ASUSが8月4日に発表したノートPC「ZenBook Pro 16X OLED」の実機レビューです。外部GPU、GeForce RTX3060を搭載する高性能な製品で、特にクリエイターの利用を想定した装備が充実しています。また、ASUSらしいといいますか、「あっと驚く」筐体構造になっています。
・超個性的なキーボード面の構造
・クリエイターのニーズに応えるASUS Dial
・有機ELディスプレイの発色性能は抜群
・最高水準のスピーカー
・高いCPU/GPU性能
ここがイマイチ
・クラムシェルノートなので、ペン入力での本格的なイラスト制作には向かない
・高価。クリエイター以外は手が出しにくいか
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ASUS Zenbook Pro 16X OLED UX7602ZM:ASUS Store
ASUS ZenBookシリーズ特設ページ:ASUS Store
目次
1.Zenbook Pro 16X OLED スペック
スペック表
Zenbook Pro 16X OLED | |
OS | Windows 11 Pro |
CPU | Intel Core i7-12700H |
外部GPU | NVIDIA GeForce RTX 3060 Laptop |
RAM | 32GB(LPDDR5-5200) |
ストレージ | 1TB SSD(PCIe 4.0 x4接続) |
光学ドライブ | なし |
ディスプレイ | 16インチOLED(3,840 x 2,400)タッチ |
ネットワーク | 802.11 a/b/g/n/ac/ax、Bluetooth 5.1 |
入出力 | USB Type-C(Thunderbolt 4)× 2、USB3.2 Gen2、HDMI、オーディオジャック、SDカードリーダー |
カメラ | Webカメラ(207万画素)顔認証対応 |
バッテリー | 96Wh(約10.3時間) |
サイズ | 357 x 253 x 16.9-20.9 mm |
重量 | 2.4 kg |
コメント
Zenbook Pro 16X OLEDはこの記事執筆時点で上記スペック表の単一バリエーション展開です。CPUは第12世代のCore i7-12700Hで、ゲーミングノートなどに使われる、型番末尾H(Alder Lake-H)の高性能版です。また、外部GPUにGeForce RTX3060も搭載しています。RAMは32GB、SSDは1TBと大容量でクリエイターの利用を意識した構成と言えます。
そしてディスプレイは16インチの有機ELで4K(3,840 × 2,400、アスペクト比16:10)と高精細です。
また、このディスプレイはPANTONE認証やVESA(HDR)の認証を受けていますし、発色性能には期待ができます。実際ウインタブではASUSの有機ELディスプレイ搭載PCを過去に何度か実機レビューしていますが、感動的と言えるくらいに美しいものになっています。さらにタッチ対応もしますし4,096段階の筆圧に対応するペン入力も可能です(ペンも付属します)。
入出力ポートではUSBが合計で3つ、うち2つがThunderbolt 4と高規格ですし、これもクリエイターを意識したものと思われますが、SDカードリーダーも装備しています。
高性能マシンながらサイズも比較的薄型です。ただし、重量は2.4 kgあり、同サイズのスタンダードノートと比較すると重いほうです。
2.Zenbook Pro 16X OLED 筐体と使用感
同梱物
同梱物です。画像左上から「かならず初めにお読み下さい(初期不良時の連絡先などが書かれています)」の一枚もの、その下に設定アプリMyASUSの案内、その右には保証書、取扱説明書、WPS Officeのライセンスキーが入っていました。取扱説明書は厚みがあり、非常に丁寧な説明が書かれています。
ACアダプターはスタンダードノート用としては大型、しかし外部GPU搭載機としては比較的小型と言え、出力200Wで実測重量はACアダプター込みで587 gでした。また、USB Type-A – LAN(RJ45)の変換ケーブルも付属しています。
ZenBook Pro 16X OLEDは筆圧対応のペン入力が可能です。そのためASUS Pen 2.0が付属しています。ASUS Pen 2.0はMicrosoft Pen Protocol方式で4,096段階の筆圧に対応します。
