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ASUS Chromebook Detachable CM3の実機レビュー - 低価格で購入できる「全部入り」のデタッチャブル2 in 1タイプのChromebook

ASUS Chromebook Detachable CM3
ASUSが3月17日に発表した新型のChromebook「Chromebook Detachable CM3(CM3000)」の実機レビューをお届けします。私はすでに同社のChromebook Flip C434TAのCore i5モデルを使用しています。この機種の場合「極めて高い質感と性能の良さで所有欲が満たされる端末」だと言えます。眺めているだけでも満足できるような美しい製品ですし、使用していても逐一動作に感動できる余力があります。

一方、今回のChromebook Detachable CM3は質感や性能は多くの人が納得できる良さは持ちつつもC434TAに比べると高級感より実戦能力を優先してより身近な製品にしたような印象が強いですね。

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ただこの「身近な製品にした」ことでC434TAと棲み分けが出来ている、つまりそれぞれ異なる魅力を有しているように思えます。具体的には筐体の大きさだったり取り回しだったり、androidアプリの互換性といったところがCM3の良さなんでしょうね。これくらい使いやすければ、非ゲーム用途ならandroidタブレットから乗り換えてもいいと思えるような出来栄えです。

前置きが長くなりました。詳細を見ていきましょう。

1.良い点と気になった点

Chromebook Detachable CM3について、良い点と気になった点は以下の通りです。

良い点

・ブラウジングの速さはC434TAと遜色ない
・小型の寸法ながら剛性の高いタブレット部筐体
・スタイリッシュな外観(アルミユニボディ)
・ASUS USI ペンは収納&充電可能(15秒収納して45分使用可能)
・Chrome OSのゼロタッチ機能に対応予定
・縦横両方でスタンドの使用が可能
・スピーカーのステレオ感

気になった点

・ASUS USI ペンを取り出す際にペンの角が鋭利で硬め
・ASUS USI ペンの駆動時間はもうひと押し欲しい
・キーボードそのものの質は低価格帯端末のカバーキーボード相当
・キックスタンドを開く時にカバーが本体から外れやすい
・縫合の兼ね合いでカバーのエッジ部分が不織布等に引っかかりやすい

また、人によってはandroidアプリの互換性、ChromeOSが32bitであることを気にするかもしれませんがこの点は主観が強く働く「良いとも悪いとも決められない」ポイントなので、どちらにも記載をしてません。

一応、私個人としてはアプリの互換性は「ChromeOSとしては高い」、ChromeOSが32bitであることは「動作を考えればメリットだし、いずれ64bit環境に移行が進むと考えればデメリット」と捉えていますが、いずれにしてもそもそも気にするほどのポイントでもないのかもしれません。

2.スペック

   Chromebook Detachable CM3
OS  ChromeOS(32bit)
CPU(SoC)  MediaTek MT8183
RAM  4GB
ストレージ  128GB(HT0019)/64GB(HT0010)
ディスプレイ  10.5インチ(1,920×1,200)
ネットワーク IEEE 802.11a/b/g/n/ac、 Bluetooth 4.2
入出力  USB Type-C、オーディオジャック
スタイラス ASUS Garaged USI ペン(筆圧検知対応:4,096段階)
カメラ  イン1.92MP/アウト8MP
バッテリー  12.3時間(キーボードなし)/12時間(キーボードあり)
サイズ  255.44×167.2×7.9mm(カバー装着時は厚みが16.9mmに変化)
重量  506g(本体)/915g(カバー装着時)

OSはChromeOSを採用しています。先程も記載したとおり32bit仕様です。今回のマシンスペックでもかなり軽快に動きますね。

CPUはMediaTek性のMT8183を採用しています。比較的廉価なタブレット等で採用が多いものの、ミドルクラスと言っていい性能を有しています。GPU性能上は今どきのタブレットとしては必要十分ですね。軽量な3Dゲームであればなんとか動作するでしょう。

RAMは4GBとこのクラスの製品では一般的。一方ROMは2タイプあり、型番(枝番)HT0019が128GB、HT0010は64GBです。

ディスプレイは10.5インチで解像度は1,920×1,200。おそらくIPS液晶かと思われます。グレアタイプのフルラミネーションディスプレイですね。ベゼルも比較的狭めで良いと思います。

入出力は充電用途を兼ねたUSB2.0 Type-C(45W充電対応)が1つとオーディオジャックが1つ。オーディオジャックが搭載されている点はありがたいですね。特にテレワーク等での会議に使用する場合、無線方式より有線方式の方が接続時の信頼性が高いので個人的にもマイク付きイヤホンを多用します。ですのでここは個人的にポイントが高いです。

