こんにちは、ウインタブ(@WTab8)です。今回はすごく面白い製品の実機レビューです。中国の「Wink Pax G1」という、8インチサイズのAndroidタブレットなのですが、着脱ゲームパッドが付属します。スペックもそこそこよさそうだし、ゲーム機としても使えそう、ということで紹介記事を書いた際にも読者からいろいろとコメントをいただいているので、割と注目度が高い製品だと思います。
実機を使ってみて、いろいろと驚いたところもあるのですが、そのへんも含めしっかりレビューしていきたいと思います。なお、この製品は中国の通販サイト「Banggood」に提供していただきました。Banggoodにはこの場にて御礼申し上げます。ありがとうございました。
1.スペック
OS: Android 5.1
CPU: MT8783(オクタコア、1.3GHz)
RAM: 2GB
ストレージ: 32GB
ディスプレイ: 8インチIPS(1,920 x 1,200)
ネットワーク: 802.11 b/g/n/、Bluetooth 4.0、LTE、3G
カメラ: イン8MP/アウト13MP
入出力: microUSB、microHDMI、オーディオジャック、microSD、microSIM
バッテリー: 5,400mAh(14時間)
サイズ: 214 x 124 x 9 mm / 730 g
最初にスペックを確認します。OSはAndroid 5.1なので、そんなに新しい方ではないですね。また、CPUのMT8783についても「おそらくミッドレンジのCPU」ということくらいしか情報がなく、実際どの程度の性能なのかは気になるところです。
また、この製品はLTE対応しています。地味にここが大きかったりしますよね。残念ながら実機レビューでは通話やLTE通信を試すことができませんが、電話アプリが入っており、通話可能だと思います。
この製品に関してはゲーム用、という性格が非常に強いため、ある程度高性能である必要がありますし、ゲームパッドを装着してなんぼ、というところもありますので、正直スペック表だけ見ても何とも言えません。
これが試用機のシステム構成とストレージ構成です。ストレージが32GBということでAndroid タブレットとしては十分な容量かな、と思いますし、初期状態での空き容量も25GB強と、納得できる水準です。
2.筺体
同梱物です。本体とゲームパッド、HDMIケーブル(この製品は外部ディスプレイにも接続できる「3 in 1」をセールスポイントにしています)、USB(オス)- microUSB(オス)のケーブル(主に充電用です)、USBポートのついたACアダプター、液晶保護フィルム、そして英語表記のマニュアルです。マニュアルは基本的に本体とゲームパッドの各部名称に終始した内容なのですが、この製品はゲームパッドも含めるとあちこちにボタンとかスイッチがあるので、使い始めの頃はマニュアルが必要になります。
まずは本体背面から。中央部分の素材は金属製で、両端がプラスティック製です。画像右側にカメラユニットが、左側にはスピーカーの穴が見えます(モノラルスピーカーです)。また、両端に丸い穴があいていますが、これはゲームパッド接続用です。
右側面です。青いモールのようなものは筺体フレームで、素材は恐らく金属だと思います。この側面には電源ボタンと音量上下ボタンがあり、形状はWindows タブレットによく似ていますね。ボタンの操作感はいいです。
上面です。ポート類はこの側面のみにあります。画像左からオーディオジャック、microUSB、microHDMIポートとなります。
すみません、撮影場所と時間が異なるため、画像の色味がおかしいのですが、これは筺体上面のカバーを外したところです。ブルーの部分は筺体フレームで金属製、そこにmicroSIMスロット(上側)とmicroSDスロット(下側)があります。
左側面にはボタンやポートはありません。両側にある青いボタンのようなものはデザイン上のものであって、ボタンではありません。
底面です。ここにも何もありませんが、画像左側に小さな穴が開いていて、(通話用の)マイクとなります。
筺体は八角形でゲーミングタブレットっぽい雰囲気がありますね。ゲームパッドと一緒にするとこんな感じです。ゲームパッドは意外に大きいんですよ。
参考までにXBOXコントローラーと並べてみました。XBOXコントローラーと横幅は似た感じですが、上下方向には大きいことがわかります。この形状で持ってみた(握ってみた)感触は悪くないです。というか持ちやすいですね。
コントローラーの前面(でわかりますよね)です。LB、LTとRB、RTの4つのボタンがあります。また画像右側にmicroUSBポートが見えますね。この製品はタブレットとはBluetooth接続です。
裏側です。画像の中央付近に2つスイッチが見えますが、これはタブレットとの接続時、ゲームパッドを固定するためのものです。また、画像下側には丸いボタンがありますが、これは…
パッドを展開したり閉じたりする際のロックボタンです。この製品はパッドを中央部分でパカっと割って、そこにタブレットを装着する構造になっています。
これがフルオープンしたところ。
で、ここにタブレットを入れて、裏側のスイッチで固定する、という仕組みです。操作はごく簡単で、ある程度しっかり接続できますが、「振り回しても平気」という感じでもありません。ゲーム用として考えると接続の強度はやや不足していると思います。もちろん乱暴に扱わなければ普通には使えますけどね。
別アングルから見るとこんな感じです。なかなかカッコいいですよね!
