こんにちは。かのあゆです。Lenovoが中国やインドなど一部の国で展開している「ZUK」ブランドのフラッグシップモデル、「Z2」の実機レビューとなります。なお、この製品は中国の通販サイト「Banggood」に提供していただきました。Banggoodにはこの場にて御礼申し上げます。ありがとうございました。
中華スマートフォンのレビューにあたり、通信関連の機能はすべてOFFに設定し、必要なアプリケーションのインストールはAPKファイルをPCより転送して行っております。
1.スペック
OS: Android 6.0.1″Marshmallow”(Android 7.0″Nougat”へのアップグレード予定あり)
CPU: Qualcomm SnapDragon 820
RAM: 4GB
ストレージ: 64GB
ディスプレイ: 5インチIPS(1,920 x 1,080)
ネットワーク: 802.11 b/g/n/ac、Bluetooth 4.1
カメラ: イン800万画素 / アウト1,300万画素
バッテリー: 3,500 mAh
サイズ: 141.65 x 68.88 x 8.45mm / 149g
Banggoodでは、すでに2万円程度とローエンド~ミッドレンジ機並みの値段で購入できる本機ですが、搭載されているCPUはミッドレンジ向けのSnapDragon 4xx系や6xx系ではなく、ハイエンド向けのSnapDragon 820を搭載。搭載GPUはAdreno 530で最新の3Dゲームなどのプレイも全く余裕でこなせてしまいます。
現在はすでにさらに性能が向上した後継CPUのQualcomm SnapDragon 835が発表されていますが、実際にこのCPUが搭載された端末が発売するのは今年春以降のことでしょうから、現時点では間違いなく最高スペックのスマートフォンということになります。搭載RAMも4GBと他社が販売する8万円クラスのハイエンドモデルと同スペックなので、長期的に利用してもスペック不足に悩まされることはまずないかと思われます。Googleが販売しているNexusシリーズなどと同様、microSDカードスロットは非搭載ですが、ストレージ容量が64GBと十分なものになっているため、大容量アプリケーションをインストールしても容量不足に悩まされるケースは少ないかと思われます。
プリインストールアプリはGoogle関連のアプリを除けば少なめになっています。ただしレビュー機はBanggoodが提供しているショップカスタムROMが搭載されており、ZUK Z2の純正ROMとは状態が異なる点には注意が必要です。またショップによってはカスタマイズ内容が異なる可能性もあります。
ショップカスタムROMに関しては下記の記事をご覧ください。
中華スマートフォンにおけるショップ独自のカスタムROMについて知っておきたいこと(かのあゆ)
2.筐体
今回レビューしているZUK Z2は白ですが、他にも本体カラーとしては黒が用意されています。写真ではわかりにくいですが、実機は割とプラスチック感が出ている印象で、この辺に関しては価格相当といったところでしょうか
本体側面はプラスチック感が強く、あまり高級感は感じられません。多少残念な点ではありますが、ここら辺は値段を考えればどうしようもない点かもしれません。
ただ背面に関してはガラス素材を利用しているようで割と高級感が出ているように思いました。ただし傷がつきやすいとは思うので専用ケースか保護フィルムは必須でしょう。
下部にはイヤホンジャックとUSB Type-Cコネクタ。Type-Cを採用したスマートフォンは日本でもようやく増えてきました。もちろんQualcomm QuickCharge 3.0にも対応しているので、対応アダプタで充電すれば端末を高速充電することが可能です。
ホームボタンは後述するU-Touchのセンサーと指紋認証が搭載。指紋認証の精度はかなり高いです。
3.使用感
前述のとおり、Banggoodで販売されているZUK Z2は純正ROMではなく、純正ROMをベースに不要なアプリケーションの削除、Google関連のアプリのインストール、日本語ロケールの追加を行ったショップカスタムROMになるのですが、このカスタムROMでは標準ランチャーもZUK UI標準のものからGoogle純正のGoogle Nowランチャーに差し変わっているため、使用感に関してはほぼ純正Androidのそれになります。
