶対に物理ボタンのほうがいい!」と思っていますし、読者の方々の多くも同じ意見だろうと思います。
タイピング音は静かな部類です。ただ、SpaceキーやEnterキーなど、大型のキーを叩く際には少し大きめの音が出ます。
もともとDynabookはキーボードの仕上げに凝るメーカーですが、新しいAZのキーボードも従来モデルから一段と強いこだわりを見せてくれたと思います。私としては文句なしに素晴らしいキーボードだと評価します。
ディスプレイ
ディスプレイの形状も従来モデルから変更されました。従来モデルが15.6インチ・1,920 × 1,080解像度(アスペクト比16:9)であったところ、ニューモデルでは16インチ・1920×1,200解像度(アスペクト比16:10)となりました。…まあ、ここはようやく競合製品に追いついた、という感じです。
以前レビューしたモバイルノート上位モデル(RZシリーズやGZシリーズ)ではメーカー開示が「高輝度・高色純度・広視野角」となっており、モデルによっては「IGZO」を称しているものがありましたが、AZシリーズでは「高輝度・広視野角」と開示されており、「高色純度」という記載がありません。だから、というわけではないのですが、発色はRZシリーズやGZシリーズよりも劣ります。「並クラスのIPS液晶」という感じですね。手持ちのPCモニター(27インチIPS液晶、FHD解像度、99%sRGB)と比較しても原色の鮮やかさが足りない感じです。
とはいえ、事務仕事用、ご自宅での動画視聴・Web閲覧用としては不満を感じるような品質ではありません。しかし、繊細な色の識別が必要な作業や、日ごろから「色」に敏感な人にはお勧めできないです。
※液晶ディスプレイは、液晶パネルの特性や製造工程により、各製品で色合いが異なる場合があります。
その他
ヒンジを最大開口したところです。最近のノートPCはヒンジが180度開口するものも少なくありませんが、AZ/LYはそこまでは開きません。もちろん個人利用時には全く問題のない開口角度です。
スピーカーとマイク

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音響アプリとしてDolby Accessがインストールされていました。イコライザーもついていますので、お好みの音質に調整することができます。
筐体もやや大柄ですし、音質は良好です。重低音はさすがに期待しちゃダメですが、低音から高温までクリアな音を聞かせてくれます。AZ/LYは光学ドライブを搭載し、ある意味「メディアを楽しむPC」とも言えますので、スピーカー品質は重要ですよね。
ただし、スピーカー位置が「底面の前側」なので、キー入力をするためにパームレストに手を置くと手首の部分が干渉し、少し音質が変わります(こもった感じになる)。できれば底面の左右にしてもらいたいところ。