横から見たところです。ゲームパッドに厚みがあるので、かなりゴツい感じになります。個人的にはなかなか強そうでいいなあ、と思いました。
3.使用感
最初に非常に重要な話、プリインストールアプリから説明します。この製品のPR文句として「XBOXやPSPのソフトが使える」みたいなことが書いてありまして、もしそれが権利関係に問題のないものであれば大歓迎なんですけど、どうも怪しい…というのがありました。なので、実機試用の際に最初にチェックしてみました。
結論から言うと、この製品は全くのプレーンな状態で出荷されており、エミュレーターのようなものは一切入っていませんでした(上の画像では、私がインストールしたAmazonやAntutuなどのアプリも表示されています)。それだけならいいんですが、Google Playを始めとするGoogle関連のアプリもありませんでした。以前かのあゆさんが記事にしていましたが、今どきあるんだなあ、こんなの。
Android入門 - なぜGoogle Play Storeが存在しないAndroidタブレットが存在するの?(かのあゆ)
このようにGoogle Playのない中華タブでGoogle Playを使えるようにする「Xiaomiのツール」、というのが存在するのですが、試してみたところ、この製品では使えませんでした。また、root化すれば使えるじゃん、というのもあるんでしょうが、実機レビューの段階でroot化なんてできません。
なので、Amazonのアプリストア経由でアプリをインストールする、というのが一番手っ取り早いです。実際Amazonであれば相当数のアプリがありますし。また、PCから直接APKファイルを流し込む、という方法でもいいんですけど、とりあえず手軽なのはAmazonですね。
実際、いくつかゲームをやってみました。ゲームを探していて感じたのは、Androidの場合、ゲームパッドに対応するアプリはそう多くはない、ということです。せっかく立派なゲームパッドがあっても、アプリストアにあるようなものだとゲームパッドに対応しないので、宝の持ち腐れ、ということを若干感じてしまいました。
それでもレース系のゲームはなかなかおもしろかったです。私が試したのは「Real Racing 3」というものでしたが、タブレットにゲームパッドを装着した状態で、結構楽しく遊べました。操作感は悪くないです。
ただ、もともとAndroidの一般的な人気ゲームというのはタッチ操作で十分快適に遊べるようにできているので、私が試した限り、ゲームパッドがあるから遊びやすい、というのはあまり感じられなかった、というのが正直なところです。なので、ゲーム上級者がゲームパッドだとより快適に遊べるアプリを確保した上で使うべきかな、と感じました。また、より高度な遊び方をするためには素のAndroidよりもカスタムROMを導入したほうがいいのかもしれません。
ちなみにゲームパッドはBluetooth接続なのでタブレットと分離した状態で使えます。あるいはこちらのほうが快適に操作できるかもしれません。このへんは使う人の好みの問題だと思います。なお、このゲームパッドはXBOXのコントローラーによく似ていますが、Windows PCで試してみたところ、専用のドライバーを入れてもXBOXコントローラーとして認識されませんでした。なので、少なくともWindows上でXBOXコントローラーとして使うことはできません。
一方、タブレット本体の使用感は上々です。まず、筺体の剛性感が感じられ、中華タブにありがちな華奢な印象は全くありません。おそらく日本メーカー製品よりも上と言えるかもしれません。デザインもなかなか強そうですし、ディスプレイの美しさも評価します。
実機レビューではテストしていませんが、LTE対応ということもあり、派手なゲームパッドばかりに目を奪われてしまいがちなものの、本体の品質は素晴らしいものがあると思いました。
4.性能テスト
今回はAntutuベンチマークでスコアを測定しました。
参考
BungBungame KALOS 2(Samsung Exynos 7420): 88,439
Chuwi Vi 10 Plus(Remix OS、Atom X5-Z8300): 64,259
Teclast TBook 16 Pro(Atom x5-Z8300): 58,578
Chuwi Hi 10 Pro(Atom x5-Z8300): 57,824
Onda OBook 20 Plus(Atom x5-Z8300): 57,378
Chuwi HiBook(Atom X5-Z8300): 56,728
Cube iWork 8 Air(Atom x5-Z8300): 55,918
Onda V80 Plus(Atom x5-Z8300): 55,473
GOLE 1(Atom x5-Z8300): 55,436
