DELLのキーボード非分離型2 in 1「Inspiron 11 3000」は今年1月に開催された「CES 2016」で「クラウドブック」にリニューアルされることが明らかになっていました。この件については、ウインタブでも記事にしています。
Dell Inspiron 11 3000 - デルからも出る(すいません・・・)11.6インチお手軽スペックのモバイルノートPC
この新しい「Inspiron 11 3000」ですが、ついに日本での販売が開始されました。もともと「クラウドブック」はウインタブが大好きなジャンルということもあり、さっそくチェックしてみました。
New Inspiron 11 3000シリーズノートパソコン(2016/2/9発売)
1.スペック
OS: Windows 10 Home 64ビット
CPU: Intel Celeron N3050 / Pentium N3700
RAM: 2GB / 4GB
ストレージ: 32GB eMMC / 128GB SSD
ディスプレイ: 11.6インチ(1,366 × 768)※非光沢
ネットワーク: 802.11ac対応、Bluetooth
入出力: USB 2.0、USB 3.0、HDMI、microSDスロット、オーディオ、電源
サイズ: 292 × 196 × 18.45~19.88 mm / 重量1.18~1.22 kg
価格: 34,980円(税抜き)~
補足します。この製品はバリエーションが3つ用意されており、最下位構成のものが「CPU:Celeron N3050、RAM:2GB、ストレージ:32GB」とクラウドブック・スペックとなります。これ以外の2モデルは「CPU:Pentium N3700、RAM:4GB、ストレージ128GB」となるので、もはやクラウドブック・スペックとは言えず、ミッドレンジに近い性能となります。
Pentium N3700というCPUはウインタブではなじみがないので、いつものようにPASSMARKが公表しているベンチマークスコアを調べてみました。
Pentium N3700: 1,884
Celeron N3150: 1,571
Celeron N3050: 901
Atom x5-X8300: 1,206
Core i3-6100U: 3,502
こんな感じで、Celeron N3000番台よりも高性能ですが、Skylake世代のCore i3よりはかなり見劣りするレベルです。Pentiumといっても開発コードネームはBraswellで、Celeron N3000番台と同じです。ただし、PASSMARKのスコアでこのくらいの数値が出る場合、ドラクエXなど比較的軽めのオンラインゲームなら十分遊べるくらいの性能はあると思います。
ディスプレイや入出力ポートはクラウドブックとしては標準的なものですね。ただ、Wi-Fiが5GHz帯に対応してくれているのはありがたいところ。
また、サイズについては特に重量が気になっていたのですが、1.18 kgとまずまずの軽さだと思います。クラウドブックで最軽量なのはASUS EeeBook X205TAの980gなのですが、他の製品はほとんどが1.15 kg~1.2 kg程度なので、Inspiron 11は「可もなく不可もなく」といったところでしょう。
2.筐体
クラウドブックの多くはプラスティック製の筐体を生かしてカラフルな配色になっていますが、この製品もホワイトとレッドの2色が用意されています。ただ、CES2016で発表されたブルーについては日本モデルでは今のところ設定がありません。
入出力ポートの説明です。「1. オーディオジャック | 2.USB 2.0 | 3.Nobleロック・セキュリティ・スロット | 4.DC入力 | 5.HDMI | 6.USB 3.0 | 7.microSDカード」となっています。ポート類は多いほうではありませんが、モバイルノートとしては必要十分かな、と思います。
筐体前面です。タッチパッド部分がくぼんでいて、なかなか立体的でいい感じですね。
この製品は実用面を意識した耐久テストを実施しています。「過酷な熱条件:短時間の過酷な熱条件(最大65 °C / 149 °F)」「ヒンジの耐久性: カバーを20,000回開閉」「入力環境の耐久性: よく使用されるキーを1,000万回打鍵、タッチパッドボタンを100万回タッチ」「ボタンの耐久性: 全ボタンを最大4万回」「PC 本体のひねり: 基部とカバーに2万5,000回以上」です。クラウドブックといえど、安心して長期間使っていけそうですね。
3.価格と発売時期
DELL Inspiron 11 3000は2月9日からDELL直販サイトで販売が開始され、価格は
エントリー(Celeron N3050、2GB、32GB):34,980円(37,778円)
エントリー・プラス(Pentium N3700、4GB、128GB):49,980円(53,978円)
エントリー・プラス・Office付(Pentium N3700、4GB、128GB):69,980円(75,578円)
※すべて税抜き価格、カッコ内は税込み価格
となっています。どのモデルがいいのかは好みの問題ですが、もっともベーシックな、クラウドブック本来のスペックは「エントリー」モデルです。ただ、このモデルの場合、CPUやRAM、ストレージ容量だけで判断すると同じクラウドブックである「ASUS EeeBook X205TA(税込み29,780円)」「acer Aspire One(23,800円)」「HP Stream 11(29,916円)」と比較してやや割高です(他製品の価格は2016年2月9日現在の価格ドットコム最安値、税込み価格です)。
ただ、CPU、RAM、ストレージだけでなく、Inspiron 11 3000は厳しい耐久テストをクリアしていたり、といった優れた点もあるため、トータルで見た場合には割高と決めつけられないでしょう。
また、エントリー・プラスのスペックもかなり魅力的ですし、価格も税込みで5万円台前半ということなので、コストパフォーマンスについても評価できると思います。このスペックであればビジネス利用のメイン・モバイルノートとしても十分な性能だと言えるでしょう。
コメント
この機種も、最後まで悩んだ機種のひとつです。
前モデルが、1.4kg 以上あったので、かなり軽くなっていますね。ようやっと、許容できる範囲内の重さになったと言えます。
米国系の PC は、どうしても重くなる傾向にあります。それは、あまり軽いと手ぶらになっても気付かないというクレームがあるからだそうです。
どーゆうこと…(笑)
最後で決断に至らなかったのは、重量とメモリチャネルがシングルであること。
タブレット、2 in 1 の 4GB を搭載しているモデルで、デュアルチャネルに対応し、正式に発表、もしくは、ホワイトペーパーで謳っているメーカーは、NEC、Lenovo、富士通、東芝、Panasonic、VAIO、EPSON です。
逆に、8GB になってもシングルチャネルだと謳っているのは、HP、ASUS、Acer、Dell などで、他は不明です。
どういったところで、差が出てくるのかというと、ストリーミングビデオの再生やオンラインゲームなどです。
リアルタイムでデータ通信しながら、そのデータを活用するといった具合です。
この機種で採用されている Pentium N、
Celeron N シリーズは、Atom シリーズとなんら変わらず、ダイ当たりの要求電力が高く、メモリー周りが異なるという点だけです。
個人的に、ずっと注目していた Core M/m ですが、最大TDP は 6W でありながら、普段使いでは、4W (Celeron N 同等!) 前後で Cre i3/i5 に匹敵するスコアを叩き出していますから、TDP 当たりの性能比は、恐ろしく高い事になります。
そういった意味では、Atom3兄弟は、高次元のコストパフォーマンスを実現しているので、その性能を引き出して貰えないメーカーに、ケチらないで、と言いたいです(笑)
禿しいベイさん、こんにちは、コメントありがとうございます。この製品、ガラッと性格が変わっちゃいましたね。CPUのN3050は性能がイマイチみたいなんですけど、ひとつ上のN3150は私が試した限り、Atomよりもかなり高性能でした。
X205TAの素晴らしさが際立ってしまう
こんにちは、コメントありがとうございます。確かにそうですねー。X205TAはめっちゃ軽いですし。Inspironは最低グレードじゃなくてワンランク上のにしたら魅力が出てくると思います。