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Teclast T60AI レビュー - Teclastの「赤い」AIタブレット。ディスプレイ解像度が上がり「外部モニター出力でPCモード」が快適に!

Android

Teclast T60AI
Teclast T60AIの実機レビューです。先日レビューした「P50AI」に続き、Teclastとしては2機種目となる「AIタブレット」です。Teclastのタブレット製品には「Pシリーズ(エントリー)」「Mシリーズ(中位)」「Tシリーズ(上位)」があり、P50AIはPシリーズなので「ざっくり」エントリーモデルと言え、今回レビューするT60AIはTシリーズですから「上位モデル」という位置づけになります(そんなに大きく価格が異なるわけでもないんですけどね)。

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そのため、T60AIは全体的にP50AIよりも高品質に仕上がっていて、特にディスプレイの仕様が向上したことにより、製品の特徴が一段と強調された、と感じます。

P50AIのレビューはこちらです。この記事とあわせ、ご参照下さい。

Teclast P50AI レビュー - 低価格ながら独自のAI機能を多数搭載する、Teclast最大の意欲作!PCモードも使えます
Teclastのタブレット「P50AI」の実機レビューです。この製品はTeclast初、というかウインタブが知る限り国内向けタブレット初の「Android 15」機です。また、SoCにはTeclastがAllwinnerと共同開発したSoC...

なお、このレビューはTeclastより実機のサンプル提供を受け実施しています。


ここがおすすめ

・Android 15搭載で素直なユーザーインターフェース
・SoCのAllwinner A733はAI処理チップNPUを内蔵
・PCモードに対応、外部映像出力も可能
・独自のAI機能が意欲的!
・USB Type-Cポートを2つ装備
・個性的で美しい「チェリーレッド」の筐体色
ここはイマイチ
・AI機能がすべて実用的とは言えないが、頑張っているのがわかるから許す
販売サイトはこちら
TECLAST T60AI タブレット:Amazon

1.スペック

スペック表

  Teclast T60AI
OS Android 15
SoC Allwinner A733
RAM 6GB(拡張機能により最大16GB)
ストレージ 128GB
ディスプレイ 11.97型(2,000 × 1,200)
LTEバンド
SIM
ネットワーク Wi-Fi6、Bluetooth5.4
入出力 USB Type-C × 2 、microSDカードリーダー、オーディオジャック
カメラ イン5MP/アウト13MP + 0.08MP補助カメラ
バッテリー 8,000 mAh
サイズ 283 × 178.2 × 8.4 mm
重量 624 g

ポイント

スペック表から読み取れるT60AIの特徴として、OSがAndroid 15であること、SoCが新開発のAllwinner A733(AI処理チップNPUを内蔵)であること、そして「USB Type-Cポートを2つ装備し、映像出力に対応する」ことが挙げられます。また、P50AIとの対比ではディスプレイが「11インチ・1,280 × 800解像度」から「12インチ・2,000 × 1,200解像度」に変わった、というのが大きいです。

それと、スペック表には記載がありませんが、T60AIはP50AIと同様に「PCモード」が使えます。このレビューではT60AIのAI機能を概観・評価するとともに、P50AIではディスプレイ解像度が低かったことにより「イマイチ(20インチ以上のモニターで1,280 × 800解像度は厳しい…)」と感じられた「外部映像出力+PCモード」の使用感を確認してみたいと思います。

2.外観

Teclast T60AI 外箱
冒頭に書いた通り、Teclastの「Tシリーズ」は最上位グレードです。Tシリーズ製品の外箱には必ず「匠心(中国で使われている用語です。製造業における『クラフトマンシップ』とほぼ同義です)」という漢字が印字されています。また、T60AIは私が知る限り「Tシリーズでは初の『赤い筐体』」になっており、外箱も(これまた私は初めて見る)赤い色です。

Teclast T60AI 同梱物
同梱物です。取扱説明書と保証書、ACアダプター、USB Type-A – USB Type-Cのケーブルです。ACアダプターは日本のコンセント形状に合うプラグ形状で出力は10Wのものでした。10Wでの充電は低速ではありませんが、2025年現在だと「急速充電」と呼ぶにはちょっと厳しい出力です。

