2024年12月にau・UQ Mobile向けキャリアモデルとして販売開始となったXiaomi 14T(au版XIG07)の実機レビューです。国内向けTシリーズとしては初めてLeicaがチューニングしたカメラが搭載され、Leica独自のカラーフィルター・透かし機能が利用できるようになりました。今回は2年ぶりに「移動機物品購入(通信キャリアで、回線契約なしでスマホ本体のみを購入すること)」を利用しましたが、これだけ高性能でありながらもともとの一括販売価格が安い点も魅力的に感じました。
Xiaomi 13Tも気に入っていたのでギリギリまで迷っていたのですが、結局最新モデルに乗り換えてしまいました・・・
・国内版「T」シリーズとしては初となるLeicaコラボカメラ搭載
・スマホとしての性能もフラッグシップ級
・Xiaomi TurboCharge対応ACアダプターが最初から付属
・元々の定価が安い
ここがイマイチ
・国内ではキャリアモデル
・本格的なカメラを搭載していることを考えるとストレージ256GBでは足りないかも・・・
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Xiaomi 14T:au オンラインショップ
1.スペック
スペック表
Xiaomi 14T XIG07 | |
OS | Xiaomi HyperOS 1(Android 14ベース) |
CPU | MediaTek Dimensity 8300-Ultra |
RAM | 12GB |
ストレージ | 256GB |
ディスプレイ | 6.67インチ(2,712 x 1,220)AMOLED 144Hz |
LTEバンド | 5G:n1/3/27/40/41/77/78 FDD-LTE:B1/2/3/4/5/7/8/12/13/17 /18/19/20/26/28 TDD-LTE:B38/40/41/42 |
SIM | nanoSIM + eSIM |
ネットワーク | 802.11a/b/g/n/ac/ax、Bluetooth 5.4 |
入出力 | USB Type-C |
カメラ | イン38MP/アウト50MP + 12MP + 50MP |
バッテリー | 5,000 mAh |
サイズ | ガラス:160.5 x 75.1 x 7.80 mm PU:160.5 × 75.1.× 7.95 mm |
重量 | ガラス:195 g PU:193 g |
コメント
OSはAndroid 14ベースのHyperOS 1です。前モデルのXiaomi 13Tはau版XIG04、UQ Mobile版ともにすでにAndroid 15ベースのHyperOS 2の配信が開始されていますが、なせか後継モデルのXiaomi 14Tでは配信が遅れています(2025年2月25日現在)。ただ、少なくとも3月中には更新を受け取れるのではないかと予想しています。OSアップデートは4世代(Android 18まで)、セキュリティアップデートは5年間提供される予定です。
SoCはMediaTek Dimensity 8300-Ultraです。先日国内販売が開始されたPOCO X7 Proには後継製品のDimensity 8400-Ultraが採用されていて、CPU・GPU性能ともにDimensity 8400-Ultraのほうが高めですが、Dimenity 8300-UltraもSnapdragon 8 Gen 2とほぼ同等の性能を備えているので、重量級ゲームでグラフィックを最高設定にした状態でもスムーズにプレイ出来ます。
処理性能20TOPS を有するNPUも内蔵されているため、Xiaomi独自のローカル生成AI機能「Advanced AI」も利用可能です。Xiaomi 13Tでは今のところHyperOS 2にアップデートしても「Advanced AI」は利用できず、Xiaomi 14Tシリーズの「特権」ということになります。
RAMは12GB、内蔵ストレージは256GBで、MicroSDカードによるストレージ拡張には対応していません。
国内では上位モデルのXiaomi 14T Proのみオープンマーケット版が販売されていますが、前述の通り回線契約を伴わない端末単体での購入が可能で、最初からSIMロックフリーかつ国内4大キャリアの回線をサポートしています(実際にドコモの格安プラン“ahamo”でVoLTE通信含め問題なく利用出来ることを確認しています)。
バッテリー容量は5,000 mAhで、最大67W出力の「Xiaomi Turbo Charge」をサポートしています。
2.筐体と使用感
付属品はSIMピン、マニュアル、TPUケース、Xiaomi Turbo Charge対応ACアダプター、USB-A to Cケーブルです。今回キャリアモデルでも付属品はグローバル版に準拠しています。急速充電の規格が独自ということもあって、Xiaomi 13Tでは別売だったXiaomi Turbo Charge対応ACアダプターが最初から付属しているのはうれしい限りです。
