こんにちは、ウインタブ(@WTab8)です。大変うれしいことに、ドスパラさんより「Diginnos DG-D08IWB 32GB」の実機をお借りすることができました。 しかも専用キーボード(正式にはキーボード一体型保護ケース)とセットで!ドスパラといえば日本で有数のBTO(Build to Order=オーダーメイド)パソコンの会社なので、PCに強い関心のない人でも名前くらいは知ってると思います。BTOのイメージが強いので上級者向けっぽい印象があるかもしれませんね。
BTOパソコンの会社ということでは、最近だとマウスコンピューターがスティックPCとかWindowsPhoneとかで話題をさらっていますが、ドスパラも負けてはいませんね。特にWindowsタブレットでは8インチ、9インチ、10インチをラインナップする国内唯一の会社です。つまり、BTOパソコンの会社として上級者向けの製品も取り扱いつつ、万人向けのWindowsタブレットにも力を入れている、ということです。
ドスパラ製品は価格競争力が非常に強く2014年10月には8インチタブレットで(その時点ではありえないはずの)税抜き2万円を切る製品(今回レビューするDG-D08IWBの前身機です)を市場に投入し、大きな話題となりました。ドスパラのノートPCやタブレットには「Diginnos(デジノス)」というブランド名が与えられており、このブランド名のもと、着々と製品を熟成させ、バリエーションを拡大しています。もちろん国内メーカーとして最強レベルの価格競争力を維持しながら、です。
前置きが長くなりましたが、ウインタブ初のドスパラ製品実機レビュー、気合を入れてビシビシと、公正中立な視点で進めていきます。
1.スペック
こちらがスペック表になります。非常にシンプルに表現すると「8インチタブレットの王道」スペックと言えます。王道といっても特にハイスペックである、という意味ではありません。「8インチモデルの標準スペック」という意味で書いています。このCPU:Z3735F、RAM:2GBの組み合わせは個人所有(acer Aspire Switch 10)もしてますし、過去に何度も実機レビューしてきましたんで、個人的にはその性能が完全に想像できてしまいます。そういう経緯もあり、今回はドラクエベンチだけは試しますが、細かい性能テストはしません。不安ですか?じゃ、先に結論を書きます。
「このスペックは8インチタブレットとして全く快適に使えます。ストアアプリ、Office、動画視聴、艦これ、全部問題ありません。ただし、専門的なデスクトップソフトウェア、例えばPhotoshopなどを使う場合、ハードな運用をするのは厳しいです。また、インストール型のオンラインゲームは無理なのであきらめてください。」
ということです。普通の人が普通にタブレットを楽しむ上で十分なスペックです。過去に同等のスペックをもつタブレットの実機レビューでも一貫して同じことを書き続けています。個人的意見といえばそれまでですが、他サイトが何と書こうと、これがAtomマスターを自負するウインタブの見解です。
これが初期(なにがしかの操作はしましたが)のディスク領域です。空き容量は20GB弱で、WIMブートを使ってますね。32GBモデルとしては空き容量がしっかり確保されている方だと思います。ドスパラは余計なアプリをほとんどプリインストールしていない、というのが大きいと思います。一部の、いや多くのメーカーではこれでもかっていうくらい無駄なアプリ(ソフトウェアも)をインストールしてくれてますから、アンインストールするのも面倒なんですよね。
2.タブレット本体のデザインなど
Windowsタブレットはみんなそうですが、外観上、とくにディスプレイ面はみんな似たようなものです。Windowsボタンはセンサー式で縦持ち時の筺体下中央にあります。オーソドックスなタイプですね。ベゼルは薄めです。この筐体、とにかく軽くて薄いです。特に強くアピールしておきたいのが「重量345g」というところです。ASUS VivoTab 8(VivoTab Note 8とは別の製品)が330gと最軽量ですが、それに次ぐ軽さで、私が日頃使っているThinkPad 8(430g)と比較すると、体感的にめちゃめちゃ軽く感じます。「Androidタブレットだっけ」と思うくらいです。
物理スイッチは電源ボタンと音量上下ボタンの2つだけ、これもオーソドックスに縦持ち時の筐体右上にあります。特に作りがしっかりしている、という印象はありませんが、実用上は全く問題ありません。
