こんにちは、ウインタブ(@WTab8)です。今回は10.1インチのAndroid タブレット「TJC Metal Tablet 10」の実機レビューです。TJC株式会社から実機をお借りしました。在庫商品の価格を見直しての仕切り直し、ということなので、割安感がありますし、十分な性能と筺体のしっかり感があり、試用していて安心感がありました。
1.スペック
OS: Android 5.0.2
CPU: Rockchip RK3288
RAM: 1GB
ストレージ: 16GB
ディスプレイ: 10.1インチIPS(1,366 × 768)
入出力: microUSB 2.0、miniHDMI、microSD、オーディオジャック、
ネットワーク: 802.11 a/b/g/n/ac、Bluetooth 4.0
カメラ: イン0.3MP / アウト2MP
バッテリー: 4,500 mAh
サイズ: 261.1 × 155 × 8.9 mm / 510 g
スペックの方はRAM1GB、ストレージ16GBというところに物足りなさを感じてしまいますね。しかし、CPUのRK3288というのはAntutuで40,000程度のスコアが出る、そこそこの性能を発揮できるものです。OSはAndroid 5.0ですが、普段使いで困る場面もなさそうです。ディスプレイはちょっと変わっていて、ノートPCによく見られるアスペクト比16:9のワイドタイプとなります。また無線LANは5GHz帯に対応していますね。
この製品はバリエーションがひとつだけなので、試用機のスペックはスペック表と全く同じになっていました。
2.筺体
同梱物です。かなりシンプルで、タブレット本体のほか、取扱説明書兼保証書(当然日本語です)、USB(オス)- microUSB(オス)のケーブルが1本のみでした。
こうして見るとかなり細長いですね。アスペクト比16:9のタブレットとはこんなものか、と思います。ただ、Androidスマホの多くもアスペクト比16:9であることを思えばアプリの表示などの面で、「Androidは16:9」という考え方でもいいような気がします。また、ベゼル幅がやや太めですが、ディスプレイがそもそもワイドタイプなので、縦持ち時には幅が小さくてすみ、持ちやすくなっています。
この製品の入出力ポート類やボタン類は全て上面に集中しています。画像左からmicroSDスロット、電源ボタン、オーディオジャック、miniHDMI、microUSB、音量ボタンとなります。音量ボタンと電源ボタンの位置が独特ですが、特に使いにくいということはありません。
それ以外の3つの側面はご覧の通り、なんにもありません。また、画像を見てもらえればわかる通り、かなり直線的なデザインになっています。こうしてみると結構な厚みがありそうなのですが、8.9 mmなので、決して厚い、ということもありません。デザイン上そう見えちゃうんですね。タブレット製品は比較的周辺部をラウンド処理しているものが多い中、結構個性的ですし、個人的には好感が持てます。
背面です。製品名の通り、素材は「メタル(おそらくアルミ合金)」です。角ばったデザインと合わせ、触った感じはかなり「固い」です。今までに試用したタブレットの中でも指折りの固さで、かなり頑丈そうなイメージがあります(試用機なので乱暴なことはしてないです)。
背面の上部にはポート類やボタン類の説明が印字されていて、特にタブレット初心者にはありがたいと思われます。
背面の下部にはステレオスピーカーがあります。ただ、かなり左右のスピーカーが接近して配置されているので、ステレオ感は弱いです。
最近は中国タブレットの質感も向上していますが、この製品は質感が高いだけでなく、見るからに頑丈そうですし、どこかのタブレットのようにちょっとひねったくらいでミシミシいいません。こういう部分はスペック表には現れない部分で、やっぱ日本メーカーの製品はしっかりしてるわー、と思いました。
3.使用感
Metal Tabletはキーボードが付属しない、ある意味純タブレットなので、タブレットらしく使ってみました。まず、細長い筺体なので、縦持ちは非常にラクです。10インチタブレットの場合、最新のものだと幅が160 mmを切るものがありますが、この製品の155 mmという幅は結構細い部類に入ります。なので、510 gという重量ながら、片手での取り回しが快適でした。また、ディスプレイも解像度はHD止まりながら視野角も広く、発色もよく、必要十分な性能であると思います。
プリインストールアプリはほとんどがGoogle関連のもので、アプリ数は多いのですが、無駄なものは少ないと思いました。UIも完全に「素のAndroid」で、このあたりも好感が持てました(もちろん好みの問題だと思います)。
システムの挙動も良好でしたが、アプリの起動でワンテンポ「待ち」があります。もっさりというのとは少し違います。立ち上げがワンテンポ遅れる、という印象で、起動してしまえばストレスなく動かすことができます。
ゲームでは「Asphalt Nitro」をやってみました。Windowsのストアアプリでもおなじみの「Asphalt 8」のアプリサイズを小さくした、いわば軽量版です。とはいえ、私のレベルだとこれでも十分すぎるくらいリアルで、難易度もそれなりに高いレースゲームなのですが、このゲームはごく快適に遊ぶことができます。CPUの処理能力はこのくらいのゲームだと全く問題ないようです。
