こんにちは、輪他です。今回は、HUAWEIの5GスマートフォンMate 30 Pro 5Gの実機レビューです。既にウインタブでもいくつかのHUAWEIのスマートフォンの実機レビューを掲載していますが、今回ご紹介する、Mate 30 Pro 5Gはヴィーガンレザーの採用や、進化したLeicaカメラの搭載など、ガジェットが好きな人ならワクワクするような機種となっていると感じています。
個人的にも発売時の報道や、梅田ヨドバシの広告(今はP40 Proになっていますが)を見てかなり気になっていた端末でしたので、実機レビューの機会を頂けて喜んでおります(笑)。なお、今回レビューしている機体はHUAWEIからお借りしたものです。
1.スペック
HUAWEI Mate 30 Pro 5G | |
OS | Android 10 (EMUI 10.0) |
CPU | HiSilicon Kirin 990 5G |
RAM | 8GB |
ストレージ | 256GB |
ディスプレイ | 6.53インチOLEDホライゾンディスプレイ (2,400×1,176) |
LTEバンド | 5G : N1/3/28/38/41/77/78/79 4G : B1/2/3/4/5/6/7/8/9/12/ 17/18/19/20/26/28/32 |
SIM | Nano SIM×2 |
ネットワーク | 802.11a/b/g/n/ac Bluetooth 5.1 |
入出力 | USB Type-C、画面内指紋認証 HUAWEI NMカードリーダー |
カメラ | イン32MP+深度/アウト40MP+40MP+8MP+深度 |
バッテリー | 4,500mAh (40W/27Wワイヤレス) |
サイズ | 158.1×73.1×9.5mm |
重量 | 198g |
RAMは8GB、ストレージは256GBです。2020年のハイエンドとしては標準的なスペックではありますが、まぁこれだけ積んでて足りないってことはないと思います。ただ、Micro SDに対応しておらず、HUAWEI独自のメモリーカードのNMカードにのみ対応となっています。せっかくのハイエンド機ですし、メーカーとしてもスペックの低いメモリーカードを挿入されて、動作が遅くなるのを避けたいからこその独自規格の採用だとは思うのですが、NMカード自体が同等スペックのMicro SDカードと比較して、若干割高なんですよね…
CPUはHuaweiの子会社であるHisiliconのKirin 990 5Gを搭載しています。自分も使用するまで勘違いしていたのですが、現行の最新ハイエンド機種である、P40 Proと同じCPUを搭載してるんですね。Mate 30 ProとP40 Proの名前から世代が違うものなんだと思っていましたが、スペック的には同等のようです。
2.筐体
国内で販売されているMate 30 Proはオレンジ色のヴィーガンレザー(合皮)を背面に採用したモデルのみとなっています。広告を見ていた時期から使用感が気になっていたのですが、これ、想像以上に良いです。本物の皮を固めたような感触で手に馴染むうえ、HUAWEIの他機種などに採用されているガラス筐体に比べて、外観的にも普段の生活にフィットする印象を持てます。
そのヴィーガンレザーの背面の中には、本機の最大の特徴ともいえる、巨大なカメラユニットが搭載されています。4眼構成となっており、それぞれ40MPの広角レンズ、同じく40MPの超広角レンズ、8MPの望遠レンズ、Depth(深度)レンズです。画素数だけを見ると2020年のスマートフォンのトレンドから若干見劣りする数字になってはいますが、実際はかなりの実力を持ったカメラになっています。
前面は「OLEDホライゾンディスプレイ」となっています。いわゆるエッジディスプレイなのですが、左右が88度と、ほぼ垂直になるまで湾曲しています。他機種に搭載されているエッジディスプレイよりも大きく湾曲しており、側面のおおよそ半分以上まで表示領域となっています。エッジも見えないですし、普通にこれまでのスマートフォンを持つようにこの機種を持つと、表示領域の部分をつかむ形になるので、ディスプレイではなく、拡張された現実なのではないかと思うほどの没入感があります。エッジ部分もタッチできる領域となっていますが、エッジに指が触れていても、スクロールなどの操作が可能になるようにうまくチューニングされているので、誤動作の心配もありません。
側面の半分以上がガラスに覆われているので、側面のボタンは電源ボタン以外排除されています。そのため、通常の電源ボタン+音量Downボタン同時押しでのスクリーンショットは使用することができません。ですが、代替機能として、通知パネルからのスクリーンショットのほかに、指関節でのダブルタップでのスクリーンショットが可能となっています。