背面はプラスティック製ですが、ヘアライン加工を施していて安っぽさは感じられません。画像だと光線の関係でわかりにくいと思いますが濃いブラックです。また、各種スイッチ類、ポート類の位置がイラストで表示されています。
ディスプレイですが、公表データ上「IPS」という表現がないものの、視野角は十分に広く、発色もよいと感じました。タブレット本体に関して、作り込みや仕上げに甘いところはありませんし、なにしろ軽さと薄さが非常に強く印象に残りました。
3.専用キーボード
実は今回のレビューでもっともみなさんにお伝えしたいのがキーボードです。このキーボードがセット製品として追加されたとき、商品画像を見て最初に感じたのが「なんかデザインがイマイチ」ということだったんですが、実物を使ってみて、その出来の良さにはビックリしました。
本体とキーボードはこのプラスティック製のガイドで接続します。左右2箇所にありますが、特にフックのような仕組みはなく、レールにグッと押し込む感じです。意外と力がいりますが、構造上この部分だけで接続することになるので、ある程度の強度を確保するためやむをえないところですね。
このキーボードはタブレット本体も同時に保護するタブレットケースとしての役割も兼ねています。というか、正式名称は「キーボード一体型保護ケース」ですから。上の画像はキーボードとタブレット本体をひとまとめにしてたたんだところです。デザインがいまいち、と最初に感じたのはケースとしての役割のため、どうしてもキーボード側の余白部分が大きくなってしまうからなんですね。素材は手に触れる裏面が起毛仕立てで表面がビニール製ですが、テキスタイル(織物)っぽく仕上がっていて、高級感はありませんが安っぽさもなく、実用的で好感が持てます。
ケースの背面に切り込みが入っていて、これを変形させるとノートPCのようにして使えます。マグネットで本体背面とケースのスタンド部分を固定するので、見た目よりもかなり安定感があります。電車の中で膝の上に乗せて使うことも可能ですが、この場合は8インチディスプレイなのでかなり画面が小さく見えてしまい、あまり実用的ではありません。
これがキー配列。さすがにこのサイズだとFキーなどはついていません。キーはかなり小さいですが、キーストロークが確保されているのと、パンタグラフ式なのでパチパチ感があって気持ちよく打てます。また、電波干渉の可能性があるためウインタブがイマイチ評価していないBluetooth方式ですが、試用中チャタリングは発生しませんでしたし、電源のオン/オフを繰り返してもすぐに自動的に再接続されますので、実用上は問題ないと思います。
でも、やっぱり慣れるまではかなり入力ミス(キーの押し間違いですね)が起きやすく、特に個人的にはEnterキーが小さすぎると感じました。8インチタブレットとの一体感をもたせたパッケージングなので、ここは我慢して慣れるしかないでしょうね。キーボードの打ちやすさを追求するのなら、最低でももう一回り大きいサイズになりますし、そうするとせっかく携帯性に優れた8インチタブレットそのものの利便性も損なわれてしまいます。なので、携帯性優先、ということである程度割り切れるならこのキーボードは素晴らしいと言えます。
4.性能テスト
記事の冒頭で触れたとおり、この機種のハードウェア・スペックはごく一般的な8インチタブレットと言えるものなので、詳細にテストする意味はないと思っています。タブレットとしてWindowsストアアプリを使う、YouTubeで動画を見る、艦これなどのブラウザゲームをする、Officeで資料を作成したり編集したりする、といったことは「確実に」問題ありません。なので、「このアプリは動く」みたいなことをする意味はありませんね。でも、一応「ドラクエベンチ」だけは実機レビューで必ずやることにしているので、その結果だけ。
参考:
Core i5のノートPC(2年落ち): 5,299
DELL Venue 11 Pro 7000: 3,408
HP Stream 14-z000(AMD A4 Micro-6400T APU): 2,106
HP Pavilion x2 10-j000(Z3745D): 1,199
Aspire Switch(Z3735F): 1,101
10P1100T-AT-FSM(Z3775D): 1,097
ThinkPad 8(Z3795): 1,086
マウスコンピューター WN801V2-Pro-BK : 1,030
Stream 11(Celeron N2840):1,018
VivoTab Note 8(Z3740): 993