交換用のペン先も3本付属します。この3本は硬度も異なり、B、HB、Hとなっています。
ASUS Pen 2.0は2ボタンで充電式です。
天板と底面
天板です。右側にあるロゴは「新ロゴ」ですね。また、このロゴは通電時に白く発光します。筐体素材は金属です(詳細な素材は不明ですが、アルミ合金と思われます)。
ZenBookシリーズのトレードマークである「スピン加工」も施されています。スピン加工というのは「ロゴマークを中心に描かれている同心円状の模様」のことです。
底面です。中央に大きな通気口があるほか、画像下側(使用時に手前側になるほうです)にスピーカーグリルがあります。後述しますが、ZenBook Pro 16X OLEDはキーボード面にもスピーカーがあり、合計で6スピーカーを搭載しています。
側面
前面です。中央にヒンジ開口用のくぼみがあり、ポート類やボタン類はありません。
背面です。こちらにもポート類やボタン類はなく、大きな通気口があるのみ。
左側面です。画像左からDC-INジャック、USB Type-A、USB Type-C(Thunderbolt 4)× 2です。
右側面です。画像左からLEDインジケーター、SDカードリーダー、イヤホンジャック、そしてHDMIです。この製品は有線LANポートがありませんが、同梱物のところでご説明した通り、USB Type-C – LAN(RJ45)の変換アダプターが付属します。
ディスプレイ
正面から見たところです。ディスプレイのベゼル幅は上下左右とも細く、使用時の没入感を高めてくれます。ただ、このディスプレイは「グレア(光沢)」タイプです。発色の美しさにこだわった製品ですし、グレアタイプであるのは当然かと思いますが、どうしても映り込みが激しくなってしまいますので、設置場所には少し気を使う必要があります。
設定アプリ「MyASUS」のスクリーンショットです。このようにMyASUSでは有機ELパネルを保護するための機能が多数あります。また、今となっては珍しい「スクリーンセーバー」も自動的に立ち上がるようになっています。有機ELパネルはどうしても「焼付き」が心配になってしまいますが、メーカー側でもディスプレイ保護の配慮はしっかりとなされていますので、あとは「使う人が十分に気をつける」ということだと思います。
ZenBook Pro 16X OLEDにはMyASUSとは別に「ProArt Creator Hub」という設定アプリが入っていて、色校正(キャリブレーション)が可能です。ただし、色校正をするためにはキャリブレーター(外付けのハードウェア)が必要です。
ディスプレイの使用感
ディスプレイの品質評価について詳細は控えます。…いや、別に悪い意味ではないんですけど、メーカー側で各種認証などについてしっかり開示していますし、実際私がウインタブの記事執筆やWebブラウジング、動画視聴などをしてみても、「すごくキレイだなあ」くらいのことしか書けないんですよね。ちなみに、試用中にうちの子(21歳女性、大学生でK-POPマニア)とYouTubeで韓国アイドルのプロモーション動画を視聴したのですが、ディスプレイの発色に「この画面、異常にキレイだよねえ」と興奮していました。彼女はこの製品について予備知識が全くなく、「ぶっつけ」で動画を視聴しています。つまり「PC知識がなく、製品情報を知らなくても一発でこのディスプレイが『普通じゃない』ことを理解できた」ということです。
ペン入力について
私はPCでイラストやマンガを書く趣味がなく、絵描きさんの立場をよく理解してのレビューができません。当然「作例を掲載する」などということも無理です。あまりお役に立てず、すみません。
「筆圧の効き具合」と「ペン先の追随性やズレ」について注意して試し書きをしてみました。筆圧の効き具合もよく、思い通りに描画ができたと思います。あくまで試し書きのレベルではありますが、この製品は本格的なイラストやマンガの制作ができるペン入力性能になっていると思います。というか、絵描きさんでもMicrosoft Pen Protocol 2.0方式で4,096段階の筆圧対応、という時点でペン性能にはあまり心配されないだろうと思います。
ただし、この製品は「クラムシェルノート」です。2 in 1タイプの製品と異なり、タブレットモードやテントモードにはできず、ペン入力の際にキーボード面が邪魔になりますし、ヒンジも固定されないので力を入れてのペン入力はできません。ペン性能は十分でも、筐体構造がボトルネックになると思われ、(ディスプレイ面に直接ペン入力をしての)本格的なイラストやマンガの制作をするのは無理なのではないか、と思います。
