こんにちは、ゆないとです。先日、ASUSから発表されたニューモデル「ZenBook 15 UX534FT」をご紹介します。同時発表された14インチモデルの「ZenBook 14 UX434FL」と15.6インチのハイエンドノート「ZenBook Pro Duo UX581GV」については先に紹介記事を掲載していますので、そちらも合わせてご覧ください。
この製品によく似た製品特性の「ZenBook 14 UX434FL」では外部GPUにNVIDIA GeForce MX250が搭載されていますが、15.6インチ版ではさらにパワフルな「NVIDIA GeForce GTX1650」が搭載されていますので、よりゲーマーまたはクリエイター向けな製品と言えそうです。
1.スペック
ASUSの直販サイトでは注文時にカスタマイズ等はできず、いくつかあるモデルの中から選択して購入する形になります。このUX534FTにはバリエーションモデルは存在せず、スペック表を掲載しているモデルのみとなります。
OSはWindows 10 Homeです。Proは選べませんが、ビジネス用途でない限りこれで十分でしょう。CPUにはIntel製「Core i7-8565U」が搭載されています。開発コードネームは「Whiskey Lake」で、ビジネスモバイル向けCPUとしては最高峰のものです。より新しい世代のIce Lakeがデビューしたとは言え、現状は、ほぼ全ての上級モバイルノートにこの世代のCPUを採用されています。
RAMは16GB、ストレージは512GB SSDと、十分な量が確保されています。複数のアプリの起動はもちろん、ゲームのプレイなどでは16GBで困ることはないでしょう。PhotoshopやPremiereのような動画のエンコードや高解像度の画像処理も、小容量のデータであれば問題ないと思います。また、SSDによる高速な起動と読み込みにも期待ができます。
外部GPUは「NVIDIA GeForce GTX1650」です。同時に発売されたZenBook 14 UX434FLでは、外部GPUにGeForce MX250が採用されていますが、この製品はより高性能なGPUを搭載しています。ゲームでも重量級と呼ばれるファイナルファンタジー15やモンスターハンターワールドなどは難しいですが、それよりもライトなタイトルであれば高い画質設定でも快適に動作させることができるでしょう。しかし、GTXシリーズのものですが、性能を発揮するには熱処理が大切です。冷却ファンの配置などの排熱制御はどのくらいか気になるところです。
それと、この製品はNVIDIAの「Optimus Technology」に対応しています。これは内蔵GPUと外部GPUをシームレスに切り替える技術のことで、消費電力に効果を発揮します。専用ソフトを使って、そこに登録したゲームやその他のソフトウェアを使用するときだけ外部GPUを使用するように切り替える事ができます。外部GPUは電力を消費するので、モバイルノートには必須の機能だと感じます。別の製品でこの機能が搭載されているものを使いましたが、切り替わる体感は感じず、本当にシームレスに変わっていました。
ディスプレイは15.6インチのFHD解像度で、ASUSでは「IPS」という文言を使っていませんが、「視野角170度」という説明がありますので、ほぼ確実にIPS(IPS相当)だと思います。
この製品の特徴と言えるのがタッチパッド部分ですね。2,160×1,080の解像度で5.65インチのサブディスプレイとなっています。テンキーとして扱ったり、動画や音楽アプリのメディア操作もここに表示して扱えます。さらに、複雑なショートカットキーを1つのボタンに登録することでワンタップで操作することもできるようです。ゲーマーやクリエイターを意識した製品のようなので、ゲームのショートカットキーや、編集時に必要なボタンなど、カスタマイズを楽しむということもできそうですね。
入出力は、USB3.1のType-CとType-Aが1つずつ、USB3.0のType-Aが1つ、その他、HDMIとSDカードリーダー、マイクヘッドフォンコンボジャックがあります。もちろんWebカメラも搭載されていて、Windows 10の便利機能「Windows Hello顔認証」に対応していますので、快適なサインインが可能です。
バッテリーの駆動時間は約9.4時間ということですが、実際はもっと少ないと思われます。性能的に重い処理をすることがあるので、バッテリー駆動ではあまり長時間は期待できないでしょう。サイズは354 × 220 × 18.9mmとディスプレイサイズが15.6インチの製品としては比較的コンパクトですが、重量は1.7 kgあり、これでも15.6インチノートとしては軽いほうですが、頻繁に持ち運ぶのはちょっとつらいかもしれません。
2.筐体
カラーは1つのみで、ロイヤルブルーにアクセントカラーのローズゴールドが採用されています。また。ASUSのロゴを中心に円の模様が広がるスピン加工もデザインの特徴の1つです。光の当たり具合でかわる模様がとてもおしゃれですよね。天板の素材は特に製品ページに記載ありませんが、シリーズお馴染みのアルミ合金だと思われます。
