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ドスパラ GALLERIA QHF965HE - 15.6インチゲーミングノート、位置づけはエントリー、性能は全然エントリーじゃない(実機レビュー)

ドスパラ GALLERIA QHF965HE
こんにちは、ウインタブ(@WTab8)です。今回はドスパラ製、15.6インチサイズのゲーミングノートPC「GALLERIA QHF965HE」の実機レビューです。「GALLERIA」という製品ブランドはドスパラの「ゲーミングPC」に使用されるものであり、ドスパラが最も得意とするジャンルともいえます。コストパフォーマンスの高い製品が揃うドスパラですが、さすがにGALLERIAブランドの製品はそんなに低価格なものはなく、ゲーミングノートの場合は安くとも10万円台前半、上位機種だと30万円近いものもあります。BTOメーカーなのでカスタマイズによっては30万円を軽くオーバー、という構成もあります。しかし、今回レビューするQHF965HEはGALLERIAのゲーミングノートとしては最も低価格で、税抜きだと10万円を切る99,980円というモデルも存在します。10万円切りというのはGALLERIAとしては珍しいくらいの安さです。

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そうすると、「あまり多くを期待できないのでは?」と思うでしょ?その逆です。

1.スペック

ドスパラ GALLERIA QHF965HE スペック表

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最初にスペック表を確認します。QHF965HEには2つのバリエーションがあり、このスペック表は「特別モデル」という上位構成のもの(税抜価格105,980円、9月20日現在)で、通常モデルだとストレージがSSDなし、500GB HDDのみとなります(税抜価格99,980円、9月20日現在)。

記事の冒頭に書いたとおり、QHF965HEはGALLERIAのゲーミングノートとしては最も低価格な製品ですが、CPUがCore i5-4210Mであるという以外には物足りなさを感じるところはありません。実際Core i5-4210Mというのは「Core i5」ではありますが、PASSMARKが公開しているベンチマークスコアは4197と、非ゲーミングのノートPCの上位機に搭載されるCore i7-6500U(ベンチマークスコア4329)とCPU単体でほぼ同等のパフォーマンスを発揮します。またGPUにNVIDIA GeForce GTX965Mを搭載しており、従来のドスパラの中位クラスのゲーミングノートに搭載されていたGTX960Mよりもワンランク上の性能が期待できます。

RAMは8GBで、人によってはやや不足感を感じるかもしれませんが、最大で16GBまで増設できますし、自分で増設することもできるので、実際に使ってみて足りないと思ってから考えてもいいでしょう。

この製品の前身機に「GALLERIA QHF960HE」というのがありましたが、この製品には光学ドライブがついておらず、Wi-Fiも2.4GHz帯のみの対応となっていたところ、レビュー機QHF965HEには標準で光学ドライブがつき、Wi-Fiも5GHz帯に対応しています。ディスプレイもFHD(1,920 × 1,080)ですし入出力ポート類も全く不満を感じません。スペック表を見る限り、ゲーミングノートとしても通常のノートPCとしても実用性は十分と感じられます。

ドスパラ GALLERIA QHF965HE システム構成
ドスパラ GALLERIA QHF965HE ストレージ構成
なお、今回お借りした試用機は「特別モデル」のほうで、ストレージがSSDとHDDの二本立てになっていました。

2.筐体

ドスパラ GALLERIA QHF965HE 同梱物
同梱物です。付属ソフトのメディア、ユーティリティソフトなどのメディアが3枚、ドスパラ製品には必ずといっていいほどついてくる「はじめにお読みください」の冊子、一枚ものの取説、「パソコントラブル解決!」と書かれたドスパラへのQRコードの入ったマグネット式のプレートが2枚、あとは電源ケーブルとACアダプターです。ACアダプターは通常のノートPCと比較してかなり巨大なものです。

ドスパラ GALLERIA QHF965HE 右側面
右側面です。画像左からオーディオジャック、USB 2.0 × 2、一番右端にはケンジントン・ロックがあります。

