京セラからスマートフォン「DuraForce EX」が発表されました。工場や建設現場など、ハードな環境での利用を想定したタフネススマホで、オープンマーケット版のほかドコモ、ソフトバンクでもキャリアモデルとして取り扱われます。
DuraForce EXは法人ユーザーを対象にした製品ではありますが、オープンマーケットモデル、キャリアモデルともに個人ユーザーも購入できます。
1.DuraForce EXスペック
スペック表
DuraForce EX | |
OS | Android 13 |
CPU | MediaTek Dimensity 700 |
RAM | 4GB |
ストレージ | 64GB |
ディスプレイ | 5.8インチ(1,560x 720) |
LTEバンド |
5G:n1/3/28/77/78/79 LTE:B1/3/8/18/19/28/39/41/42 |
SIM | nanoSIM + eSIM |
ネットワーク | 802.11a/b/g/n/ac、Bluetooth 5.3 |
入出力 | USB Type-C、MicroSDカード、3.5mmイヤホンジャック |
カメラ | イン8MP/アウト16MP |
バッテリー | 4,270 mAh |
サイズ | 163 x 77 x 14.8 mm |
重量 | 248 g |
コメント
OSはAndroid 13です。UIは素のAndroid(AOSP)に準じていて、法人向けモデルということでバーコード読み取りアプリがプリインストールされていますが、一般向けに販売されていたTORQUEシリーズにあったOutdoor Portal(アウトドア情報をカード形式でまとめることが出来るアプリ)はありません。OSアップデートはオープンマーケット版、キャリア版ともに2年間、セキュリティアップデートは3年間提供されます。
CPUはDimensity 700です。国内でも2万円台で販売されている端末によく採用されていたCPUで、Dimensityシリーズの中ではエントリークラスの製品ですが、AnTuTu Benchmark v9でのスコアは約33万点(出所:Nanoreview)程度なので、工場などの環境で利用する用途では十分な性能です。RAMは4GB、内蔵ストレージは64GBで、MicroSDカードによるストレージ拡張もサポートします。
ディスプレイは5.8インチサイズで、解像度はHD+(1,520 × 720)です。パネルはIPS液晶を採用します。エントリークラスではよく見られるスペックで、動画コンテンツを鑑賞する際にやや物足りなさを感じることがあるかもしれませんが、極端に画質が粗いというわけではないので、WEBブラウジングや、法人向けアプリの利用では特に気になることはありません。強化ガラスはAGCの「DragonTrail STAR2」です。
カメラはイン8MP、アウト16MPです。作業現場で必要な写真を撮影するといった使い方だと超広角レンズやマクロレンズは使うケースが少ないと思われ、必要十分なスペックですが、超広角やマクロ、望遠レンズが備わっておらず、TORQUEにある「クイックSNS」や「水中モード」といった機能もおそらく備わっていないと思われるので、個人ユーザーが購入する場合は物足りなさを感じるかもしれません。
対応通信バンドはオープンマーケットモデル、ドコモ、ソフトバンク向けモデルともに共通です。
法人向けモデルですが、おサイフケータイも備わっているのでモバイルPASMO/SUICA/ICOCAといった交通系電子マネーも利用できます。
ネットワーク環境が完全に使用出来ない環境でもラジオを受信できるFMラジオ機能も備わっているので災害時も活躍出来そうです。
バッテリー容量は4,270 mAhです。容易に交換できるようになっていて、電源が入った状態でもバッテリーを交換できるウォームスワップ機能もあります。
近年販売されているスマホはバッテリーが脱着できず、長時間の利用により劣化した場合原則有償修理に出す必要があるので、簡単に交換できる仕様になっているのは魅力的に感じられました。
2.DuraForce EX 筐体
筐体画像です。タフネススマホらしく側面は樹脂製のバンパーで覆われており、落下時の衝撃を軽減する設計です。MIL-STD-810Hに準拠しているだけでなく、京セラ独自の「泡ハンドソープ洗浄」「高温保管」「硬球落下」などの過酷なテストを実施しているので、堅牢性に不安はありません。筐体色はブラックのみ用意されています。
3.DuraForce EX 価格など
DuraForce EXは2024年1月下旬以降に発売され、キャリアでは前述の通りドコモ、ソフトバンクが取り扱います。法人向けの端末ですがドコモ、ソフトバンク向けモデルは個人ユーザーでも購入可能です。販売価格はこの記事を執筆している2023年8月5日の時点では未定です。
残念ながら京セラは2023年5月をもって「DIGNO」「らくらくスマートフォン」といった個人向け端末事業から撤退してしまいましたが、au向けに販売されていた「TORQUE」ブランドは今後も継続することが決まっていて、DuraForce EXの発表と同時にTORQUEシリーズの新型モデルも投入されることが発表されています。DuraForceも高いタフネス性能は備えていますが、どちらかと言えば法人ユーザーを対象にした製品なので、より高性能なタフネススマホがほしいのであればTORQUEシリーズ新モデルの発表を待ってもいいかもしれません。
タフネススマホはウインタブでもよく取り上げているBlackview、DOOGEEといった中国メーカー製品やCATブランドの製品を除くと日本国内ではパナソニックが法人向けに販売している「TOUGHPAD」シリーズと京セラの「TORQUE」「DuraForce」シリーズしか選択肢がないので、一般ユーザーでも購入出来る新製品が登場したのはうれしいところです。京セラのタフネススマホはハードな環境でもガンガン使える堅牢性の高さが魅力の一つなので、国内メーカーのタフネススマホがほしい方は要注目です。
4.関連リンク
DuraForce EX:京セラ