もちろんメモ書きや資料にハイライトするなどの用途では非常に快適なので、どちらかというと「ビジネスや学習向き」ですね。
キーボード
外観上で最もインパクトがあるのはキーボード部分でしょう。このように、ヒンジを開口すると自動的に傾斜がつき、タイピングがしやすくなります。
キーボード面です。「90キー日本語キーボード (オールキー White RGB イルミネートキーボード)」と開示されています。16インチサイズですが、テンキーはつきません。両サイドにスピーカーを搭載し、左側のパームレストにはASUS Dialというダイヤルを装備しています。
バックライトとNumberPadを点灯させたところです。NumberPadというのはタッチパッド部分をテンキーとして使えるASUSの独自機能です(もちろん普通のタッチパッドとしても使えます)。
RGBバックライトは設定アプリMyASUSで色やイルミネーションを変更できます。
設定アプリ「ProArt Creator Hub」でASUS Dialの動作設定ができます。ただし、デフォルトで使える機能は少なく、クリエイティブ系のアプリ(主にAdobe系)をインストールすると、そのアプリに合わせた各種操作が可能になります。
ASUS Dialの中央部を押すと、このような画面表示になります。ASUS Dialの中央部は物理ボタンで、周辺部がセンサーになっていて、周辺部をなぞると(上の画像のケースでは)音量が変わります。
キーボードの使用感
非常に個性的な形状のキーボードですが、見た目からイメージできる通り、とても使いやすいです。ディスプレイサイズが16インチのスタンダードノートの場合、奥行きもそれなりに大きく、手の小さい人だとキーボード面の上部にあるキーに手が届きにくいこともあると思いますが、傾斜が付くことによりキーボード面全体に手が届くようになります。
打鍵音は小さめで、Spaceキーを除けば静音に近いくらいです。この製品はモバイルノートではないのですが、仮にカフェや図書館で使う場合でも周囲にあまり気を使わなくて大丈夫でしょう。
キー配列ですが、この製品にはテンキーがないかわり、Enterキーの右に一列配置されています。この配列だとEnterキーと右の一列のキーでミスタイプが発生しやすいように思われますが、実際はそうでもなくて、右の一列とEnterキーの間に若干間隔があるのと、全体的にキートップのサイズに余裕がある(ほとんどの記号キーがやたらと小さかったりしない)ので、私の試用中はミスタイプはまったくありませんでした。
それと、ここは人によると思いますけど、おそらくこのキーボード形状は「ゲーム向きではない」ですね。「強打」には向かないと思います…。
筐体その他
ヒンジを最大開口したところです。この製品はヒンジが180°(水平位置)まで開口しません。ビジネス利用の際は全く問題のない開口角度と言えますが、ペン入力で「本格的なイラストやマンガを描く」ような場合は使いにくいと思います。
スピーカーの使用感
ZenBook Pro 16X OLEDのスピーカー品質は「半端ない」ですね!びっくりしました。もはやPCの内蔵スピーカーの水準ではありません。低音から高音までバランスが非常によく、大音量にもできますし、大音量にしても音が割れたりはしません。
設定アプリにはDolby Accessが、ハードウェアとしてのスピーカーのチューニングはHarman Kardonが担当しています。この製品に関してはDolby Accessをオンにしておけばもう細かい調整は不要、と感じました。最高のスピーカー品質だと思います。
発熱とファン音
まず、ゲームや動画編集等、PC負荷の高い操作をする際を除けば発熱やファン音はあまり気になりません。ベンチマークテスト中、ファンのモードを「フルスピード」にしましたが、この際のファン音は相当に大きくなります。60dbオーバーで、多くの人には耳障りと感じられると思います。一方、発熱については、キーボードの形状が形状なので、全然気にならなかったですね…。ヒンジ開口時にキーボードの下部に空洞ができる構造で、ここで通気・排熱をしていますので、キーボード面は全然熱くなりません。
3.Zenbook Pro 16X OLED 性能テスト