Teclast T60AI 前面
前面です。ベゼル幅は太くもなく細くもなく、という感じで、製品の価格帯を考えると悪くないかな、と思います。Webカメラは(横持ち時の)上部ベゼル中央にあります。なお、Teclast T60AIはWidevine L1(DRM Infoで確認)ですが、レビュー機はNetflixでL3判定となりました。つまり、「現時点で」NetflixではHD画質視聴ができません。ただし、TeclastはNetflixでもL1判定になることを謳っていますので、後日OTAアップデートでL1対応するものと考えます(過去のTeclast製品でも同様のケースがありました)。

発色品質は「ユーザーが調整できる項目が非常に多く、AIによる支援機能もある(後述します)」ので、多くの方は納得できるものになっている(あるいは納得できるように自分で調整できる)と思います。

Teclast T60AI 背面
背面です。鮮やかさを抑えた、しかしキレイな赤です。メーカーではこの色を「チェリーレッド」と呼んでいます。また、カメラバンプのデザインも「八角形で金枠」と、ちょっとゴージャスな印象です。

Teclast T60AI 背面の保護フィルム
一つ上の画像では撮影のため剥がしてしまいましたが、Teclast製品には背面に保護フィルムが貼られています。もちろん「剥がして使う前提」だと思うのですが、キレイに貼り付けられており、筐体の保護に役立つと思いますので、このまま使うほうがいいかもしれません。

Teclast T60AI 左側面

左側面


左側面です。TeclastのAIタブレットで特徴的なのが「USB Type-Cポートが2つある」という点です。うち1つ(画像右端)は映像出力にも対応し、2つともデータ転送と充電に対応します。2つのUSB Type-Cポートに挟まれる格好でmicroSDカードスロットがあり、画像左端にイヤホンジャックもあります。なお、「2つのUSB Type-Cポートで同時に充電する」というのは私の環境では不可でした。

Teclast T60AI 右側面

右側面


右側面にはポート類やボタン類はありません。

Teclast T60AI 上面

上側面


上側面です。すみません、私の写真の撮り方がまずく、筐体が曲がっているように見えますが、実際にはフラットです。上側面には電源ボタンと音量ボタンがあります。

Teclast T60AI 下面

下側面


下側面です。両端にスピーカーがあります。スピーカーの音質は「並」です。「動画視聴なら不満なく使えるが、音楽鑑賞だと低音が弱く、全体的に薄っぺらい音質と感じられる」という感じです。まあ、普段使いであれば十分でしょう。

Teclast T60AI カメラバンプ

カメラ付近

カメラバンプは周囲がゴールドで個性的なデザインですが、張り出しも小さめですね。ただし、「出っ張っている」ことは間違いないので、傷つき防止のため、できれば専用ケースも一緒に購入しておきたいところです。せっかくキレイなチェリーレッドの筐体ですし。

なお、筐体の剛性感は高く、多少ねじったくらいでミシミシと音が出たりはしません。質感も高く、個人的には「さすがTeclastのTシリーズ」と感じました。

3.システムとAI機能

ホーム画面

Teclast T60AI ホーム画面

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ホーム画面とアプリ一覧画面です。T60AIはOSがAndroid 15と最新のものになっていますが、ホーム画面やプリインストールアプリについては「素のAndroid」という感じで、メーカー独自のアプリはほとんどありません。

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Antutuスコア

Teclast T60AI
Antutuベンチマークスコアは約32万点。2万円以下で購入ができる中国タブレットの多くが搭載しているUNISOC T606(Antutuスコア約25万点)と比較するとワンランク上の性能ですが、範疇としては「エントリーレベル」ではあります。ただ、Antutuスコアに大きな期待を寄せて購入するタブレットではないので、製品の価格帯も踏まえると「これで十分では?」と思いますね。

AI機能

Teclast T60AIの「目玉」のひとつがAI機能です。代表的なものをいくつか使ってみました。

Teclast T60AI ディスプレイ関連の設定項目

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ディスプレイ設定の画面です。真ん中の画像の下側に「AI画像強化」、右側の画像の下側に「AIビデオアップスケーリング」という項目があります。また、AIにこだわらずに言うと、右側の画像の中央に色温度調整の項目もあります。T60AIはディスプレイの調整項目が非常に多く、お好みに合わせた画質・発色にすることができます。