それとバッテリーについて稼働時間が長い点も嬉しいですね。ASUSのChromeOS採用製品はいずれも比較的稼働時間が長いのですが、筐体のサイズを考えればかなり頑張ったのではないでしょうか。

また、サイズも手に持った感じが「大きめのスケジュール帳」などのノート類に近く、鞄等に入れやすいと感じました。重量は多少ズッシリ感がありますが、カバー込みで1kgを下回った点は嬉しいところですね。

ネットワーク機能やカメラは一般的な範囲かと思いますが、総括としてはChromeOSの軽快さをうまく捉えた構成になっているかと思います。

3.筐体

chromebook_CM3_manual


chromebook_CM3_keyboard
chromebook_CM3_cover
chromebook_CM3_adapter付属品はマニュアル類(保証書等)、カバー兼用のキーボード、本体背面に取り付けるカバー、電源アダプターで構成されています。なおスタイラスは本体に収納されています。別途以下で紹介します。

chromebook_CM3_front2

画面部分。ベゼルが狭くスタイリッシュです。非常にシンプルですがフルラミネーションディスプレイを採用している点など、分かる人には分かる良さがあります。

chromebook_CM3_front

なお、画面は結構グレア。使用中はそこまで気になりませんでしたが反射が好きでない方はフィルムを用意しても良いでしょう。

chromebook_CM3_leftside

本体左側面です。電源ボタンとLED、ボリュームボタンがあります。LEDは白です。

chromebook_CM3_botton

ボタン周りをアップ。カメラの出っ張り具合も伝わるかと思いますが、カバーを取り付ける限り気になることはまずありません。

chromebook_CM3_rightside

右側面。USB Type-Cとオーディオジャックがあります。

chromebook_CM3_top


chromebook_CM3_speakerL
chromebook_CM3_speakerR 本体上部。左右にスピーカーがありますが、少々見えづらいので左右個別にも撮影しています。なお右側スピーカー(写真3枚目)の横にはスタイラスが収納されています。パッと見ただけでは気づかない位、デザイン性が高いです。

chromebook_CM3_bottom

本体下部。キーボード接続用のピンなどがあります。

chromebook_CM3_cover_front

本体のカバー。グレーのファブリック調です。

chromebook_CM3_cover_back

カバー裏面。このようにスタンド用のヒンジが縦横に対応できるように設けられています。

chromebook_CM3_keyboard_back

キーボード側のカバーはこのような感じ。左下はレビュー貸与品を示すシールなので加工して字を隠しています。

chromebook_CM3_keyboard_front

キーボード面はこのような感じ。

chromebook_CM3_coverequ

カバーを取り付けると非常にナチュラルな印象になります。開閉で勝手にスリープONOFFは切りかわります。

chromebook_CM3_coverfit

なお、マグネットでカバーは取り付けられますが、「ゆっくり持ち上げれば外れない」位の接着力。振ったりしなければ大丈夫でしょう。優秀だと思います。カバーの色はこの写真が一番近いです。

chromebook_CM3_stand1

一般的なキックスタンドとしての使い方で1枚。最大90度までスタンドは折り曲げ可能です。

chromebook_CM3_stand2

縦方向も同様に90度まで折り曲げられます。

chromebook_CM3_stylus1

スタイラスは比較的細くて軽量。イラスト用途等ではなく、あくまで補助道具といったところ。

chromebook_CM3_stylus

接点があることからも分かる通り、スタイラスは本体に収納することで充電が可能です。

chromebook_CM3_powerweight

chromebook_CM3_keyboard_weight
chromebook_CM3_cover_weight付属品関連の重量はこのような感じ。電源アダプターの寸法は50×50×30mmでした。(ブレードやケーブル除く)

chromebook_CM3_weight

カバーを取り付けた本体の重量は公式より少し軽めです。

chromebook_CM3_C434_size

サイズ感比較。下の端末はC434TAです。14インチとしては小さいC434TAと比較しても小型っぷりが伝わります。

なお、筐体構造に関して動画を撮影しましたので、こちらもご覧ください。

ASUS Chromebook Detachable CM3のレビュー

4.使用感

ディスプレイ

chromebook_CM3_display1
やや色温度が低めであるのに加え、多少赤みを強めている様子はあります。相乗効果で暖色が強めだと感じる点はありますが破綻があるわけではありません。特に色温度が低い点は目にも優しいかと思います。

