こんにちは、ウインタブ(@WTab8)です。先日ウインタブの検証機として「ASUS Chromebook Flip C434TA」を購入しました。2019年は「将来のために」ウインタブで複数のPCを購入していますが、この製品に関しては検証及び管理をライターのひつじさんにお願いすることにしました。私の手元に置いておくと他の検証機との兼ね合いで十分な活用が出来ない可能性があるのと、ひつじさんはUbuntuの利用経験もあり、Chromebookを使い倒すのに適任と考えたためです。ひつじさんにはこの製品を何回かに分けてレビューしていただけるようお願いしていますし、2020年にはChromeOSの使い勝手や諸機能についてしっかり説明記事を書いていただくためのツールとしてこの製品を使うようにもお願いしています。
今回は初回レビューということで、筐体の外観をチェックしていただくのにとどめておりますが、この製品を軸に、今後ウインタブでもChromebookおよびChromeOSに関する記事を充実させていきたいと思っております。よろしくお願いいたします。
0.はじめに
どうも。ひつじです。最近Chrome OSが第3のOSとして急激に台頭してきているな、と感じています。とは言え、ひつじはLinux mintを含むubuntu系(Chronium等は除く)とWindowsしか基本使用してこなかったこともあり、ChromeOSと言われてもよく分からん!って感じだったんですよね。
そんな折、ウインタブの業務用端末としてChromebook Flip C434TAを導入することとなり、ひつじが維持管理を任されることになりました。この端末そのものは既に.TAOさんが実機レビューされているんですが、長期使用も含めて使い心地などを改めて記事にさせて頂きたいと思います(既に.TAOさんがレビューで実機の特徴などをきっちり伝えているので、別の視点でまとめられたらな、と思っていたりします)。
なお、今回のレビュー記事ですが、筐体の印象や簡単な使用感のレポートに留めさせていただきます。一度のレビューできっちりまとめるのがウインタブの芸風なのですが、今回に関してはそのようなまとめ方にならない、という点でご迷惑をおかけします。どうかご容赦ください。
ただ私個人としては分割するから伝えられる「当初の所感」と「時間が経ってからの所感」があるのかなと思っています。そういったところをちゃんと分けて伝えられたら、と思っています。
1.スペック
ここは改めて、ということになりますので簡潔に。今回私が触っているのはCore i5仕様のものです。(AI0015)超低電圧版とは言え、ChromeOSはおろかWindowsでも必要十分な性能があるCPUですね。Chrome OSはARM系CPUやCeleron N4100等、より性能の低いCPUでも十分に動くOSです。ブラウジング等の快適さで言えば「これWindowsのハイエンドマシンよりサクサクでは?」と思えるレベル。回線速度も関係するとは思いますが、「読み込んでいる感じ」がほぼないんです。この使用感は本当に癖になります。
また、.TAOさんも言及していますがファンレスなのもポイントですね。電源を付けてエアフローを感じる、という「儀式」がないことが手軽さを感じさせる何気ないポイントだったんだな、と今更気づきました。通常使用において本体が熱くなるようなこともありません。
2.筐体
箱と付属品です。内容物は至ってシンプル。ただ保証期間延長が可能な「ASUS Premium Care」に今回加入しているので、その書類が1枚添付されていました(手続きそのものは極めて簡単です。90日以内に登録が必要である点に注意が必要な位でしょう)。
続いて本体です。ポート配置などは.TAOさんの記事で紹介をしていましたから割愛します。ボディはオールメタルですが要所要所にダイヤモンドカットが施された高品位なものです(写真からも光っている箇所が分かると思います)。今年見たノートPCの中では一番格好良いと思います。Zenbookなどもそうだったのですが、剛性も極めて高く、軽くひねっても歪む感じはほぼ皆無です。
また、フットプリントも小さく、ひつじの私物の2017年製13.3インチ(HP Pavilion x360 13-u180TU)より画面は大きいのに筐体は明らかにどこもかしこも小さいんですよね。特に奥行方向は違いが顕著です。この奥行の短さがスタイリッシュさを大きく高めているようにも感じます。この端末の質感ははっきりと価格以上ですね。
3.使用感
ハードウェア面
ディスプレイはラミネーション加工されている上にそもそもの画質性能が非常に良質です。動画等では青の発色が少し弱めに感じますが比較しなければ不満は全く出ない極めて綺麗なディスプレイです。ベゼルも狭く、高級感に溢れています。
また、スピーカーも及第点以上です。意外と音量が稼げる点にも驚きました。線が細く解像度感のある高域よりの音質です。少し金属的な音調ですね。WindowsPCのようにEQ調整が可能なソフトや機能はありませんが、仮にこの音質がソフトウェア補正なしに出ているのであれば素性の良さは圧倒的かもしれません。
一方キーボードはキー入力の感じなどは全く違和感も不満もないものの、唯一バックライトが不満。ライトがONだと明るい部屋にいる場合、キーの色と近いせいで文字が見え辛いんですよね。ライト調整が出来て良かったとは思いつつ、バックライトを別の色にしてほしかったとも少し思ったりはします。でも格好良さで言えば白かなあ…。この点は.TAOさんも言及されていますね。でも本当に…見えないんです(暗いところでは大活躍ですけどね!)。