マウス MADOSMA Q601(SnapDragon 617): 48,008
Teclast X89 Kindow(Atom Z3735F): 47,495
YOKA KB2(Amlogic S912): 36,679
マウス MADOSMA Q501(SnapDragon 410): 35,663
Teclast X10(MediaTek MT8392): 31,561
Cube WP10(SnapDragon 210): 29,273
Cube T8 Super Version(MediaTek MTK8735P):23,925
ドスパラ Diginnos Mobile(SnapDdragon 210): 23,785
FREETEL KATANA 01 (SnapDragon 210) : 22,724
MT8783というCPUに関しては十分な情報がなく、「Antutuで36,629」というデータがあるのみでしたが、実際に測定してみるとやはり40,000弱というスコアになりました。これってSnapdragonだと410よりもちょっといいくらいの数値なので、Snapdragonの800番台はおろか600番台にも及ばないくらいです。ミドルレンジのCPUということは言えると思いますが、ゲーミングに力を入れた製品としてはやや物足りないかもしれませんね。ただ、一般的なAndroidのゲームをするくらいなら全く問題はないと思います。あとは「例のエミュレーター系」で遊ぶとしたらちょっと力不足かな。
5.まとめ
WinkPax G1は中国の通販サイト「Banggood」で販売中で、価格は309.77ドル(36,799円)となっています。品質のよいLTE対応の8インチAndroidタブレットに個性的なゲームパッドがついての価格ですから、中華製品としても妥当な価格なのではないか、と思います。
この製品の気になる点としては、やはりGoogle Playに対応しない、という点が大きいです。なので、特段Androidに詳しいという人でなければAmazonのアプリストアを使ってアプリを入手する、という格好になりますし、腕自慢の人ならRoot化してカスタムROMを導入する、ということになるだろうと思います。
また、付属のゲームパッドですが、コントローラーとしての機能は優れているものの、Androidの人気アプリでコントローラー対応するものは数が限られているので、本領を発揮しにくい場面があるだろうと思います。また、このゲームパッドはBluetooth接続のため、必ずしもタブレットと一体で使う必要はなく、分離して普通にコントローラーとして使うことができます。対応するアプリさえいろいろ見つかるようなら価値の高い付属品と言えそうです。
この製品、読者レビューをお願いするつもりなのですが、その前にゲームについて私よりもずっと詳しいかのあゆさんにもう一度レビューしていただき、PDA工房に液晶保護フィルムを貼ってもらってから読者レビュアーに届けたい、と思っております…。
6.関連リンク
WinkPax G1:Banggood
コメント
いつも更新楽しみにしております。
これ素敵ですね!
冷静に考えればgoogle playプリインストールしてないのどうなの?とかそもそもコントローラーで画面挟む意味あるの?とか考えちゃう部分もありますが、そういうのを全部吹き飛ばすようなワクワク感がありますね!ガジェット好きかつゲーム好きの自分にはどストライクの商品です。
一つ気になるのは、非対応のアプリも多いということです。どのアプリがコントローラーに対応しているのかをインストール前に知ることはできるんですかね…。まあもし買ったら意地でも対応アプリ見つけて遊び倒しますが(笑)
げーまーさん、こんにちは、コメントありがとうございます。ご感想を書いていただいたとおり、「コントローラーで画面挟む意味あるか」とか「対応ゲームが少ないのではないか」というのは当たっていると思います。また、それらの懸念を吹き飛ばすワクワク感がある、というのも当たっていると思います。こういう、若干怪しいのに理解のある人にはオススメですねw
ちょっと海外サイトをあたってみたところ、「なんか見覚えのある写真だな〜」と思って当サイトを確認してみたところやっぱり同じ写真でしたw
記事の公開日時はウィンタブさんのほうが2日ほど早いですね。
一応リンク張っておきます。
http://www.xiaomitoday.com/winkpax-g1-review-8-inch-android-tablet-with-a-gamepad-attached/
ふんぼさん、こんにちは、コメントありがとうございます。また通報感謝です。さすがにひどいと思ったので、一応抗議のメールを出しましたが、どうなることやら…。
もしかしたらMicroGをインストールすればイケルかもしれないですね。
Google Play関連をオープンソース化したものらしいです。