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pdumpfs - 容量を無駄にしない、Windows向け日次バックアップツール

デスクトップアプリ

pdumpfs
こんにちは、吟遊詩人です。いきなりですが、皆さん、バックアップ取ってますか?今回は私が昔から使い続けているバックアップソフトをご紹介します。私は基本的にPCを買ったらまず、これをインストールします。もっとも、インストールといっても実行ファイルを含むフォルダを配置するだけです。ちなみにGPLv2のオープンソースソフトウェアですので無料で使えます。

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1. ソフトの概要

このpdumpfsというソフトは、Plan9というUnixの「次」を目指して作られたOSのファイルシステムから着想を得て作成されたものです。バックアップを取る際に、前回と差分がないファイルはファイルをコピーするのではなく、ファイルへのハードリンクを作成することで容量を削減しながら、あたかも全量のバックアップを取ったかのように見えるようにできます。pdumpfsはバックアップを取得する際に「年\月\日\バックアップ対象」というフォルダ構造でバックアップします。1日1回動かすことで、毎日バックアップを取得出来て任意のバックアップ取得時点のファイルにアクセスできます。クライアントサイドで使うことはもちろん24時間稼働のファイルサーバ的なマシンで動かすとより効果があります。ただし、バックアップ対象およびバックアップ先のファイルシステムがNTFSである必要がありますので、この点だけはご注意ください。

小規模オフィスやホームラボでWindows機でファイルサーバ機能を提供している場合は、pdumpfsをインストールして、定期的にバックアップを取るように設定したら、誤ってファイルを削除してしまった際や誤って古いファイルで上書きしてしまったなどの際に、バックアップからのリストアが必要になってもサーバ担当者にお願いしなくても自分でバックアップから必要なファイルだけをリストアできます。この設定を知人のファイルサーバに適用したところ、かなり喜んでくれました。

2. ダウンロードとインストール

公式サイトのページの下の方にある「pdumpfs-w32-1.3.zip (Windows binary)」からzipファイルをダウンロードしてください。ダウンロード出来たらpdumpfs-w32-1.3.zipを解凍してください。その後そのフォルダをどこか適当なところに配置すればインストール完了です。

「%userprofile%\AppData\Local\Programs」にフォルダごと移動して、デスクトップにショートカットを作成する、というのが吟遊詩人のお勧めです。

3. 使い方

pdumpfs.exeのショートカットから起動します。起動して、バックアップ元とバックアップ先を選択してバックアップボタンをクリックするだけです。

pdumpfs 起動画面

簡単ですね。バックアップ先に2025\12\14などのフォルダができてその下にバックアップ元のフォルダが再現されていると思います。毎日起動してバックアップを取得していれば、「あ、間違ってファイル上書きしちゃった」という時には、バックアップ先の前日の日付のフォルダから間違って上書きしたファイルをコピーしてくれば即その時の状態に戻れます。ただ、当然ですが戻れるのはバックアップを取った日のものです。午前中の状態に戻したいというような要望には応えられません。また、メニューの[ファイル]-[タスクスケジューラに追加]や[ファイル]-[タスクスケジューラを開く]などありますが、Windows 11では標準的な呼び出し方が変更されているため選択するとエラーとなります。この辺は古いソフトなので割り切りが必要ですね。この機能を実現するには自分でschtasksコマンドを作る必要があります。

4. 実行例

pdumpfs

バックアップ元

上に掲載した起動画面で、バックアップ元はこのようになります。topImage.pngと原稿本文.txtいう二つのファイルがあります。主に原稿本文を修正するのですが、この際、バックアップ先は次のような構造になります。

pdumpfs

バックアップ先

バックアップ先である「C:\tmp\backup」フォルダの配下に2025フォルダができていてさらにその下に12フォルダができます。そして日別のフォルダができ、そこにバックアップ対象ファイルがバックアップされます。普通に見たら各日付(起動していない日は日付が飛んでいます)にファイルがコピーされているだけで、これのどこがすごいのかわからないと思います。

それではそれぞれのファイルを詳細に確認しましょう。

pdumpfs

09日のフォルダtopImage.pngのLinkTypeを見てください。「HardLink」となっています。これがハードリンクです。どういうことかというと、一つのファイルを色々なパスから参照しているということです。つまり実体は一つです。どのファイルが同じ実体を共有しているか確認してみましょう。

pdumpfs

ずっと更新のないファイルであるtopImage.pngは一つの実体なのですが、各フォルダにあたかもそのファイルがあるかのように見えるんです。この場合、4か所にファイルがあるかのように見えるのに実体は一つですから3ファイル分の容量が節約できたということです。
※実際にはハードリンク自体もファイルですので少しは容量を消費しますが、画像ファイルの実体と比較すればその消費量は微々たるものです。

一つのファイルでこれですからマイドキュメントのように色々なファイルがある場合の効果は絶大です。しかも、12月10日の状態を見たい!!という場合そのフォルダに行けばいいんです。やれ、バックアップソフトを起動してバックアップファイルを指定して……なんて作業は不要です。まあ、しいていえば、バックアップフォルダは書き込み禁止属性をつけておいた方がいいでしょう。こうすればうっかりバックアップを破壊するという危険を回避できます。

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5. 注意点

さんざんバックアップといっていますが、同一筐体内のバックアップは真のバックアップではありません。だって、そのPCが壊れたらバックアップを取り出すことができないからです。バックアップは3-2-1ルールで取得するべきです。

  • 3つのコピーを持つ(元データ + バックアップ2つ)
  • 2種類の異なるメディアに保存
  • 1つは遠隔地(クラウドや別拠点)に保存

pdumpfsは「3つのコピーを持つ」の一つにすぎません。過信すると痛い目を見ます。特に今の時期ですと、卒論などの重要なデータは必ずバックアップを取ってください。これを読み終えたらすぐにバックアップする準備をしてください。締め切り日が近くなるとなぜかPCが不調になりファイルにアクセスできなくなります。そして、外付けのUSBメモリは何故か行方不明になります。締め切り日に限ってクラウドは世界的なトラブルに見舞われます。

執筆者:ウインタブ
2014年にサイトを開設して以来、ノートPC、ミニPC、タブレットなどの実機レビューを中心に、これまでに1,500本以上のレビュー記事を執筆。企業ではエンドユーザーコンピューティングによる業務改善に長年取り組んできた経験を持ち、ユーザー視点からの製品評価に強みがあります。その経験を活かし、「スペックに振り回されない、実用的な製品選び」を提案しています。専門用語をなるべく使わず、「PCに詳しくない人にもわかりやすい記事」を目指しています。
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