画面上部にはちょっと大きめのノッチが搭載されています。こちらには32MPのインカメラと深度レンズを搭載しており、iPhone Xなどと同様に3Dでの顔認証が使用できるようになっています。2Dでの顔認証と比較して、写真などでのロック解除も防げるのでよりセキュリティ性能の高いものとなります。
画面下部には画面内指紋認証も搭載されています。HUAWEIらしく精度の高いセンサーを搭載していまして、一瞬触れるだけでロックを解除できます。顔認証との併用もできますので、どんな状況でもすぐにロック解除できます。
Always On Display にも対応しています。
上面にはノイズキャンセリング用のマイク、赤外線センサーが搭載されています。黒塗りで隠してある部分にはimeiが表記されているシールが貼られていました。
底面にはSIM/NMカードスロット、USB Type-C、スピーカーが配置されています。この機種は、画面占有度を優先させたためか、上下のステレオスピーカーは搭載しておらず、底面のスピーカーのみとなります。
一応IPX8/IP6X等級の完全防水/防塵には対応していますが、ヴィーガンレザーの耐久性が未知数ですので、積極的に濡らすような使い方はしないほうが得策かもしれません。
3.使用感
処理性能
Antutuスコアでは通常モードですと、48万点を記録しました。一世代前のQualcommのハイエンドCPUである、Snapdragon 855よりも高いスコアを記録するほどのスペックですのでかなり快適に動作すると考えられます。
電池の設定から、最大限の性能を発揮するパフォーマンスモードを有効にすると、50万点を超える記録が算出されました。
参考:
nubia RedMagic 5G(Snapdragon 865): 610,070
nubia RedMagic 3S(Snapfragon 855+): 497,776
ASUS Rog Phone 2(Snapdragon 855+) : 487,784
Xiaomi Mi9(Snapdragon 855): 414,693
Samsung Galaxy S10e SM-G9700(Snapdragon 855) : 410,899
Sony Xperia XZ2 Compact SO-02K(Snapdragon 845) : 289,484
Samsung Galaxy S8 SC-02J(Snapdragon 835) : 237,841
Huawei Mate 10 Pro(Kirin 970) : 210,485
Apple iPhone SE(Apple A9): 193,246
Blackview BV9800(Helio P70):188,265
Sumsung Galaxy A51(Samsung Exynos 9611) :184,566
UMIDIGI S3 Pro(Helio P70):179,103
CUBOT X20 Pro(Helio P60) :170,560
Smartisan U3 Pro(Snapdragon 660) : 167,968
Teclast M30(Helio X27) : 116,771
UMIDIGI Z2(Helio P23): 107,355
Ulefone Armor X5(Helio P23) :102,062
Rakuten Mini(Snapdragon 439):94,364
Xiaomi Redmi 6(Helio P22) : 83,181
OUKITEL WP5(Helio A22):75,720
CUBOT King Kong Mini(Helio A22) :74,165
KYOSERA Android One S4(Snapdragon 430): 68,802
カメラ
HUAWEIのハイエンドスマホといえばLeicaが監修するカメラが特徴として注目されますが、本機のカメラ性能も凄まじいものになっています。
個人的な理由で梅田に行く機会がありましたので、何枚か撮影してきました。
マスク着用の上、3密状態にならないよう留意するなど、感染対策を講じながら検証を行いました。
とりあえず何も設定せずにそのまま昼に撮影した写真です。
どちらもノイズが少なく、肉眼に近い色合いで撮影できている印象です。
夜景の作例です。
1枚目が通常モード、2枚目が夜景モードで撮影された写真です。通常モードでもかなり明るく撮影できているのがわかると思います。通常のカメラのセンサーはRGB(Red/Green/Blue)の三色を基準に色を認識する、RGGB配列を採用していますが、P30に引き続き、この機種はGreenをより光透過率の高いYellowに置き換えたRYYBセンサーを採用しているので明るい写真が撮影できるとしています。
昼に同じ場所で撮影した画像です。