Teclast T60AI AIビデオアップスケーリング
これはAIビデオアップスケーリングの「デモ表示」です。この画像で、ギターを弾いている人(わかる人にはわかるかと)の体の上に白い線が見えますが、この白い線の右側がアップスケール後の映像、左側がアップスケール前の映像です。デモ中はこの白い線が左右をゆっくり往復するので、アップスケールの効果を体感できます。

静止画像だとイマイチわかっていただけないと思いますが、この機能は非常に効果的であると評価できます。明らかに映像が鮮やかでくっきりとします。

Teclast T60AI AI姿勢とテキスト抽出

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左側の画像が「AI姿勢認識」です。この機能をオンにすると「使用中に下を向いたり横を向いたりすると警告メッセージが出る」というのと「画面に触れずに手のひらを振ったり握ったりすると所定の操作ができる(エアジェスチャーといいます)」ということになっていますが、私が試した限り「全然ダメ」です。特にエアジェスチャーは全然言うことを聞いてくれなくて、何度も試しているうちに手が疲れてしまいました。あくまで私の感想ですが、この機能は「ないもの」と思っておくほうがいいでしょう。…今後機能改善して欲しいところではあります。

右側の画像が「AIテキスト抽出」機能です。この画像ではウインタブの記事からテキストを抽出しています。拡大して抽出結果を見ていただければわかると思いますが、「これも厳しい」ですね。他に免許証を撮影してみたりもしましたが、「さらにひどい」です。英文だと割とまともに抽出できましたが、日本語の場合は「もう何回かアップデートしないと使い物にならない」と評価します。

Teclast T60AI 自動文字起こしと字幕

画像出所:ANN news CH(クリックで拡大します)


自動文字起こしと字幕表示機能です。デフォルトでは英語が対象になっていますが、ベータ版として日本語にも対応しています。ただし、翻訳機能はありません。ニュース動画をいくつか視聴して文字起こしの精度を確認しましたが、結論として「英語はまずまず、日本語はまだちょっと厳しい」です。ニュース動画の場合は日本語でも漢字の誤変換に目をつぶればまあ許せる、と思いましたが、ドラマなど固有名詞が多く含まれているセリフだと誤変換が非常に多くなり、理解するのが難しくなります。このあたり、AIにもまだ難しいところがあるんだろうなあ、とは思います。例えばアニメ「キングダム」で「桓騎」という人名とか「趙」という国名を正しく変換しろ、というのは酷ですよね。文字起こし・字幕機能については「努力賞。でも実用性はまだ低い」と評価します。

4.外部映像出力とPCモード

Teclast T60AI 外部映像出力とPCモード
私、T60AIの実機レビューでこの部分を最も楽しみにしていました。「PCモードにして外部モニターに出力する」です。前回のP50AIのレビューでもこれを試したのですが、P50AIのディスプレイ解像度が1,280 × 800と低かったため、PCモニター(私が試したのは27インチのものです)に映像出力すると画面が粗く、文字が大きく表示されてしまい、快適には使えませんでした。

T60AIはP50AIよりもディスプレイ解像度が高く、2,000 × 1,200なので、手持ちのPCモニターの解像度(1,920 × 1,080、今回はMSIの27インチ湾曲モニターを使いました)と近いものになっています。このモニターに加え、BluetoothキーボードとBluetoothマウスも接続して使ってみました。

で、使ってみた感じ、「いい意味で普通に使えます。大きな画面に無理やり低解像の画面を出力している、という感じはありません。文字も視力の悪い私だと視認するのが厳しいくらいまで小さく表示できますし、表示を小さくしても画面がぼやけるような感じもありませんでした(このへんは私の感想で、人によっては異なる感想になるかもしれません)。ちょっと厳しいことを書くと、ディスプレイのアスペクト比がタブレットとモニターで異なるため、画像の両端に余白(黒い部分)が出てしまうのが残念といえば残念ですが…。。

ということで、「この記事のこの部分」はT60AIを使って書いています(PCモードにしてモニターに画面出力しています)。ブラウザーはChromeですが、PCモードにするとタブの表示などはPC用のChromeとほぼ同じで、設定メニューが少し簡略化されている程度なので、使っていて全く不自由はありません。IMEの切り替え(日本語入力と英語入力の切り替え)方法がWindowsとは異なるので、その点はちょっと戸惑っていますが、これはT60AIのせいではないですよね。マウスの右クリックも効きますし、ほんと、普通に記事を書けています。