ZenBook Pro 16X OLEDのCPUとGPUは「ゲーミング仕様」と言えますが、ASUSのゲーミングPCにはかならず入っている設定アプリ「Armoury Crate」はありません。かわりに「ProArt Creator Hub」が入っていて、ここでパフォーマンスモードを調整可能です。ベンチマークテスト実施に当たり、ファンモードを「フルスピード」に、MyASUSでの動作モードを「パフォーマンスモード」にして測定しました。なお、今回実施したベンチマークテストは「ファイナルファンタジー15」を除き、ディスプレイ解像度によるスコアの変動がほとんどありませんので、デフォルトの3,840 × 2,400解像度で実施しています。
表計算ソフトやビデオチャット、画像加工など、実際のビジネスシーンをシミュレートしたテスト、PC Markのスコアです。どちらかというとビジネス系のPCの性能測定で重視すべきベンチマークテストと言えます。このテストではCPU性能の影響が大きいとされますが、テスト内容にグラフィック系のシミュレーションも含むため、GeForceなどの外部GPU搭載機のほうが高いスコアが出ます。
参考:
MSI Creator Z16P B12U(Core i9-12900H、RTX3080Ti):7,943
ASUS ROG FLOW X13(Ryzen9 5900HS、RTX3080):6,881
MSI Stealth 15M B12U(Core i7-1280P、RTX3060):6,675
ASUS TUF Dash F15(i7-11370H、RTX3070):6,225
ASUS Vivobook Pro 15 OLED M3500QA(Ryzen 9 5900HX):6,157
ASUS Zenbook 14X OLED Space Edition(Core i9-12900H):5,905
dynabook RZ/HV(Core i7-1260P):5,564
dynabook GZ/HV(Core i7-1260P):5,468
MSI Modern 14 C12M(Core i7-1255U):5,366
VAIO SX14(Core i7-1195G7):5,278
Lenovo ThinkPad X13(Core i7-1165G7):5,205
Lenovo IdeaPad Slim 550 14(Ryzen 5 5500U):5,076
ASUS VivoBook 15 K513EA(Core i7-1165G7):5,017
dynabook MZ/HS(Core i7-1165G7):4,967
MSI Summit E13 Flip Evo(Core i5-1135G7):4,572
HP ProBook 430 G8(Core i5-1135G7):4,131
Microsoft Surface Laptop Go 2(Core i5-1135G7):4,066
MSI Modern 15 A10M(Core i3-10110U):3,234
Zenbook Pro 16X OLEDはCore i7-12700H/RTX3060という組み合わせですが、過去のデータに照らせば順当、という感じになりました。もちろん非常に高いスコアと言え、ビジネスシーンで性能面に不満を感じることは全くない、と言っていいでしょう。
グラフィック性能を測定する3D Markのスコアです。ゲーミングPCでは最も重要になるテストと言え、外部GPUの搭載有無によってスコアに大きな差が出ます。
参考(ハイスペックゲーミングノート):
ASUS ROG Strix SCAR 17 G733ZX(Core i9-12900H、RTX3080Ti):12,849、28,768、7,999
Lenovo Legion 760(Ryzen 9 5900HX、RTX3080):12,070、26,488、7,622
MSI GP66 Leopard 11U(Core i7-11800H、RTX3080):11,730、24,606、7,513
ASUS ROG Zephyrus M16(Core i9-12900H、GeForce RTX3070Ti):10,974、25,158、6,562
ASUS ROG FLOW X13(Ryzen9 5900HS、RTX3080):10,698、19,394、7,346
MSI Creator Z16P B12U(Core i9-12900H、RTX3080Ti)10,614、23,960、6,520
