ASUSが3月6日に発売したゲーミングノートパソコン「ROG Zephyrus G14 GA403」の実機レビューです。ディスプレイサイズが14インチと、ゲーミングノートとしてはコンパクトなサイズの製品で、従来の「Zephyrus G14」から筐体を一新し、より薄く、軽くなったのと同時に、美しいデザインと高い質感を備えています。もちろん最新CPUを搭載したハイパフォーマンスマシンでもあります。
なお、このレビューはASUSより機材をお借りして実施しています。
・ゲーミングノートとしてシンプルで高級感のあるデザイン
・ビジネスモバイルノートとしても使える薄型・軽量筐体
・期待を上回る高いパフォーマンス
・発色の素晴らしい有機ELディスプレイはクリエイターにも
・笑っちゃうほど音質の良い6スピーカー
ここはイマイチ
・30万円オーバーと、さすがに高価
・有線LANポートがない
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GA403UI-R9R4070W(Ryzen 9/RTX4070/ホワイト)
GA403UI-R9R4070G(Ryzen 9/RTX4070/グレー)
GA403UV-R7R4060W(Ryzen 7/RTX4060/ホワイト)
目次
1.製品概要
スペック表
ROG Zephyrus G14 GA403 | |
OS | Windows 11 Home |
CPU | AMD Ryzen 7 8845HS / Ryzen 9 8945HS |
外部GPU | NVIDIA GeForce RTX4060 Laptop GPU NVIDIA GeForce RTX4070 Laptop GPU |
RAM | 32GB(LPDDR5X-6400、オンボード) |
ストレージ | 1TB SSD(PCIe 4.0 x4接続、NVMe/M.2) |
光学ドライブ | なし |
ディスプレイ | 14インチOLED(2,880×1,800)120Hz |
ネットワーク | Wi-Fi6E(a/b/g/n/ac/ax)、Bluetooth 5.3 |
入出力 | USB4 Type-C(映像出力、PD対応)、USB3.2 Gen2 Type-C(映像出力対応)、USB3.2 Gen2 Type-A × 2、HDMI、microSDカードリーダー、オーディオジャック |
カメラ | Webカメラ(207万画素)顔認証対応 |
バッテリー | 73Wh(動画再生約11.2時間) |
サイズ | 311 × 220 × 15.9-16.3 mm |
重量 | 1.5 kg |
バリエーションモデル
・GA403UV:Ryzen 7/RTX4060/32GB/1TB
・GA403UI:Ryzen 9/RTX4070/32GB/1TB
※左からCPU/GPU/RAM/ストレージ
レビュー機は「GA403UV(Ryzen 7/RTX4060)」でした。GA403UVの筐体色は「プラチナホワイト(これからご紹介します)」のみですが、「GA403UI(Ryzen 9/RTX4070)」ではプラチナホワイトのほか「エクリプスグレー」も選択できます。
製品コンセプト
ROG Zephyrus G14 GA403は「カジュアルユーザー、コアゲーマー、映像/写真プロフェッショナル」と幅広いユーザーをターゲットとしています。
・ゲーミングノートとしては圧倒的な薄型軽量(重さ1.5 kg、厚さ15.9 mm)
・「アルミニウム+CNCユニボディ」の高い質感に簡潔かつ繊細なデザインの筐体
・CPUにはAI機能を強化した最新のRyzen 7/Ryzen 9を、GPUにはGeForce RTX4060/RTX4070を搭載
・2,880 × 1,800解像度でリフレッシュレート120Hzの有機ELディスプレイを搭載
というのが特徴で、高い水準のシステム構成をコンパクトな筐体に詰め込んだ、モバイルノートとしても、クリエイターノートとしても、ゲーミングノートとしても使える製品です。
2.外観と使用感
ACアダプター
付属のACアダプターは出力が180Wで一般的なノートPC用のACアダプターよりは大型ですが、ゲーミングノート用としては小ぶりです。実測重量は電源ケーブル込みで560 gでした。接続端子の形状はASUSの独自規格と思われます。USB Type-Cポート(USB4)からの給電も可能ですが、その場合は180Wでの電力供給ができないので、製品本来のパフォーマンスは出ません。そのため、「出先でガチでPCゲームを楽しむ」場合はこのACアダプターを持っていく必要があります。
