中国の総合電機メーカー「TCL」が日本市場向けにAndroidスマホ「PLEX」を発売します。「TCL」と聞いても「なにそれ?」って思いますよね。しかし中国のTCL集団というのは世界有数の大手メーカーでして、これまでもTCLブランドではないものの、「Alcatel」とか「BlackBerry」ブランドで日本向けにスマホを販売していました。このPLEXはTCL初の自社ブランド・スマホということになります。
1.スペック
OSはAndroid 9.0で独自UIの「TCL UI」を搭載しています。CPUはSnapdragon 675で、Antutu(Ver.7)のスコアがおよそ17万点くらいなので、ミッドハイクラスの性能と言えます。RAMは6GB、ストレージは128GBと、文句なしの水準です。
ディスプレイは6.53インチのFHD+解像度、パンチホール型のインカメラを採用し、前面はベゼルレスデザインとなっています。ちなみにTCLは「北米で1位の液晶テレビの販売台数を誇る」メーカーで、この製品のディスプレイも「色差△Eは1未満と業界随一」とのことです(カギカッコ内はTCLの正規代理店FOXのプレスリリースから引用)。
日本仕様はデュアルSIMを採用していて、FOXのプレスリリースには記載がありませんでしたが、グローバルサイトを確認したところ「SIM2はmicroSDカードと排他」になっていました。また、通信系では「Super Bluetooth」という機能があり、「最大で4台のスピーカーもしくは最大で4台のイヤホン接続が可能」です。
カメラも高性能です。インカメラは24MP、アウトカメラはトリプルレンズで48MP(ソニー製IMX582センサー)を筆頭に16MPの広角カメラ、そして暗所撮影用カメラを装備します。カメラはもちろんAI対応で、特に暗所撮影に強みを発揮するとのことです。
バッテリーは3,820 mAhで、QC(クイックチャージ)3.0に対応し、高速な充電が可能になっています。
2.筐体
前面はパンチホール型のカメラレンズが採用されていて、ほぼベゼルレスになっています。また、背面はトリプルレンズが目立ちますね。あんまり見ない配置だと思います。ここがデザインアクセントと言えるかもしれません。また、背面には指紋センサーも見えますが、ここはオーソドックスな位置だと思います。
筐体色は「オプシディアン・ブラック」と「オパール・ホワイト」の2色。どちらも「玉虫色」っていうんでしょうか、美しくて複雑な光沢になっています。
これ、おそらく左側面だと思いますが、「スマートキー」が装備されています。「単押し」「2回押し」「長押し」の3パターンそれぞれに任意の操作(アプリの起動やGoogle Assistantの起動など)を割り当てることができます。
3.価格など
TCL PLEXは12月24日から予約販売が開始され、正式発売日は12月28日となっています。価格は税込み29,800円で、TCLの正規代理店FOXのオンラインストアやビックカメラで購入が可能です。しかし、国内で正規販売されるSIMフリースマホとしては非常に割安な印象がありますね!この製品のセールスポイントであるディスプレイ品質やカメラ性能を考慮すると、中国の通販サイトで中華スマホを購入するより安いと言えるかもしれません。
それと、FOXのプレスリリースはウインタブ読者にぜひ読んでいただきたいと思えるくらいの傑作です。製品概要がわかりやすくまとめられているのはもちろんのこと、「国内でにわかに盛り上がっている中華端末業界に一石を投じる」などと、思わずニヤリとさせられる記述もありましたし、いまどき珍しい「読む人の身になった文章」だと思いました。
4.関連リンク
世界最高水準のディスプレイ製造技術を持つ中国大手家電メーカーTCLから圧倒的なコストパフォーマンスを誇るスマートフォン「PLEX」が国内でついに登場。:FOX プレスリリース
TCL Plex