ドスパラ GALLERIA QHF965HE 光学ドライブ
赤い部分は光学ドライブです。

ドスパラ GALLERIA QHF965HE 左側面
左側面です。画像左からDC-IN、赤い部分は「本物の」排気口、D-sub、有線LAN(RJ45)、HDMI、USB 3.0 × 2となります。この製品だけでなく、多くのノートPCがそうなのですが、USBポートが左右の側面に振り分けられているというのは使い勝手がいいですね。

ドスパラ GALLERIA QHF965HE 前面
前面(開口部)です。この面にポート類はありませんが、画像左側にSDスロットのカバーが見えます。LEDインジケーターなどはついていません。

ドスパラ GALLERIA QHF965HE 背面
背面です。こちらには何もついていません。前面と背面がほぼ同じような見え方なのですが、この製品は筐体のデザインがフラット、というかエッジ部分の絞り込みなどが小さい、と言えます。

ドスパラ GALLERIA QHF965HE 底面
底面です。もちろん開口可能です。通気口から内部が見えます。なお、ドスパラの青いテープが貼ってありますが、これは工場での試用機管理に使う目印として使われるもので、新品を購入する際にはついていませんので念のため。

筐体の素材はおそらくプラスティックと思われます。しかし、非常に硬質、頑丈で、華奢な感じは一切ありません。ゲーミングノートの筐体は一般にこんな感じですが、ドスパラのGALLERIAは一段と頑丈なのかな、と感じます。その代わり重いっす(約2.75 kg)よ。

ドスパラ GALLERIA QHF965HE キーボード
キーボードです。「強打仕様」です。試用機なので常識的な範囲で強打してみましたが、びくともしません。また、ゲーミングノートによく見られる「W,A,S,Dキー」が強調表示されていることもなく、キーの表示はごく一般的です。また、バックライトもついていません。

キーボード面の上にはステレオスピーカーがついています。音質の方は特段すごい、ということもなく、普通のレベルかな、と思いました。ただ、筐体が大きいのでステレオ感はしっかり出ます。

また、上の方に「G1」「G2」「G3」というボタンがありますが、「G1」は「ファンの速度を最大まで上げる」、「G2」は「タッチパッドのON/OFF」、「G3」は「Windowsボタンの有効/無効」の切り替えに使います。これらの機能はゲームをするときには重要なので、ワンタッチで切り替えができ、誤押下しにくいところにキーが配置されているんですね。

キー配列では右側のShiftキーと方向キーの配置にややクセがあります。しかし、前身機QHF960HEにはそもそも右側のShiftキーがありませんでしたから、それを思えば大きな改善だと思います。Shiftキーについてはサイズも大きく、慣れれば問題なく使えるでしょう。

ドスパラ GALLERIA QHF965HE キーボード拡大
キーの表面はフラットで、特に加工は施されていません。キータッチはやや固めですが、決して固すぎということはなく、この製品の特性上柔らかいというのも気持ち悪いので、だいたいイメージ通り、という感じですね。

ドスパラ GALLERIA QHF965HE 最大開口
ヒンジを最大開口したところです。開口角度は十分に確保され、実用上の問題はないでしょう。また、ディスプレイについては視野角も十分で、発色もきれいだと感じました。

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ドスパラ GALLERIA QHF965HE ヒンジ拡大
ヒンジを開くと筐体の後部がせり上がる仕組みになっています。構造上角度調整はできませんが、キーボードの使用時に違和感はありませんでした。

ひと通り筐体をチェックしてみましたが、GALLERIAの最安値モデルということによるコストダウンの影響はほとんど感じられず、しいて言えばキーボードにバックライトがないことくらいかな、と思います。それ以外の筐体品質はとても実売価格がイメージできるようなものではありません。まぎれもなくGALLERIAだと思います。ゴツくて信頼感満点です。