3倍の光学ズームと5倍のハイブリットズーム、30倍のデジタルズームに対応しています。上記の写真は最大までズームした場合の写真です。
広角カメラで撮るとここまで広く撮影できます。
料理はこんな感じ。サイゼリヤのマルゲリータピザです。特に設定せずとも、料理だと認識して撮影してくれました。
深度レンズを使用して、背景をボケさせた写真を撮影することができます。上の写真では前のカップラーメンにピントを合わせていますが、撮影後に別の場所にピントを合わせなおすことも可能です。
カメラの画質とは直接的には関係ないのですが、上記の写真のようにLeicaとHUAWEIの名前が入ったウォーターマークを撮影した画像に自動でつけることができます。あったほうがいいですよねこれ…あるのとないのとでは全然満足感違いますからね…せっかくカメラに自信のある端末を使っているのですから、誰かにアピールするわけでなくてもその証明が欲しいとは思ってしまいます。
インカメラにはiPhoneのアニ文字のような機能も搭載しています。
4.ソフトウェア
既に他機種の実機レビューなどでも紹介させていただきました通り、この機種もGMS(Google Mobile Service)を搭載しておらず、HUAWEI独自のHMS(HUAWEI Mobile Service)を搭載しています。基本的にはHUAWEI公式のAppGalleryやAmazonのアプリストアなどを使ってアプリケーションを追加するといった方法をとることになるとは思います。ただ、この手法だと、HUAWEIのAppGalleryに参加していないサービスで、Amazonのサービスと競合しているSpotifyやネットフリックスなどのアプリケーションが使用できなかったりするなど、どうしても不便ではあります。
HUAWEIもそれは認識しているのか、Petal検索というアプリケーションがHUAWEI公式より提供されました。このアプリ、基本的にはニュースを紹介したり、検索したワードについてAppGalleryへの誘導を行うアプリなのですが、一部のAppGalleryにないアプリについてはapk pureなどのいわゆる野良アプリを提供しているサイトに誘導してきます。apkのデータを入れればそのまま動くアプリと、Google Play開発者サービス必須のアプリなどどうしても動かないアプリは一応どちらもありますが、とりあえずPetal検索にて誘導されたapkpureのページでネットフリックスやSpotifyをインストールしてみたところ、問題なく動作しました。
ただ、apkpureにapkの形式でアプリのデータをアップロードしているのは、アプリの開発者ではない第三者の可能性がかなり大きいことから、セキュリティ上の問題や知的財産の問題に接触しかねないことを考えると手放しでは勧められません。
HUAWEIとしても「サードパーティーのコンテンツはお客様自身の責任と判断でご利用ください」と表記しているように、かなりグレーの色が濃いグレーゾーンなアプリと認識しているようです。
apkpureからインストールしたアプリもPetal検索から更新できるようになっています。
5.まとめ
本機はPayPayモールや楽天市場にて141,680円で販売されています。
購入特典として、27Wでワイヤレス充電できる、SUPER WIRELESS CHARGER CP61が付属するほか、
- 2年間の保証
- 6か月間の画面破損サポート
- 初年度2回のフィルム無料貼付
- 初期設定
などのサービスを受けることができます。
GMS未搭載などの問題もありますが、カメラや筐体のクオリティは高く、ガジェットとして素晴らしいものになっているという印象でした。GMSがないことにより、これ一台で全てをこなすのは難しいと感じる方もいると思いますが、その場合、カメラなどのために2台目として使用することも視野に入るでしょう。
6.関連リンク
HUAWEI Mate 30 Pro 5G : 公式
HUAWEI Mate 30 Pro 5G : 楽天市場
HUAWEI Mate 30 Pro 5G : PayPayモール
コメント
結局ハイスペックなスマホで何がしたいかって、まずゲームなわけで、そのゲームがインストールできない時点で…。 インストールできるアプリは2.3万円の格安端末でも困らない(スペックが求められない)程度のものばかりで、カメラがすごいといっても14万円もすればそりゃそうでしょ、ってなってしまいますよね。
ファーウェイのハイエンドを3代続けて使って、制裁が出そうなあたりでOnePlusに乗り換えたのですが、そのOnePlus(OPPO)やXiaomiもファーウェイ同様の制裁を受けそうな情勢で、このままアメリカに許してもらえないようなら中華スマホも終わりかもしれませんね。
中途半端なAndroidやめてARM版のWindowsでも入れた方がいいんじゃないの?