MSI Katana GF66 12U(Core i7-12700H、RTX3070Ti):10,516、23,619、6,589
GIGABYTE A7(Ryzen 9 5900HX、RTX3070):10,393、23,177、6,394
ASUS ROG Flow X16 GV601(Ryzen 7 6800HS、RTX3070Ti):10,259、24,084、6,277
MSI GS66 Stealth(i9-10980HK、RTX3080):9,276、20,063、5,873
ASUS TUF Gaming A17 FA706QR(Ryzen 7 5800H、RTX3070):8,981、21,434、5,488
ASUS ROG Strix SCAR 15(i9-10980HK、RTX2070SUPER):8,435、20,017、5,049
Lenovo Legion 560(Ryzen 7 5800H、RTX3060):8,273、18,927、-
Lenovo Legion 750i(Core i7-10750H、RTX2080SUPER Max-Q):8,156、18,070、-
MSI Stealth 15M B12U(Core i7-1280P、RTX3060)):8,023、18,153、4,491
ASUS TUF Dash F15(i7-11370H、RTX3070):7,767、17,671、5,136
MSI Pulse GL66 11U(Core i7-11800H、RTX3060):6,974、15,408、4,088
HP ENVY 15(i9-10885H、RTX2060 Max-Q):5,597、13,382、3,150
※左からTime Spy、FireStrike、Port Royalのスコア
経験上、3D Markは「搭載GPUに応じたスコア」になることが多いです。その意味ではRTX3060を搭載する製品としては妥当な結果が出たと思います。
個別ゲーム「ファイナルファンタジー15」のベンチマーク結果です。このテストは3D Markとは異なり、解像度の設定によりスコアが大きく変化します(普通はそうなります)ので、解像度をFHDに落として測定しました。
参考(ハイスペックゲーミングノート):
ASUS ROG Strix SCAR 17 G733ZX(Core i9-12900H、RTX3080Ti):11,839
MSI GP66 Leopard 11U(Core i7-11800H、RTX3080):11,658
Lenovo Legion 760(Ryzen 9 5900HX、RTX3080):10,966
MSI Creator Z16P B12U(Core i9-12900H、RTX3080Ti):10,605
ASUS ROG FLOW X13(Ryzen9 5900HS、RTX3080):10,371
ASUS ROG Zephyrus M16(Core i9-12900H):10,260
ASUS ROG Flow X16 GV601(Ryzen 7 6800HS、RTX3070Ti):10,039
MSI Katana GF66 12U(Core i7-12700H、RTX3070Ti):9,451
GIGABYTE A7(Ryzen 9 5900HX、RTX3070):9,063
MSI GS66 Stealth(i9-10980HK、RTX3080): 9,004
ASUS ROG Strix SCAR 15(i9-10980HK、RTX2070SUPER):8,946
ASUS TUF Gaming A17 FA706QR(Ryzen 7 5800H、RTX3070):8,879
Lenovo Legion 750i(i7-10750H、RTX2080SUPER Max-Q):8,431
MSI GE66 RAIDER(i7-10875H、RTX2070):8,230
MSI GP75 Leopard(i7-10750H、RTX2070):7,995
ASUS TUF Dash F15(i7-11370H、RTX3070):7,869
MSI Stealth 15M B12U(Core i7-1280P、RTX3060)):7,513
ドスパラ GALLERIA GCR2070RNF(i7-9750H、RTX2070):7,440
MSI Pulse GL66 11U(Core i7-11800H、RTX3060):7,138