Venue 8 Pro 3000(Z3735G, RAM1GB): 951
マウス m-Stick MS-NH1(スティックPC,Z3735F): 944
あれ?ThinkPad 8よりいい?なんだか思ったよりもいいスコアが出ました。Diginnos、意外と健闘しますね!ただ、実際のところスコアが1000でも1100でも体感的な差を感じるのは難しいと思います。ドラクエベンチはドラクエXを遊ぶために、事前にPCのパフォーマンスをチェックするためのものなので、絶対的なPCの総合性能を判定るものではありません。Atomタブレットの場合、ほとんどが1000弱~1100くらいのスコアになりますが、これってCPUの性能というよりはグラフィック機能が弱いことによるものだと考えています。
ともあれ、性能テストといえるかどうかわかりませんが、数値で表現すると、Atom機としてはかなり健闘しているほう、と言っていいでしょう。
5.結論:キーボードセットは明らかにお買い得だし便利
結論として、Diginnosは、本体のスペックとしては標準的な8インチタブレットであり、実際の使用感も(決して悪い意味ではなく)イメージした通りでしたが、薄さと軽さは非常に素晴らしいと感じました。また、筐体の仕上げがよいこともあり、販売価格を考慮すれば国内メーカー製品であるにもかかわらず、めちゃめちゃコストパフォーマンスの高い製品だと思います。
また、本体とセット販売されている専用キーボードは、8インチタブレットに合わせるというサイズ上の制約があるために多少の慣れを必要とするものの、打鍵感が素晴らしく、最高の周辺機器といってよいと思います。8インチタブレットで専用のキーボードを用意してくれているメーカーは少なく、希少価値も高いと言えます。
Diginnosの価格ですが、この記事の執筆時点で下記のとおりとなっています。
Diginnos DG-D08IWB 32GB: 22,980円
Diginnos DG-D08IWB 32GB+キーボード: 25,898円
Diginnos DG-D08IWB 32GB+Office Home and Business: 24,828円
Diginnos DG-D08IWB 32GB+Office+キーボード: 28,036円
※すべて税込み
キーボードなし、Officeなしのベースモデルでも国内メーカーとして最安値圏ですが、このベースモデルにキーボードとOffice(PowerPointつき)をセットしても追い金がわずかに6,000円強、というのは絶対的にお買い得ですね。どのモデルを選んでもコスパ最高とは言えますが、今回実機を試用してみて、Diginnosを購入するなら絶対にキーボードつきにすべき、と思いますよ。夏のボーナス時期、Windowsタブレットをお考えならドスパラのDiginnosは強くおすすめできます。
コメント
どうも初めまして。
ちょっと質問させて下さい。
今8インチのWinタブを購入を考えてまして、
解像度がWUXGAのもの(LaVie Tab W、YOGA Tablet 2、ThinkPad 8など)にしようかと思ってたんですが、
この記事を読むとDiginnos DG-D08IWBは非常にコスパが良さそうで惹かれるものがありました。
個人的な用途はネット、ブラウザゲー、時々Officeという感じなのですが、
運用にあたって解像度の違いはどの程度影響があるものでしょうか?
DPさん、こんにちは、コメントありがとうございます。解像度の問題は個人の感じ方の差がすごく大きいので、あくまでも私の個人的意見として聞いてください。まず、コメントにあるような使い方をする場合、実用上の影響はほとんどないと思います。解像度が低くてできないこと、というのは私の場合はありません。確かに解像度が高いもの(1,920×1,200のThinkPad 8)と解像度が低いもの(1,280×800のAspire Switch 10)を並べるとその差を実感します。あきらかにThinkPad 8のほうがキレイです。しかし、Aspire Switchの画面が汚い、ということはありません。あくまで見比べたら、ということです。Aspire Switchを単独で使っているぶんには全く不満を感じないです。なので、もし今回購入されるのが初8インチ、ということなら、解像度が1,280×800でも何の問題もないし、後悔するような機会はほとんどないと思います。あとはDPさんがどのくらいシビアな感覚をお持ちなのか、ということだけが気がかりです。