アプリのウインドウ表示も可能で、ウインドウのサイズも手動で簡単に調整でき、この画像にあるようにウインドウを重ねて表示させることもできます。

Office代替アプリとしてWPS Offceもインストールしてみました。別記事でちょっと触れたんですが、現在私はMicrosoft 365の引っ越し先(解約して、別のアプリに変更するという意味です)を探していまして、WPS Officeもいいなあ、と思ってみたり…。WPS Officeの出来がいいか悪いかというのはT60AIの製品評価には直接関係しませんけど、使えるOffice代替アプリがあるかどうか、というのはAndroidタブレットのPCモードを使っていくうえで非常に重要かと思います。現在私はExcelでは簡単な表を作るくらいのことをしている程度なので、割と高度な関数なんかは試せていませんが、IFとかVLOOKUP、COUNTなどメジャーな関数や、WEEKDAYとかCOS(コサイン。私は使ったことないですけど…。コサインって何に使うんでしたっけ?)なんかもありましたので、事務仕事の集計表とか管理表くらいなら十分使えると思います。

結論として、T60AIはディスプレイ解像度が上がったことにより、P50AIとは比べ物にならないくらいPCモード及び外部映像出力が快適に使えるようになったと思います。

5.カメラ

Teclast T60AI カメラアプリ

クリックで拡大します


P50AIからの大きな改善点ですが、カメラアプリの表示が日本語化されました!とはいえ、調整項目は多くありませんね。アウトカメラの画素数は13MP/8MP/5MPの3段階、インカメラは5MP/2MPの2段階に調整できます。ズームは画面をピンチすることによって可能ですが、倍率は高くありません(数値で示されないのですが、おそらく最大でも2倍程度と思われます)。また、マクロ(1倍未満という意味で使っています)撮影には対応していません。

撮影した写真を何枚か掲載しておきます。すべて初期設定のままで画素数13MPで撮影しています。

Teclast T60AI 写真作例

Teclast T60AI 写真作例
西日がきつい午後で、撮影にはやや厳しい天候と時間帯でした。白飛びが目立っていますが、このサイズ、この価格帯のタブレットとしてはまずまずの画質だと思います(12インチタブレットでスナップ写真を撮影する機会はほとんどないはず、という前提で書いています)。

Teclast T60AI 写真作例
飯テロ画像もキレイに撮れる…んですが、シュクメルリ鍋がずいぶん画面の下寄りに写っていたり、眼鏡が写っていたりしますよね?このとき私は「自席で立ち上がってややバンザイ気味にタブレットを構えていた」んです。かなり目立っていたと思いますし、実際結構恥ずかしかったので、構図とかを気にする余裕がありませんでした。T60AIは図体が大きい上にマクロ撮影にも対応していないので、飲食店での飯テロ撮影には向きません…。

6.レビューまとめ

Teclast T60AIはAmazonで販売中で、1月31日現在の価格は19,900円です(製品ページのクーポンを使用した価格です)。

先日のTecalst P50AIのレビューでは「価格の割に意欲的なAI機能を搭載し、外部映像出力とPCモードが使える」点を高く評価しました。もちろんAI機能のいくつかはまだ実用性が低い(完成度が低い)ものでしたが、製品価格が安いこともあって「完成度の低い部分に目をつぶれるだけの面白さがある」と感じました。

今回のT60AI、AI機能については大筋でP50AIと変わらない評価ではありますが、ディスプレイ解像度が上がったことによりPCモード&外部映像出力の快適性が大きく向上したことは高く評価できます。また、筐体の質感も高いと感じられましたし、これまでのTeclast製品には見られなかったチェリーレッドの筐体色も個人的には歓迎したいです。

私の個人的な関心としては「AIよりもPCモード」なので、その意味ではT60AIはP50AIよりも「劇的に進化した」と感じました。

7.関連リンク

TECLAST T60AI タブレット:Amazon

執筆者:ウインタブ
2014年、低価格な8インチWindowsタブレットに触発されサイト開設。企業でユーザー側代表としてシステム開発や管理に携わっていました。「普通の人」の目線で難しい表現を使わず、様々なガジェットを誰にでもわかりやすく紹介・レビューします。
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