天板と底面
天板です。ROG Zephyrus G14の旧モデル(の一部)には「AniMe Matrix」という、ドットでアニメーションを表示できる機能がついていましたが、ニューモデルではそれがなくなり、このように斜め方向にLEDライトが埋め込まれています(「SLASH LIGHTING/スラッシュライティング」と言います)。
SLASH LIGHTINGは単に発光・消灯できるだけでなく、設定アプリ「Armoury Crate」で、光り方のパターン(イルミネーション)を設定することができます(通知や音楽に合わせてのイルミネーションも可能)。発光色はホワイトのみです。
底面です。大きな通気口があり、左右にスピーカーグリルも見えます。
ROG Zephyrus G14 GA403の筐体素材は「アルミニウム合金の一枚板から削り出された CNCユニボディ」です。そのため筐体の質感は非常に高いですし、強度や放熱性も十分、とのこと。
側面
前面と背面です。ポート類やボタン類はありませんが、背面中央にステータスインジケーター(LED)があります。
左側面です。画像左から電源ポート、HDMI、USB4 Type-C、USB3.2 Gen2 Type-A、イヤホンジャックがあります。Type-Cポートは伝送速度40Gbpsで映像出力とUSB PDに対応し、Type-Aポートは伝送速度10Gbpsです。
右側面です。画像左からmicroSDカードリーダー、USB3.2 Gen2 Type-A、USB3.2 Gen2 Type-Cです。こちらのType-Aポートも伝送速度10Gbpsですが、Type-Cポートのほうは左側面のType-Cポートとは異なり、伝送速度は10Gbps、映像出力には対応しますが、USB PDには非対応です(つまり、こちらのType-Cポートを使って本機に給電することはできません)。
キーボード
キーボードは「86キー日本語キーボード」です。14インチサイズなのでテンキーはありません。また、キーボード面の左右にスピーカーグリルがあります。ROG Zephyrus G14 GA403はキーボード面と底面に、合計で6つのスピーカーを搭載しています。
キーボードバックライトは輝度を3段階に調整でき、RGBバックライトなので、色の変更も可能です。
キーピッチは手採寸で約19 mm、キーストロークは標準的~やや深めくらいです。キーピッチは「パソコンとして普通のサイズ」なので、タイピング中に狭苦しさを感じることはありません。また「ゲーミングノートあるある」な話ですが、キーボード面の剛性が高く、多少強打したくらいではたわんだりしません。そのため、ゲームのみならず、テキスト入力も非常に快適にこなせます。そして、頑丈な構造の副産物とも言えますが、タイピング音も小さめです。
また、上部にカスタマイズ可能な「ホットキー」が4つあります。デフォルトでは「音量下げ、音量上げ、マイクミュート、設定アプリArmoury Crateの呼び出し」となっていますが、画像にあるようにボタン割り当てを変更できます。おおよそ思いつくほとんどの操作を割り当てることができ、マクロの作成・割り当ても可能です。
他のゲーミングノートと同様に、キーボード最上段(Fキーや各種ファンクションキーのある場所)でもファン風量の調整やディスプレイ輝度の調整などができるようになっていますが、この4つのホットキーは他のキーからの配置上の独立性が高く、ゲームプレイ中でも素早く押すことができます。実際にゲームプレイ中に(音量を調整するため)押してみましたが、非常に便利に感じられました。
ディスプレイ
ディスプレイはROG Zephyrus G14 GA403の大きなセールスポイントです。14インチで解像度は2,880 × 1,800と高く、有機ELパネルです。PANTONE認証取得、Dolby Vision HDR、Display HDR TrueBlack 500対応、輝度500 nit、コントラスト比1,000,000:1、デルタEの色精度は1未満と開示されており、明るく、そして素晴らしい発色品質です。また「ゲーム視点」だと、NVIDIA G-Sync対応、リフレッシュレート120Hz、応答速度0.2msとなっています。
設定アプリ「Armoury Crate」にGame Visualという項目があり、プレイするゲームタイトルに適した発色にできるほか、「sRGB、DCI-P3、Display P3」に即した色域に変更することができます。ゲーマーだけでなくクリエイターの方のニーズもしっかり満たせる品質ですね。