前面は中央にパンチホールノッチが採用された、他社でもよく見られるデザインですが、ベゼルはギリギリまで狭められています。
背面です。筐体色は「レモングリーン」「チタングレー」「チタンブルー」が用意されていて、「レモングリーン」は本物のレモンの皮を再利用したフェイクレザー素材、「チタングレー」「チタンブルー」はガラス素材を採用しています。
Xiaomi 13Tはフェイクレザーを採用した「アルパインブルー」を選択したのですが、今回は発表当時から一目惚れしてしまった「チタングレー」を迷わず選択しました。その名の通りまるで本物のチタンを使っているかのような質感の高さは本当に素晴らしいと思います。
左側面には何もありません。
右側面にはボリュームボタン、電源ボタンがあります。
前面にはマイク、IRセンサーが配置されています。
後面にはSIMトレイ、マイク、USB-Cポート、スピーカーが配置されています。
システム
前述の通り、グローバルモデルや前モデルのXiaomi 13TではすでにAndroid 15ベースのXiaomi HyperOS 2の提供が開始されていますが、au版・UQ Mobile版Xiaomi 14TはまだAndroid 14ベースのHyperOS 1のままとなっています。
かつてはXperiaやGalaxyのカスタムROMとしても提供されていたMIUIと比べると癖の強さはなくなった印象を受けます。私的に購入した端末かつ、メイン端末として帰宅後すぐセットアップを開始してしまったため、画像は割愛していますが、プリインストールされているのは「Android標準アプリ」「Google純正アプリ」「HyperOS独自アプリ(Mi Store、メモ、テーマ等)」「WPS Office(Microsoft Office互換アプリ)」と「キャリア独自アプリ」になります。
今では当たり前となりましたが、国内版Xiaomi 14TではFelica(おサイフケータイ)も利用できます。かつて、おサイフケータイどころが日本語ロケールすら組み込まれておらず、いろいろ設定を行ったり、有志のユーザーが翻訳した独自の日本語ロケールが組み込まれたカスタムROM(Xiaomi.eu)に入れ替えていたりしていた時代も経験してきたかのあゆとしてはいろいろと感慨深くなってきてしまいます。
まだすべての機能を試せていないのですが、NPUを内蔵しているXiaomi 14Tシリーズでは、Xiaomi独自のオンデバイスAI機能「Advanced AI」もあり、「ノート」アプリでのおける文章の校正・要約や動画視聴時の自動翻訳機能、ギャラリーアプリでのAI画像拡張・AI消しゴム(Googleが提供している「AI消しゴム」とは別)といった便利な機能が利用可能です。
「AI自動翻訳」は日本国内にいても海外の方と接する機会が増えていることもあって、活用する場面が出てくるかもしれません。
環境構築後のシステム情報です。かのあゆの場合、音楽データなどをクラウドに移動してもメイン端末ではゲームもがっつり楽しみたいため、256GBだと少々心もとないというのが正直な感想です。Xiaomi 14T Proのオープンマーケット版であればストレージ512GBモデルも選択可能なのですが・・・
ディスプレイ
ディスプレイの仕様は上位モデルのXiaomi 14T Proと共通となっていて、6.67インチ・1.5K(2,772 × 1,220)・AMOLED(有機EL)、リフレッシュレート最大144Hzというスペックになっています。
ディスプレイの画質は「フラッグシップ端末レベル」で、後述するカメラで撮影した写真はもちろんのこと、動画、画像、ゲームといったあらゆるコンテンツを美しい画質で楽しむことが出来ます。また目の負担を抑える「読書モード」やブルーライトカット機能もあり、かのあゆのようにヘビーに端末を利用するユーザーでも安心です。
Xiaomi 13Tでは存在しなかったフレーム補完機能「MEMC」も利用できるようになっています。以前実機レビューを行ったXiaomi 12 Proにも用意されていた機能ですが、高リフレッシュレートのディスプレイ性能をフル活用できる機能なのでXiaomi 14Tでも利用できるようになったのはうれしい限りです。
スピーカー
スピーカーはステレオです。以前のXiaomi端末のように有名オーディオメーカーによるチューニングは施されていませんが、Dolby AtmosもサポートしているXiaomi 14Tの内蔵スピーカーの音質はかなり良好で、端末単体でも立体感のあるサウンドを楽しめます。
Xiaomi 13Tでも搭載されていた「イマージブサウンド」も健在で、有効にすることで音楽や動画、ゲーム等のコンテンツで没頭感・立体感のあるサウンドを体感できます。また、グラフィックイコライザーも用意されているので、自分好みのサウンドに調整することも可能です。
カメラ
