こんにちは、オジルです。今回は先日紹介記事を掲載しているOUKITEL(オウキテル)のアウトドアスマホ、WP5の実機レビューをお届けします。
OUKITEL WP5 - 見るからに頑丈そうな5.5インチサイズのアウトドアスマホ。でも価格はとってもリーズナブルです
初めて触れるアウトドアスマホ。手にした瞬間、その厚さ、その重さから伝わる、圧倒的な存在感。低価格ながら非常に頑丈な造りで8,000mAhバッテリー搭載、アウトドアはもちろん緊急時用のサブ機として持っておいて損のない1台だと思います。今回レビューにあたり、Gearbestよりサンプル提供していただきました。この場を借りてお礼申し上げます。
1.スペック
OSはAndroid 9.0です。紹介記事で「あとでAndroid 10にアップデートするから」の言及がありましたが、やはり私としても鵜呑みにするというよりは「なったらいいな」程度にとどめておいた方が賢明かと思います。
CPUはHelio A22、こちらはエントリースペックのものですが処理が軽い作業であれば困るようなことはありません。ゲームについては、私としてはちょっと厳しいかなと感じました。
RAMの4GBは及第点、ストレージの32GBは若干物足りない気がしますけど、いざ足りないとなったら最大128GBのmicroSDによる拡張ができます。そもそもスペックや用途からすると、たくさんのデータを詰め込むようなシーンはあまり想像できませんが。
ディスプレイは5.5インチのHD+(1,440 × 720)です。最近ではFHD以上が当たり前のような風潮がありますけど、実機で見る限りでは粗さが目立つようなことはありませんでした。視野角についても特に気にはなりません。
ネットワークについては紹介記事同様の見解(製品紹介にはax規格対応という文言があるものの懐疑的)につき、ax記載は除外しています。というか、説明書にはWi-Fiに関する項目すらありません。実際に対応しているのなら売り文句になるはずなので、きっと「お察し」だと思います。利用シーンはアウトドアメインが想定されますし、さほど影響ないとは思いますが念のため。
カメラはトリプルレンズ採用です。なお、本体裏面での指紋認証のほか、顔認証にも対応しています。顔認証は試していませんが、指紋認証のスピードは早く快適でした。
最後に、8,000mAhという大容量バッテリーを備えているのが本製品の魅力のひとつと言えるのでしょうけど、それに伴ってサイズ・重量はかなりのものになっています。画像やスペックだけで見るとあまり現実味がないのですが、実物を手にすると想像以上に「ゴツイ・厚い・重い」です。サイズに関してはGearbest上では155×76×18mmと表記されていたものは微妙に大きかった(手採寸につき誤差あると思います)ですし、重量も285gとなっていましたが実際は10g重かったですね。こちらはご注意ください。
2.筐体
まずは同梱品から。本体の下にはSIMカードピンがあります。画像には写っていませんが、外箱とは別で日本のコンセントに変換するアダプタが付属していました。恐らくGearbestからのプレゼント品だと思われます。説明書には日本語の表記もあり、おかしな表現も見当たりませんでした。
正面から見たところです。言わずもがな、ゴツいですね。IP68 / MIL-STD-810Gはダテじゃありません。ディスプレイはノッチなし、左右のベゼルは意外とすっきりしています。
裏面です。トリプルレンズカメラの下の白いところはLED×4のライト、その下の円形部が指紋認証センサー、左下の斜め2本線がスピーカーです。LEDライトはかなり眩しく、近距離で見るとしばらく残像が消えないほど。キャンプなどアウトドアでは重宝しそうです。
ごめんなさい、ちょっとボケてしまいました。
右側面は電源キーと音量調節ボタンです。左側面は上のほうに頑丈なSIM/microSDトレイカバー、その下にあるボタンは機能を割り当てられるようになっています。割り当てられる機能は「LEDライト」「カメラ」「アウトドアツール」「SOS」です。アウトドアツールはプリインストールされているもので水平や方位、騒音などを測定出来るものがセットになっています。SOSは緊急時にSMSを送信できそうなことが英語で書いてありました。
底面部は中央に頑丈なType-Cカバー、右の小さい穴がマイクです。上部は何もありませんので画像の掲載は割愛します。
手持ちのTeclast F6 Plusと厚さを比較しました。ノートPC超えを実現ッ…!