筐体その他
ヒンジの開口角度は十分に大きいですが、最近のノートPCによくある180度(水平位置)の開口はできません。
スピーカー
はいこれ「最強」。めちゃめちゃ音がいいです。ROG Zephyrus G14 GA403は底面とキーボード面左右に合計で6つのスピーカーを搭載していますが、ここまで音質に優れたノートPCはウインタブでレビューしたことがありません。低音から高音までクリアで、かつ迫力(音圧)が感じられます。あと、音量も大きいですね。ウインタブのノートPCレビューではいつも音量を30%に設定して試聴していますが、この製品に関しては30%でも大きすぎると感じられ20%にして試聴しました(もちろん音量は十分に絞れますのでご安心を)。
音響アプリは「Dolby Access」です。デフォルトでオンになっていますが、インテリジェントイコライザーに加え手動で音質を調整できるグラフィックイコライザーもついています。私は重低音が好き(年齢が高くなってきたので高音はイマイチ聞こえない…)なので、低音を強化してみましたが、とてもノートPCとは思えないくらいの迫力でした。
オーディオ機器と考えてもいいんじゃないか、というレベル。ウインタブにとって過去最高品質のスピーカーです。
3.性能テスト
Armoury Crateの設定
性能テストの前に、ASUSの設定アプリ「Armoury Crate」によるチューニングについて簡単にご説明します。Armoury Crateはウインタブが知る限り「ゲーミングノートPC用としては最も多機能な設定アプリ」で、私自身もこのアプリの機能を完全に理解できていませんし、理解したとしても「機能説明だけで記事2~3本分のボリューム」になると思われます。なので、ベンチマークテストの実施にあたり、確認しておくべきことのみに絞ってご説明します。
まず、この画像に左下に「Windows、サイレント、パフォーマンス、Turbo、手動」という項目があります。基本的に「Turbo」にすると最も高いパフォーマンスになりますので、ベンチマークテストにあたり、ここを「Turbo」に設定しました。また、「手動」というのを選ぶと…
CPUやGPUのオーバークロック(ブースト)やファンスピードの調整ができます。メーカーが用意してくれているツールなので、フルにブーストしても大丈夫だろうとは思いますが、今回はここをいじっていません。
もう一つ、GPUの動作モードの設定が可能です。ベンチマークテストではここを「Ultimate(最高性能となる)」に設定しました。一方で、「エコモード」というのがありますが、これを選ぶとGeForceは動作しません。そのため、文書作成とか簡単な画像加工、動画視聴などの場面では、「エコモード」にしておくとバッテリー駆動時間が伸びます。
繰り返しになりますが、以下に掲載するベンチマークスコアは実機を純正のACアダプターで電源接続し「Turboモード」かつ「Ultimateモード」にして測定しました。
ベンチマークテスト
グラフィック性能を測定する3D Markのスコアです。ゲーミングPCでは最も重要になるテストと言えます。
参考(ハイスペックなゲーミングノート):
MSI Titan GT77 HX 13V(i9-13980HX、RTX4090):22,052、38,273、15,196
MSI Vector GP78 HX 13V(i9-13980HX、RTX4080):19,011、35,262、12,345
ASUS ROG Strix SCAR 17 G733ZX(i9-12900H、RTX3080Ti):12,849、28,768、7,999
HP Victus 16(i7-13700HX、RTX4070):12,677、27,892、7,528
ASUS ROG Strix G15 G513RW(Ryzen 9 6900HX、RTX3070Ti):11,088、26,107、6,904
ASUS ROG Strix G15 G513RM(Ryzen 7 6800H、RTX3060):9,359、21,320、5,363
Lenovo LOQ 16IRH8(i7-13620H、RTX4050):9,087、20,397、4,999
ASUS Vivobook Pro 15 OLED K6502VV(i9-13900H、RTX4060):9,013、20,391、4,833
