中国のスマートウォッチメーカーKospetがAndroid OS搭載のスマートウォッチ「Prime 2」を発売します。つい先日「Zeblaze THOR 6」という、新世代のOS搭載スマートウォッチをご紹介しましたが、このPrime 2も新世代、というか新しいバージョンのOSとパワーアップしたCPUを搭載しています。OS搭載スマートウォッチに関しては基本部分がメーカー間で共通になっているらしく(この辺の事情は不明です)、一社のシステム構成がリニューアルされると他社もほとんどタイムラグなしに追随する格好になることが多いです。
ただ、このPrime 2は基本的なシステム構成はZeblaze THOR 6と共通ですが、ディテールはかなり大きく異なります。個人的にはこの製品のほうが「よりスマホに近づいた」という気がしています。
1.スペック
Kospet Prime 2 | |
OS | Android 10 |
CPU | MediaTek Helio P22 |
RAM | 4GB |
ストレージ | 64GB |
ディスプレイ | 2.1インチIPS(480 × 480) |
LTEバンド | B1/2/3/5/7/8/12/17/20 |
SIM | Nano SIM |
ネットワーク | 802.11 a/b/g/n、Bluetooth 5.0 |
入出力 | POGO Pin |
カメラ | 13MP(回転式) |
バッテリー | 1,600 mAh |
サイズ | 73.75 × 63.75 × 17.4 mm |
重量 | 120 g |
OSはAndroid 10、CPUはHelio P22、そしてRAM4GB、ストレージ64GBと、ここまではZeblaze THOR 6と全く同じです。Android OS搭載スマートウォッチは長らく「Android 7.1/MediaTek MT6739/RAM3GB/ストレージ32GB」というのが「上限スペック」でしたが、ここに来て一気に新しく、そしてパワーアップしました。
このスペックでも普通のAndroidスマホとしては「エントリークラス」ではあるのですが、この製品中身はスマホでも筐体は「腕時計」ですからね。ディスプレイサイズが極小で操作性に性能面のボトルネックがあることを踏まえれば、十分すぎる構成だと思います。
ディスプレイはZeblazeとは異なります。サイズがなんと2.1インチ。Zeblaze THOR 6は1.6インチですし、他のOS搭載スマートウォッチでも2インチ越えのものはほとんどありません。また解像度も480 × 480と、Zeblaze THOR 6の400 × 400よりも高解像です。
ただ、このくらいの解像度だとGoogle Playからアプリをインストールしても動かないものは少なくないと思います。400 × 400が480 × 480になったとしても、その傾向は大きくは変わらないでしょう。ただし、ディスプレイサイズが大きくなったことにより、操作性(タッチ操作)は改善されていると思います。
その代償がこれです。ご覧のように、腕時計としてはかなりのビッグサイズになってしまいました。一応、Zeblaze THOR 6とサイズを比較してみます。
Kospet Prime 2: 73.75 × 63.75 × 17.4 mm / 120 g
Zeblaze THOR 6: 54 × 51 × 17.8 mm / 74 g
このように、(手首に装着することを踏まえると)ふたまわりくらい大きくなっています。もちろんこの結果として操作性が改善してくれるのなら文句はないですが、実際どうなんでしょうかね。
あと、カメラがすごいです。画像はこの下に掲載しますが、13MPのカメラが1つだけ、「回転式」になっています。ここ最近のOS搭載スマートウォッチは前面にビデオチャット用のカメラ、側面(腕時計で言うリューズのあたり)に通常のカメラと、2つのカメラを搭載するのが主流ですが、画素数は5MPとかせいぜい8MPくらいで、実際の画質も「かなり悪い」です(過去に何台か実機レビューしていますが、まともな画質のものはありませんでした)。
Prime 2のカメラは13MPで、しかもソニー製のセンサーを採用していますので、これまでのOS搭載スマートウォッチの画質から大きくレベルアップしていることが期待されます。まあ、これも実際に試してみないとなんとも言えませんけどね…。
あと、バッテリーですが、表示上1,600 mAhとかなりの大容量になっています。Zeblaze THOR 6は830 mAhなので、ざっくり倍、ということになりますが、おそらく「低い電圧の数値」と思われます。正確にはわかりませんが、Prime 2は3.8Vで、TOR 6は7.6Vで計算していると思われますので、実質的には「同じくらい」だと思います。
2.筐体
正面から見たところです。みなさんご存知かと思いますが、この画像の文字盤は「画像」です。本当に針があるわけではありません。ほとんどの(特に中華の)スマートウォッチはこのように文字盤を画像で表示し、「スキン」を自由に変更することができます。Kospetは以前からOS搭載スマートウォッチを手掛けていますので、「スキン」の種類も豊富です。
それと、この画像、サイズがわからないので「割と普通」に見えますね。スポーツウォッチっぽい雰囲気もあまり出ていません。また、前面カメラも、位置的にはOS搭載スマートウォッチでよく見られる感じですが、ここがちょっと普通と違ってます。
この画像もKospet Prime 2です。「あれ、カメラ(のレンズ)は?」って思いますよね。この製品のカメラは90度回転します。ひとつ上の画像がカメラを前面に向けた状態(ビデオチャットなどに使います)、こちらの画像はカメラを収納、もしくは側面に向けた状態(スナップ写真などに使います)です。
この構造のため、他のOS搭載スマートウォッチのように、リューズ部分のカメラはありません。
横から見たところです。ボタン2つ、というのはよくありますが、中央にSIMスロットがあります。これはこれで別に悪くないんですけど、ちょっと変わってるなあ、と思います。
背面です。こちらにはセンサーがついてますね。OS搭載スマートウォッチは「スマホ」でもありますが、一般的なスマートウォッチと同様に、お使いのスマホとアプリを通じて連携し、各種健康管理機能を使うこともできます。
なお、この製品は「Waterproof:Not Support」と明記されていますので、防水仕様ではありません。小雨くらいなら大丈夫かと思いますが、水濡れには少し気を使いそうです。
3.価格など
Kospet Prime 2は中国の通販サイト「Banggood」に製品ページがあり、10月24日現在「In Stock Alert」というステイタスになっていて、まだ販売がスタートしていません。しかし(Banggooにしては珍しく)10月26日に発売され、50個限定で179.99ドル(約19,200円)で購入可能となることが予告されています。ちなみに24日現在の参考価格は199.99ドル(21,300円)です。
いやあ、楽しくなってきましたねー。Zeblaze THOR 6でOS搭載スマートウォッチのスペックが一新されたことに驚き、このKospet Prime 2ではさらにカメラ性能の大幅な向上にも驚きました。また大型化したディスプレイの操作感も知りたいところ。ぜひ手にとって試してみたくなります。
4.関連リンク
Kospet Prime 2:Banggood
コメント
時計としては丸型なのだろうけど入力が必要なスマートウォッチは四角型が使いやすい。
バッテリーのところ、Thor6は7.6V換算?意味が解らないです。Thor6は2セルで3.8V換算だと倍になるって情報でも有るのでしょうか。このサイズの小さいバッテリーで複数セルってことはないのでは、と思います。
Prime2はコレだけサイズ違うんですからバッテリーが倍くらいあっても不思議ではないのでは?