国内版「T」シリーズとしては初となる、Leicaチューニングカメラが搭載されています。イン側は32MP、アウト側は50MP(メイン) + 50MP(望遠) + 12MP(超広角)という構成で、アウト側のレンズはLeicaの「VALIO-SUMMILUX」が採用されています。
Leica要素を除けばカメラアプリの仕様はXiaomi 13Tとほぼ同じ・・・と思っていたのですが、その名の通り映画のような動画を簡単に撮影できる「映画モード」や他のXiaomi端末と連携して本格的な動画撮影を行える「監督モード」といった機能が追加されていて、大幅に強化されています。
実はLeicaの名称を冠することが出来なかった国内版Xiaomi 13T・13T ProでもXiaomiとLeicaが共同開発した「Leica バイブランド」モードが適用されていましたが、Xiaomi 14T・14T ProではLeicaの一眼レフカメラの色合いを再現した「Leica オーセンティック」モードに切り替えることも可能になりました。
Xiaomi 14TとXiaomi 14T Proではアウトカメラの仕様が微妙に異なっていて、Xiaomi 14T Proでは「メインカメラのCMOSセンサーがLight Fusion 900、望遠カメラの焦点距離は60mm」というスペックになっているのに対し、Xiaomi 14Tでは「メインカメラのセンサーはIMX906、望遠カメラの焦点距離は50mm」に変更されています(いずれもCMOSセンサーはソニー製)。
より多くの光を取り込むことが出来るため、CMOSセンサーのサイズが若干大きくなっているXiaomi 14T Proのほうが暗所では若干有利になっているかと思われますが、Xiaomi 14Tでもクオリティの高い写真を撮影可能です。
Leicaによるカラーフィルターや透かしも設定可能です。上記写真はお台場にある「台場一丁目商店街」に展示されている“本物”の0系新幹線のカットボディを「Leica Sepia」フィルターを適用して撮影したものになりますが、なかなかレトロな感じに撮れていると思います。
本物の一眼レフを使用しているカメラマニアからすれば「こんなの本物のLeicaと違う!」と言われてしまうかもしれませんが、比較的気軽に購入出来る約6万円のスマホで「それっぽい」写真を撮影できるのは魅力的だと思います。購入してからまだ一週間程度となりますが、久々に「撮っていて楽しい」と思えるカメラになっていていろいろ撮りだめています。
3.性能テスト
AnTuTu Benchmark v10での総合スコアは1,296,243点です。これは2年前のハイエンド端末に採用されていたSnapdragon 8+ Gen 1とほぼ同等のスコアとなります。Xiaomi 14T Proに搭載されているDimensity 9300+だと170万点台を計測するようですが、かのあゆの使い方だとほとんどの場合Helio G99やDimenity 700のようなエントリー〜ミッドレンジクラスのSoCでもストレスを感じることはないので、これでも十分高性能に感じられます。
「原神」はなかなかやり込める時間が無く、あまり参考にはならないと思いますが、比較的端末への負荷がかかりづらいとされている序盤エリアの「スメール」であれば最高画質設定でもフレーム落ちすることなく快適にプレイ可能でした(ただし、アップデートで追加されたエリアの方が端末への負荷が高いとされています)。
せっかくなのでXiaomi 14Tへの乗換を機に「原神」もしっかりプレイしようと思います・・・
4.まとめ
Xiaomi 14Tはau、UQ Mobileから販売中となっていて、一括価格は57,300円です。
ちょうどXiaomiのサブブランドであるPOCOのニューモデル、X7 Pro 5Gも国内販売が開始されていて、Xiaomi 14Tとほぼ同じ価格でより性能が高いSoCと大容量RAM・ストレージ(12MB/512GB)を搭載するモデルが購入出来たので迷ったのですが、グローバル版そのままの仕様でおサイフケータイが搭載されていないのと、「Leicaがチューニングを担当したXiaomiのカメラ」を試したかったこともあって迷わずXiaomi 14Tを選択しました。Xiaomi 14TにしてもPOCO X7 Proにしても「大丈夫か?」と思えるほど安すぎるんですよね・・・
LeicaとコラボレーションしたXiaomi端末といえば昨年ガジェクラの間でも購入している方が多かったXiaomi 14 Ultraがありますが、中古であれば10万円台前半から購入出来るようになってきたとはいえ、個人的には気軽に買えるとは言えないため、ミッドレンジ並みの価格でハイエンドクラスの性能とLeicaがチューニングしたカメラが手に入るXiaomi 14Tは気軽に手を出せるという意味でもかのあゆにとってはちょうどいい一台だと思っています。
5.関連リンク
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