MSI Bravo 15 C7V(Ryzen 7 7735HS、RTX4050):8,767、20,659、5,037
ASUS ROG Flow X13 GV302(Ryzen 9 7940HS、RTX4060):8,629、19,292、4,915
MSI Prestige 16 AI Studio B1V(Ultra 7 155H、RTX4060):8,524、19,108、4,829
Microsoft Surface Laptop Studio 2(i7-13700H、RTX4050):8,384、19,357、4,504
ASUS TUF Dash F15(i7-11370H、RTX3070):7,767、17,671、5,136
MSI Pulse GL66 11U(i7-11800H、RTX3060):6,974、15,408、4,088
※左からTime Spy、Fire Strike、Port Royalのスコア
参考:Speedway
MSI Vector GP78 HX 13V(i9-13980HX、RTX4080):4,864
Lenovo Legion Pro 5i Gen 8(i7-13700HX、RTX4070):2,969
HP Victus 16(i7-13700HX、RTX4070):2,942
MSI Prestige 16 AI Studio B1V(Ultra 7 155H、RTX4060):2,067
Microsoft Surface Laptop Studio 2(i7-13700H、RTX4050):1,861
過去データのうち、RTX4060搭載機のスコアを太字にしていますが、RTX4060搭載機でTime Spyが1万点越え、Port Royalが5,500点越えというのはかなり高いスコアだと思います。「MUXスイッチ(GPUの信号をCPUを経由させずに出力する仕組み)」によるものなのか「ROGインテリジェントクーリング(CPUに液体金属グリスを使い、3つのファンも搭載)」によるものなのか、あるいは「どちらも」なのか、切り分けはできませんが、素晴らしい結果です。
次に個別ゲーム「ファイナルファンタジー15」のベンチマーク結果です。
参考(比較的スペックの近いゲーミングノート):
Lenovo Legion Pro 5i Gen 8(i7-13700HX、RTX4070):11,696
MSI Katana 15 B13V(i7-13620H、RTX4050):8,846
ASUS Vivobook Pro 15 OLED K6502VV(i9-13900H、RTX4060):8,838
Lenovo LOQ 16IRH8(i7-13620H、RTX4050):8,741
MSI Bravo 15 C7V(Ryzen 7 7735HS、RTX4050):8,557
MSI Prestige 16 AI Studio B1V(Ultra 7 155H、RTX4060):8,186
ASUS ROG Flow X13 GV302(Ryzen 9 7940HS、RTX4060):8,017
ここでも他のRTX4060搭載機よりワンランク以上高いスコアとなりました。
ROG Zephyrus G14 GA403はディスプレイ解像度が2,880 × 1,800なので、一応2,560 × 1,440解像度でもテストしてみました。「快適」という評価ですが、FF15ならFHD(1,920 × 1,080)解像度でプレイするほうが良さそうではあります。
このレビューでは、個人的に良く遊んでいる「Forza Horizon 5」を結構な時間プレイしました(…ただ遊びたかっただけ、というのもあります)。この画像は最初にプレイする前に実施したベンチマークモードの結果です。ゲーム側でCPUとGPUの型番や性能を見繕って推奨プリセットを決めているはずですが、私はRTX4060搭載機がこのゲームで「エクストリーム(最高品質)推奨」となるのを初めて見ました。Ryzen 7 8845HSというのも寄与しているのかな?…まあ、これなら長時間遊んじゃいますよね…。
表計算ソフトやビデオチャット、画像加工など、実際のビジネスシーンをシミュレートしたテスト、PC Markのスコアです。どちらかというとビジネス系のPCの性能測定で重視すべきベンチマークテストと言えます。このテストではCPU性能の影響が大きいとされますが、テスト内容にグラフィック系のシミュレーションも含むため、外部GPUの性能も少なからず影響します。