3.使用感

15.6インチで重量2.75 kgということなので、基本的にモバイル利用は難しいです。電源アダプターも相当に大きくて重いですし。そのため、室内で半据え置き型として使う前提になると思います。

しばらく使ってみましたが、薄型のモバイルノートや2 in 1を常用していると、やはりこの筐体はかなりの存在感があるというか、15.6インチというサイズ以上に「でかい」と感じます。しかし、いったんキーボードに向かうと非常に使いやすいと感じました。キーボードのタッチパッドはかなり左側にオフセットされていて、必然的に左側にセンターポジションが来ます。この位置で打鍵を始めるとかなり自然な感じで入力ができ、テンキーも自然な配置に感じられます。

キーはやや固い(重い)ですが、指が疲れるというほどのこともなく、確実に打鍵ができる、という感じで好印象です。あとはこの製品の本来の用途であるゲーム用として見ると、キーボード面の強度は十分ですが、W,A,S,Dキーの強調表示がなく、バックライトもついていないため、他のゲーミングノートPCからの買い替えの場合は、最初のうち少し使いにくく感じるかもしれません。慣れてしまえば全然問題ないと思いますけどね。

それと、ゲーミングノートPCに慣れていない人は「G1(ファンの速度を最大にする)」キーを押すとびっくりすると思います。私もびっくりしました。もちろん冷却能力はすごいのですが、「シュー」という音がかなり大きくなります。後述するベンチマークテストは個人的都合で深夜に自室でやったのですが、「うるせえ!」と感じるくらいの音になります。ベンチマークテスト中は暇なので別のタブレットで動画などを観ていたのですが、動画の音が聞こえないくらい(深夜なので音量は絞ってましたけどね)のレベルです。ファンの速度調整は基本的に自動制御なので、ゲームをやるとき以外はG1ボタンは押さないほうがいいです。

15.6インチのノートパソコンとしては、携帯性以外は満点に近い品質です。つまり、頑丈な筐体による信頼感、安定感抜群な使い勝手でキー入力も非常に気持ちよくできます。あとはゲーミングノートとしての性能ですが、それはこれから説明します。

4.性能テスト

この製品はCPUにCore i5-4210M、GPUにGeForce GTX965M、という組み合わせなのですが、この組み合わせでの処理性能は気になりますよね。いつものように「ドラクエ X ベンチマーク」「ドラゴンズドグマオンライン ベンチマーク」そして「3D Mark」をやってみました。

ドスパラ GALLERIA QHF965HE ドラクエベンチ最高品質
参考:
ドスパラ GALLERIA QSF965HE(Core i7-6700HQ、GTX965M): 14,964
ドスパラ GALLERIA QF960HE(Core i7-4710MQ、GTX960M): 12,791
ドスパラ GALLERIA QHF960HE(Core i5-4210M、GTX960M): 10,136
ドスパラ Critea VF-HG10(Core i7-6500U、940M): 8,467
HP ENVY 17-n100(Core i7-6500HQ、GTX950M): 8,452

ドラクエベンチに関しては最高品質でもメタルスライム(スコア10,000以上)が余裕で出ます。他のゲーミングノートとの比較でも概ね妥当といいますか、CPUとGPUの格が素直に出ているという気がします。

ドスパラ GALLERIA QHF965HE DDONベンチ標準品質
ドスパラ GALLERIA QHF965HE DDONベンチ最高品質
参考:
ドスパラ GALLERIA QSF965HE(Core i7-6700HQ、GTX965M): 8,981、8,568
ドスパラ GALLERIA QF960HE(Core i7-4710MQ、GTX960M): 7,677、6,374
ドスパラ GALLERIA QHF960HE(Core i5-4210M、GTX960M): 6,410、6,181
HP ENVY 17-n100(Core i7-6500HQ、GTX950M): 7,070、4,958
ドスパラ Critea VF-HG10(Core i7-6500U、940M): 6,842、4,623
※数値は左から標準品質、最高品質の順