ただしあくまでベースは純正ROMなので通知領域のデザインが本来のAndroid純正とかなり異なるものとなっているほか、本体にメニューキー(センサーボタン)は存在せず、ホームボタンに内蔵されているセンサーで操作する仕様(U-Touch)になっているため、一般的なAndroid端末になれた方だと最初は戸惑うかもしれません。
ではU-Touchの説明を。デフォルトの設定ではホームボタンをタッチすることで「戻る」キーを押したときと同じ挙動となり、ホームボタンを左右にスワイプするとタスク切り替え、ホームボタン2回押しでタスク切り替え画面を表示するといった操作が割り当てられています。この動作は設定からカスタマイズ可能です。また、設定メニューのうち、Zuk独自UIに由来する部分は機械翻訳になっていて若干わかりにくいのですが、全体的に日本語化の質は「十分許せるレベル」です。
4.性能テスト
ベンチマークテストはAntutuで行いました。
参考:
BungBungame KALOS 2(Samsung Exynos 7420): 88,439
Chuwi Vi 10 Plus(Remix OS、Atom X5-Z8300): 64,259
Teclast TBook 16 Pro(Atom x5-Z8300): 58,578
Onda OBook 20 Plus(Atom x5-Z8300): 57,378
Cube iWork 8 Air(Atom x5-Z8300): 55,918
GOLE 1(Atom x5-Z8300): 55,436
マウス MADOSMA Q601(SnapDragon 617): 48,008
Teclast X89 Kindow(Atom Z3735F): 47,495
Wink Pax G1(MediaTek MT8783) : 38,553
YOKA KB2(Amlogic S912): 36,679
マウス MADOSMA Q501(SnapDragon 410): 35,663
Teclast X10(MediaTek MT8392): 31,561
Cube WP10(SnapDragon 210): 29,273
Cube T8 Super Version(MediaTek MTK8735P):23,925
ドスパラ Diginnos Mobile(Snapdragon 210): 23,785
FREETEL KATANA 01 (SnapDragon 210) : 22,724
スコア的には同CPUを搭載したソニーモバイルが販売しているXPERIA XZやSamsungのGalaxy S7 edgeとほぼ同じスコアが出ます。繰り返しになりますが、この製品は現在2万円程度で購入できるスマートフォンです。一方XPERIA XZやGalaxy S7 edgeは新品販売価格が7万円以上します。正直もう何も言うことはないでしょう。WEBブラウズやSNSといった基本操作からハイエンド向け端末に向けてリリースされている最新の3Dゲームまで快適にこなすことができます。
ウィンタブでSnapDragon 820機を取り扱うのは初めてになりますが、このベンチマークスコアは今までレビューした端末の中で最も高いものとなります。
5.まとめ
1月13日現在、Banggoodでは20,363円で販売されています(特別クーポン「zukz2new」を使うと19,141円)。昨年末あたりから結構いろいろなところでレビューを見るようになり、価格と性能のバランスがいろいろな意味で「壊れすぎている」ことから気になっていた製品でしたが、Lenovoのサブブランドということで製品自体の質も高く、かなり好印象です。
とにかく性能的には間違いなくフラッグシップ機そのものなので、長期的に運用してもパワー不足で困るということはまずないでしょう。個人的には、この製品は中華スマートフォンの中でもっともお勧めできるものの一つだと思います。下手なミッドレンジモデルを買うよりZUK Z2を選んだほうが満足度は高いはずです。
ハイエンドなスマートフォンが異常な価格で買えるのも中華端末の魅力の一つだ!と改めて思いました。
6.関連リンク
Lenovo ZUK Z2 : Banggood
※1月30日までは、クーポンコード「zukz2new」で11ドル安くなります
ZUK Z2 -SnapDragon 820を搭載しながらミッドレンジ機と同じ価格帯で購入できる”真の”コスパモンスター!(かのあゆ)
コメント
2万円で、ANTUTU13万点超えのスマホが入手できるとは、驚きですね!
