ASUSが15.6インチサイズでエントリークラスのChromebook「CX1」を発売しました。CX1という型番のChromebookは従来からあり、サイズも15.6インチのほか11.6インチのモデルもあります。今回ご紹介する15.6インチのCX1は従来モデルからCPUの型番が変更となり、筐体も一部変わっています。
1.Chromebook CX1 スペック
スペック表
Chromebook CX1 | |
OS | Chrome OS |
CPU | Intel Celeron N4500 |
RAM | 4GB |
ストレージ | 64GB eMMC |
ディスプレイ | 15.6インチ(1,920 × 1,080) |
バンド | — |
SIM | — |
ネットワーク | 802.11a/b/g/n/ac/ax、Bluetooth 5.0 |
入出力 | USB 3.2 Gen1 Type-C × 2、USB 3.2 Gen1 × 2、オーディオジャック、microSDカードリーダー |
カメラ | Webカメラ(92万画素) |
バッテリー | 駆動時間約11時間 |
サイズ | 361.3 × 249.9 × 18.9 mm |
重量 | 1.8 kg |
コメント
CPUはJasper Lake世代のCeleron N4500です。Celeron Nシリーズの2コア2スレッドCPUで、Apollo Lake世代のCeleron N3350、Gemini Lake世代のCeleron N4000(N4020)の後継と言える型番です。
これはPassmarkが公表しているベンチマークスコア(9月4日現在。数値が大きいほうが高性能)です。ウインタブでは「(Windows PCの場合)4コアのCeleron N3450やN4120はまあまあ使える、でも2コアのN3350やN4020は比較的ライトな用途で使うにしてもちょっと厳しい」と評価しています。N4500に関してはまだ実機を試したことがないのですが「でもN4020の後継でしょ?あまり期待できないなあ…」と考えていました。
しかし、このスコアを見ると、いまだ4コアのN4120(Jasper Lake世代だとN5100)には及ばない(N4120のスコアは2,508)ものの、世代を経るに従って着実に性能アップを果たしているようです。
ちなみに私が使っているASUS Chromebook C223NAのCPUはCeleron N3350なので、それよりはかなりサクサク感が上がっているんだろうなあ、と思います。
…ここから少し独り言っぽいお話を…。よく「Chrome OSは軽量なので低スペックなCPUでも問題なく使える」と言われます。これ、間違っていないとは思いますが、使っていてCPUの性能差は実感します。Celeron N3350搭載機だとスリープからの復帰やアプリケーションの起動などでもたつきは感じます。おそらくCore i3とか、この製品のようにCeleronでも比較的性能の良いCPUを搭載しているChromebookだと、私が感じるようなもたつきはあまり感じられないのだろうと思います。
ただし、Chrome OSというのは基本的に「ブラウザーのChrome上でWebアプリを操作する」ものですから、Windows PCで重量級のアプリを使って、こみいった作業をする際のように「低スペックなCPUだと、フリーズしているんじゃないかと思うくらい待ち時間が長い」とか「フリーズしているんじゃないかと思っていたらやっぱりフリーズしていた」といったことはまずありません。その意味では「低スペックなCPUでも問題なく使える」というのは誤りではないと思います。でも「サクサク感」はCPUの型番によって変わってきます。Chromebookでも高性能なCPUを搭載しているに越したことはないです。価格が高くなりますけどね。
失礼しました。本題に戻ります。RAMは4GB、ストレージは64GB eMMCです。近年、Windows PCだとRAM4GBで不足を感じる場面が増えてきました。一方Chromebookでは、個人的にはRAM4GBで不足を感じる場面はまだありません。ただし、Windows PCと同様に、ブラウザー(Chrome)のタブを大量に開いたり、Google Playのゲームアプリを使ったりといった場面では4GBだと足りない、という可能性はあると思います。特に来年とか2年後とかにはこの傾向が強まるかもしれません。また、ストレージに関しても同様で、Googleドキュメント系などWebアプリでの作業がメインなのであれば64GBで不足はありません。でもGoogle Playのアプリを大量にインストールする場合はこの限りではありません(Google Playのアプリはクラウドではなく内蔵ストレージにインストールされます)。
ディスプレイは15.6インチのFHD解像度で、IPS液晶なのかTN液晶なのかは開示されていません。またタッチ対応もしません。タッチ対応しなくともChromebookは問題なく使えますが、Google Playのアプリ(特にゲーム)にはタッチ操作前提のものが多く含まれますので、ことGoogle Playアプリの利用ということについては制約が出ると考えておきましょう。
通信まわりではWi-Fi6に対応します。Chromebookは「インターネット接続ありき」なので、エントリークラスながらWi-Fi6に対応しているというのは歓迎したいところです。また、入出力ポートもUSBが合計で4つあり、15.6インチノートらしい充実ぶりです。ただしHDMIポートはなく、USB Type-Cポートのうちの1つは給電にも使用します。
サイズはWindowsの15.6インチノートと比較しても特に小さいわけではなく、重量も軽めではありますがモバイル利用が想定できるという感じではありません。「半据え置き型のChromebook」ですね。
2.Chromebook CX1 筐体
正面から見たところです。左右ベゼルは比較的細めですが、上下ベゼル、特に下部ベゼルはかなり太めです。
また、キーボードの拡大画像が入手できなかったので、ここで簡単にご説明します。日本モデルは「99キー日本語キーボード (JIS配列)」と開示されていて、防滴タイプでテンキーもつきます。実はここが従来モデルとの大きな相違店で、従来モデル(15.6インチ)にはキーボードがテンキーレスでした。テンキーありとテンキーなしのいずれがいいのかは人それぞれのご判断になると思いますが、Windows PCでは現状、15.6インチならテンキーがつく、というのが主流になっています。特に数値入力が多い人ならテンキー付きのほうがありがたいですよね。
天板です。シンプルなデザインで筐体色も「トランスペアレントシルバー」という、割とオーソドックスな色です。そしてこの筐体はMIL規格(MIL-STD-810H)準拠の堅牢性も備えていますので、多少乱暴に扱っても平気です。
ヒンジは180度開口します。ミーティング時に他の人と画面を共有する際にも便利ですね。
3.Chromebook CX1 価格など
ASUS Cheomebook CX1(15.6)はASUS Storeで販売中で、9月5日現在の価格は税込み35,800円です。また従来モデルも併売されており、こちらは9月5日現在セール価格になっていて、税込み26,800円で購入ができます。
従来モデルでも悪くはないと思いますが、記事中に「独白」したとおり、Celeron N3350だとChrome OSでも少しもっさりした挙動になります(ただしWindows PCの場合ほど顕著ではなく、ちゃんと使えます)ので、個人的にはせっかくJasper Lake搭載のニューモデルも出たわけですし、予算が許すならニューモデルのほうがいいのではないか、と思います。
4.関連リンク
ASUS Chromebook CX1 (CX1500CKA-EJ0015):ASUS Store