GeForce RTX3060搭載機としては高めのスコアになっていると思います。FHD解像度であればかなり快適なプレイができそうです。
一方で解像度を4Kにすると一気にスコアが落ちます。FF15に限らず、オンラインゲームをプレイする場合はゲームタイトルに応じて解像度をいろいろと変更してみるといいでしょう。
CPU性能のみを測定するCINEBENCH R23のスコアです。このテストではGPU(GeForce)の搭載有無は影響を受けないとされています。
参考:
MSI Creator Z16P B12U(Core i9-12900H、RTX3080Ti):1,918、17,827
ASUS ROG Strix SCAR 17 G733ZX(Core i9-12900H):1,916、19,344
ASUS ROG Zephyrus M16(Core i9-12900H):1,891、17,881
MSI Katana GF66 12U(Core i7-12700H):1,800、15,593
MSI Stealth 15M B12U(Core i7-1280P):1,659、13,793
dynabook GZ/HV(Core i7-1260P):1,655、7,586
dynabook RZ/HV(Core i7-1260P):1,634、8,524
ASUS ROG Strix G15 G513RW(Ryzen 9 6900HX):1,580、14,830
ASUS ROG Flow X16 GV601(Ryzen 7 6800HS):1,543、13,832
MSI GP66 Leopard 11U(Core i7-11800H):1,491、12,210
dynabook MZ/HS(Core i7-1165G7):1,477、5,526
VAIO SX14(Core i7-1195G7):1,441、6,039
MSI Bravo 15 B5(Ryzen 7 5800H):1,422、11,241
Lenovo Legion 560(Ryzen 7 5800H):1,348、11,419
Lenovo IdeaPad Slim 550 14(Ryzen 5 5500U):1,170、6,973
Microsoft Surface Laptop 4(Ryzen 7 4980U):1,116、7,862
※左からシングルコア、マルチコアのスコア
過去データに同じCPU(Core i7-12700H)を搭載するMSI Katanaとは痛み分け、という感じのスコア差になりました。両者とも数回、数十回テストすれば比較的似通った数字になるのではないか、と思われます。第12世代(Alder Lake)の高いパフォーマンスを裏付ける結果になったと思います。
4.ZenBook Pro 16X OLED レビューまとめ
ASUS ZenBook Pro 16X OLEDは8月4日に発売され、ASUS Storeでの価格は税込み449,800円です。また、9月3日までの期間「30日間返品保証キャンペーン」を実施中なので、初期不良等でなく、「イマイチ気に入らない」ような場合でも返品可能です(ただし、同梱物をなくさない、筐体や外箱を破損させないなど、最低限のマナーは必要です。詳しくはこちらをご覧ください)。
システム性能やディスプレイ品質などは「さすが」と言える水準だと思います。また、「ヒンジ開口時に傾斜がつくキーボード」というのも「理にかなっている」と感じました。製品特性としては明確に「ゲーミングではなくクリエイティブ」に全振りしていると感じます。この製品の価格を見ると、ゲームが主目的なのであれば他にもっといいものがあるはずだと思います。ASUS製品で言えばROGシリーズのほうがずっと使いやすいでしょう。
ASUS Dialにせよ、設定アプリProArt Creator Hubにせよ、すでに複数のクリエイティブ系アプリを使いこなしている人向けです(もちろん「これからクリエイティブワークをしたい」という人も含みます)。逆にビジネス用途が中心、という人には、確かに独特なキーボードは使いやすいと思いますけど、40万円以上を支払うほどの恩恵はないと思います。ということで、ユーザー層は絞られ、そして絞られたユーザー層には抜群の使い勝手を提供してくれる製品と言えるでしょう。
5.関連リンク
ASUS Zenbook Pro 16X OLED UX7602ZM:ASUS Store
ASUS ZenBookシリーズ特設ページ:ASUS Store