こぷりんさん、こんにちは、先日は記事の投稿ありがとうございました。中華スマホの世界もまた、奥深いようなので、これからも勉強していきます。
いつも新鮮な情報ありがとうございます。
本当に驚きのコスパです。
Xperiaとは異なり、レノボスマホはどのようにROMを焼くのでしょうか。
純正ROMのイメージは、おそらくメーカーで公開されているとして、
カスタムではなく純正のROMに焼き直しすには、専用のflashtoolがあるのでしょうか。
ショップカスタムROMの場合、新アップデートのROMもショップから提供されるのでしょうか。
(おそらくされないですね)
ROM焼き記事もぜひお願いしたいです。
安い中華タブレットで経験済みですが、安いスマホもバッテリーもちは悪いでしょうか。
安いので期待はできませんが。
また、ガラスフィルムやフィルムは手に入るでしょうか。
このフィルム問題があるので、中華スマホはいつも躊躇してしまうのですが。
これがあるとXiaomiスマホにも食指が伸びます。
この記事もお願いしたいです。
Google Play等を入れる方法は、結構情報公開されているようなので安心ですが。
あと1つ質問ですが、中華スマホはNFCがないことが多いのですが、
中国では需要がないのでしょうか。
日本ではNFCはすごく便利ですが。
>>ごぶりんさん
本当に安いですよね。ローエンド~ミッド並みの値段ですから。価格設定が異常で驚異的だと思いますw
>>tensyoさん
ショップカスタムROMに関してはそもそもOTAがふさがれている(純正ROMとの差異の関係でアップデートしてしまうと文鎮化するケースがあったため)ことが多いため、ショップカスタムROMの場合はインストールされているバージョンのまま使うことになります。
ZUK Z2を純正ROMに書き換えることはできるのですが、XPERIAにおけるFlashTools/XPERIA CompanionやXiaomi端末のMi Flashと異なりツール関連がライセンス的に微妙なものになってるのでこの場では紹介できないです…申し訳ないです。
>>tensyoさん
フィルムに関しては日本ではPDA工房さんが扱っているのでAmazonなどで購入可能です。ケースもある程度は日本国内でもそろえることができますね。
NFC関係は確かに中国専売モデルだと搭載していないことが多いですね…中国国内では決済システムにNFCではなくQRコードを利用したものが普及しているのが事情としてあるようです。
私もZUK Z2を12/26にGearBestより購入し、1/6より使用中です。GearBestは純正ROMなので、謎のヘルスケアアプリ(ホーム画面1面潰してたり)、日本語設定が出来ない(?)天気表示アプリ(ホーム時計のデジタル表記のしたに常時表示、地域設定で東京を選択できるのだが、表示が簡体字)が入っていたり、待ちうけの時計の下に日付が表示されているけど、”月,1月16″って表記されていたり、いろいろおかしいですw
#直せるのかわからないけど、とりあえず気にしないw
>>tensyoさん
ケースとスクリーンプロテクターはGearBestで取扱いがあるので、それを買いました。
#すでにスクリーンプロテクターを1枚割りましたw
メジャーどころなら、GearBestで(多分他でも)スクリーンプロテクターもケースも売っていると思います。
#もちろんXiaomiも大抵ありますよ。
ポケモンGo端末として活躍中ですが、会社の行き帰りと、ついでにジム戦をやっても余裕で一日持つのでバッテリー持ちは期待して良さそうです。
#どっかで比較記事を見たのですが、中華Snapdragon820端末ではバッテリーが大きい方ですし。
NFCは中華スマホだと$300以上の機種でないと無いんじゃないでしょうか。それ以下の価格帯のものではペイしないのでしょう。
なおGoogle Playはすでに入っていました。GearBestのProduct Notesにも”1. Download your favorite apps through the Google Play Store or Market installed.”と書かれているくらいです。
追伸ですが、ZUK Z2はGPSが弱いようです。
屋内や電車の車内ではGPSを拾えなくなることが頻発しています。
個体の問題かとも思ったのですが、同様の報告をしているレビュー記事もあるので、機種の問題のようですね。
http://www.notebookcheck.net/Lenovo-ZUK-Z2-Smartphone-Review.170061.0.html
屋外では問題ないので許容範囲かとは思いますが、ポケモンGo端末としては屋内や車内でGPSが使用不能になるのはちょっと微妙です。
うっかり買っておきたい感じですねこれは
かぜさん、こんにちは、コメントありがとうございます。そうっすね、「うっかり」ですね、色んな意味でw 私も欲しいです…
上の方とは違うのですが、「うっかり」買ってしまいました。
しかし、Free shippingにするんじゃなかった。
8日に注文して18日に香港を出発したんですが、
いまはなぜかドイツにいますw
届くのは2月中旬かなぁ。
このレビューを読んで、Lenovo ZUK Z2のコストパフォーマンスには驚きました!性能と価格のバランスが圧倒的ですね。実機の写真や使用感がもっと見たいです!