参考(過去データから一部抜粋):
MSI Titan GT77 HX 13V(Core i9-13980HX、RTX4090):9,187
MSI Vector GP78 HX 13V(i9-13980HX、RTX4080):8,981
HP Victus 16(Core i7-13700HX、RTX4070):8,057
ASUS Vivobook Pro 15 OLED K6502VV(i9-13900H、RTX4060):8,033
Lenovo LOQ 16IRH8(i7-13620H、RTX4050):7,958
ASUS ROG Flow X13 GV302(Ryzen 9 7940HS、RTX4060):7,793
ASUS ROG Ally(Ryzen Z1 Extreme):6,654
HP Pavilion 15-eh(Ryzen 7 5825U)5,954
DELL Inspiron 14 5430(Core i7-1360P):5,929
DELL Inspiron 14 5435(Ryzen 7 7730U):5,915
HP Dragonfly G4(Core i7-1355U):5,774
DELL Inspiron 13 5330(Core i5-1340P):5,677
富士通LIFEBOOK NH WN1/H1(Core i7-12700H):5,614
VAIO F14(Core i7-1355U):5,553
dynabook AZ/HV(Core i7-1260P):5,503
MSI Prestige 13 Evo A12M(Core i7-1280P):5,500
PC Markでも非常に高いスコアとなりましたが、さすがにCore i9-13900Hを搭載するVivobook Proにはわずかに及びませんでした。あと数回テストすれば勝てたかも…というのはどうでもいいですね。あんまり意味ないです。
続いてはCPU性能のみを測定するCINEBENCH R23のスコアです。このテストではGPU(GeForceなど)の搭載有無は影響を受けないとされています。なお、CINEBENCH 2024についてもスコアを掲載していますが、まだサンプル数が少ないため、ここではコメントはいたしません。
参考(過去データから一部抜粋):
MSI Titan GT77 HX 13V(i9-13980HX):2,149、30,358
MSI Vector GP78 HX 13V(i9-13980HX):2,112、29,156
MSI Creator Z16P B12U(i9-12900H):1,918、17,827
Lenovo LOQ 16IRH8(i7-13620H):1,857、14,383
Microsoft Surface Laptop Studio 2(i7-13700H):1,847、14,184
VAIO F14(i7-1355U):1,837、7,400
MSI Prestige 16 AI Studio B1V(Ultra 7 155H):1,827、16,421
Lenovo Legion Pro 5i Gen 8(i7-13700HX):1,823、19,975
マウス DAIV 6P-RT(i7-12700H):1,814、12,873
dynabook AZ/HV(i7-1260P):1,809、8,940
ASUS Vivobook Pro 15X OLED K6501ZM(i7-12650H):1,806、14,632
MSI Katana 15 B13V(i7-13620H):1,802、11,620
MSI Modern 14 C12M(i7-1255U):1,797、8,791
ASUS ROG Ally(Ryzen Z1 Extreme):1,784、13,962
VAIO SX12(2022)(i7-1260P):1,769、9,334
富士通LIFEBOOK NH WN1/H1(i7-12700H):1,754、11,953
MSI Prestige 13 AI Evo(Ultra 7 155H):1,752、12,184
HP Spectre x360 14-eu(Ultra 7 155H):1,751、11,738
MSI Prestige 13 Evo A12M(i7-1280P):1,667、9,514
VAIO SX14(i7-1280P):1,661、9,354
MSI Stealth 15M B12U(i7-1280P):1,659、13,793
