こんにちは。かのあゆです。新年最初のレビューは8インチゲーミングタブレット「Wink Pax G1」になります。この手のゲーミングタブレットは中華タブレットとしては数年前から存在していましたが、ほとんどが某携帯ゲーム機を模したデザインを採用した機種ばかりだったので、こういったある意味”正統”なゲーミングタブレットはちょっと珍しかったりします。
細かいスペックやAntutuベンチのスコアなどは先行レビューを参照にしてください。ここではソフトウェア面のレビューと実際にゲームタブとして使ってみた感想を書いていきたいと思います。
本当に”素の”Android
搭載OSはAndroid 5.1″Lolipop”。現在7.x”Nougat”がリリースされた今となっては2世代前の古めのバージョンとなっていますが、正直UI面でそこまで大きく変化したわけではないので、実用面においては特に問題はないのではないかと思われます。
プリインストールされているソフトウェアは本当にシンプルそのもので、先行レビューにもある通り、この手のゲーミング中華タブレットではありがちなライセンス的にアウトなROMを含んだエミュレーターはもちろんのこと、中華タブレットにはおなじみの独自アプリストアなども一切なし。それどころかGoogle Mobile Service関連のコンポーネントが一切搭載されていません。(そのためGoogleアカウントの追加も不可能)
本当にオープンソースで公開されているAndroid 5.1をそのままビルドして搭載したような仕様になっています。ブラウザもGoogle Chromeではなくいわゆる”AOSPブラウザ”が搭載されています。
Google Mobile Serviceが搭載されていない端末にこれらのサービスをインストールする場合、手順としては2つほどあって
- Xiaomi端末向けに提供されているGoogleインストーラーを利用して各種コンポーネントを一括インストールする方法
- rootを取得してTeam Win Recovery Project(通称TWRP)などのカスタムリカバリを導入し、リカバリ経由でGoogle Apps(GApps)をシステムアプリとしてインストールする方法
となります。1の場合はrootを取得しなくてもインストールできるので安全です。また現時点では本機でrootを取得することができず、TWRP等のカスタムリカバリもリリースされていないようですので、今回は正当方法でXiaomi端末用のGoogleインストーラー経由での一括インストールを試してみました。
インストール自体は簡単で、アプリを起動したら導入したいGoogle Appsを選択するだけでインストールが完了します。この際Google関連のサービスの動作に必要な「Google サービスフレームワーク」「Google 開発者サービス」「Google Play Store」なども導入されます。
ただし、Wink Pax G1ではGoogle関連のコンポーネントのインストール自体はうまくいったのですが、起動しようとするとGoogle サービスフレームワークやGoogle Play Store自体が停止してしまい、うまく利用することができませんでした。
時間がたてば、XDA Developerなどで集まっているGeekな方たちの手でroot化の手段やカスタムリカバリー、カスタムROMがリリースされる可能性はありますが、現時点ではGoogle関連のサービスは原則利用することができないため、Amazon App Storeなどのサードパーティ製ストアアプリを利用するしかありません。
Amazon App Storeも公開されているアプリ自体はだいぶ増えてきたものの、Google関連のアプリは当然公開されていませんし、メジャーなタイトルはAmazonが販売するFireシリーズのみの対応となっているため、どうしてもGoogle Play Storeで配信されているものと比べるとアプリの数は少なくなってしまいます。
APKファイルを入手してインストールする方法もありますが、APK配布サイトではライセンス及びセキュリティ的に怪しいサイトも多数存在するため、初心者が環境構築するには苦労しそうな印象です。
実際にゲームをプレイしてみた
インストールできるアプリがかなり限定されてしまうのが残念ですが、Amazon App Storeで入手できるゲームのうちBluetoothゲームコントローラーをサポートしているアプリをいくつか試してみました。試したアプリは「DRIFT MANIA STREET OUTLAWS」の無料版です。ドリフトでポイントを稼ぐ本格的な3Dレースゲームになっています。
Wink Pax G1は現在となってはそれほど高性能とはいえず、日本国内で売られているゲーミングタブレット(acer Predator 8、 NVIDIA SHILEDなど)と比較してしまうとどうしてもスペック的には見劣りしてしまう印象は否めないのですが、このゲームはリリース時期が古めなこともあり、動作自体は特にフレーム落ちすることもなく軽快に動作していました。
携帯ゲーム機としては正直大き目な印象ですが、やはりこの手のゲームはゲームパッドでプレイしたほうが細かいハンドル調整などもできて快適にプレイすることができました。
最新のゲームタイトルはさすがにこのスペックで動作させるには厳しい印象ですが、Amazon App Store内で配信されているゲームをプレイするのであれば特に問題はないのではないでしょうか。
ちなみに付属しているゲームコントローラーですが、Wink Pax G1専用デバイスというわけではなく、汎用性のあるBluetoothゲームコントローラーなので、別機種でもペアリング設定すればゲームパッドとして利用できます。実際にXPERIA X CompactでペアリングしてASPHALT 8をプレイしてみたのですが、普通にパッド操作でゲームをプレイすることができました。
初心者には厳しいかも
ゲームタブレットとして、スペック的にはややパワー不足ですが、本体デザインはゲーミングタブレットらしいものになっており、またこの手の中華タブレットにありがちな怪しいアプリ群もプリインストールされていない「素の」Andorid機そのものな点はかなり好感が持てました。
またゲームパッド自体も質感が高く、普通にゲームタブレットとして完成度が高い一台だとは思うのですが、現状Google Mobile Service関連が利用できないため、インストールされるアプリがかなり限定されますので、初心者が手を出すには現状ではちょっと厳しいかなぁ、というのが正直な印象でした。
なおこの機種に関しては後程PDA工房に専用フィルムを張ってもらい、読者レビューをお願いする予定です。付属品としても液晶保護フィルム自体は付属していますが、フィット感に関してはPDA工房のフィルムのほうがはるかに完成度が高いので期待できそうです。
関連リング
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Wink Pax G1 - 8インチAndroidタブレットにゲームパッドがついた変わりもの、しかしカッコいいし面白い(実機レビュー)
WinkPax G1:Banggood
※レビューに使用している製品はBanggoodの提供品です