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マイクの調整はRealtec Audio Cosoleから行います。簡単にテストしてみましたが、ノイズキャンセリング機能に優れており、Webミーティングの際には重宝しそうです。
なお、WebカメラはAZ/LYとAZ/MYで仕様に差があります。レビュー機AZ/LYのWebカメラは92万画素(720p, HD画質)で、Copilot+ PCや一部のNPU内蔵CPU搭載PCについている「Windowsスタジオエフェクト」もありませんので、「普通、並」という感じの使用感でした。
3.性能テスト
表計算ソフトやビデオチャット、画像加工など、実際のビジネスシーンをシミュレートしたテスト、PC Markのスコアです。ビジネス系のPCの性能測定で重視すべきベンチマークテストと言えます。ウインタブが最も重視しているテストです。
参考(過去データから一部抜粋):
Core Ultra 9 185H:8,099
Ryzen AI 9 365:7,896
Ryzen AI 9 HX 370:7,511
Ryzen 7 8845HS:7,446
Core Ultra 7 258V:7,527
Ryzen 9 PRO 6950H:6,987
Ryzen 7 8840U:6,949
Ryzen 7 PRO 6850H:6,858
Core Ultra 7 155H:6,849
Ryzen 5 8645HS:6,708
Core i9-13900H:6,542
Core Ultra 5 135H:6,485
Core Ultra 7 155U:6,392
Core Ultra 5 125U:6,376
Ryzen 5 7535U:6,021
Core i7-1360P:5,929
Core i5-1340P:5,677
Core i7-1355U:5,452
Core i7-1255U:4,834
Core i5-1335U:4,775
Core i5-1135G7:4,066
レビュー機の搭載CPUは第13世代のCore i5-1334Uでした。最新のCore UltraシリーズやRyzen AI 300シリーズとは大きな差があるものの、「Dynabookエンパワーテクノロジー」の恩恵か、同等クラスのCPU搭載機よりも高めのスコアとなりました。
ビジネスマンがOffice系のソフトウェアを使うとか、リビングルームで家族でエンターテイメントを楽しむといった用途であれば全く問題なく、快適に使えるはずです。
CPU性能って、上を見ればキリがありませんが、ビジネス用のスタンダードノート、あるいはホームユースのスタンダードノートという性格のdynabook AZとしては十分なパフォーマンスになっていると思います。
グラフィック性能を測定するPC Markのスコアです。
参考(過去データから一部抜粋):
Core Ultra 7 258V:4,397、8,611、35,677
Core Ultra 9 185H:4,143、8,223、31,710
Core Ultra 7 155H:3,924、8,338、24,476
Ryzen AI 9 365:3,895、8,885、34,303
Ryzen AI 9 HX 370:3,800、8,026、31,138
Core Ultra 5 135H:3,454、7,235、24,791
Core Ultra 5 125H:3,392、7,301、23,168
Ryzen 9 7940HS:3,362、7,776、29,076
Ryzen 7 8845HS:3,330、7,908、29,873
Ryzen 7 8840U:2,943、7,206、27,471
Ryzen 9 PRO 6950H:2,846、7,051、27,983
Ryzen 7 PRO 6850H:2,660、6,601、26,920
Ryzen 5 8645HS:2,437、6,253、24,401
Core Ultra 7 155U:2,319、5,162、19,024
Core Ultra 5 125U:2,081、4,826、19,421
Core i9-13900H:1,956、5,440、19,477
Core i7-1360P:1,786、4,991、16,779
Core i7-1355U:1,760、4,859、16,891
Ryzen 5 7530U:1,281、3,137、13,730
Ryzen 7 5825U:1,242、3,226、12,859
Ryzen 3 5425U:1,122、2,848、11,949
※左からTime Spy、Fire Strike、Night Raidのスコア
ここも「CPUの型番相当」のスコアだと思います。ただ、Core i5-1334Uの内蔵GPUは本来「Iris Xe」なのですが、AZ/LYはRAMがシングルチャネルのため、上の画像にあるように「Intel UHD Graphics」として認識されています。おそらくRAMを増設してデュアルチャネルにするだけで3D Markのスコアは大きく向上するものと思います。
SSDの読み書き速度を測定するCrystal Disk Markのスコアです。メーカーによれば「PCIe 4.0対応」とのことで、PCIe4.0としてはやや遅めかと思います。しかし、AZシリーズの用途を考慮すれば全く問題なく、十分な速度です。
4.レビューまとめ
dynabook AZ/LYはDynabook Directで販売中で、3月17日現在の価格は144,980円からですが、ウインタブ読者は「特別サイト」が利用でき、通常価格から大きな割引が受けられますので、最低価格は108,680円となります。また、今回のレビュー機の構成「Windows 11 Home/Core i5-1334U/16GB/256GB」という構成だと114,180円です。特別サイトの利用にはIDとパスワードが必要になりますので、この下に必要事項を掲載しておきます。
記事中でも触れましたが、「DynabookのTシリーズ(AZシリーズ)」は息の長い製品で、Dynabookの「定番」とも言えるスタンダードノートです。それがこの2月にフルモデルチェンジし、筐体はデザイン性が劇的に向上し、従来モデルでも使いやすかったキーボードにはさらなる改善が施され、一段と使いやすくなったと思います。
「マニアックさ」は感じられませんが、そのかわり「誰にでも使いやすい」製品です。まさにスタンダードなノートPC。あと、「光学ドライブはいらないよ」と思われる人も少なくないと思います。その場合はAZシリーズから光学ドライブを省いた「CZシリーズ(カタログモデルはCシリーズ)」というのがありますので、そちらを選ばれるといいでしょう。
5.関連リンク
ウインタブ読者は「特別サイト」を利用できます。特別サイトへのアクセスにはIDとパスワードが必要になりますので、下記からコピペしてください。
特別サイト:【特定サイト限定】特別サイト
ID :dyna204cls
パスワード:T8Y7GRSV
特別サイトの上部に検索窓があります。ここで「AZ」とか「AZ/LY」「AZ/MY」などと入力すれば簡単に製品を検索できます。

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