画面の反射も映像を見ている状態だとそこまで気になる様子はなく、視野角にも問題はありません。基本的には満足度の高いディスプレイだと感じます。どちらかというとビビッドに感じさせる味付けなので、画像等を取り扱う業務用とというよりはエンターテインメント用途やオフィスワーク向けだと言えます。

スピーカー

高音が前に出てくる傾向の強い音調です。クリアな音、と言っても良いでしょう。強い音質補正等がかけられている様子は特にありません。

筐体の幅に比べて、ステレオの定位が良いですね。無理に広げたりしている印象はありませんが、左右に振られているパートはちゃんと聞き分けが可能です。また、解像度も比較的良好。BGM用途であれば十分に使用可能でしょう。低域は多少弱めなので、繊細な曲調によく合うスピーカーだと言えます。

キーボード

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chromebook_CM3_keypitch
公式表記に準じればキーピッチは17.5mm、キーストロークは1.5mm。実測もそれ位ですね。バックライトはありません。正直に言うとタブレットサイズ相応の狭さは感じざるを得ず、ミスタイプもこのサイズを起因として発生することが多いです。要は慣れが必要でしょう。キー配置そのものに関して大きな違和感はありません。

エルゴリフトヒンジの採用は確かにキータイプのポジショニングを良好にする効果があるのですが、カバータイプのキーボードにありがちな「パカパカ感」がどうしても目立ってしまうのが難しいところですね。

あくまでテキストライティングにガッツリ使う用途というよりは出先でタブレットを補助するものとして認識しておくくらいがちょうど良いかと思います。入力機会が多いのであれば家ではBluetoothキーボードを使う、といった使い分けも有りでしょう。

ペン

スタイラスが収納できる点がかなりありがたいです。また単純に収納可能というだけでなく、デザイン性もちゃんと意識されています。

ペンの性能そのものは予想以上に良好です。追従性は速記をしなければ気にならないかと思いますし、ペン先がずれるといった感じもありません。ただ、ペン先の交換等まで考えると、ペンを多用するようなイラスト用途には向かない所感はあります。あくまで入力ツールとして活用するもの、ということでいいんじゃないでしょうか。ただASUSは他機種でもGaraged USIペンを採用している機種があります。ペンそのものが互換するかは現状不明ですが、替えが効くようならば「ちょっとしたラフ画」を描くといった活用はできるかと思います。

なおペン先は少し凹みます。相応のカツカツ感はありますね。またペンの使用可能時間はもう少し長いほうがありがたいです。例えば会議や授業は1時間単位で動くことが多い世の中ですから、1時間きっちり(バッテリー低下警告なしに)動作するかどうかが非常に重要かと思います。

もう1点気になったのがペンを引き出す際のペンの形状です。ペンの頭が四角い形状をしていることから引き出す際にどうしても鋭利だと感じるんですよね。落下防止なんだろうとは思いますが引き出す力も案外必要なので、取り出し用の機構を設けるなどして頂ければ更に良くなるかな、と感じました。

カメラ

chromebook_CM3_camera1

アウトカメラ。クリックで拡大します。


chromebook_CM3_camera2

インカメラ。クリックで拡大します。

カメラは画像をともに縮小しています。解像度上はタブレットとして一般的な内容かと思いますがアウトカメラの色表現は比較的優秀です。SNS等にアップする写真であれば事足りる性能を有していると言えます。インカメラは特徴がある性能ではありませんが、リモート会議や飲み会といった今どきの使い方であれば十分であるとも言えます。

androidアプリの互換性

C434TAで発生していたような一部アプリの音声周りが起因となる異常動作は特になさそうです。細かい検証までは出来ていないものの、ARM系CPUを採用しているメリットかもしれません。

試したアプリの中では「ウマ娘」で読み込みが一向に進まない場合がある不安定さがあったものの(C434TAも同様)、他のアプリは大丈夫でした。AWA等の音楽アプリが正常に動くのはとてもありがたいですね。

そもそも動作対象外のアプリも多いので完全にandroidの代替を務められるわけではありませんが、補助的にandroidアプリを使用する程度であればこの位動作すれば十分な気がします。androidタブレットよりChromeOS搭載品の方がむしろ使い勝手が良いかもしれないな、とは感じますね。

その他

スタンドの使い勝手は極めて良好です。唯一不満を挙げるならばスタンドを開く際に本体を両手で保持しておかないと背面カバーは外れやすい、という点はありますが縦横問わず本体を立てられる点が本当に便利です。