dynabook GZ/HV(i7-1260P):1,655、7,586
富士通LIFEBOOK AH(i7-1260P):1,646、9,012
dynabook RZ/HV(i7-1260P):1,634、8,524
ASUS ROG Strix G15 G513RW(Ryzen 9 6900HX):1,580、14,830
十分に高いスコアだとは思いますが、CINEBENCHでは第12世代以降のIntel Core(H/HX型番)が高いスコアをマークする傾向にあります。最新型番のRyzen 7 8845HSをもってしても、圧倒的という感じではありません。
最後にSSDの読み書き速度を測定するCrystal Disk Markのスコアです。高速ではありますが、PCIe4.0 ×4接続のSSDとして最高レベルという感じではありません。ただ、これだけの速度が出るのなら実用上で不満を感じることはないでしょう。
発熱とファン音
Armoury Crateのパフォーマンス設定にもよりますが、「Turboモード・Ultimateモード」だとゲームプレイ中、ベンチマークテスト中はファン音は大きめです。スマホの騒音計で70db近くまで上昇する場面もありました。ただし、ファンの音質は耳障りなものではなかったですし、上でご説明した通り、この製品はスピーカー品質(と音量)が抜群なので、結構長時間ゲームをプレイしましたが、個人的には特に不快ではなかったです。
発熱はそれほど大きくはありません。ゲームプレイ中にキーボード面の上部が熱を持ちますが、キー操作が不快になるようなことはありませんでした。サーマルカメラだとキーボード面上部が40度を少し越えるくらいでした。
バッテリー駆動時間
大前提として、「ゲームをするなら電源接続は必須」です。バッテリー駆動だとGeForceは全然実力を発揮できませんので、ゲームプレイの快適性を大きく損ないますし、バッテリー消費もめちゃめちゃ早くなってしまいます。
今回はArmoury Crateを「サイレント」「(GPU)エコモード(GeForce動かさず)」に設定し、Windowsの電源モードを「トップクラスの電力効率」に、ディスプレイのリフレッシュレートも60Hzに、キーボードバックライトを3段階中最も暗くして点灯、ディスプレイ輝度70%、音量20%にして下記の作業をしました。
・画像加工ソフトGIMPで簡単な画像加工を約35分
・ブラウザーでYouTubeの動画・音楽鑑賞を約15分
・テキスト入力を約25分
※トータル作業時間は約75分
この際、バッテリー消費量は21%でした。単純計算だと1時間あたり16.8%、バッテリー駆動時間は約6時間となります。短時間の測定でしたし、何度かテストすれば計算上の駆動時間にバラツキが出てくるとは思いますが、省エネ運転をすれば仕事用のモバイルノートとしてもいけそうですね、これ。この製品はディスプレイ輝度が高く、かなり輝度を落としてもOffice系のソフトであれば十分使えると思いますので、さらにバッテリー駆動時間を伸ばすこともできそうです。
4.レビューまとめ
ASUS ROG Zephyrus G14 GA403はASUS Storeで3月6日に発売され、価格は下記のとおりです。
GA403UI-R9R4070G(R9/RTX4070/グレー):384,800円
GA403UI-R9R4070W(R9/RTX4070/ホワイト):349,800円
GA403UV-R7R4060W(R7/RTX4060/ホワイト):329,800円
Ryzen 9/RTX4070モデルが「筐体色によって価格が違う」のですが、これは誤りではありません。これを見ると「Ryzen 9/RTX4070のホワイト」が一番お買い得かな、と思えますねえ。
残念ながら「30万円以上」というお値段になっていますが、これまで見てきた通りパフォーマンスはRTX4060搭載機としては最高水準、ゲームにもクリエイティブワークにも向く高精細な有機ELディスプレイ、モバイルノートとしても利用できる高い質感で薄型・軽量な筐体と「魅力満載」なゲーミング・モバイルノートだと思います。予算が許せばぜひ購入したい製品ですね!
5.関連リンク(ASUS Store)
GA403UI-R9R4070W(Ryzen 9/RTX4070/ホワイト)
GA403UI-R9R4070G(Ryzen 9/RTX4070/グレー)
GA403UV-R7R4060W(Ryzen 7/RTX4060/ホワイト)