ASUSが13.3インチモバイルノート「ZenBook 13 UX334FAC」を発売しました。ZenBookというのはASUSのプレミアムブランドで、ノートPCの中では上位に位置づけられています。また、最近のASUSは「2画面」に注力していて、このZenBook 13も「ScreenPad 2.0」を搭載しています。ウインタブの検証機ZenBook 14 UX434FLによく似たデザインですが、UX434FLは14インチ、UX334FACは13.3インチですし、ニューモデルらしくCPUの型番などが新しいものになっています。それと、13.3インチでScreenPad 2.0を搭載するモデルは従来「Edition 30」という「レザー張り」の豪華なものしかラインナップされていませんでしたが、UX334FACは「見た目が普通にZenBook」ですし、価格も少し低めに抑えられています。
1.スペック
2019年12月発売のニューモデルだけに、CPUは第10世代(Comet Lake)のCore i5 / Core i7となりました。また、ASUSはBTOメーカーではなく、バリエーションモデルは2つ(Office搭載有無も含めると4つ)に限られます。
・Core i5/RAM8GB/512GB SSD
・Core i7/RAM16GB/512GB SSD
SSDはすべて512GBと大容量で、RAMはCore i5モデルが8GB、Core i7モデルが16GBとなります。また、ZenBook 14には外部GPUのGeForce MX250が搭載されていますが、13.3インチ版には外部GPUの設定はありません。
ディスプレイは13.3インチのFHD解像度で、「IPS」という表記はないものの、間違いなくIPS相当のものが搭載されています。また、モバイルノートとしては賛否が分かれるところとして、「グレア(光沢)タイプ」である、という点が挙げられます。グレアタイプのほうがより発色に優れ、明るく見えますが、そのかわり映り込みが強めになってしまいますので、利用場所によっては使いにくくなる場合もあります。私の経験上、ざっくりいうと、HPのモバイルノートはグレアタイプのものが多く、LenovoのThinkPadなんかはノングレア(非光沢)のものが多いです。またゲーミングノートはほとんどがノングレアですね。
それと、「最新のZenBook」なので「タッチパッドがサブディスプレイ(ScreenPad 2.0)」です。5.65インチで解像度が2,160 × 1,080のタッチパネルになっています。経験上、ある程度慣れが必要なところがありますが、めんどくさいことを考えず、ScreenPadにYouTubeの動画なんかを流して「ながら作業」をするには楽しいですね。
ニューモデルになって改善されたのはCPUの型番だけではありません。通信まわりでWi-Fi 6(ax規格)に対応するようになりました。ここ最近ASUSがリリースしたニューモデルは軒並みWi-Fi 6に対応しています。「高速で途切れにくい」通信を享受すべく、できれば自宅のルーターもWi-Fi 6対応のものに切り替えたいところです。
ZenBookシリーズは「顔認証」に対応するモデルが多いです。私も検証機UX434FLではじめて顔認証を常用するようになりましたが、めちゃめちゃ快適ですね。地味にモバイルノートの使い勝手を左右する要素になるかと思います。
入出力ポートは13.3インチモバイルノートとしては「並み」くらいだと思います。USBポートが合計3つ、他にHDMIとmicroSDカードリーダーがあります。ビジネス利用で特に不足を感じることはないと思いますが、できればSDカードリーダーはフル規格にしてほしかったところです。
サイズは「非常に小さい」です。タテ・ヨコサイズに関しては世界最小の13.3インチ、DELL XPS 13よりも小さくなっています(XPS 13は302 x 199 x 7.8-11.6 mm / 1.23 kg)が、ScreenPad 2.0搭載の影響からか、厚みがあるため、「体積」ではXPS 13に負けちゃうと思います。しかし、モバイルノートとしてはとても魅力的なサイズ感と言えるでしょう。重量が1.27 kgというのは「もうひと頑張り」してほしかったところではありますが、ZenBookやHP Spectre、DELL XPSなどプレミアムクラスのPCの場合、素材やデザイン、強度などに凝ったものになるので、どうしても少し重くなってしまうようです。
2.筐体
正面から見ると、4辺のベゼルが非常に細くなっているのがわかります。また、筐体の奥行きが189 mmと、13.3インチノートとしては異例に小さいこともあり、全体的に横長に見えます。
下部のベゼルが非常に細く見えるのはASUSお得意の「エルゴリフトヒンジ」による恩恵です。この画像のように、ヒンジを開口すると天板の後部が底面に潜り込み、キーボード面に適度な角度がつきます。この構造により、ヒンジ開口時にベゼルが細く見えるとか、底面に空洞ができるので冷却効率が上がるなどのメリットも出ます。
天板です。筐体は金属(アルミだと思います)製で、ASUSのプレミアム製品に使われるスピン加工が施されます。ウインタブの検証機UX434FLもこれと全く同じデザインで、非常に高級感があります。ただねえ、ちょっと手脂が目立っちゃうんですよね…。
それと、この製品、実はミルスペック(米国国防総省物資調達基準、MIL-STD 810G)準拠です。つまり非常に堅牢な筐体になっています。ただし、表面にキズがつきにくいというわけではないと思いますので、せっかくの美しい筐体にキズがつかないよう、注意する必要はありますね。
ZenBookのイメージカラーとも言える「ロイヤルブルー」のほか「アイシクルシルバー」という筐体色も選べます。色に関しては人それぞれお好みで決めるべきものだと思いますが、「手脂」が目立ちにくいということだとアイシクルシルバーのほうがいいかもしれないです(すいません、ここは結構適当に書いてます)。
キーボードです。やはり目立つのはScreenPad 2.0です。また、この画像では英語配列になっていますが、日本仕様は「85キー日本語キーボード」で、バックライトも装備されます。
参考までにウインタブ検証機のUX434FLのキーボードを掲載します。ディスプレイサイズが異なるので全く同じキーボードとは言えませんが、使用感はいいです。筐体の奥行きが小さいせいで若干パームレストが小さめに感じられますが、個人的に違和感を感じるようなことはありません。またキーピッチやキーストロークも一般的なモバイルノートの水準で、十分に余裕を持ってタイピングができます。
なお、ScreenPad 2.0の使用感については、正直まだウインタブでも完全にレポートできる水準に達していないのですが、こちらの記事をご参照ください。
ASUS ZenBook 14 UX434FLレビュー - サブディスプレイ「ScreenPad 2」を搭載するモバイルノート、使いごたえあり!(実機レビュー第2回)
側面と入出力ポートの配置です。配置上不便と感じられるところはないと思います。
3.価格など
ASUS ZenBook 13 UX334FACはASUS Storeで販売中で、12月28日現在の価格は113,455円(税込み124,800円)から、となっています。最低価格のモデルでもCore i5/RAM8GB/512GB SSDと十分な構成になっていて、しっかりScreenPad 2.0もついていますので、性能面や機能面で特に不満は感じないと思います。Core i5搭載のモバイルノートは税込み7万円台から購入が可能ですが、この製品の場合ストレージ容量が大きめなのと、2画面が使えるという特徴、そしてASUSのプレミアムPCであるという点を考慮すると、十分に割安感があります。
私は現在(14インチ版ですが)ZenBookを毎日利用していますが、とても満足感の大きい製品です。毎日の作業に追われ、ScreenPadをじっくり使い込む時間が取れない、というのが正直なところでもあるのですが、この先ScreenPadをうまく使いこなしてみたいものです。