それと非常に細かいポイントとして、カバーがファブリック製なのはおしゃれで質感も高く魅力的なんですが、エッジ部分の処理の関係かやや引っかかりが発生します。特に不織布のようなものとは相性が良くないので入れる鞄や使用するカバーは一応事前に問題ないか確認したほうが良いでしょう。

なお、バッテリーは照度100%でボリュームを約50%にした状態で1時間Youtubeを流し続けたところ、16%を消費していました。この計算だと6時間少々でバッテリーが切れる、ということになりますが照度を100%にしたまま動画を見続ける使い方はあまり現実的ではないですし、一般的な使い方であれば1日は問題なく使うことができるかと思います。

5.ベンチマーク

chromebook_CM3_geekbench5
参考:
ASUS Chromebook Flip C436FA(Core i7-10510U);1,074、3,840、-
Google Pixel Slate(Core m3): 747、1,258、730
ASUS Chromebook Flip C434TA(Core i5-8200Y) : 745、1,376、441
HP X360 14(Core i5-8250U) : 922、2,878、882
HP Chromebook x2(Core i5-7Y54) : 756、1,299、757
OnePlus 7 Pro(Snapdragon855) : 747、2,795、1,935
UMIDIGI S3 Pro(Helio P70) : 300、1,368、674
Teclast M20(Helio X27 ) : 209、1,074、45
※左からシングルコア、マルチコア、Vulkanのスコア

GeekBench5で検証しましたがなぜかCOMPUTEテストは出来ず。シングルコアのスコアは振るわない一方、マルチコアではHelio P70を上回る性能を発揮しています。また、Core mシリーズや同じ系譜を辿る一部のiシリーズと互角以上の性能を見せつけてくれています。

実際ブラウジングの軽快さなどはそれらのCPUと遜色がなく、ChromeOSが持つ、AndroidやWindowsより軽快なネットサーフィン体験をちゃんと提供してくれます。

ASUS Chromebook Detachable CM3でAndroidゲームアプリをプレイ

また今回、Assolto Racingをテストプレイしていますが動作の印象としては「もっさりながらなんとか遊べる」といったところですね。ウマ娘等でもオープニングを試す限り同じ感想となりました。

ネイティブのAndroid搭載機でかつゲーミング性能も確保されているタブレット等と比較するのはかわいそうですが、画質を下げてサブ機としてプレイをする程度であれば、対応するゲームは限られるものの活用そのものはできるかと思います。

6.まとめ

ASUS Chromebook Detachable CM3は128GB版のHT0019が3月17日に発売され、ASUS Storeでの価格は税込み50,800円、64GB版のHT0010は4月9日予約開始で税込み44,980円です。また、HT0019は発売記念キャンペーンとして、製品ページに記載されているクーポンを使用すると税込み35,800円で購入できます。

実機を触った限り、サイズ感、質感、性能のバランスが非常に良好で、スタイラスが標準添付されていることやスタンドも縦横兼用できる点などがかなり魅力的です。個人的には「ChromeOS搭載機種のベストバイ」になり得る製品だと思いますね。本当にこの使い勝手は手放したくないです。(ボーナス出たら有りだな…。)

7.関連リンク

ASUS Chromebook Detachable CM3icon:ASUS Store

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コメント

  1. 匿名 より:

    とても魅力的な品ですね、おっしゃる通りandroidタブレットからの乗り換え候補にしたいなと感じさせられます。
    ただ、なんでchromeOSのタブレットってLTEモデルがなかなか無いんでしょうね…こいつがそうだったら即買いレベルだったんですが

  2. 匿名 より:

    11ac迄ならばWiFi6対応ではないと思います。

  3. 匿名 より:

    ソフマップAKIBA②号店パソコン総合館では発売記念キャンペーンとして4月8日まで通常価格から15000円引きの税込35800円(10%ポイント還元サービス付き)にて発売との事です。

  4. 匿名 より:

    これ興味あって実際に電気屋にさわりにいきました。ペンが取り出しにくすぎでイライラしちゃう。カバーもすぐ外れる。本体はいい感じだけに残念。
    いくつかさわりましたがこれだというchromebookには出会えずでした。

  5. 匿名 より:

    昨晩この実機レビュー見て大変魅力を感じたので、今朝ASUSサイト行って購入しようとしたら、既に「在庫切れ」の無情な赤表示。ダメ元で無理やり購入手続しようとしても、やっぱり「カートに追加出来ません」の赤表示(笑)
    でも午後おやつの時間に、もう一度サイト確認したら「在庫あり」の青表示に変わっており、クーポン使用で税込32,799円にて買えました。