また、ニュースアプリ、具体的にはスマートニュースも使ってみましたが、縦持ちだと表示項目が増える感じですね。この製品の16:9というアスペクト比にメリットを感じました。
最後にバッテリーですが、これ、相当長持ちします。午後2時にバッテリー残量が60%くらいの状態で、この製品を持って外出し、途中30分位使って夕方6時に帰宅、その後ベンチマークテストやアプリのインストール、ゲームなどで3時間くらい使って、残量10%になりました。使い方にもよるので断定はできませんが、6時間以上は持ちそうな気がします。
4.性能テスト
性能テストとして、いつものように「Antutu」と「GeekBench 4」を試そうとしたのですが、Antutuがうまく動作してくれませんでした。具体的には3Dのところで「サポートしていません」という警告が出てしまいます。スペック上これはおかしいので、調べてみたら他のアプリとの競合が発生しているのが原因だった、という事例を発見しました。なので、手探りで一部のアプリのアンインストール、再インストールなどをしていけばいいのですが、結局Antutuは単なるベンチマークテストにしか使わないわけで、GeekBenchのほうはしっかり測定できたので、まあいいや、ということにしました。
参考
BungBungame KALOS 2(Samsung Exynos 7420): 1,530、5,386
*Chuwi Hi 10 Plus(Atom x5-Z8350): 906、2,088
*Chuwi Hi 10 Pro (Atom x5-Z8300) : 879、1,960
*Teclast TBook 16 Pro(Atom x5-Z8300): 860、1,942
*Onda OBook 20 Plus(Atom x5-Z8300): 838、1,920
Chuwi Vi 10 Plus(Remix OS、Atom X5-Z8300): 772、2,226
Cube iWork 8 Air(Atom x5-Z8300): 745、2,136
GOLE 1(Atom x5-Z8300): 738、2,123
Onda V80 Plus(Atom x5-Z8300): 717、2,092
H96 Plus(Amlogic S905): 554、1,603
*YOKA KB2(Amlogic S912): 427、2,229
注)*があるものはGeekBench 4、それ以外はGeekBench 3のスコア
GeekBenchのスコアは決して悪くないです。というかむしろいいです。Windowsでは低スペックとされるAtomですが、Android OS上だとミッドハイクラスの性能を発揮することができます。Metal TabletのスコアはAtom Z8300と比較してそれほど劣らない、というかそれに近いスコアになっていて、Android機としては中位レベル以上の性能を発揮できると思います。
あとはRAM1GBということでポケモンGOには対応しませんし、重いゲームだと少し厳しいとは思います。でも、かなり健闘しているほうだと思いますよ。
5.まとめ
TJC Metal Tablet 10はTJCの直販サイト「StarQオンライン」で販売中で、価格は税込み15,984円とのことです。また、在庫品のため、一部に細かいキズなどがある可能性がある、ということでした。
ウインタブでは日頃から中国のデュアルブートタブレットなどを取り上げていますし、読者のみなさんもタブレットに関しては十分な知識を持っていると思うのですが、やはり中華製品と比較してしまうとどうしても割高感があると思います。私も最初そう思いました。
ただ、この製品のCPUは決して低性能ではないです。もちろんハイスペックなスマホにはかないませんが、タブレットとしての日常利用に支障を感じることはまずないだろうと思います。この製品よりも安い10.1インチAndroidタブレットというのも市場に存在しますが、それらはみなRAM1GBだったりストレージも8GBとか16GBだったりしますし、おそらくCPU性能ではこの製品に及ばないと思います。
また、筺体品質が明らかに価格以上です。今回は在庫品をリニューアルして価格の見直しを行っての発売、ということなので、もともとは高価格な製品なんだろうと思います。そういう意味ではかなりお買い得と言えます。
それと、TJCに念押しされたことがあります。「ウインタブさん、この製品、もちろん技適ありますから。それと、電話などのサポート体制は自信があります。なので、タブレットに詳しくない方にも安心して使ってもらえると思います。」ということで、このあたりは中国製品とは明らかに対応が異なります。
ウインタブ読者ご本人に、というのもアリだと思いますが、頑丈な筺体ということから、お子さんに、とか、電話サポートがしっかりしていることから、故郷のおじいちゃんやおばあちゃん(PC操作に全然慣れていない人を想定しています)に、とかの目的でご購入されるのもいいと思います。そういうのが日本メーカー製品のいいところですよね!
6.関連リンク
10インチ Android タブレット Metal Tablet 10:StarQオンライン
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