3.使用感
システム
ほぼ素のAndroid 9です。プリインストールアプリも前述の「アウトドアツール」といったものしか入っていません。
ディスプレイ
FHDではないものの、知らなければすぐに気付かないレベルで、視野角も全く問題ありません。スマホ対応していないウェブサイトの小さい文字などの細かい描写で初めて気になってくるかな、程度ですので通常使用する際にはストレスを感じることはないと思います。
スピーカー
アウトドアスマホを使用すること自体が初めてということもあり、標準ラインがどうなのかよく分からず、漠然と「決して良くはない」というイメージがありました。実際のところ、特に音割れしたりこもったりということはなく、いい意味で「普通」のスピーカーだと思います。参考までに、音質とは別の話になってしまうのですが、防水のテストも兼ねてお風呂で使用した際、濡れたバスタブの縁にスピーカー部分を背にして置いたり、水中に沈めたりすると一切音が聞こえなくなるということはありました。水滴がスピーカー部分の穴を塞いでしまうとダメなようです。
カメラ
残念ながら私はカメラの性能にこだわりがありませんしド素人です。メインで使っている第1世代iPhone SEのカメラ(アウト12MP、イン1.2MP)で不満のない人間なので、その前提でいくと、撮った画像を見ても「べつに変わらない」印象でした。…比べてみたら微妙に違っていましたけどね。カメラ性能をウリにしている機種であれば頑張って色々チェックしますけど、本製品はそこに注力しているものではないはずなのでサッと撮る程度しかしていません。あらかじめご了承ください。
まず機能に関しては4つのモードを選択できるのと、ビューティーモード(目が大きくなる機能)がある程度のシンプルなもの。
AUTOモードで何枚か撮ってみました。
(注:湘南ですが徒歩圏内の地元であること、緊急事態宣言前、サングラスとマスク着用であることをお伝えしておきます)
次に、同じものを第1世代iPhone SEで撮ったものがこちら。
WP5は全体的に淡く、シャープネスが強いように感じます。比べてみてから思ったんですけど、個人的にはWP5のほうが味があって好きかも…。いずれにせよ、こだわらなければ文句が出るほどではないと私は感じました。気になったとすればピントがなかなか合わないことがあったので、状況によってはサッと撮影できずに困るかもしれません。
耐久テスト
いかにもタフそうなのが見かけ倒しであってはいけませんから、当然(?)どれくらいイケるのかはチェックするのが使命というもの。ですが壊してしまうほどの衝撃を与える勇気もなく、出来る範囲内でやってみましたので参考までに動画をご確認ください。
草や砂利のあるところでこすりつけ→砂まみれ→砂洗い流し→画面を下にして落下、という構成になっています(最後が一番緊張しました)。
結果としては、「これくらいならなんともない」です。ディスプレイ部分はキズひとつ付きませんでしたし、強いて挙げるなら「裏面のロゴ部分に小キズ」「スピーカー部分に入り込んだ砂はしっかり洗い流す必要あり」くらいですかね。保証はできませんけど、歩道橋の上から階段の下に向かって放り投げるくらい余裕だと思います。本体よりもむしろ、もし上からこんなのが降ってきて当たったとしたら…ゾッとします。
4.性能テスト
Antutu(v8)を使用してベンチマークテストを実施しました。
ASUS Rog Phone 2(Snapdragon 855+) : 487,784
Xiaomi Mi 9(Snapdragon 855): 414,693
Samsung Galaxy S10e SM-G9700(Snapdragon 855) : 410,899
Sony Xperia XZ2 Compact SO-02K(Snapdragon 845) : 289,484
Samsung Galaxy S8 SC-02J(Snapdragon 835) : 237,841
Huawei Mate 10 Pro(Kirin 970) : 210,485
Apple iPhone SE(Apple A9): 193,246
Blackview BV9800(Helio P70):188,265
Sumsung Galaxy A51(Samsung Exynos 9611) :184,566
UMIDIGI S3 Pro(Helio P70):179,103
CUBOT X20 Pro(Helio P60) :170,560
Smartisan U3 Pro(Snapdragon 660) : 167,968
Teclast M30(Helio X27) : 116,771
UMIDIGI Z2(Helio P23): 107,355
Ulefone Armor X5(Helio P23) :102,062
Xiaomi Redmi 6(Helio P22) : 83,181
CUBOT King Kong Mini(Helio A22) :74,165
KYOSERA Android One S4(Snapdragon 430): 68,802
スコアは75,720と、やはりエントリークラスなりの結果です。とはいってもブラウジングやSNS、Youtubeでの動画視聴など、日常的な操作でストレスを感じることはほぼないでしょう。一方、ゲームは3D描写がなくてもアニメーションが多いようなものはキツいと思います。参考になるか分かりませんが、私がいつもプレイしているパワサカ(パワプロのサッカー版)では、既にサクセス(2Dアニメーション)の画面送りで若干の処理落ち、試合(3D)に至っては表示モードを最軽量にしても常にスローモーション状態でプレイどころではありませんでした。ただ、パズドラはしばらくプレイしてみましたが思いのほか全く問題なく動きました。
5.まとめ
OUKITEL WP5はGearbestにて4月23日現在99.99ドル(10,949円)で発売中です。上位モデルのWP6は2万円台、スペックが落ちるとは言えバッテリーが10,000mAhから8,000mAhに減っても大容量かつ堅牢性は保って半額以下になるわけですから、手軽にアウトドアスマホを試してみたい方や、キャンプ用など目的を明確にしたサブ機としての運用であれば活躍してくれるのではないでしょうか。
私は海派ですから砂浜で遠慮なく使うのが楽しみで、あとはただ、夜明けを待つのみです。
6.関連リンク
OUKITEL WP5:Gearbest