また、何気ないですがflipは便利。勿論重量はヘビーなのですが動画を見たりする際には省スペースで放置しておくと電池がかなり持つこともあって、動画の「ながら見」が大変はかどります。しかも縦においても安定するのでゲームなんかにも活用できないか、なんて考えてしまいます。
ソフトウェア面
本当はgoogle製の各種アプリケーションを使用すべきなのだろうとは思いますがすみません。私の会社はクラウドサービスに関するアクセス規制があるためそもそも仕事向かいの使用が出来ない状況です(そのため使用感を伝えられるほどの経験値がない)。ただ幸いなことに.TAOさんがその辺りのレビューをしてくださっているので私は総論的に。
さっくりChromeOS搭載機を説明するなら「いわゆる『ネットブック』の完全上位互換」と言えば大きくは外れないな、という印象でした。確かにGoogle製アプリでoffice系はある程度代替できますが、Accessなんかは代替し難いですし(個人的には手痛い)、そもそもクラウドサービスを仕事で多用出来る環境にいる方ばかりでもないと思います。
また、エンターテインメント用途として考えた場合、Androidアプリに対応とはいいつつ現実問題としてちゃんと動くとは限らないという側面もあります。例えばAntutuは.TAOさんも実行不可だったと記載していましたし、私も同様でした。他にも音楽アプリのAWAなんかもダメでしたね。
なので、Windowsの高性能機にやらせていることをそのまま代替したい、というニーズはまず無理ですしタブレットやスマホの代替も正直厳しい部分があります。何より「〇〇だってできる!」と言われても唯一解の如く「××を使ったら」が枕詞として存在してしまうのは正直辛いところ。
一方でサクサク動くブラウジングは何にも代えられないと言えるだけの小気味よさがあります。画面を開き終わる頃にはスリープから立ち上がっている圧倒的な起動速度も利便性に直結しています。更にgoogle assistant機能も何気ないですが有用と言えるだけの力があります(ごめんコルタナさん…)。作業をするためのPCというよりは調べものや時間つぶしのためのPCとして便利だと言えますね。
結果としてリビングや私物として1台置かれていたような往年の「ネットブック」に求められていた要素を最大限上手く料理したものがChromeOSなんだろうな、ということになります。ただ昔と違うのはgoogleしかり、rollapp.comしかり、ブラウザ上で完結できるアプリ群が多数存在することでしょう。当時のマシン性能から来る運用上の限界も考慮すれば出来ることは増えていると言えます。しかもローコストですし。不慣れな人が触ってもセキュリティ面の不安が少ないのも大きいです。
またもう一つの切り口として、あまり注目されていないんですがChromeブラウザってそもそもリモートデスクトップ環境の構築が極めて楽、でかつ無料なんですよね。ChromeOS搭載機もどちらかというとシンクライアント端末的な使用方法が性に合っていると思います。メインPCを遠隔操作してGoogleドライブ等にデータを放り込んで別のPCから取り出す、といったことが1台で完結できるのは便利ですね。
それとChromeOSがLinuxのターミナルを正式サポートしたことも今後を考えれば大きいです。apt-getコマンドなどが使えるのであればlinux向けに提供されているアプリケーションの導入が可能なはずです。また将来的にはwine等も導入できるかもしれません(今は無理なようですね…)。
4.前編まとめ
ChromeOSの所感を中心にお伝えしました。正直流行っていることを知っていてもChromeOSは手を出しにくい部分があると思うんです。私も実際その一人でしたし、安い端末を買うにしてもWindowsで困ってないしなあ、という思いもあるわけですし。ただ今回使用した機種で感じたことは「HDDからSSDに変わった時に近い感動をブラウジングで覚えられるPC」だなあと。出来ることは正直「これがあればなんでも大丈夫!」とはならないかもしれませんが、熟成が進んだらタブレットよりこちらを選ぶかも。
とは言え、まだネット端末以上の立ち位置が見いだせていない部分もあるので、そういったところに手を突っ込んで後編と出来たらいいんですけどね!
ASUS Chromebook Flip C434そのものはとにかく筐体の出来、デザイン、サイズ感が極めてよく、所有欲をとにかく高レベルに満たしてくれる端末です。大絶賛に近いレベルで好みです。これ、確かに手元から消えたら喪失感半端ないだろうなと。やだー!返したくなーい!!(ウインタブ注:いや使ってていいから)
5.関連リンク
ASUS Chromebook Flip C434TA レビュー - ASUSのChromebookのトップモデルをChromeOS初体験者がレビューします(実機レビュー後編)
ASUS Chromebook Flip C434TA:ASUS Store
コメント
C434TA、非常に良いですよね~。激安のS330じゃなくて、やっぱりこっちを買うんだったと今更後悔しておリます。
あぁ、喪失感が蘇ってくるゎ~。
.TAOさんコメントありがとうございます!S330のレビュー、読ませて頂きました!
S330が激安だったのも見てはいたんですがこうも違うのか、と正直悲しくなりました…。
安いのは安いなりの理由があるのか…。
本当にC434TAいいですよね。これ常用できるならサブにしているタブレット捨ててもいいくらいです。