ディスプレイ部分は、ベゼルの狭さが目を引きます。上部はカメラやセンサーが付いていますが、ギリギリまで詰められ、他の3辺も同様です。まるでディスプレイのみがあるかのようで、スタイリッシュに感じます。下部のベゼルがほとんど見えませんが、これは「エルゴリフトヒンジ(ヒンジ開口時に天板が筐体下部に潜り込み、キーボード面に適度な角度がつく構造)」を採用しているためです。
これがエルゴリフトヒンジのイメージです。キーボード面に角度がつくだけでなく、筐体底面に空洞ができますので、冷却効果やスピーカー音質の改善も見込めます。
キーボード部分は、筐体と同じカラーで統一感があって良いですね。15.6インチらしくエンターキー右サイドにはテンキーが配置されています。画像では英語配列になっていますが、日本仕様は「103キー日本語キーボード (イルミネートキーボード)」となります。
やはり目を引くのがタッチパッドです。「ScreenPad 2.0」と呼ばれる5.65インチの液晶です。ショートカットキーの他、EvernoteやSpotifyなどのアプリケーションもこのサブディスプレイで起動できます。Netflixなども起動できるのでしょうか。対応していれば動画やアニメを見ながら作業も簡単です。試してみたい。
ここで気になるのは、タッチパッドの位置です。ホームポジションに手を置いた時、親指の付け根が付いてしまうような気がするのですが、実際はどうなのでしょうか。ここも実際に触って確かめてみたいですね(ウインタブ注:いや大丈夫。この製品はタッチパッド部分の機能をワンタッチで切り替えることができるので、慣れれば誤動作の心配はいりません)。
左側面には「吸気口、USB3.0、マイクヘッドフォンコンボジャック」、右側面には「DC IN、HDMI、USB3.1 Type-A、USB3.1 Type-C、SDカードリーダー、LEDインジケーター」が配置されています。外部GPUがあるので熱処理の吸気口が配置されていますね。位置的には、排気口が配置されるところだと思いますが、この製品は、ディスプレイを展開すると底面が持ち上がる仕様になっているので、底面から排気するのだと予想します。
SDカードリーダーはMicro規格ではなくフル規格です。USBは十分な数ありますが、足りない場合はハブ挿せば良いですね。充電ポートについては、先日紹介したZenBook 14でも触れたのですが、DC INなのが残念です(Type-Cポートは給電をサポートしない、という但し書きがありました)。専用のACアダプタを持ち歩く必要があります。しかし位置については、インジケーターと同じ側面に持ってきているので、統一感があるので好印象でした。
スピーカーについて
ZenBook 14 UX434FLでは、Harman Kardon認証のASUS SonicMasterが搭載されていましたが、このモデルではそうではないようです。製品ページに記載がないだけなのかもしれませんが、本当だったら残念なことです。
3.価格など
8月25日現在、ASUS Storeにて、税抜222,500円(税込240,300円)で販売中です。この製品は、CPU違いのモデルもなく1モデルとなっているので、どちらが良いかなと悩むことはないです。ただ、14インチにしようかな、15インチかな、という悩みは出てきそうですけどね。
GeForce GTX1650も搭載されて、重い処理でも問題ないくらいの性能があります。GPUの型番に基づいて判断すると、プロ向けは「ZenBook Pro Duo UX581GV」、一般向けの中でもライトなユーザーは「ZenBook 14 UX434FL」、そしてゲームや動画・画像編集も楽しみたいユーザーはこの製品「ZenBook 15 UX534FT」と言うことになると思います。購入する側も自分のしたいことに合わせられ、さらにどのモデルもサブディスプレイがあり、「ASUSのコンセプト」を体験することができます。
デザインもカラーも、高級感があるので長い間使って愛着が湧きそうな良いシリーズだと思います。せっかくなので機会があればASUSストアに行って触ってみたいものです。
4.関連リンク
ZenBook 15 UX534FT:ASUS公式サイト 製品紹介
ASUS ZenBook 15 UX534FT(UX534FT-A9012TS):ASUS Store
コメント
いいですね、タッチパッド部分がタッチパネルになっているのも面白いですし、これを活用すればかなり便利そうですが、それ以上に軽さが魅力的な感じがします。1.7kgというと専用GPU付き15インチとしてはかなり軽めのMacBook Pro 15インチよりも軽く、それでいて端子も充実しており製品としてかなり高い水準な感じがします。タッチパッドが別OSっぽいのがちょっと気になりますね、ここでWindowsのIMEとかクリップボード履歴とかを操作できたらめちゃくちゃ便利そうなんですが、そういうのはないのかな……?
タッチパッドとキーボードの位置関係は難しいですよね、15インチのフットプリントでテンキーをいれるとなると必然的にホームポジションが本体に対して左にずれてしまいますから、それにタッチパッドを合わせるか合わせないかは思想の問題って感じがします。