ドラクエはGPU非搭載のノートPCでもある程度快適に遊べる、比較的軽量なオンラインゲームですが、ドラゴンズドグマオンライン(DDON)はGPU非搭載の場合、Core i搭載機で標準品質で遊ぶのがギリギリ、くらいの、PCスペックを要求するゲームです。ここでも最高品質でスコア6,000台をキープできており、問題なく遊べるということがわかります。同じGTX 965Mを搭載し、CPUがCore i7-6700HQであるQSF965HEには負けますが、この製品の前身機である、CPUが同じCore i5-4210MでGPUがワンランク下のGTX960Mを搭載するQHF960HEをしっかり上回る、という結果になりました。

ドスパラ GALLERIA QHF965HE 3D Mark

参考:
ドスパラ GALLERIA QSF965HE(Core i7-6700HQ、GTX965M): 5,344、16,987
ドスパラ GALLERIA QF960HE(Core i7-4710MQ、GTX960M): 4,014、11,109
ドスパラ GALLERIA QHF960HE(Core i5-4210M、GTX960M): 3,680、10,771
HP ENVY 17-n100(Core i7-6500HQ、GTX950M): 2,769、4,638
ドスパラ Critea VF-HG10(Core i7-6500U、940M): 2,621、8,816
※数値は左からFirestrike、Skydiverの順

最後に3D Markです。なお、「Time Spy」というテストは新設されて日が浅く、過去の製品テストでは試していないため、コメントは控えます。ただし、最近はGPU非搭載のノートPCでだけTime Spyをやっていたのですが、「初めてだよ、Time Spyがまともに動くの」と思いました。

さて、3D Markのスコアのほうもほぼ順当といいますか、むしろ予想以上にいい結果になっています。Core i7-4710MとGTX960Mの組み合わせであるQF960HEをしのぐスコアです。総合的に見て、この製品は中位クラスのゲーミングノートに期待される処理性能は発揮できると結論づけていいと思います。

5.まとめ

ドスパラ GALLERIA QHF965HEはドスパラ公式サイトで販売中で、価格は試用機と同スペックである「特別モデル」が税抜き105,980円(税込み114,458円)、ストレージが簡略化され、SSD搭載なし、HDD500GBのみのモデルが税抜き99,980円(107,978円)となっています。

ゲーミングPCの場合、腕に覚えのあるゲーマーなら多少無理してでも「少しでもハイスペックなものを」と考えるでしょうし、「そもそもノートは買わない、デスクトップにする」という人も多いと思います。一方、これからオンラインゲームを始めたいとか、すでにオンラインゲームをやっているけど、マイペースで楽しみたいという人にとっては購入予算もすごく大切な要素になると思います。

初めてゲーミングノートを購入するならGALLERIA QHF965HEは強くおすすめできます。性能的にはゲーム初心者のニーズを余裕で満たせるくらいの実力があり、コストパフォーマンスも非常に高いです。また、携帯性を重視しない場合、非ゲーム用途でも一流のパフォーマンス、というか上級のモバイルノートが裸足で逃げ出すくらいの性能を発揮できます。

また初心者ではないけど「マイペース派」のゲーマーにもいいと思います。これらの人はこのレビューを読んでいただければ自分に適しているかどうかは判断できると思うので、多くを語る必要はないと思いますが、限られた予算内で最良のものを、と考えるなら非常に魅力的な製品に映ると思います。

今回のレビューで改めてドスパラのGALLERIAの魅力を再認識しました。個人的には半据え置き型のノートPCを買うなら、そして予算的に折り合いがつくのなら、ゲームをやる、やらないにかかわらずGALLERIAが最強だと思っています。モバイル系ではThinkPad推しの私ですが、半据え置き型ならGALLERIAですねw

6.関連リンク

GALLERIA QHF965HE:ドスパラ公式サイト
ノートゲーミングPC一覧:ドスパラ公式サイト

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